魔物とあらゆる異人族になれるファンタジー世界にようこそ!

yukami

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十五話 遠足は帰るまで気をつけましょう

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最後に同じくらいの魔物達に挨拶に来ました。念話が使えるのが当たり前のせいで、ずっとお話ししてます。

『ここ天国か』
『最初はビビったがここで着実に戦闘技術学べるじゃん』
『あー、飯うまー俺一生ここに住む~』

……明らかにプレイヤー居ますよね。
魔物同士の会話ができているのはいいです。羨ましいです。私の救済処置はまだでしょうか…?


「フィー…」
発言を聞いて色々呆れていたらジェットさんが何か勘違いしたようで、距離を置いてお座り状態になりました。

『ふむ、今日はここから見学だけにするか。昼時だからどっちか果物食べるといい』

果物!
んーどっちにしましょう。
ナーシにしましょっ。
亜空間から取り出して、ジェットさんの隣でかじりつきます。さっぱり美味しいです
シャリシャリ

んむ?どこからか視線が集まってるような…

『…おい、アレかわいいんだけど。』
『なんていう種だ?』
『NPCのジェットが一緒ってことは、噂のリーフィか!』
『ランキング載ってたということはプレイヤー…』
『しかしかわいい』

興味津々な他プレイヤー達ですね。
でも私は今交流も図れない詰みプレイヤー…やり方なんて教えてもらえたらどんなにいいか。他の魔物でも教え合えていたら問題になってないのにっ。

『……あっちは興味津々だな』
「フィー…」
会話できれば交流してたかもしれないですけど、出来ないからなぁ。

『食べ終わったら念話が使えない事と挨拶だけ軽くしておこうな。』

言っちゃうんですね。わかりました。観念しましょ。

食べる速度が激減したのですが待ってくれるジェットさん。

『よし、行くぞ。』
終わっちゃった…。

あちらは来るぞと楽しそうに身構えています。私全然楽しくないです。

さて、どうなるんでしょ?

『集まれ、新入りども。お前達と同じくらいのやつが来た。だが、不幸が重なり、このリーフィは念話が使えない。会話ができないからっていじめたらただじゃおかねえからな。仲良くしろよ。そんでこいつはかなり臆病だ。人に酷い目を合わされたらしい。臆病な反応をからかうなよ?』

ざわっと念話が使えないという情報を聞いて魔物プレイヤーは驚愕の顔、NPC魔物はよくわからないような様子だ。

『ほら、一応挨拶しておけ』
「フィー…フィ!」
ジェットさんの後ろから頑張って出て、お辞儀を一回してすぐに戻ります。
反応が怖すぎてもう背中から出られません。

『あー…今日は無理そうだな…まあ、また何度か通うから慣れるまではよろしくな。』

『念話が出来ないっていうのは本当ー何ですか?』
『…嗚呼、親や兄弟が…生まれる前に狩られたんだ。こいつは親の存在も優しさも知らない。』

おや?急にもふもふな尻尾に包まれます。
天国ですか?密かな夢が叶った瞬間なのです。ふわふわぁ…

『あー…』
『そりゃ詰んだわ…』
『初手詰んでる…でも、救済処置はあるだろうから、念話も覚えられるだろ。多分…』
『中身がおっさん出ないかだけは聞きたい。』
『『それな…』』

『でも意思疎通ってどうやってるんですか?』
『丸かバツで答えられるような質問を投げかければ答えてくれるぞ。』
『おお!』

夢のひと時を味わっていると
少しだけでもお話を…とひょっこりのぞいてきた小型の魔物さんと目が合います。

「フィ?」
『少し質問があるそうだぞ。答えてやれそうか?』
「フィ」
丸を作ります。

『じゃ、君は女の子?』
「フィ!」
丸を作ります。

『おぉ。んじゃ次俺…20代後半?』
「フィー?」
なんでそんなこと聞くんだと不思議そうにしながら、バツで答える。
『え!じゃ!10代以下?』
それは流石に若すぎやしませんか。それにこれ年齢制限あるでしょ。
もちろんばバツです。

『そりゃないだろ。年齢制限考えろ。この世界にロリショタを望むな。…ということで20代前半?』
まあそうなりますよね。
丸ですね。

なぜ女性に歳を聞くんですか。やめなさい。

『ギルドは入ってますかっ』
ギルド?

魔物なのにギルドはあるのですか?
分からずハテナを作ります。
『おー!入ってない&知らない反応!』
『まだ知れ渡ってないが魔物もギルド作れるんですよ。』
『そしてここにいるメンバーはある1つのギルドを作って入っているのですがっ!いかがでしょう!』
『これには即答えを求めてないが考えておいてくれ。』
『メニューのギルド欄を確認してくれたら名前もすぐわかるよ!』

あのボタンは使わないものだと思ってましたが、まあ掲示板チェックもまだだし、穴倉に帰ったら2つをチェックしましょうっ。
ジェットさんとの帰り道。
『なんか、大丈夫そうだな。明日も行くか?』
「フィー!」

私は魔法とか戦闘とか教えて貰いたいです!

あんな感じで。とツルの先をむける。
その方向からは炎がこちらに向かってきていた。

『リーフィ!』
「フィ?」
へ?

私くさタイプでした!!
水の適性はないから……土!!

咄嗟に土の壁を作ります!!
ジェットさんが前に立ちふさがってくれる前に、土をありったけ積み上げます。壁をイメージします。

「フィー!」
『!』

なんとか火を防ぐことに成功。
驚いたので、力が抜け尻餅つきます。

び、びっくりしたぁ!!!!


『…………あんのクソガキども!!』
誰がやった事なのかわかったような反応し、激怒。怪我がないかと私に確認してきます。

「フィー…」
大丈夫だけどびっくりして力はいりません…
それに微妙に緊張疲れもあったのか眠いです。

『怪我はないが動けないのだな。疲れも出たか。一度中庭に戻ろうな。背中には乗れるか?』
怖かったこともあり、ツルにも力が入らないのかふらふらですがなんとか、ジェットさんの背中にぽすんと落ちるように乗ります。

『…ゆっくり行くからツルは無理に引っ掛けるな。眠ってていいぞ。中庭に着いたら起こすから。』
「フィ…」

返事をする前に疲労がピークとなった体は気絶するように眠りにつきます。
直前に見えたのはプレイヤーにのみ見える電子版。
そこに書かれていたのは強制スリープ…一体何のこと??
理解する前に暗闇の世界に誘われてしまいました。
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