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最前線の街ホリック
物語の英雄に
ジークは飛び出す。
勝率なんて三割行けばいい方でなんだか思考も浮ついて今にも空を飛べそうだ。
それでも彼は剣を握る。もう逃げない為に。もう大切な人を無くさない為に。
彼は物語の英雄に憧れた。
◇◇◇
「僕もいく必要ないと思うんだけど……」
「レイラちゃん達が会いたがってるんだ、男なら甲斐性見せろ、な?」
ジーク、当時7歳。現在の彼のような溌剌とした性格ではなくどちらかと言えば本を読み漁り一人でいるタイプの男の子だった。
「だっていつも僕を無理やり外に連れ回すんだ、待ってって言っても聞かないし」
ジークの両親とレイラ達の両親は昔から仲の良い関係で商人であったジークの両親は馬車で直接商品を届ける途中であった。
「それはほら、きっとジークと遊びたいのよ。あなたも満更ではないんでしょ?」
「それは……そうだけど」
母親はジークの思春期を察してそっと背中を押す。
そんな両親がジークは大好きだった。
だが、そんな日常は突然終わりを告げた。
「な、なんだお前達!」
馬を引いていた父親が叫んだ。その後すぐに静かになった。
「いい、ジーク?何があってもここから出て来ちゃダメよ。いい子だからね」
母親はすぐに荷物の影にジークを隠した。そして、すぐに盗賊に見つかり殺された。
「ゔぅぅぅぅぅ~~~~」
母の言いつけを守り息を声を殺して隠れるジーク。だが、荷馬車に盗賊が乗り込んでくる。
心臓の鼓動が聞こえないよう祈りながらうずくまる。
(くるなくるなくるなッ)
「おぉ?」
野太い声が聞こえた。自分の真上から。
(見たかった!?)
もうダメだと思ったジークは最後の手段に出る。昔、レイラから教わった秘密の呪文。
「【ファイヤー】ーーっ」
真上に打ち上げた炎はちょうど覗き込んだ盗賊の顔を燃やした。全身へと炎が回った盗賊は急いで消そうともがく。その様子を見たジークは……………逃げた。
親の仇を前にして仇討ちなどと言う考えすら選択肢に浮かばないくらいに少年であったジークは恐怖していた。
それは盗賊であったり自身の使った魔法にだったり様々。小さい身体で一生懸命逃げて逃げ続けて大きな木のウロに隠れた。
次第に日が沈み身体の震えを感じながらいつ盗賊がやってくるのかわからない恐怖でそこから動けなくなっていた。
そうして日が明けた頃、足音が鳴る。
「居たッ見つけたー!みんな来てー!」
ウロの中に高く柔らかい声が響く。そして、細く華奢な腕がウロの中に差し伸べられた。しかし、ウロから出ようとしないジークをレイラは強引に掴んで引き摺り出した。
そしてレイラの両親がジークを保護することとなった。事件のショックで一時期塞ぎ込んでいたジークだがレイラとライラの献身的な付き纏いによって次第に回復していった。
その後、ジークは変わっていった。一人称を僕から俺に。身体を鍛え技を学んだ。
もう逃げない為に。もう大切な人を無くさない為に。
ジークは物語の英雄のようになると誓う。
◇◇◇
一直線に近づくジークを狙って蛇型魔獣は何かを吐き出す。それを紙一重でかわしながら速度を落とさず突っ込む。
吐き出したジークの背後には強力な毒で地面が腐食していた。
再度蛇型魔獣はジークに向かって照準を合わせる。
「そんなん喰らうわけ……ぃい!?」
全く狙いをつけずにまるで雨のように毒液を撒き散らす。狙いが自分ならずらせば避けれたもののランダムとなると全て見ないと避けられない。
ジークの進撃が止まる。
そこを狙うように左から尻尾の薙ぎ払いを行う。既に射程範囲。逃げることはできない。
迫る巨躯に対しジークが取ったのはさらに近づくこと。迫る尻尾の軸に近づけばそこまで脅威ではない。
尻尾は。
近づくジークは毒液で腐食した地帯に足を踏み入れる。念の為腐食していない地面を選び走る。
だが、
『シャーーーーー!』
魔獣の雄叫びと同時、ジークの足元から紫色の棘が吹き出す。
「うおっ!?」
間一髪のところで避けたジークは更に近づく。そろそろ剣が燃え尽き始めてしまう。もう止まることは出来ない。
地雷原となった地面をギリギリのところで避けながら接近する。
そして、遂に剣の間合いまで到達する。
『シャアーーーーーッ』
尻尾の先を槍のようにして背後からジークを襲う。
(コイツを切るまで他のところで使うわけにはッどうする……!)
避ける猶予は僅か。その中で選択したのは自爆だ。
「【ファイヤー】!」
ジークはかつてのトラウマで魔法が全く使えなくなった。正しくは使おうとすると手元で爆発してしまう。全く使えない技術となってしまった。
だが、今はその爆発を利用した。爆発による衝撃で右へと吹き飛び尻尾を避ける。
「へっその尻尾喰らうくらいならこっちのがマシだ……!」
完全にから元気である。グレイの痛み止めが無ければ今頃「死ぬぅううううう!」とほざいている。
剣を握り直しジークは剣を振る態勢に入る。尻尾を勢いよく地面に突き立てた魔獣は動かない。
ジークが剣を頭上に構え真っ直ぐ振り落とそうとしたその時、最後の抵抗と特大の毒液を吐きかけた。
避ける選択肢はない。そもそも避ける時間がない。ジークは相打ちを覚悟した。
魔獣の身体に剣が触れるのと同時にジークに毒液がーーーーーーーーー掛からなかった。
何かに阻まれるようにして毒液が飛び散った。
(アレはロベドの魔法の壁……!まだ残ってたのか!)
「……今度こそ、守っ……た……ぞ」
ロベドは最後の力を振り絞ったことで意識を失う。
二人の力を受けてジークは振り払う。
「ハァッ!」
燃える剣は確実に魔獣を両断して見せた。そして、亡骸さえも燃やし尽くす。
グレイはその光景を見てある英雄譚を思い出していた。
ただの平民だった男が街を襲う魔獣バジリスクを剣のみで退治せしめた英雄。
その名を【ジークバルド】
ジークの名前の元となった英雄譚である。
勝率なんて三割行けばいい方でなんだか思考も浮ついて今にも空を飛べそうだ。
それでも彼は剣を握る。もう逃げない為に。もう大切な人を無くさない為に。
彼は物語の英雄に憧れた。
◇◇◇
「僕もいく必要ないと思うんだけど……」
「レイラちゃん達が会いたがってるんだ、男なら甲斐性見せろ、な?」
ジーク、当時7歳。現在の彼のような溌剌とした性格ではなくどちらかと言えば本を読み漁り一人でいるタイプの男の子だった。
「だっていつも僕を無理やり外に連れ回すんだ、待ってって言っても聞かないし」
ジークの両親とレイラ達の両親は昔から仲の良い関係で商人であったジークの両親は馬車で直接商品を届ける途中であった。
「それはほら、きっとジークと遊びたいのよ。あなたも満更ではないんでしょ?」
「それは……そうだけど」
母親はジークの思春期を察してそっと背中を押す。
そんな両親がジークは大好きだった。
だが、そんな日常は突然終わりを告げた。
「な、なんだお前達!」
馬を引いていた父親が叫んだ。その後すぐに静かになった。
「いい、ジーク?何があってもここから出て来ちゃダメよ。いい子だからね」
母親はすぐに荷物の影にジークを隠した。そして、すぐに盗賊に見つかり殺された。
「ゔぅぅぅぅぅ~~~~」
母の言いつけを守り息を声を殺して隠れるジーク。だが、荷馬車に盗賊が乗り込んでくる。
心臓の鼓動が聞こえないよう祈りながらうずくまる。
(くるなくるなくるなッ)
「おぉ?」
野太い声が聞こえた。自分の真上から。
(見たかった!?)
もうダメだと思ったジークは最後の手段に出る。昔、レイラから教わった秘密の呪文。
「【ファイヤー】ーーっ」
真上に打ち上げた炎はちょうど覗き込んだ盗賊の顔を燃やした。全身へと炎が回った盗賊は急いで消そうともがく。その様子を見たジークは……………逃げた。
親の仇を前にして仇討ちなどと言う考えすら選択肢に浮かばないくらいに少年であったジークは恐怖していた。
それは盗賊であったり自身の使った魔法にだったり様々。小さい身体で一生懸命逃げて逃げ続けて大きな木のウロに隠れた。
次第に日が沈み身体の震えを感じながらいつ盗賊がやってくるのかわからない恐怖でそこから動けなくなっていた。
そうして日が明けた頃、足音が鳴る。
「居たッ見つけたー!みんな来てー!」
ウロの中に高く柔らかい声が響く。そして、細く華奢な腕がウロの中に差し伸べられた。しかし、ウロから出ようとしないジークをレイラは強引に掴んで引き摺り出した。
そしてレイラの両親がジークを保護することとなった。事件のショックで一時期塞ぎ込んでいたジークだがレイラとライラの献身的な付き纏いによって次第に回復していった。
その後、ジークは変わっていった。一人称を僕から俺に。身体を鍛え技を学んだ。
もう逃げない為に。もう大切な人を無くさない為に。
ジークは物語の英雄のようになると誓う。
◇◇◇
一直線に近づくジークを狙って蛇型魔獣は何かを吐き出す。それを紙一重でかわしながら速度を落とさず突っ込む。
吐き出したジークの背後には強力な毒で地面が腐食していた。
再度蛇型魔獣はジークに向かって照準を合わせる。
「そんなん喰らうわけ……ぃい!?」
全く狙いをつけずにまるで雨のように毒液を撒き散らす。狙いが自分ならずらせば避けれたもののランダムとなると全て見ないと避けられない。
ジークの進撃が止まる。
そこを狙うように左から尻尾の薙ぎ払いを行う。既に射程範囲。逃げることはできない。
迫る巨躯に対しジークが取ったのはさらに近づくこと。迫る尻尾の軸に近づけばそこまで脅威ではない。
尻尾は。
近づくジークは毒液で腐食した地帯に足を踏み入れる。念の為腐食していない地面を選び走る。
だが、
『シャーーーーー!』
魔獣の雄叫びと同時、ジークの足元から紫色の棘が吹き出す。
「うおっ!?」
間一髪のところで避けたジークは更に近づく。そろそろ剣が燃え尽き始めてしまう。もう止まることは出来ない。
地雷原となった地面をギリギリのところで避けながら接近する。
そして、遂に剣の間合いまで到達する。
『シャアーーーーーッ』
尻尾の先を槍のようにして背後からジークを襲う。
(コイツを切るまで他のところで使うわけにはッどうする……!)
避ける猶予は僅か。その中で選択したのは自爆だ。
「【ファイヤー】!」
ジークはかつてのトラウマで魔法が全く使えなくなった。正しくは使おうとすると手元で爆発してしまう。全く使えない技術となってしまった。
だが、今はその爆発を利用した。爆発による衝撃で右へと吹き飛び尻尾を避ける。
「へっその尻尾喰らうくらいならこっちのがマシだ……!」
完全にから元気である。グレイの痛み止めが無ければ今頃「死ぬぅううううう!」とほざいている。
剣を握り直しジークは剣を振る態勢に入る。尻尾を勢いよく地面に突き立てた魔獣は動かない。
ジークが剣を頭上に構え真っ直ぐ振り落とそうとしたその時、最後の抵抗と特大の毒液を吐きかけた。
避ける選択肢はない。そもそも避ける時間がない。ジークは相打ちを覚悟した。
魔獣の身体に剣が触れるのと同時にジークに毒液がーーーーーーーーー掛からなかった。
何かに阻まれるようにして毒液が飛び散った。
(アレはロベドの魔法の壁……!まだ残ってたのか!)
「……今度こそ、守っ……た……ぞ」
ロベドは最後の力を振り絞ったことで意識を失う。
二人の力を受けてジークは振り払う。
「ハァッ!」
燃える剣は確実に魔獣を両断して見せた。そして、亡骸さえも燃やし尽くす。
グレイはその光景を見てある英雄譚を思い出していた。
ただの平民だった男が街を襲う魔獣バジリスクを剣のみで退治せしめた英雄。
その名を【ジークバルド】
ジークの名前の元となった英雄譚である。
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