百色学園高等部

shine

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家族旅行

家族も来ちゃった

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生徒会合宿が終わり、

数日後。




リュカと部屋でお喋りしてたら、

部屋の電話がなった。
(あ、内線って、言うんだっけ?)




「ゆ、ゆゆユイリーン様、あの、」

「…………ん???どうしたの……??」


「お、応接室に……えっと、あの、あの……ユイリーン様、の……」


なんか、気が動転したような声が、ずっと応接室って、言うから、


とりあえずそこに向かった。


ら、


おじさん達がいた。

「ゆいりー!!」

「ゆいり君……!!!!」

「元気だった!?」


ってぎゅーってされた、


出会い頭に。

って、
ちょっと待って、あなた達の息子は隣だよ、

ちゅっちゅってフランス式挨拶を終えて、
スッとわきにのいて、
リュカに譲る。



「二人とも遅いよ~ゆいりーと待ちくたびれちゃった~(まぁ、ゆいりーを独占できたからいいけどさー)チュッチュ」



文句言いながらも、慣れたように両親とフランス式挨拶を交わすリュカ。



はぁ~


てか、さすがリュカの両親だよね、どちらも美形だわー


そのなかに、やっぱり2人の血をひいてイケメンのリュカが、2人と笑いあってる。



うん。これが両親と息子の本来あるべきのの様子……姿……なんだと思う。





それでも優しい、おじさんたち。


俺の事も、気にかけてくれてるようで。



「ゆいり君、元気だった??久しぶりの日本で不馴れなところはなかった?」


たくさん気をつかってくれる。

そんなおじさんたちに心配をかけたくなくて、

「大丈夫です。友達もたくさんできました。この学園の皆、すごく優しくて、学校楽しいです」


ほんとは、俺が挨拶しても、皆に顔背けられたり(照れて直視できないだけ)、罰ゲームの対象で偽デート(実は本気の告白デート)とかも……あったりするんだけど、
生徒会の皆とか、は、一応仲良くなったし、三藤くんとか、天音くんとか、同級生の友達できたし……それしか生徒会以外で同学年の友達いないとか…………まあ、でも、とりあえずはいじめられてないから、大丈夫。嘘言ってない!!


でも、そんな心のうちを見透かしたように???

「フランスに帰りたくなったらいつでも帰ってきていいのよ。」

ふわふわ笑って抱き締めてくれる、優希さん。
(あ、優希さんてのは、リュカのお母さんの名前)

そしてリュカも、
「ユイリーが寂しくなったら、私が日本行く!」

って言ってくれる。



この家族は
ほんとに優しくて、暖かい。




絶対に、迷惑かけたり、心配なんかかけたくない。




なのに。




「そうそう、明日は行くところがあるからね」


「え、どこに??」


「病院に行かないと。学校から、保護者も一緒に治療の説明を受けるようにって言われてたし」




忘れてた。


そっか……俺の病気……

お金、払ってくれてるもんね、
そりゃ、俺が病院に通ってることくらい知ってるか……。


別にちょっと重い貧血なんだけど。
治療費……高いよね。毎月たくさんお薬貰ってるし……。


ちょっと暗くなった俺の心に気がついたのか、


「大丈夫だよ、ユイリー」

「ちゃんと通えばなおるわ」
「治ったら、お祝いにパーティーしようか」

変な方向で励ましてくれるおじさんたち。



そういうことじゃなくて……


できれば、あんまり心配かけたくなかったんだけど。



すごく優しい、リュカの家族が、

むしろ俺の心臓痛くする。


こんな、金食い虫の俺なんか。
血の繋がってない……単なる甥の俺なんか。




いっそ、
酷くののしってくれればいいのに。



俺の事を嫌ってくれれば、
俺だって、
むしろ、空気みたいに



存在を消して…………




でも、


俺も、この人達の家族でいたい。
俺がほんとにこの人達の息子だったら、どんなに良かったか。



この親切は、俺が一人だから?

哀れに思って??

ほんとに、誰にでもこんなに優しいのだろうか。





どちらにせよ、



この人達の親切が、心に痛くて。
でも、俺から縁を切るのは怖くて。





だから、


ごめんなさい。

この優しさに、甘えてしまう。




「ありがとうございます」




必死に、残ってる縁に、しがみつく。


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