百色学園高等部

shine

文字の大きさ
19 / 101
体育祭イベント

借り物競争ー先輩とっ

しおりを挟む
先輩と共に手を繋いでグランドの中に向かって走り出すと、



「明海先輩~」
「チアリ~」
「神無月先輩~」
「かわいいぃ」



っていう歓声がすごい
さすが先輩だ。人気が凄まじい。こんな先輩と知り合いだなんて幸せだわぁ~

そのなかにまじって
「ユイリーン様だ~」
っていう声もあるからちょっと嬉けど、その呼び方やめれい。
女の子っぽいあだ名が広まったらどうしてくれんねん。


それなのに、先輩は笑顔で手を振って皆に挨拶してる。

そういうもんなのかなー!?

俺も小さくピースして、皆に挨拶。

そのとたん、もっと歓声が!!!!




「きゃぁぁぁぁぁ」
「ユイリーンさまぁ~」



うそ、注目度ヤバない!?



恥ずかしくて、早くこの瞬間終われ~って思いながらスピードあげて走ったら、

「ま、待ってください~」

って後ろから声が。
いかん。先輩をおいてってしまっていた。


「って、先輩!!その足どうしたんですか!!」

明海先輩の足首が赤くなってはれてる。

うそ、俺が早く走って先輩を引きずって走ったせい!?

「先輩…俺のせいですよね、ごめんなさいぃ…」


「いえいえ、この靴が履きづらくて、さっき走ってるときにくじいちゃったんですよ」

先輩優しすぎ~。
きっと俺に気を使ってそう言っただけでしょ。


そういえば、チアリ衣装のためにヒールのある靴履いてる。

「先輩っっ。靴ずれもしてるじゃないですかっ」


よくみるとかかとも剥けてる。


「これは、早く手当てしてもらわないと……」

「いや、皆に迷惑かかるから、とりあえず次の人にバトン渡してから行きたいです」



そっか。
先輩足痛いと思うのに、皆のこと考えて……
俺バカだ、先輩の事も、周りのこと全然見てなかった。


よし、あの手を使おう



「ちょっ、桜河くん!!!???」

「先輩はちょっと我慢しててくださいねー」

「いや、お姫様だっこは//////」


「だって先輩痛くて走れないでしょう?俺が抱えて走った方が早いですよ。お題合格もらったら、早く手当てしてもらってきてください」


もうお姫様抱っこしちゃったんだ。
する方も恥ずかしいんだよ!いいから、なにも言わずにそのまま抱かれててってばぁ~/////



ヒューヒュー

って、歓声が聞こえる気がするけど、空耳だよねーはいー空耳ー




って、思いながら審査の人の所についたら、壇上にあがらされて、


「おお、これは神無月明海先輩がお姫様抱っこされて登場だ~」


ぎゃぁぁぁぁ!!!!!
ちょっ歓声が!!空耳じゃなかったか……

「ではお代は~王子様…………ではなく」

そういやお題聞いてなかった。なんだったんだろ

「お題は、GW中に一緒に過ごした人!!」

そうなんだ。そういえば、ほぼ毎日一緒だったような。

「なるほど、で、君の名前はー??」

え、ここでマイク渡されるの!?

「桜河唯利です」

っていった瞬間、

ユイリーン!!!!!


って、叫び声が


「なるほど、ユイリーンさんですね」



違うって~ぇ、誰だ、叫けんだの。
クラスの皆か。あとでしばいたるっ。
って、思って力を込めたら、

「ちょっと、もうおろしてください/////」

おっと、明海先輩がまだ腕のなかに。
「いやですよ。先輩足痛めてるから、立ったら痛いですよ?」

「なるほど、それでお姫様抱っこだったんですね。これは痛そうです」

痛そうじゃなくて、実際に痛いって、早く手当てしてあげないと、


「では、生徒会メンバー神無月明海さんGW中に一緒に過ごした人、合格ですっ」

よし、これで救護室へ……


「おっと、神無月明海さんは紫連合のチアリとして走っていましたが、この後生徒会メンバーとしての出場が決まっていましたね…これは困った…」

なぬ。
でも、先輩はこれ以上走らないで安静にしておいた方が…



「そのため、緊急出場として、生徒会のメンバー代理で桜河唯利くんに走ってもらいましょー!!!」


…………!?!?!?

……………………!?!?!?


………………………………!!!!!!!!!

まじ??



アナウンサーの満面の笑み。


わぁぁぁぁぁぁ



叫ぶ観衆。



…………。


立ち尽くす俺であった。


しおりを挟む
感想 15

あなたにおすすめの小説

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。 そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語

とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~

無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。 自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)

夏目碧央
BL
 兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。  ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?

ビッチです!誤解しないでください!

モカ
BL
男好きのビッチと噂される主人公 西宮晃 「ほら、あいつだろ?あの例のやつ」 「あれな、頼めば誰とでも寝るってやつだろ?あんな平凡なやつによく勃つよな笑」 「大丈夫か?あんな噂気にするな」 「晃ほど清純な男はいないというのに」 「お前に嫉妬してあんな下らない噂を流すなんてな」 噂じゃなくて事実ですけど!!!?? 俺がくそビッチという噂(真実)に怒るイケメン達、なぜか噂を流して俺を貶めてると勘違いされてる転校生…… 魔性の男で申し訳ない笑 めちゃくちゃスロー更新になりますが、完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけると嬉しいです!

【完結済】俺のモノだと言わない彼氏

竹柏凪紗
BL
「俺と付き合ってみねぇ?…まぁ、俺、彼氏いるけど」彼女に罵倒されフラれるのを寮部屋が隣のイケメン&遊び人・水島大和に目撃されてしまう。それだけでもショックなのに壁ドン状態で付き合ってみないかと迫られてしまった東山和馬。「ははは。いいねぇ。お前と付き合ったら、教室中の女子に刺されそう」と軽く受け流した。…つもりだったのに、翌日からグイグイと迫られるうえ束縛まではじまってしまい──?! ■青春BLに限定した「第1回青春×BL小説カップ」最終21位まで残ることができ感謝しかありません。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。

たとえば、俺が幸せになってもいいのなら

夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語――― 父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。 弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。 助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。

さがしもの

猫谷 一禾
BL
策士な風紀副委員長✕意地っ張り親衛隊員 (山岡 央歌)✕(森 里葉) 〖この気持ちに気づくまで〗のスピンオフ作品です 読んでいなくても大丈夫です。 家庭の事情でお金持ちに引き取られることになった少年時代。今までの環境と異なり困惑する日々…… そんな中で出会った彼…… 切なさを目指して書きたいです。 予定ではR18要素は少ないです。

俺の親友がモテ過ぎて困る

くるむ
BL
☆完結済みです☆ 番外編として短い話を追加しました。 男子校なのに、当たり前のように毎日誰かに「好きだ」とか「付き合ってくれ」とか言われている俺の親友、結城陽翔(ゆうきはるひ) 中学の時も全く同じ状況で、女子からも男子からも追い掛け回されていたらしい。 一時は断るのも面倒くさくて、誰とも付き合っていなければそのままOKしていたらしいのだけど、それはそれでまた面倒くさくて仕方がなかったのだそうだ(ソリャソウダロ) ……と言う訳で、何を考えたのか陽翔の奴、俺に恋人のフリをしてくれと言う。 て、お前何考えてんの? 何しようとしてんの? ……てなわけで、俺は今日もこいつに振り回されています……。 美形策士×純情平凡♪

処理中です...