百色学園高等部

夏イベ

なんできたのさ

早朝、リュカが俺がお世話になってる生徒会長の別荘に突撃訪問して、

リュカは
累くんを俺と間違えて、出会い頭にギューって抱きついてすりすりしたのがついさっき。



リュカは見た目結構イケメンっていうか…………ワイルドな王子様みたいな見た目なのに、この通りおっちょこちょいなのだ。




絶対学校でモテそうなのに、実際女の子からいっぱいプレゼント貰ってるみたいで俺におすそわけしてくれてたりするけど、なぜか家に女の子連れてきたことないんだよな～。


あ、話それちゃった、


まあ、
それはともかく。

そのイケメン従兄弟に、



現在、




「Je t'ai enfin rencontréやっと会えた～je peux te sentirゆいりの匂いだ～Ça fait du bien de te tenirそうそう、この抱きごこちだよ～As-tu perdu un peuあれ、少し痩せた…………??」


…………俺が抱きつかれてる。







あのね、

累くんがリュカの無礼をゆるしてくれた瞬間、

リュカは俺を見て、手を広げる姿勢になった。



なにしようとしてるかわかるよ。




まー。こいつは一番フランス文化に染まってるしねー。



………しょうがないな、

って思って、リュカに近付いて、ちょっと背伸びしながら(くそっ、なんでこいつこんなに背が高いんだ…………!!一歳しか年は違わないのに！)、


チュッ


チュッ



って…………両頬に。




うん。フランス式の挨拶。ビズだよ。

リュカはフランス人の父親持ってるし、この前まで俺と一緒にフランス住んでたりしたからねー。しばらく日本にいた俺と違ってリュカはビズは生活の一部だよね～。この挨拶も懐かしいなぁ～



あ、ちなみに何故かこいつはいつも三回目のキスを唇と唇でやろうとするから、二回終わったらすぐはなれるか、頭突きね。

たまにそれが失敗しちゃうと唇同士でやっちゃったり、今日みたいにおでこにキスされたりすることもあるけど…………



はぁ…………家族同然とはいえ、まぁ、冗談でやってるのはわかるけど、本来なら従兄弟は唇同士の挨拶は控えるべきなんじゃ…………。フランス文化で唇同士にキスっていうのあったけっかなー。


こいつはアメリカの学校に行ったりしたことあるから、こういうのなれてるのかもしれないけどさぁ～まぁ、俺はアメリカ文化は詳しく知らないけど。



ってそれはともかく。
(今日はよく話がそれるな。ごめんね)



そーいうわけで、今抱きつかれてるの。リュカに。








はぁ…………。



まあ、会えたのは俺も嬉しいんだけどさ…………

「それで、なんでここにいるの？リュカ。」

これは聞かないと。重要。
急に来たの驚いたよ。どうしたの？急用？


「ゆいり、帰らないフランス。なので、わたし、いく」

あ、お土産物買うときLINEで言ったやつか…………夏休み俺がフランスに帰らないって聞いて、逆にリュカが日本にくることにしたってことだと思うけど…………。

「確かに俺、日本に滞在するって言ったけどさ、なにもリュカまで来なくても…………ていうか、どうやって来たの？ここまで。」

どうしてここに俺がいるってわかったの??
つーか、リュカ、ここは生徒会長の別荘だっていうの知らないのかな??


「ゆいり、の、スマホ、ある。この……ホテルに、GPSと通信」

「えぇっ…………!!」

どうやら詳しくリュカに聞いたら、
俺のスマホの位置情報を探って来たらしい。
げ、そんなのわかるんだね。
それで、ここは生徒会長の別荘なんだけど、リュカはホテルと勘違いしてここまで来たらしい。

まー。確かに、一軒家というより全然豪華だし、別荘なのにテレビとかスッゴい大きさだし、お風呂も大きいし。旅館に見えなくもないかも？




てか、
お土産物買うとき連絡取り合ったのが昨日だよ？
早くない？
すぐに飛行機のチケットとって、ここまできたとしても、フランスから日本まで確か１２時間くらいはかかると思うんだけど…………。

こんなにはやく来れるもんかね??


行動力すごすぎない??




俺、
リュカをあきれた顔で見てたんだけど、



リュカ、
俺に抱きついたまま、


「............(*´ω｀)????どうしたの？」

って感じに、
きゅるんってした笑顔向けてきた…………。



はぁ…………



自分が何をしてるかわかってんだろうか、この人は…………


うぅ、
朝から疲れたよ。


「リュカ、ともかく離れて!?」

「なんで～やだ～!!日本語、理解できない～」

「日本語で返事しちゃ、説得力ないよ」

「あっ…………むぅ～o(｀^´*)」


朝ごはんの時間だった事もあり、


リュカも、生徒会のみんなとご飯を一緒に食べることを生徒会の皆が、ゆるしてくれた。
急に来たリュカだけど、管理人さんの奥さんが残ってる食材を使ってリュカにだしてくれた。



うぅ、すまん皆。
こんな予定はなかったのに。









なのに皆、初対面のリュカに優しくしてくれる。


うぅ…………日本人って、ほんと親切だよね。



リュカ、箸とにらめっこしてさ、

「ゆいりー、箸、使い方、teach me私に教えるして!!」


って言ってきてさ、

その様子見てた累くんが、

「まず、ここ……………指で……もつ………」

って助け舟してくれる。


いいねぇ～。


ちっちゃい累くんが、おっきなリュカに教えてる。なんか可愛い～笑笑


それはともかく

俺、箸使えなくはないけど、

それほど使いなれてないからさ、
豆とかにはまだ逃げられちゃうからさ、


こういう説明は箸の使い方うまい人に任せるのが一番だよね！


てか、俺も勉強になるわぁ～!!


あれ、累くん確かイギリス育ちだよね？なのに箸使いこなせてるの!!すごっ!!



でも、
舌足らずの累くんの日本語は、

日本語ネイティブじゃないリュカにはなかなか通じなかったみたいで、




累くん、急に


「Give me a break.いい加減にしろI said, go ahead and just pinch the chopstick まずここに箸一本持って指でつまんでって言っただろ」






って英語にチェンジして教えてくれて…………



教え…………


「Jeezまじかよ……You did on purpose, did youお前わざとやってるだろ??」

「What do you think君はどう思う??」



…………?!?

あれ、もしかして喧嘩してる？



「You  have a good personality.お前、いい性格してるな」

「MerciThank you」


「……(He deliberately pretends to be incompetent.こいつ絶対わざと箸使えないフリしてたな)」
「……(Ne déchire pas ma relation avec lui私がゆいりーと仲良くしているのを引き裂きに来るなんてひどいな～)」



あれ、二人とも笑顔だ。

累くんのこめかみは、なぜかピクピクしてるけど……。

リュカの目はぱっちりで、口はにっこりだ…………



なんだこの違和感？


気のせいか…………??