日本育ちの異世界人、里帰りする

若葉 なる

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多種族都市 ヘイムダル

火薬と受け皿

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「えっ、いや、ちょ、えぇ~……?」

もんのすごい渋い顔で言葉に出来ない状態なのはアルさん。
まぁ、うん、そうよなぁ…、俺だってそうなる。ただ当事者だけにお顔だけは平然としておく。龍希さんは偉いのです、オサなので……いやオサじゃねぇわ。

「…この剣、膨大な魔力を纏ってるようですね。刀身が見えませんが…どういう風な刀身をしているのか気になりますね…、見せてもらえませんか?」
『おいやめろ』

アルさんとシンクロしたけど、これ確か刀身見せる為に纏ってる魔力ぶっ飛ばさなきゃならんのじゃなかったっけか? そんな武器に異世界の人間が『膨大』っていうレベルで纏われてる魔力がここで解放される?

建物大丈夫ですかね?

「とりあえず武器庫に片付けて! というかなんでそんな地球の二次創作の産物がこっちで出てくるのかなぁ…?」
「トリガー的にはアルさんがエクスカリバーとか言ったのが原因だと思うんだけど。それまでビックリするぐらい無反応だったのに、おっしゃ出番や任せんかーいと言わんばかりにピカッと光ったからな」

武器庫かーブロードソードとかシミターとかキラーピアスとかあんのかなーって思っててもなんっにも反応しやがらなかったのになぁ…伝説の剣の名前が出たらこのザマですよ。これ以外トリガー要素がどこにあったのか。
てかこれがトリガーなら後が怖えぇなぁ真面目に。…いやだって、誰かがぽっと何か口走ったら武器庫さんウッキウキで暴走しやがりますよ間違いなく。とはいえ正常に生きてきた男子なら誰もが一度は憧れるんだよなぁ、実在した武器とか想像上の武器とか…



「…いやちょっと待て。既にヤバさの一端が垣間見えてるのに、これ熟練度でもっと扱える武器増える…?」



よし使用禁止。熟練度? そんな子は知りませんね、えぇ。認知しません。

何が武器庫だ火薬庫じゃねぇかオラァン!!

「俺はこの有り余るらしい魔力を炎とか雷とか氷に変えて素手で戦うわ、うん。喰らいやがれぇ!とか言って敵燃やすわ俺」
「…何をアホな事をと思ったけど、やれない事は無いというか想像上の武器使うよりは数倍現実的なのがなんとも言えないのが困るよね」
「風の魔力を腕に纏わせて解放しつつパンチで敵をぶっ飛ばしてみせる。あと紫電腕しでんかいなしたい」

…なーんて武器庫の存在から現実逃避してマンガの話をしてたのがいけなかったんだろうと思うんだぁ…



――スキル『無限の可能性』が発動しました――

「は?」

――特殊エピックスキル『古武術の継承者』『風纏う童子』『紫電の刀狩』を習得しました――

「は?」



こっちもやっべぇ、ってかこっちの方がやっべぇ☆



これ俺がそういうの使いてぇって思ったのを拾ったんか? だとすると無限の可能性さんの懐広過ぎやしませんかね?
おぉ…もう…俺火薬庫と惑星規模の受け皿とかいうとんでもねぇものしか持ってねぇじゃねぇか…!



「ねぇお母さんお姉ちゃん、お兄ちゃんはなんであんなマンガとかアニメでよく見る『頭抱えて床を転げまわる』なんてやってるの…?」
「多分またなんかとんでもない事やらかしちゃったんじゃない? 一歩も動いてないけど」
「あらあら~、お洋服が埃まみれになっちゃうからやめてほしいわぁ。お洗濯も大変なのよぉ?」



わりぃ、やっぱつれぇわ。
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