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第九章・ダーク司祭との戦い
図書館での攻防
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ダーク司祭は江国に田代の事を任せると、死体安置所で霊エネルギーを補充し、MOMOEが仲間と手引書を消すのを感じ取って、一冊残っているこの図書館に現れるのを待ち受けた。
「遅かったですね。これをお探しですか?」
テーブルの上に置いた手引書を手に取り、端の本棚の上でまん丸の目を向けるフクロウのペンに見せつける。
階段側の出入り口からすぐにMOMOEが現れ、フロアの階段を上がって来た連と文子と合流し、MOMOEは司祭に歩み寄って5メートル程の位置で止まり、両サイドに連と文子が並び立つ。
「あんたが司祭?意外と普通ですね」
「イケメン……」
連は夢の中で病院で少年が闇に堕ちて司祭になった事は知っていたが、実際に対面するのは初めてで、想像より眼鏡をした好青年に見え、文子に至っては長髪で青い瞳の外人モデルかと思った。
そして久美子と順也、少し遅れて景子と松田も階段を駆け上がり連と文子の後ろから恐る恐る司祭を覗き見た。
「みなさん、霊力がアップして私が見えているようだ」
「そっちこそ暗黒のエネルギーで回復した?」
「ええ、死体安置上で死者の魂を吸い込み、完全体になりました」
痩せこけた頬もあばらの肉も復元され、長身のロングヘアーでメイクをした若者に変貌したが、司祭の返答を聞いて女性陣から嗚咽が漏れる。
「でも、魔王を呼ぶのは失敗した?その手引書を返しなさい。もうこれ以上、洗脳者は増やさせません」
MOMOEがそう言うと、魔文字バスター・チームがカラークリップと消しゴムを構えて左右に広がり、フクロウのペンは本棚から飛び立ちMOMOEの肩にとまった。
「モモ、危険だ。司祭はアイテムを使えないのを知っている」
「えっ、どういうコト?」
MOMOEに囁いた言葉であるが連が聞き耳を立てて反応し、魔文字バスター・チームもカラークリップをカチカチさせ、消しゴムを手で擦ってエネルギーが放射してないと慌てた。
「大学病院でお前の仲間を捕らえたのを忘れたか?」
司祭は椅子に腰掛けたまま祭服の中から『禁断の書』を取り出し、テーブルの上で開いてこっちに向け、少年と少女が暗い牢獄の中に座り込み、明かりが差して顔を上げるページを見せた。
二人とも痩せ細って憔悴しているのが一目で分かり、MOMOEは悔しさで唇を噛み締めて司祭・藤堂司を睨んだ。
「病院で苦難を共にした友だちでしよ?」
「ですから、生かしておいたんです。お陰様で、ゴーストの仲間がこの図書館の隠れ家にいる事を教えてもらった」
司祭は手引書をテーブルの端まで滑らせ、『禁断の書』を閉じて微笑み、MOMOEの返答を待つ。
「交換しませんか?手引書とフクロウのペン。それと捕虜の二人とMOMOE。どちらも悪い取引ではないと思いますよ」
「ダメだ。手引書の代金、それと人質の身代金を全額僕が支払います」
「レン、もしかして賞金?」
連の申し出に文子が唖然とし、久美子と順也も口を挟む。
「三百万?」
「連くん太っ腹だけど、賞は保留のはず」
「松田さ~ん。レンが変なこと言ってる」
司祭の姿も声も聴こえない松田は訳も分からず名前を呼ばれ、景子が苦笑いして説明する。
「賞の賞金でダーク司祭に交渉しているのですが、無理かと思われます」
司祭は連のパフォーマンスにも動じず、冷静な顔付きで首を傾げて連を足元から眺めて値踏みした。
「そいつが連というふざけた少年だな?悪いが君には興味がない。MOMOEが好意を持っているのが不思議だよ」
「あっ、ジェラートだ?」
「ジェラシーに訂正します」
司祭は連と文子のやり取りにうんざりして、祭服を開いて黒い蛾を空中に飛ばし、『禁断の書』を懐に仕舞ってMOMOEの仲間を攻撃させた。
「早く決めないと、犠牲者が増えます。私は力付くで全滅させる事も可能だ。霊力があるとはいえ、所詮は人間に過ぎない」
「遅かったですね。これをお探しですか?」
テーブルの上に置いた手引書を手に取り、端の本棚の上でまん丸の目を向けるフクロウのペンに見せつける。
階段側の出入り口からすぐにMOMOEが現れ、フロアの階段を上がって来た連と文子と合流し、MOMOEは司祭に歩み寄って5メートル程の位置で止まり、両サイドに連と文子が並び立つ。
「あんたが司祭?意外と普通ですね」
「イケメン……」
連は夢の中で病院で少年が闇に堕ちて司祭になった事は知っていたが、実際に対面するのは初めてで、想像より眼鏡をした好青年に見え、文子に至っては長髪で青い瞳の外人モデルかと思った。
そして久美子と順也、少し遅れて景子と松田も階段を駆け上がり連と文子の後ろから恐る恐る司祭を覗き見た。
「みなさん、霊力がアップして私が見えているようだ」
「そっちこそ暗黒のエネルギーで回復した?」
「ええ、死体安置上で死者の魂を吸い込み、完全体になりました」
痩せこけた頬もあばらの肉も復元され、長身のロングヘアーでメイクをした若者に変貌したが、司祭の返答を聞いて女性陣から嗚咽が漏れる。
「でも、魔王を呼ぶのは失敗した?その手引書を返しなさい。もうこれ以上、洗脳者は増やさせません」
MOMOEがそう言うと、魔文字バスター・チームがカラークリップと消しゴムを構えて左右に広がり、フクロウのペンは本棚から飛び立ちMOMOEの肩にとまった。
「モモ、危険だ。司祭はアイテムを使えないのを知っている」
「えっ、どういうコト?」
MOMOEに囁いた言葉であるが連が聞き耳を立てて反応し、魔文字バスター・チームもカラークリップをカチカチさせ、消しゴムを手で擦ってエネルギーが放射してないと慌てた。
「大学病院でお前の仲間を捕らえたのを忘れたか?」
司祭は椅子に腰掛けたまま祭服の中から『禁断の書』を取り出し、テーブルの上で開いてこっちに向け、少年と少女が暗い牢獄の中に座り込み、明かりが差して顔を上げるページを見せた。
二人とも痩せ細って憔悴しているのが一目で分かり、MOMOEは悔しさで唇を噛み締めて司祭・藤堂司を睨んだ。
「病院で苦難を共にした友だちでしよ?」
「ですから、生かしておいたんです。お陰様で、ゴーストの仲間がこの図書館の隠れ家にいる事を教えてもらった」
司祭は手引書をテーブルの端まで滑らせ、『禁断の書』を閉じて微笑み、MOMOEの返答を待つ。
「交換しませんか?手引書とフクロウのペン。それと捕虜の二人とMOMOE。どちらも悪い取引ではないと思いますよ」
「ダメだ。手引書の代金、それと人質の身代金を全額僕が支払います」
「レン、もしかして賞金?」
連の申し出に文子が唖然とし、久美子と順也も口を挟む。
「三百万?」
「連くん太っ腹だけど、賞は保留のはず」
「松田さ~ん。レンが変なこと言ってる」
司祭の姿も声も聴こえない松田は訳も分からず名前を呼ばれ、景子が苦笑いして説明する。
「賞の賞金でダーク司祭に交渉しているのですが、無理かと思われます」
司祭は連のパフォーマンスにも動じず、冷静な顔付きで首を傾げて連を足元から眺めて値踏みした。
「そいつが連というふざけた少年だな?悪いが君には興味がない。MOMOEが好意を持っているのが不思議だよ」
「あっ、ジェラートだ?」
「ジェラシーに訂正します」
司祭は連と文子のやり取りにうんざりして、祭服を開いて黒い蛾を空中に飛ばし、『禁断の書』を懐に仕舞ってMOMOEの仲間を攻撃させた。
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