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第二話
⑥
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「博士!これは一体?」
「警備員には別のルームの廊下へ行って彼女を射殺しろと命令してが、彼女の力を試した結果……こうなってしまった」
「警備員を使って彼女を試したのですか……!今日だけで警備員三人が失われるなんて大きな損失ですよ、もし攻めてこられたら……」
「ここの場所は知られることも無いし、特定も出来ない。あのアタッシュケースの中身さえ知られることなければなぁ……」
「それで犯人はわかったのですか?盗んだ犯人は?」
「それが……今、確認に行かせているが報告は無い。あのケースを手にしたところで頑丈な鍵は壊せない。私の指紋や顔認証がなければ中身を見ることは絶対に出来ない」
「万が一、突入されたら?」
「大丈夫だ、私達の存在は一部の庁の奴等によって隠されているからな心配要らないよ」
「そうだと……いいのですがねぇ……」
「……しかし、事態は一刻を争う。もしものことに備えて我々の貴重で残っている大事な資料を整理をしよう」
「万が一のためですか?私はいつでも脱出出来ますから」
「そうかい……もし脱出した時は確か丁が我々を保護してくれてまた研究ができるはずだ」
「そうですか……博士」
「どうした?さっきから元気無いぞ」
「実は私、朝からどうも腹の調子が悪いのです」
「それはそれは、気をつけてください。最近はよく冷えますから」
「どうも、ありがとうございます。部屋に戻りますね……」
「御大事にらっしゃい、温かいものをとるよう」
助手はそう言いながらモニタールームを出て、真っ先にトイレへと向かう。
「ええ、私です。はい、はい、えーと時刻は……がいいと思います、はい、はい分かってますよ。後ほどデータ送ります。え!?何です?こんな時に……ええ今やっている最中です。収容は五名です!他の奴も居たんですが皆、失敗作ばかりで、とても興味深い奴も二名居ります。では後程、宜しく……」
トイレにて何処の誰かすらわからない相手との電話が続いた。二人と言うのは多分主人公と彼女のことだろう。
「こんにちは皆さん。午後からの授業は先生達の都合で無しと成ります。フリータイムとして生活してくださいね」
全校生徒を前に博士は話をする。児童の中には特別室に入っている彼ら彼女らの姿はなく、周りを探す生徒も居なかった。
「あ、そうそう。いつかの非常事態のために部屋に戻ったらすぐに荷物の整理をしてください。いつなんどきに事態はやって来るかもしれません。部屋に戻ったらすぐです。分かりましたね」
話は長いと思うが聞いている人達は良く耳を震わしている。
「そーいえば、何で僕とペアになったんだい?他の人の方がスペックとかデータ良いじゃないか」
「私も好きで貴方とペアになった気は無いよ、ただ……」
「まぁいい、博士とか研究員全然来ないけど何処か行ったのか?」
「そんな心配事要らないよ、ただ待てばいいさ」
「退屈な空間だな、よりによって君と二人きり」
「し、知らないってば!博士に聞きなさいよ、」
「ところで君は「オオカミ」なの?
そう……見えないけど」
「狼?そんなことされたけど私には関係無いわ、でも狼としての感覚、慣性、予知、分かるよ。 人間と獣みたいな感じ」
「僕は君が人間でいてほしいよ」
「そうね、私も普通のヒトに……」
「試しに予知とか能力使ってみたら?」
「試しに予知使ってみようかな、何予知して欲しい?」
「そうだね……俺の人生とかわかる範囲でお願い。脱獄するんだ」
「いい夢ね、それじゃあやってみるね」
主人公の前に立ちはだかり、頭を近付け目を瞑る
「近いぞ、近い近い……」
「うーん、どれどれ……!?」
未来を見た彼女は言葉を失った。このままでは暗い道へ進むだけだと知った。その事を話そうとしたが喉に詰まり、出なかった。
「どうだった?良い未来だったかな?」
「……未来になっても私……」
「急にどうした?忘れることなんて無いよ、友だろうがよ!」
「そんな未来の予知したの?お茶でも飲んでリラックスして」
「ええ、ありがとう。でもね脱獄はしなくても何者かが助けてくれるから安心してね」
「ここから出られるのか?やったぞー!!」
「でもね、地上へ出たとしても皆とはお別れ。元の親へ帰っていくわ」
「親?俺にそんな存在が?」
「貴方と私は居ないみたい、現状は変わらない。毎日研究される日々、ずっと二人なの…」
「それこそ、宿命?運命?自分の道なのか?」
「どうだろう、きっと何か起こるはずよ」
「未来、どんな世界なんだろう。気になるな」
「そうね、戦争なんてない。皆が自由に平和に暮らすための場所……」
夢に描きながらも二人の距離は近付いていく、そんな現場にはカメラも無く、彼女のデータ採取も受信されなかった。
「警備員には別のルームの廊下へ行って彼女を射殺しろと命令してが、彼女の力を試した結果……こうなってしまった」
「警備員を使って彼女を試したのですか……!今日だけで警備員三人が失われるなんて大きな損失ですよ、もし攻めてこられたら……」
「ここの場所は知られることも無いし、特定も出来ない。あのアタッシュケースの中身さえ知られることなければなぁ……」
「それで犯人はわかったのですか?盗んだ犯人は?」
「それが……今、確認に行かせているが報告は無い。あのケースを手にしたところで頑丈な鍵は壊せない。私の指紋や顔認証がなければ中身を見ることは絶対に出来ない」
「万が一、突入されたら?」
「大丈夫だ、私達の存在は一部の庁の奴等によって隠されているからな心配要らないよ」
「そうだと……いいのですがねぇ……」
「……しかし、事態は一刻を争う。もしものことに備えて我々の貴重で残っている大事な資料を整理をしよう」
「万が一のためですか?私はいつでも脱出出来ますから」
「そうかい……もし脱出した時は確か丁が我々を保護してくれてまた研究ができるはずだ」
「そうですか……博士」
「どうした?さっきから元気無いぞ」
「実は私、朝からどうも腹の調子が悪いのです」
「それはそれは、気をつけてください。最近はよく冷えますから」
「どうも、ありがとうございます。部屋に戻りますね……」
「御大事にらっしゃい、温かいものをとるよう」
助手はそう言いながらモニタールームを出て、真っ先にトイレへと向かう。
「ええ、私です。はい、はい、えーと時刻は……がいいと思います、はい、はい分かってますよ。後ほどデータ送ります。え!?何です?こんな時に……ええ今やっている最中です。収容は五名です!他の奴も居たんですが皆、失敗作ばかりで、とても興味深い奴も二名居ります。では後程、宜しく……」
トイレにて何処の誰かすらわからない相手との電話が続いた。二人と言うのは多分主人公と彼女のことだろう。
「こんにちは皆さん。午後からの授業は先生達の都合で無しと成ります。フリータイムとして生活してくださいね」
全校生徒を前に博士は話をする。児童の中には特別室に入っている彼ら彼女らの姿はなく、周りを探す生徒も居なかった。
「あ、そうそう。いつかの非常事態のために部屋に戻ったらすぐに荷物の整理をしてください。いつなんどきに事態はやって来るかもしれません。部屋に戻ったらすぐです。分かりましたね」
話は長いと思うが聞いている人達は良く耳を震わしている。
「そーいえば、何で僕とペアになったんだい?他の人の方がスペックとかデータ良いじゃないか」
「私も好きで貴方とペアになった気は無いよ、ただ……」
「まぁいい、博士とか研究員全然来ないけど何処か行ったのか?」
「そんな心配事要らないよ、ただ待てばいいさ」
「退屈な空間だな、よりによって君と二人きり」
「し、知らないってば!博士に聞きなさいよ、」
「ところで君は「オオカミ」なの?
そう……見えないけど」
「狼?そんなことされたけど私には関係無いわ、でも狼としての感覚、慣性、予知、分かるよ。 人間と獣みたいな感じ」
「僕は君が人間でいてほしいよ」
「そうね、私も普通のヒトに……」
「試しに予知とか能力使ってみたら?」
「試しに予知使ってみようかな、何予知して欲しい?」
「そうだね……俺の人生とかわかる範囲でお願い。脱獄するんだ」
「いい夢ね、それじゃあやってみるね」
主人公の前に立ちはだかり、頭を近付け目を瞑る
「近いぞ、近い近い……」
「うーん、どれどれ……!?」
未来を見た彼女は言葉を失った。このままでは暗い道へ進むだけだと知った。その事を話そうとしたが喉に詰まり、出なかった。
「どうだった?良い未来だったかな?」
「……未来になっても私……」
「急にどうした?忘れることなんて無いよ、友だろうがよ!」
「そんな未来の予知したの?お茶でも飲んでリラックスして」
「ええ、ありがとう。でもね脱獄はしなくても何者かが助けてくれるから安心してね」
「ここから出られるのか?やったぞー!!」
「でもね、地上へ出たとしても皆とはお別れ。元の親へ帰っていくわ」
「親?俺にそんな存在が?」
「貴方と私は居ないみたい、現状は変わらない。毎日研究される日々、ずっと二人なの…」
「それこそ、宿命?運命?自分の道なのか?」
「どうだろう、きっと何か起こるはずよ」
「未来、どんな世界なんだろう。気になるな」
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夢に描きながらも二人の距離は近付いていく、そんな現場にはカメラも無く、彼女のデータ採取も受信されなかった。
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