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獣王国ベスティア
封印されし聖獣
獣王宮で一晩泊まった翌朝、グレイ達は獣王の案内で聖獣が封印されている場所へと向かっていた。
獣王宮が建っている霊峰、そしてその下に続く王都とは反対側。戦場の爪痕残る古戦場、草木すら残らぬ荒野が広がっている。
そんな何もない場所にぽつんと石の建築物が置かれている。
「これが聖獣の封印を司る要石、殺生石と言う。グレイ、其方に見せたいのは殺生石に刻まれた文字だ」
『確かに、文字は書かれてる……けど見たことはない。少し試してみる』
グレイは殺生石に刻まれた文字を一つルーンと同じように空中に描く。現在も使っている魔力での筆談は文字自体に力は無い。だからこそ何も起きないのだが、もし、殺生石の文字がルーンならばーーーーーー
(ッ何この文字……!凄く魔力を使うし全然安定しない!)
ルーンを使う大前提は魔力で書いたルーンを完璧にそして綺麗に崩さず書くこと。だからこそ、最初ルーンを使い始めの時は崩れたり欠けたりした。
そういう意味では確かにこの文字達もルーンだと言える。だが、魔力量がかなり多いグレイであってもおいそれと使えないほどの魔力が文字一つに吸い取られていく。
そうしてやっとの思いで完成した新たなルーンを起動し少し離れた場所に放つ。
飛んでいったルーンはグレイと同じくらいの大きさはある岩にぶつかる。
その瞬間、岩が爆縮し、りんごほどの大きさまでなった辺りで光となって消滅した。
その様子を後ろから見ていたネロ達は呆気に取られていた。
封印とは名ばかりの圧縮し、巨大な質量の物体を魔力に変換する。それが封印の根幹部分であったのだ。
『確かにこれ、凄く扱いが難しい。ほら』
グレイは岩のあった場所で鈍く光るルーンが消えたのと同時に再び岩が現れる光景を指差す。
『魔力に変えるまではいいとしてその後に効果切れで元に戻ってしまう。おそらくは他の文字とか殺生石は魔力を固定したりする為のもの』
「つまり、グレイでも聖獣を封印するのは大変ってことにゃ?」
『何かに刻んだ方が安定すると思う。それに大きさによっても魔力の消費量は変わるから最悪命を削ることになるんだと思う』
「じゃあ、数人でやるのはダメなのか?よくわからないけど一人でやるから魔力が足りなくなるんだろ?」
ジークはスタンピード時のロベドを思い出していた。ロベドの使った【サクリファイス・コロッセオ】は命を削って発動する魔法だ。だが、それもまた一人で発動する魔法なのだ。
『ダメ、だと思う。レイラ、ちょっと手伝って?』
グレイはレイラを呼び出して空中に火のルーンをわざと中途半端に書く。後少しで完成といった具合に。
『こう言う形に魔力を出せる?』
「こ、こう……?」
地面に火のルーンの設計図を描いてレイラに残りの部分をパズルのように補ってもらう。
そうして完成した合作火のルーンを起動したグレイだが、火のルーンは火を発生させなかった。
『魔力同士が干渉しあって起動できないの。ライルと試した時は少し使えたから似ている魔力ならまだ使えるのかもしれないけど』
「なら魔力を継続的に込めるのはダメ?同じ人の魔力なら良いんでしょ」
『それも無理。起動してるルーンに追加で魔力を込めたら崩壊しちゃう。風船に萎んできたからって穴を開けて空気を入れても、開けた穴から一気に空気が抜けちゃうでしょ?』
例え話を交えつつグレイは封印に使われているルーンについて語るが、その全てが封印するには一人が命を削るほどの魔力を使わなければならないと言う事実が浮かぶだけであった。
「封印がこれ以上どうしようもないことは分かった。ならば、聖獣の封印がどのくらいで解けるかは分かるか?」
獣王の提案にグレイは解析のルーンを用いて封印をさらに細かく調べていく。
(この建造物とかにはそれほど意味はない。問題はルーンに込められた魔力の残量。!?まずい!)
『ここから離れて!』
グレイが警告したのと同時、殺生石に亀裂が入る。
ネロと獣王はグレイ達を抱えて殺生石から後ろ飛びで離れる。その瞬間、一帯に異質な魔力が立ち込め殺生石の上に魔力が集まっていく。
「来るぞ……魔獣と獣人を滅ぼすために差し向けられた神の先兵が」
集う魔力が次第に形となり純白の光を放ちながら元の姿を取り戻した。
空に叫び四足で地を踏み締め、鋭い牙が口から見え隠れする。グレイなど人並みにできそうな体格は狼の姿に次第に変化していく。
まさに神の使いの如き純白の毛並みを靡かせ神狼が復活を果たした。
聖獣は一番近くにいたネロ目掛けて突進を開始。その巨体からは考えられないほどの速度で迫る。
『ルーンで足止めする!』
グレイは捕縛のルーンを起動し地面から生えて来る無数の蔓で絡め取っていく。
しかし、一向に速度は衰えずブチブチと蔓を引きちぎりながら向かって来る。
獣王によって後退したジーク達はグレイとネロに迫る聖獣に追いつけない。
遂に聖獣の間合いに入ってしまったネロに聖獣が腕を振り下ろす。
巨体から繰り出した振り下ろしはまるでお手のように見えるがその破壊力は地面に亀裂を入れた。
「ネロ!」
獣王がネロの安否を心配し、叫ぶ。
返事はなく絶望の空気が漂い始めるなか、聖獣の攻撃で発生した土煙の中から二つの影が飛び出して来る。
その影は次第に鮮明になり、四足で地面をかける黒い狼となって獣王の元に駆けつけた。
「獣王様、お怪我は!?」
「ヴァガルか……!ネロは」
「我が背中に」
獣王が魔獣化状態のヴァガルの背中を見れば「死ぬかと思った……」と平気そうなネロがいた。
同様にジークの元へヴァガルより少し小さい狼が寄ってきた。
「間に合って良かった。ジーク、怪我はないかい?」
「その声、エクリスか!グレイも無事だな!」
ヴァガルと同様にエクリスもまた、グレイを背に乗せて聖獣の攻撃から逃れていた。
『エクリスさん、聖獣をもう少し見たいから背中に乗せて!』
「本当はジークを乗せたいところなんだけど、そうも言ってられないね。任せて」
グレイはエクリスの背に乗りながら解析のルーンを起動する。
それを見たジーク達も聖獣を見据え武器を構える。
神の先兵との戦闘の火蓋が切って下された。
獣王宮が建っている霊峰、そしてその下に続く王都とは反対側。戦場の爪痕残る古戦場、草木すら残らぬ荒野が広がっている。
そんな何もない場所にぽつんと石の建築物が置かれている。
「これが聖獣の封印を司る要石、殺生石と言う。グレイ、其方に見せたいのは殺生石に刻まれた文字だ」
『確かに、文字は書かれてる……けど見たことはない。少し試してみる』
グレイは殺生石に刻まれた文字を一つルーンと同じように空中に描く。現在も使っている魔力での筆談は文字自体に力は無い。だからこそ何も起きないのだが、もし、殺生石の文字がルーンならばーーーーーー
(ッ何この文字……!凄く魔力を使うし全然安定しない!)
ルーンを使う大前提は魔力で書いたルーンを完璧にそして綺麗に崩さず書くこと。だからこそ、最初ルーンを使い始めの時は崩れたり欠けたりした。
そういう意味では確かにこの文字達もルーンだと言える。だが、魔力量がかなり多いグレイであってもおいそれと使えないほどの魔力が文字一つに吸い取られていく。
そうしてやっとの思いで完成した新たなルーンを起動し少し離れた場所に放つ。
飛んでいったルーンはグレイと同じくらいの大きさはある岩にぶつかる。
その瞬間、岩が爆縮し、りんごほどの大きさまでなった辺りで光となって消滅した。
その様子を後ろから見ていたネロ達は呆気に取られていた。
封印とは名ばかりの圧縮し、巨大な質量の物体を魔力に変換する。それが封印の根幹部分であったのだ。
『確かにこれ、凄く扱いが難しい。ほら』
グレイは岩のあった場所で鈍く光るルーンが消えたのと同時に再び岩が現れる光景を指差す。
『魔力に変えるまではいいとしてその後に効果切れで元に戻ってしまう。おそらくは他の文字とか殺生石は魔力を固定したりする為のもの』
「つまり、グレイでも聖獣を封印するのは大変ってことにゃ?」
『何かに刻んだ方が安定すると思う。それに大きさによっても魔力の消費量は変わるから最悪命を削ることになるんだと思う』
「じゃあ、数人でやるのはダメなのか?よくわからないけど一人でやるから魔力が足りなくなるんだろ?」
ジークはスタンピード時のロベドを思い出していた。ロベドの使った【サクリファイス・コロッセオ】は命を削って発動する魔法だ。だが、それもまた一人で発動する魔法なのだ。
『ダメ、だと思う。レイラ、ちょっと手伝って?』
グレイはレイラを呼び出して空中に火のルーンをわざと中途半端に書く。後少しで完成といった具合に。
『こう言う形に魔力を出せる?』
「こ、こう……?」
地面に火のルーンの設計図を描いてレイラに残りの部分をパズルのように補ってもらう。
そうして完成した合作火のルーンを起動したグレイだが、火のルーンは火を発生させなかった。
『魔力同士が干渉しあって起動できないの。ライルと試した時は少し使えたから似ている魔力ならまだ使えるのかもしれないけど』
「なら魔力を継続的に込めるのはダメ?同じ人の魔力なら良いんでしょ」
『それも無理。起動してるルーンに追加で魔力を込めたら崩壊しちゃう。風船に萎んできたからって穴を開けて空気を入れても、開けた穴から一気に空気が抜けちゃうでしょ?』
例え話を交えつつグレイは封印に使われているルーンについて語るが、その全てが封印するには一人が命を削るほどの魔力を使わなければならないと言う事実が浮かぶだけであった。
「封印がこれ以上どうしようもないことは分かった。ならば、聖獣の封印がどのくらいで解けるかは分かるか?」
獣王の提案にグレイは解析のルーンを用いて封印をさらに細かく調べていく。
(この建造物とかにはそれほど意味はない。問題はルーンに込められた魔力の残量。!?まずい!)
『ここから離れて!』
グレイが警告したのと同時、殺生石に亀裂が入る。
ネロと獣王はグレイ達を抱えて殺生石から後ろ飛びで離れる。その瞬間、一帯に異質な魔力が立ち込め殺生石の上に魔力が集まっていく。
「来るぞ……魔獣と獣人を滅ぼすために差し向けられた神の先兵が」
集う魔力が次第に形となり純白の光を放ちながら元の姿を取り戻した。
空に叫び四足で地を踏み締め、鋭い牙が口から見え隠れする。グレイなど人並みにできそうな体格は狼の姿に次第に変化していく。
まさに神の使いの如き純白の毛並みを靡かせ神狼が復活を果たした。
聖獣は一番近くにいたネロ目掛けて突進を開始。その巨体からは考えられないほどの速度で迫る。
『ルーンで足止めする!』
グレイは捕縛のルーンを起動し地面から生えて来る無数の蔓で絡め取っていく。
しかし、一向に速度は衰えずブチブチと蔓を引きちぎりながら向かって来る。
獣王によって後退したジーク達はグレイとネロに迫る聖獣に追いつけない。
遂に聖獣の間合いに入ってしまったネロに聖獣が腕を振り下ろす。
巨体から繰り出した振り下ろしはまるでお手のように見えるがその破壊力は地面に亀裂を入れた。
「ネロ!」
獣王がネロの安否を心配し、叫ぶ。
返事はなく絶望の空気が漂い始めるなか、聖獣の攻撃で発生した土煙の中から二つの影が飛び出して来る。
その影は次第に鮮明になり、四足で地面をかける黒い狼となって獣王の元に駆けつけた。
「獣王様、お怪我は!?」
「ヴァガルか……!ネロは」
「我が背中に」
獣王が魔獣化状態のヴァガルの背中を見れば「死ぬかと思った……」と平気そうなネロがいた。
同様にジークの元へヴァガルより少し小さい狼が寄ってきた。
「間に合って良かった。ジーク、怪我はないかい?」
「その声、エクリスか!グレイも無事だな!」
ヴァガルと同様にエクリスもまた、グレイを背に乗せて聖獣の攻撃から逃れていた。
『エクリスさん、聖獣をもう少し見たいから背中に乗せて!』
「本当はジークを乗せたいところなんだけど、そうも言ってられないね。任せて」
グレイはエクリスの背に乗りながら解析のルーンを起動する。
それを見たジーク達も聖獣を見据え武器を構える。
神の先兵との戦闘の火蓋が切って下された。
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