31 / 84
第五章・学園長の変貌
七人のゴースト職人
しおりを挟む
工房にはDIYの工具と部品が棚に山積みになり、メインスペースには異次元プリンターがあって、藤堂司の過去シーンを病院の窓ガラスに映写し、割れたガラス片が四角い箱の中に散らばっている。
七人の少女は作業を中断して寝室のベッドに倒れ込んだMOMOEの様子を見に集まり、濡れた服を脱いで毛布にくるまって眠るMOMOEの寝顔を眺めてから、工房のテーブル席に着いて休憩した。
「もっとパワーアップしないとダメね」
リーダー的存在であるクルミがゴーグルと帽子を取って、コップにお茶を注ぐとユカとミチが、アキ、ナホ、ポエム、カンナへと回し、それぞれがお菓子や果物を皿に盛って摘み始めた。
フクロウのペンはテーブル中央のペン立てに腰掛け、ゴースト職人の話し合いを聞いている。
「このままだと司祭がエネルギーを蓄えて、こっちの世界へ魔王を呼ぶわよ」
「レンくんの助けが必要ね」
「想像力があるのは認める」
「うん、ユニークな少年。アイデア、借りてるし」
「でも、まだゴーストの電波を受信できるだけだよ」
「フクロウのペンは使えない」
「パワーが足りね~」
「クルミ。なんかいい方法ないの?」
「やっぱ恋の力でしょ。初体験させて、エネルギーアップさせようぜ」
クルミがチョコを口に放り込んで微笑むと、他の少女たちも楽しそうにお菓子を食べて、寝室の方をチラッと横目で見て微笑み、「まさか……」とフクロウのペンが白い翼をバタつかせて狼狽えている。
少女たちは若くして病気や事故で死ぬと、ドワーフの小人の棲む森で修行をしてタフなゴースト職人となり、魔王と戦うMOMOEに協力して人間界に住む東野連とのコンタクトに成功した。
『レン……』
ベッドの上でMOMOEが寝返りを打ち、スポーツブラの左下にある手術痕と両脇の電気ショックの痣が見えた。
MOMOEは心臓の病いで大学病院の難病研究センターに入院し、四歳年上の藤堂司と知り合い友だちになったが、司の目の病は悪化して精神も病み疎遠になってしまった。
『希望の光りは消えないよね?』
四歳年上の藤堂司は目の手術の前日に百恵の笑顔は忘れないと誓ったが、視覚を取り戻す事なく、両眼から血を流して痛みに苦しみながら死んでしまった。
霊感の強かった百恵はその日から悪夢を見るようになり、司が鬱で病室にこもって描いた残虐な絵を医師に見せてもらい、魔王が支配する暗黒の世界に堕ちたと思った。
そして心臓が止まって死の世界を浮遊した時に、暗黒の世界で魔王に使える司祭を見て藤堂司だと確信した。
『司くん!』
暗い地下の書庫で蝋燭を灯し、本棚から暗黒の書物を取り出してデスクの上で開いた司祭がふと顔を上げ、童顔の少年がダーク司祭の険悪な顔付きに変貌したと唖然とする。
百恵は電気ショックで蘇生され病院のベッドから起き上がるが、友だちが闇に堕ちて魔王の司祭になった事が悲しく、頭を抱えて天を仰いだ。
MOMOEはその時の事を夢の中で断片的に思い出し、ダーク司祭と戦うのは避けられないが闇から救い出す方法はないのかと悩む。
『レン、どうしたらいいの?』
工房ではゴースト職人が休憩を終えて仕事に取り掛かり、百恵が入院していた頃の映像を真空管デッキ、オープンリール、フィルム機材などでアナログ編集して、異次元プリンターで東野連に送信し、『恋ね~』とフクロウのペンがテーブルのペン立てに寄り掛かって不安そうに呟く。
七人の少女は作業を中断して寝室のベッドに倒れ込んだMOMOEの様子を見に集まり、濡れた服を脱いで毛布にくるまって眠るMOMOEの寝顔を眺めてから、工房のテーブル席に着いて休憩した。
「もっとパワーアップしないとダメね」
リーダー的存在であるクルミがゴーグルと帽子を取って、コップにお茶を注ぐとユカとミチが、アキ、ナホ、ポエム、カンナへと回し、それぞれがお菓子や果物を皿に盛って摘み始めた。
フクロウのペンはテーブル中央のペン立てに腰掛け、ゴースト職人の話し合いを聞いている。
「このままだと司祭がエネルギーを蓄えて、こっちの世界へ魔王を呼ぶわよ」
「レンくんの助けが必要ね」
「想像力があるのは認める」
「うん、ユニークな少年。アイデア、借りてるし」
「でも、まだゴーストの電波を受信できるだけだよ」
「フクロウのペンは使えない」
「パワーが足りね~」
「クルミ。なんかいい方法ないの?」
「やっぱ恋の力でしょ。初体験させて、エネルギーアップさせようぜ」
クルミがチョコを口に放り込んで微笑むと、他の少女たちも楽しそうにお菓子を食べて、寝室の方をチラッと横目で見て微笑み、「まさか……」とフクロウのペンが白い翼をバタつかせて狼狽えている。
少女たちは若くして病気や事故で死ぬと、ドワーフの小人の棲む森で修行をしてタフなゴースト職人となり、魔王と戦うMOMOEに協力して人間界に住む東野連とのコンタクトに成功した。
『レン……』
ベッドの上でMOMOEが寝返りを打ち、スポーツブラの左下にある手術痕と両脇の電気ショックの痣が見えた。
MOMOEは心臓の病いで大学病院の難病研究センターに入院し、四歳年上の藤堂司と知り合い友だちになったが、司の目の病は悪化して精神も病み疎遠になってしまった。
『希望の光りは消えないよね?』
四歳年上の藤堂司は目の手術の前日に百恵の笑顔は忘れないと誓ったが、視覚を取り戻す事なく、両眼から血を流して痛みに苦しみながら死んでしまった。
霊感の強かった百恵はその日から悪夢を見るようになり、司が鬱で病室にこもって描いた残虐な絵を医師に見せてもらい、魔王が支配する暗黒の世界に堕ちたと思った。
そして心臓が止まって死の世界を浮遊した時に、暗黒の世界で魔王に使える司祭を見て藤堂司だと確信した。
『司くん!』
暗い地下の書庫で蝋燭を灯し、本棚から暗黒の書物を取り出してデスクの上で開いた司祭がふと顔を上げ、童顔の少年がダーク司祭の険悪な顔付きに変貌したと唖然とする。
百恵は電気ショックで蘇生され病院のベッドから起き上がるが、友だちが闇に堕ちて魔王の司祭になった事が悲しく、頭を抱えて天を仰いだ。
MOMOEはその時の事を夢の中で断片的に思い出し、ダーク司祭と戦うのは避けられないが闇から救い出す方法はないのかと悩む。
『レン、どうしたらいいの?』
工房ではゴースト職人が休憩を終えて仕事に取り掛かり、百恵が入院していた頃の映像を真空管デッキ、オープンリール、フィルム機材などでアナログ編集して、異次元プリンターで東野連に送信し、『恋ね~』とフクロウのペンがテーブルのペン立てに寄り掛かって不安そうに呟く。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる