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謎④ 坂の途中でコーヒー
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夕食を終えて、お風呂も本当に意味がないくらい一瞬だけ一緒に入ったあとは、書斎のちゃぶ台に向かい合って頭を突き合わせていた。
「制限時間は20分、原稿用紙2枚に過不足なく。準備はいいかね?」
「はい」
きょう1日を、端的にまとめる。主観を入れないように、事実だけを並べる。
こんなドタバタした1日を800文字以内にまとめるなんて無理だと思ったけど、先生曰く、要約する練習というのは、すごく文章の練習になるらしい。
「それじゃあ、よーい、どん」
合図とともに、シャーペンを走らせる。
先生は『時系列に』とは言っていないから、まずは、きょうが桜桃忌であることを書くべきだ。
そのせいで先生は休み、俺は下連雀から団子坂へ走り、人様の前でキスする羽目になり、お墓でとんでもないことを……
「わぁああっ!」
「ん?」
横で本を開こうとしていた先生が、顔を上げた。
「何事かね」
「思い出し恥ずかしです」
「そんな悠長なことをしていたら間に合わないよ」
「はい……」
書いては消し書いては消ししながら、なんとか時間内に書き切った。
先生は黙って紙を手に取り、15秒でそれを読む。
「うん。悪くないよ」
「え! ほんとですか!」
「ちゃんと漏れなく書いてるし、過剰に盛り上がったりすることもなく、説明の順番も分かりやすい。強いて言うなら、書くやり方が悪いかな。何度も書いて消すのは時間の無駄だし、この枚数だからできることだからね。なるべく迷わず一息に書けるように、頭の中で構成を考えてから書きましょう」
なんだか、じーんとしてしまった。
ほめられたのもうれしいし、なんというか、ちゃんと教えてくれたことが感動的だ。
きょう1日の振る舞いを見ていたら、先生というよりは、大きな子供だったし。
「ありがとうございました」
ぺこっと頭を下げて顔を上げたら、先生の整った顔が目の前にあった。
「わっ」
「もういいでしょ?」
「えっ!?」
押し倒されて、思い切り頭を畳に打ち付ける。
「痛った……」
何をするんだと抗議する間もなく、先生が覆いかぶさってきた。
「先生、ちょっと。寝室に移動してください。本倒しちゃいそう」
6畳の床の上には、本の塔だらけ。
「君は甘え上手だね」
何をどう曲解したのかは分からないけど、そのままお姫さまみたいに横抱きにされて、寝室に連れて行かれた。
布団の上にぽいっと投げ捨てられたと思ったら、豪快に浴衣を脱がされた。
「ちょっと、先生。急すぎます」
「何?」
「心の準備が……」
「さっき何の準備もなく書き出したくせに」
作文とこれは関係ない、のに、荒々しくキスされたら、そんな考えはぽーんとどこかへ行ってしまった。
「ん、……んっ」
先生の浴衣の襟元にしがみつく。
あったかい舌が触れ合うと、それだけで体温が上がる感じがした。
ダメだ。先生が好き。かなわない。
「大河、触ってみて」
手を握られて、そのまま、先生の浴衣の下の方へ導かれる。
少し固くなったそれを布越しに感じて、心臓がドキドキと鳴った。
「君がこうしてる」
こくりとうなずくと、笑ってなでてくれた。
先生も着ているものを全て取り、俺の体をまたいで、素肌をくっつけながら深いキスをくれた。
ちゅ、ちゅ、と少しずつ降りてきて、少しじらしたあと、乳首をきつめに吸われる。
「ん、ンッ」
「これが欲しかったんだよ。そんなはずはないのに、甘酸っぱいフルーツみたく感じるのはなぜだろうね」
「……はぁ、んっ、ん」
先生の舌の動きに合わせて、体がビクビクと跳ねる。
先生は「可愛い」と言いながら、口で愛撫をしつつ、全身を空いた手でなでまわして、俺を昂らせた。
下腹部が熱くて、早く触って欲しい。
なのに先生は、そこだけを避けるように、太ももやお腹をなでる。
もどかしくなって、ついに言ってしまった。
「先生、あの……固いとこ、触ってください」
先生は満足そうに「素直でよろしい」とつぶやいたあと、ゆるっとペニスを握ってきた。
上下されると、ひとりでに腰が浮く。
下では決定的ではない刺激を受けつつ、乳首は吸われたりなめられたり、指でくりくりとつままれたり。
「ぁ、はあ、ん……っ、はぁっ」
「大河の声は可愛らしい。僕の感触を味わって漏れ出る吐息がね、とても趣がある」
趣って何だ、とちょっと考えようとしたけど、スピードを上げてしごかれたら、思考が飛んでしまった。
「あぁッ」
あごが跳ね上がる。
シーツを握りしめながら、もう達したいのだと、腰をくねらせて伝えた。
「ねだるのがうまいね」
「ん、はぁ……もうイキたいです」
「いいよ。桃源郷を見ておいで」
滴る先走りで、ぐちぐちと粘着質な音がする。
「あ、ぁあっ……もう、あ、イッちゃう、あ、んあッ」
先生は何も言わず、ゴリゴリと素早くしごく。
「……っ、はあ、ぁ、イ、ク……ッぅああっ……!ぁ……ッ……!…っ、……!……」
ドッと熱を吐き出した。
「制限時間は20分、原稿用紙2枚に過不足なく。準備はいいかね?」
「はい」
きょう1日を、端的にまとめる。主観を入れないように、事実だけを並べる。
こんなドタバタした1日を800文字以内にまとめるなんて無理だと思ったけど、先生曰く、要約する練習というのは、すごく文章の練習になるらしい。
「それじゃあ、よーい、どん」
合図とともに、シャーペンを走らせる。
先生は『時系列に』とは言っていないから、まずは、きょうが桜桃忌であることを書くべきだ。
そのせいで先生は休み、俺は下連雀から団子坂へ走り、人様の前でキスする羽目になり、お墓でとんでもないことを……
「わぁああっ!」
「ん?」
横で本を開こうとしていた先生が、顔を上げた。
「何事かね」
「思い出し恥ずかしです」
「そんな悠長なことをしていたら間に合わないよ」
「はい……」
書いては消し書いては消ししながら、なんとか時間内に書き切った。
先生は黙って紙を手に取り、15秒でそれを読む。
「うん。悪くないよ」
「え! ほんとですか!」
「ちゃんと漏れなく書いてるし、過剰に盛り上がったりすることもなく、説明の順番も分かりやすい。強いて言うなら、書くやり方が悪いかな。何度も書いて消すのは時間の無駄だし、この枚数だからできることだからね。なるべく迷わず一息に書けるように、頭の中で構成を考えてから書きましょう」
なんだか、じーんとしてしまった。
ほめられたのもうれしいし、なんというか、ちゃんと教えてくれたことが感動的だ。
きょう1日の振る舞いを見ていたら、先生というよりは、大きな子供だったし。
「ありがとうございました」
ぺこっと頭を下げて顔を上げたら、先生の整った顔が目の前にあった。
「わっ」
「もういいでしょ?」
「えっ!?」
押し倒されて、思い切り頭を畳に打ち付ける。
「痛った……」
何をするんだと抗議する間もなく、先生が覆いかぶさってきた。
「先生、ちょっと。寝室に移動してください。本倒しちゃいそう」
6畳の床の上には、本の塔だらけ。
「君は甘え上手だね」
何をどう曲解したのかは分からないけど、そのままお姫さまみたいに横抱きにされて、寝室に連れて行かれた。
布団の上にぽいっと投げ捨てられたと思ったら、豪快に浴衣を脱がされた。
「ちょっと、先生。急すぎます」
「何?」
「心の準備が……」
「さっき何の準備もなく書き出したくせに」
作文とこれは関係ない、のに、荒々しくキスされたら、そんな考えはぽーんとどこかへ行ってしまった。
「ん、……んっ」
先生の浴衣の襟元にしがみつく。
あったかい舌が触れ合うと、それだけで体温が上がる感じがした。
ダメだ。先生が好き。かなわない。
「大河、触ってみて」
手を握られて、そのまま、先生の浴衣の下の方へ導かれる。
少し固くなったそれを布越しに感じて、心臓がドキドキと鳴った。
「君がこうしてる」
こくりとうなずくと、笑ってなでてくれた。
先生も着ているものを全て取り、俺の体をまたいで、素肌をくっつけながら深いキスをくれた。
ちゅ、ちゅ、と少しずつ降りてきて、少しじらしたあと、乳首をきつめに吸われる。
「ん、ンッ」
「これが欲しかったんだよ。そんなはずはないのに、甘酸っぱいフルーツみたく感じるのはなぜだろうね」
「……はぁ、んっ、ん」
先生の舌の動きに合わせて、体がビクビクと跳ねる。
先生は「可愛い」と言いながら、口で愛撫をしつつ、全身を空いた手でなでまわして、俺を昂らせた。
下腹部が熱くて、早く触って欲しい。
なのに先生は、そこだけを避けるように、太ももやお腹をなでる。
もどかしくなって、ついに言ってしまった。
「先生、あの……固いとこ、触ってください」
先生は満足そうに「素直でよろしい」とつぶやいたあと、ゆるっとペニスを握ってきた。
上下されると、ひとりでに腰が浮く。
下では決定的ではない刺激を受けつつ、乳首は吸われたりなめられたり、指でくりくりとつままれたり。
「ぁ、はあ、ん……っ、はぁっ」
「大河の声は可愛らしい。僕の感触を味わって漏れ出る吐息がね、とても趣がある」
趣って何だ、とちょっと考えようとしたけど、スピードを上げてしごかれたら、思考が飛んでしまった。
「あぁッ」
あごが跳ね上がる。
シーツを握りしめながら、もう達したいのだと、腰をくねらせて伝えた。
「ねだるのがうまいね」
「ん、はぁ……もうイキたいです」
「いいよ。桃源郷を見ておいで」
滴る先走りで、ぐちぐちと粘着質な音がする。
「あ、ぁあっ……もう、あ、イッちゃう、あ、んあッ」
先生は何も言わず、ゴリゴリと素早くしごく。
「……っ、はあ、ぁ、イ、ク……ッぅああっ……!ぁ……ッ……!…っ、……!……」
ドッと熱を吐き出した。
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