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最終章・MOMOEとの別れ
ブラックホールの扉
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「ヤバっ」
ダーク司祭は梟を投げ捨てて魔剣を振り下ろし、MOMOEが連を助け起こして避けたが、四人のゴーストと一緒に壁際に追い込まれた。
「想い出など切り刻んで葬ってやる」
狂ったように魔剣を振り回し、梟が翼を切られて羽が宙を舞い、四人のゴーストの剣と盾は破壊され、MOMOEと連も傷を負ったが、魔文字と黒い蛾の幕を破ったゴースト隊がステージになだれ込んで司祭を押さえ付けた。
「諦めろ。この世界に魔王は不要だ」
ゴーグルをしたゴーストの指示で背後から腕や足を掴み、日本と外国のゴーストが協力して司祭に覆い被さったが、ゴーストの重力など一瞬で弾き飛ばし、連とMOMOEと四人のゴーストの前に司祭が立ちはだかる。
「暗黒の力を見縊るな……」
「司祭、私たちを消すという事は藤堂司の魂を消すってことだよ」
MOMOEが一歩踏み出すと、四人のゴーストも隣りに並んで司祭の心に訴えかけた。
「僕らを本の中に囚えたのは、司の物語を残したかったからじゃないの?」
司祭は魔眼を光らせて魔剣を右腕に構え、『斬り殺せ』『切り刻め』と魔王が頭の中で繰り返すのを聴きながら、数分前に頬に流れた涙の温かみを感じた。
空中潜水艦のモニターでゴースト職人がMOMOEたちを見守り、魔文字と黒い蛾の幕が崩れたステージを洗脳者が眺め、ゴースト隊も司祭を囲んで返答を待つ。
「ムリでしょ?」
「いえ、期待しましょ」
ユカがゴースト隊に攻撃サインを出そうとしたがクルミは止め、連もMOMOEも四人のゴーストも司祭の手が震え、魔剣が下がっているのを見つめた。
「司祭の動きが止まった」
文子がそう言って魔文字と黒い蛾を飛び越えて壇上に駆け上がり、順也と久美子も景子に生徒と湊家族を任せて連を助けに向かう。
若者たちと一緒に体育館に紛れ込んだ野上たちは松田を見つけて駆け寄り、「どうなっている?」と聞いたが、司祭とゴーストの見えない松田は首を横に振ってステージに視線を向ける。
その時、司祭は魔王の意思に抗い、指を開いて魔剣を床に落とし、全身を震わせながら指先を両眼に突っ込み、魔眼を取り除こうした。
「グギャーー」という叫びがステージに響き、連とMOMOE、壇上の端に立つ文子と順也と久美子、ゴーストたちも顔を顰めて司祭の両眼から赤黒い血が流れ、眼窩に暗い洞窟が現出するのを見た。
血の王冠もひび割れ、髪も顔面も燃えるような血で濡れて司祭は苦痛で発狂し、眼窩の暗い洞窟から暗黒のエネルギーが噴き出す。
しかも足で踏んだ魔剣に手を伸ばしたので、連がダッシュでスライディングして魔剣を掻っ攫う。
「司祭か魔王かどっちですか?」
立ち上がった連を赤黒い血に塗れた者が眼窩の奥の洞窟から睨み、連は答えを諦めて魔剣を振り上げて斬りかかった。
「レン……」とMOMOEと呟き、「ダメ……」と文子も血に濡れた唇が微笑むのを感じた。
魔王は田代の体から司祭に憑依したように、殺意を持った連に乗り移ろうと待ち受けた。しかし剣は軌道を変え、祭服の袖を切ってから、演台に置いた『禁断の書』を真っ二つに切り裂いた。
MOMOEが連に近寄って予想外の展開に唖然とし、魔王も流れる血を手で拭って眼窩の奥で書物が破壊されたのを覗いて凍り付く。
「本の扉が開いた」
「いや、なんで?」
衝撃で演台が崩れ落ちて紙屑と魔文字が宙にばら撒かれ、本の表紙の亀裂が床底にまで広がり、灰色のガス雲が渦巻くブラックホールが覗き見える。
「暗黒の扉が開いた」
「吸い込まれたら、消滅するぞ」
激しい風圧で体育館の出入り口は閉ざされ、ゴーストが乗っていたサーフボードやスケボーが噴出したガス雲の渦に巻き込まれ、ゴースト隊は柱や壁に掴まり、キョンシーの子供が宙に浮くがサッカーユニの少年が足を掴んで引き留めた。
前列の洗脳者はブラックホールに吸い込まれ、若者たちは体育館の端へ逃げたが倒れて踏み潰され、洗脳者も混じり合ってパニックに陥いる。
「こっちに集まって」と景子が逃げ遅れた香奈江と夏目先生、松田と野上たちを連れて空中潜水艦の陰に避難した。
文子と久美子と順也は壇上の端で四人のゴーストと手を繋いで風圧に耐え、ダーク司祭が表紙の亀裂に刺さった魔剣を抜き、黒い蛾の舞い散る中で連とMOMOEに体を向けるのを見た。
血の王冠はひび割れ、血の雫がブラックホールに流れ飛び、長髪と祭服は乱れて魔王が潜むと感じさせたが、魔剣をぶらりと下げると、左の眼窩の奥からリトル司が顔を覗かせて微笑んだ。
「司くん……」
MOMOEが宙に手を伸ばし、連はMOMOEの体を抱き締めてガス雲の嵐に耐え、軋めく天井を見上げた。
空中潜水艦も揺れ動き、体育館の壁や床に蠢く魔文字が風に攫われ、校舎全体が揺れ始め、周辺に総動員された警察官や救急隊員は崩壊を恐れて人々を避難させた。
ダーク司祭は梟を投げ捨てて魔剣を振り下ろし、MOMOEが連を助け起こして避けたが、四人のゴーストと一緒に壁際に追い込まれた。
「想い出など切り刻んで葬ってやる」
狂ったように魔剣を振り回し、梟が翼を切られて羽が宙を舞い、四人のゴーストの剣と盾は破壊され、MOMOEと連も傷を負ったが、魔文字と黒い蛾の幕を破ったゴースト隊がステージになだれ込んで司祭を押さえ付けた。
「諦めろ。この世界に魔王は不要だ」
ゴーグルをしたゴーストの指示で背後から腕や足を掴み、日本と外国のゴーストが協力して司祭に覆い被さったが、ゴーストの重力など一瞬で弾き飛ばし、連とMOMOEと四人のゴーストの前に司祭が立ちはだかる。
「暗黒の力を見縊るな……」
「司祭、私たちを消すという事は藤堂司の魂を消すってことだよ」
MOMOEが一歩踏み出すと、四人のゴーストも隣りに並んで司祭の心に訴えかけた。
「僕らを本の中に囚えたのは、司の物語を残したかったからじゃないの?」
司祭は魔眼を光らせて魔剣を右腕に構え、『斬り殺せ』『切り刻め』と魔王が頭の中で繰り返すのを聴きながら、数分前に頬に流れた涙の温かみを感じた。
空中潜水艦のモニターでゴースト職人がMOMOEたちを見守り、魔文字と黒い蛾の幕が崩れたステージを洗脳者が眺め、ゴースト隊も司祭を囲んで返答を待つ。
「ムリでしょ?」
「いえ、期待しましょ」
ユカがゴースト隊に攻撃サインを出そうとしたがクルミは止め、連もMOMOEも四人のゴーストも司祭の手が震え、魔剣が下がっているのを見つめた。
「司祭の動きが止まった」
文子がそう言って魔文字と黒い蛾を飛び越えて壇上に駆け上がり、順也と久美子も景子に生徒と湊家族を任せて連を助けに向かう。
若者たちと一緒に体育館に紛れ込んだ野上たちは松田を見つけて駆け寄り、「どうなっている?」と聞いたが、司祭とゴーストの見えない松田は首を横に振ってステージに視線を向ける。
その時、司祭は魔王の意思に抗い、指を開いて魔剣を床に落とし、全身を震わせながら指先を両眼に突っ込み、魔眼を取り除こうした。
「グギャーー」という叫びがステージに響き、連とMOMOE、壇上の端に立つ文子と順也と久美子、ゴーストたちも顔を顰めて司祭の両眼から赤黒い血が流れ、眼窩に暗い洞窟が現出するのを見た。
血の王冠もひび割れ、髪も顔面も燃えるような血で濡れて司祭は苦痛で発狂し、眼窩の暗い洞窟から暗黒のエネルギーが噴き出す。
しかも足で踏んだ魔剣に手を伸ばしたので、連がダッシュでスライディングして魔剣を掻っ攫う。
「司祭か魔王かどっちですか?」
立ち上がった連を赤黒い血に塗れた者が眼窩の奥の洞窟から睨み、連は答えを諦めて魔剣を振り上げて斬りかかった。
「レン……」とMOMOEと呟き、「ダメ……」と文子も血に濡れた唇が微笑むのを感じた。
魔王は田代の体から司祭に憑依したように、殺意を持った連に乗り移ろうと待ち受けた。しかし剣は軌道を変え、祭服の袖を切ってから、演台に置いた『禁断の書』を真っ二つに切り裂いた。
MOMOEが連に近寄って予想外の展開に唖然とし、魔王も流れる血を手で拭って眼窩の奥で書物が破壊されたのを覗いて凍り付く。
「本の扉が開いた」
「いや、なんで?」
衝撃で演台が崩れ落ちて紙屑と魔文字が宙にばら撒かれ、本の表紙の亀裂が床底にまで広がり、灰色のガス雲が渦巻くブラックホールが覗き見える。
「暗黒の扉が開いた」
「吸い込まれたら、消滅するぞ」
激しい風圧で体育館の出入り口は閉ざされ、ゴーストが乗っていたサーフボードやスケボーが噴出したガス雲の渦に巻き込まれ、ゴースト隊は柱や壁に掴まり、キョンシーの子供が宙に浮くがサッカーユニの少年が足を掴んで引き留めた。
前列の洗脳者はブラックホールに吸い込まれ、若者たちは体育館の端へ逃げたが倒れて踏み潰され、洗脳者も混じり合ってパニックに陥いる。
「こっちに集まって」と景子が逃げ遅れた香奈江と夏目先生、松田と野上たちを連れて空中潜水艦の陰に避難した。
文子と久美子と順也は壇上の端で四人のゴーストと手を繋いで風圧に耐え、ダーク司祭が表紙の亀裂に刺さった魔剣を抜き、黒い蛾の舞い散る中で連とMOMOEに体を向けるのを見た。
血の王冠はひび割れ、血の雫がブラックホールに流れ飛び、長髪と祭服は乱れて魔王が潜むと感じさせたが、魔剣をぶらりと下げると、左の眼窩の奥からリトル司が顔を覗かせて微笑んだ。
「司くん……」
MOMOEが宙に手を伸ばし、連はMOMOEの体を抱き締めてガス雲の嵐に耐え、軋めく天井を見上げた。
空中潜水艦も揺れ動き、体育館の壁や床に蠢く魔文字が風に攫われ、校舎全体が揺れ始め、周辺に総動員された警察官や救急隊員は崩壊を恐れて人々を避難させた。
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