THEY

RIVER Oikawa

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第五話

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主人公は廊下の道端に立ち、考える。ピン!と彼女のおおよその場所が分かり、目の前には彼女が通った跡の狼煙のようなモノが見えた。それを辿りながら駆けつける。野性の勘ってやつかもしれない。

「だから…彼とはお付き合いはしてないです」 

「付き合えばいいのに…運命じゃないの…」

「そんな仲じゃないし、友達と思ってます!」

「また…そんなこと言って…」

「彼女 !!こんなとこに居たのか!」

主人公は部屋へ飛び出してきた。しかし、そこは数人の女性警察官と彼女が居る部屋だった。余りにも静かさと気まずさに主人公は後退りして、出て行こうどした時。

「し、失礼しました……」

「待ちな!貴方この子の事どう思ってるんだい」

「え !?彼女の事?」

「そうだよ、何か言ってあげて」

「友達として良い友だよ。あの施設に入ってから手軽に話し掛けてくれるし、優しい人かな?」

彼女はその場に立ち崩れ、顔を隠す。

「どうしたんですか?彼女は?」

「良いのよ、大丈夫、平気よ。さあ早く部屋出ていって!」

「失礼しました……」

主人公はそっと扉を閉め、廊下を歩く。

「だ、大丈夫?」

彼女は横に首を振る。

「彼、結構カッコいいよね」

「そうね、カッコよかった」

「貴方、あんな人すぐにとられちゃうわよ」

またしても首を振る。

「そんな惚れちゃったのね……」

「そんな彼に振り向いて貰う為に考えましょう。」

 主人公は担当の人に何処に行ったのか聞かれ、何も言えなかった。

「全く……とある人が貴方を呼んでいましたよ」

「とある人って?」

「確か…ここに来るまでの運転していた人だった気がします」

「あの人が!?」

「先程の駐輪場で待つと言ってました。」

「分かった。今向かうよ」

「貴方一人では行けません。私も駐輪場まで着いて行きます。」

「そうなのか、ありがとう」

地下駐車場へ向かう。待っていたのはバイクのヘルメットを被った運転手だった。

「運転手さん?これは?」

「これから服屋さんに向かいます。私の後ろに乗ってください」

「バイク!?」

「そうですね、だいぶ古い物です。もう手放そうと考えてます……」

「そんな、バイクの事は良く分からないけどこれは凄いバイクだと思うよ、それなのに手放すの」

「じゃあ、貴方が引き取ってくれますか?」

「引き取りたいけど……乗れないから」

「乗れるのはあと約三年後ですね、そこまで待ってますよ」

「良いの?」

「ええ、勿論。ここで会えたのも運命ですし、このバイクも喜ぶと思いますよ」

「ありがとう!」

「では、ヘルメットをして下さい。」

「どこへ向かうの?」

「貴方様を見ますと、私はジャケットや革ジャンが良いと思います」

「それじゃあ、バイクとかの服ってこと?」

「そうゆうことです。動きやすいし衝撃や傷みにくい、傷がつきません」

「それじゃあ、そこへ向かおう!」

「分かりました。しっかりと捕まってください」

バイクのスタンドを倒し、アクセルを回した。

「ゲホッゲホッ!あの人のバイクは良く煙で噎せるなぁ」

地下駐車場を出て、都内の公道を走る。自分の後ろから煙がか熱い水蒸気が出るのを感じた。

「大丈夫ですか?」

「何とか!」

「これが夜の東京です。綺麗ですね」 

「そうですね、冬だから夕方でも真っ暗なのか」

「車とかのライトの光、都市の明かりやビルの光がとても良いです……」

「おぉー!!」

 主人公は初めて見る世界に興奮した。夜の街は輝いている……

「人混みは凄いものですね……」

「東京って凄いだろう、全国各地から目掛けてやって来るんだ」

「凄い!何と言えば良いか分からないけどね」

赤信号での停まる時、周りを一周見て無限の可能性を見た。

「あのビルとか建物凄いですね!」

「そんな建物はまだまだですよ、やはり貴方は私と同じみたいですね」

「同じ?どうゆうこと?」

「私のように景色や都会の風景が好きってことです」

「なるほど……」

「目的地までまだまだです。飛ばしますよ!」

一方彼女は、担当の人と先程の警部と一緒に服屋を探しに電車で移動した。

「楽しみね……」

「何でお前みたいな担当が居るんだよ」

「この子の担当なんですよ。服買うには貴方には無理です」

「……分かった。この子の分だけ買ってやる」

「やったね!」

「うん、付き添ってくれてありがとう」

「どういたしまして、彼に振り向いてくれるために頑張ろう」

「…うん、そうね…」(何かの予感がする……)

警部さんは電車の吊り革に揺らされ、彼女と担当の人は席に座っている。

「あの助手という男、何者なんだ…」

電車の外から警部の吊り革を持つ姿が見え、すぐに通り過ぎた。

「はい、私です。GPSの動きを察知した?移動しているというのですか?それでは今、向かって眠らせて搬送しましょう。……ええ分かってます。ところで場所は何処ですか…?」

PCを起動させて位置情報を知る。

「無謀な事だ、お前等の場所は分かっている」
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