愛と禁欲のサーガ・腐食の魔法[第一部・人間界都市編]本格的異世界LOVEバトル・ファンタジー

田丸哲二

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第四章・人間界での戦い

ハロウィンに紛れて

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 古城の如く枯れたユグドラシルの木の迷路を通り抜け、ウルズの泉から異世界へ到着した戦士チームはお台場の夜の海に浮かび上がり、ゆっくりと泳いで岸へ向かう。

 背景にレインボーブリッジのイルミネーションが輝き、対岸に高層ビル群と東京タワー、自由の女神のパノラマが広がる人間界の都市へ盾と剣を持った異界の戦士が現れた。

 静かな波を掻き分けて歩き、不似合いな集団が砂浜に立って茫然と夜空を見上げて周囲を眺める。

「話には聞いていたが、妙な世界だな」

「ああ、人間は星を消し、欲望と堕落の都市を築いた」

 ジェンダ王子とエリアンが驚嘆した声を上げ、デート中の若者が注目したが特に騒ぎ立てる事もない。

 トーマもアヒルの被り物を取って文句を言い、裸のアルダリはリュックからズボンを出して穿いている。

「海も臭かったし、最悪な旅だったな」

「いや、田舎の海や森は綺麗なんだぜ」

「ふーん、ここがソングが生まれた世界か?」

 チーネも初めて見る人間界の濁った空と空気を吸い、鼻を摘んで聳え立つ高層ビル群を眺めた。

「これから買い物に行くが、武器は目立たないように仕舞っておけよ。まっ、コスプレだと思っとるからバレないとは思うがな」

 アルダリは人間界がハロウィンの日に着くように旅の日程を決めていたのである。

 お台場海浜公園から戦士チームが通りを歩き、「ダイバーシティ東京 プラザ」に入り、エレベーターに乗って五階で降り、ユニクロの店内で堂々と服を選んで試着した。

 店員と他の客が時折振り返って二度見したが、ハロウィンだから変な外国人客がいると思われ買い物は順調に進む。

「ソング、なんか楽しいね」
「チーネ、目立たない服にしろよ」

 チーネは下着になって、カラフルでスポーティーな服に着替えてソングに見せびらかして笑っている。

「戦闘服は無いのか?」とエリアンが文句を言い、試着室を戦士チームが占領したが、アリダリが店員にアドバイスさせて、何とか購入服が決まり精算しに行く。

「アルダリ。金貨は使えないぞ」
「心配ない。コレがあるわ」

 アリダリはソングの母親から預かったクレジットカードをリュックから出し、衣服からバッグまで大量に買い込み、全員にその場で着替えさせて人間界へ溶け込ませた。

 自分はサングラスをして赤いジャケットとチノパンを着込み、脱いだ服と剣と弓はスポーツバッグに入れさせる。

 エリアンはビッグサイズの黒いパーカーにスウェットパンツ。ジェンダ王子は白いシャツにデニムのジャケットとジーンズ。トーマは黄色いフリースにカラージーンズ。

 ソングはブルーのプルパーカーにジョガーパンツを穿き、チーネはワイヤレスブラとレギンスを着てピンクのパーカーとミニスカートを重ね着している。

 盾はバッグに入らないので、背中に装着して戦士チームがユニクロから颯爽と出て来た。
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