百色学園高等部

shine

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夏イベ

朝ごはん

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薄い金髪、水色の目の美人と、
濃い金髪、緑色の目のイケメンが、

二人並んで仲良さそうに朝ごはんを食べている。



「ユイリー、食、薄くなった?いっぱい食べてね、これ、あげる、ゆいりーの好きな食べ物( ≧∀≦)ノ」


「モゴッ……もぅ…………いきなり口に突っ込まないでよぉー。あ、でも、おいしぃ~("⌒∇⌒")」

「あれ、ゆいりー、口に、ついてるよぉ~。(*つ´・∀・)つ」

「え、ほんと~!!(,,・д・)」


「ゆいりー、かわいい~。とってあげる~( *´艸`)」

「メルシー(ありがとう~って意味)( ´∀`)」

という、
一見ほのぼのとした雰囲気であるように見えるが…………



実際には
唯利とリュカ以外の人達…………生徒会メンバーもいて、彼らは少々ピリピリしていた。




まぁ、それはそのはず、
生徒会の華ともいえる桜河唯利が、
突然来た金髪外国人に一人占めされているからである。



唯利を除く生徒会メンバーは、
先ほどの事件を思い出していた。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






生徒会長メンバーは、ゆるゆると朝ごはんを食べていた。



そこに、急にインターフォンが鳴った。

皆は思った。
ここは生徒会長の別荘なのに、来客がくるのか??と。


ちょうどドアの近くにいた、播磨累はりまるいが玄関へ向かった。…………が、彼の悲鳴が聞こえる。



あわてて皆確認しに行くと。





そこには、がいた。


美しい、ブロンドの髪、緑色の澄んだ瞳。背も高く、しゅっとした身体。

誰もが認める、イケメン外国人である。

どうやら、
そいつは唯利と親しいらしかった。



最初に出迎えた累を、金髪外国人は
唯利と間違えて抱きついてしまったらしい。





カタコトの日本語で真剣にペコペコ頭を下げて謝っていた。







なんだ、ぬけてるやつか。




そう思ったのも、つかの間。




そのは、


唯利と、


抱き合って、




キスを、


右に…………




左に…………







そして、
おでこにもした。




「「なっ…………」」」」


っていう声は、誰がだしたのかわからない。もしかしたら全員かもしれないし、自分の心の声かもしれない。




唯利は、その外国人を見てちょっと困った顔をしていたが、会えて嬉しそうであった。
唯利は、軽く背伸びをして、金髪外国人と抱き合ったまま、なかなか離れない。

そのまま日本語を交えつつ、フランス語で会話をしている。

フランス語であるがゆえに、何を話しているか、彼らにはわからなかった。


フランス語独特の柔らかい発音は、
愛の語り合いをしているようにも聞こえる。







呆気にとられていた。







その外国人が、
唯利の従兄弟であるリュカだった。






唯利とその従兄弟は、隣に並ぶとそれはそれは美しく、とてもお似合いのように見えた。





そして、今。


唯利とリュカは、仲良く食事をしている。

唯利の口にかのように、唯利の好物を入れるリュカ。

唯利の口についた食べ物をハンカチで拭くリュカ。


いつもリュカに様子の唯利。



『こいつは唯利のだ』

ただの従兄弟じゃないのか??


彼らは、顔を見合わせた。



リュカは唯利の事を理解しているようであった。



本音をいうと
唯利と堂々といちゃつくリュカを今すぐにでも追い出したい。



けれども、そうすると唯利が悲しむのが目に見えてわかっている。




ならば、リュカを温かく迎えるのが得策だろう。

そうすれば、きっと唯利からの自分の評価もあがるかもしれない。


(と同時に、
リュカと唯利がくっつきすぎないように妨害するという目的もあったのだが。)





「リュカさん、箸じゃなくて」
「フォーク使いますか…??」

「かたじけない、です( ´∀`)!!!」


「くくっ。リュカ、その言葉どこで覚えたの~?」

「え、間違えました、私??Σ(×_×;)」

「間違ってなくもないですが……」


「それは今は使わない昔の言葉かな……」

「時代劇とかでは聞かなくもないかな…」

「それです、私は日本語勉強しました、ムービーの時代、で、( 。゚Д゚。)」


「リュカさんは、日本語上手ですね。」

「かたじけ…………ありが…………???f(^_^)」


「ありがとう、ですね」


最初、生徒会メンバーは、
突然現れたリュカという存在に緊張していたように見えた。

が、

だんだんと順応していったようだ。


それは、
リュカがぬけている人物に見えたからだろう。
確かにリュカの容姿は完璧と言っていいほどイケメンだが、
カタコトの日本語を使って、おそるおそる箸を使うという様子を見れば、
どちらかというと守らなければならないという存在に変わったのかもしれない。







……………………例外もいたが。





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