それは演技なの?〜俳優デビューをかけて、擬似カップルになりました。7日間イチャイチャ配信で天下をとります!?〜

御堂どーな

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Day4 - いっぱいくっつきたいよ

4-5

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 はじめて繋がって最後までして、映画なら、キザったらしいピロートークでもするのだろうけど……。
 僕たちは無言で、粛々しゅくしゅくと事後の片付けをした。
 そして、チャットをつけた。

[うわあああああ話す!?!?!れれ!!!!]
[まじ!?やばいやばいやばいくると思わなかったやばい]
[え、これ、何してたかとか聞いていいやつ??]

 視聴者はなんと、700人。
 多分、ほとんど何をしているか分からないような音声を、全校生徒くらいの人数の人が、聞いていたなんて。

 僕は水戸くんの服を掴み、うつむいた。
 ディスプレイに映る自分が、真っ赤だったからだ。
 水戸くんは、頭を掻きながら言った。

「まあ、聞いてて分かったと思いますが……初エッチしました」

 コメントが滝のように流れる。

「演技だったのか、本当だったのかは、想像にお任せします。演技だと思うならぜひ理空の熱演を褒めてあげて欲しいですし、本当だと思うなら、……俺たちのことをちょっとだけお祝いしてくれるとうれしいです」

[りくちゃんてんさい!!演技でもほんとでも天才的にかわいいよ!!!]
[ありがとう水戸くんこの世に生まれてくれて]
[↑そこを祝うのかwww]
[どっちでもいいよーどっちでも尊いよー泣]
[あしたご祝儀1000コイン入れるから!]

「あ、ポイントのことはお気になさらず! お祝いの気持ちだけで十分なので」

[いやいやいや無料コインだけじゃ足りないこの愛しい気持ちよw 課金させてくれw]
[何気お祝いって言い切ったのうける笑]

 固定タグに、『赤飯炊こう』という、謎の文言が足される。

「理空、なんか言いたいことある?」
「え? えっと……、えと、変なこと言ってなかったか心配です。途中から訳わかんなくなっちゃったので……。変なこと言ってたら忘れてください」

 ジャラジャラとポイントが入ってくる。
 コメントの流れが速すぎて拾えない。
 僕が前のめりに画面を見ていると、水戸くんが口に両手をあてた。

「くぁ……。すいません、あくび出た。さすがに眠いです。結構体力使うんですね、こういう行為って」
「え? 水戸くんは、こういうの……はじめてなの?」
「ん? うん」

 お互いきょとんとして、数秒の沈黙ののち、盛大に赤面する。

「すっ、すいません。ちょっときょうはもう眠いので寝ます! おやすみなさい!」

 水戸くんは焦った表情で、ディスプレイを切った。

「水戸くん、こういうことしたことないの?」
「当たり前でしょ。中1からスクール入って、誰かと付き合うとか不可能だったし、キスだって授業で習ったのをしただけだよ。本当にはしたことなかった」
「そ、そっか」

 なぜだか分からないけど、よろこびがむくむくと湧き上がってきた。
 本当にしたのは僕がはじめてなのだということに、うれしさが込み上げてきてしまう。

 ……って。いや、違うか。
 BL杯は疑似恋愛だし、はじめてにカウントしちゃだめなのかも。
 でも僕は、一方的でもいいから、はじめてのセックスの相手は水戸くんだったと、そういう思い出を抱いて生きていきたかった。

「水戸くん、僕、きょうのこと、一生忘れないよ。ありがとう」

 ……反応がない。
 目を見開いている。
 僕は下を向き、もじもじと指先をいじった。

 片思いでも、全然かまわない。
 僕は水戸くんのことが好きだと思った。


Day4 End.
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