20 / 41
Day4 - いっぱいくっつきたいよ
4-5
しおりを挟む
はじめて繋がって最後までして、映画なら、キザったらしいピロートークでもするのだろうけど……。
僕たちは無言で、粛々と事後の片付けをした。
そして、チャットをつけた。
[うわあああああ話す!?!?!れれ!!!!]
[まじ!?やばいやばいやばいくると思わなかったやばい]
[え、これ、何してたかとか聞いていいやつ??]
視聴者はなんと、700人。
多分、ほとんど何をしているか分からないような音声を、全校生徒くらいの人数の人が、聞いていたなんて。
僕は水戸くんの服を掴み、うつむいた。
ディスプレイに映る自分が、真っ赤だったからだ。
水戸くんは、頭を掻きながら言った。
「まあ、聞いてて分かったと思いますが……初エッチしました」
コメントが滝のように流れる。
「演技だったのか、本当だったのかは、想像にお任せします。演技だと思うならぜひ理空の熱演を褒めてあげて欲しいですし、本当だと思うなら、……俺たちのことをちょっとだけお祝いしてくれるとうれしいです」
[りくちゃんてんさい!!演技でもほんとでも天才的にかわいいよ!!!]
[ありがとう水戸くんこの世に生まれてくれて]
[↑そこを祝うのかwww]
[どっちでもいいよーどっちでも尊いよー泣]
[あしたご祝儀1000コイン入れるから!]
「あ、ポイントのことはお気になさらず! お祝いの気持ちだけで十分なので」
[いやいやいや無料コインだけじゃ足りないこの愛しい気持ちよw 課金させてくれw]
[何気お祝いって言い切ったのうける笑]
固定タグに、『赤飯炊こう』という、謎の文言が足される。
「理空、なんか言いたいことある?」
「え? えっと……、えと、変なこと言ってなかったか心配です。途中から訳わかんなくなっちゃったので……。変なこと言ってたら忘れてください」
ジャラジャラとポイントが入ってくる。
コメントの流れが速すぎて拾えない。
僕が前のめりに画面を見ていると、水戸くんが口に両手をあてた。
「くぁ……。すいません、あくび出た。さすがに眠いです。結構体力使うんですね、こういう行為って」
「え? 水戸くんは、こういうの……はじめてなの?」
「ん? うん」
お互いきょとんとして、数秒の沈黙ののち、盛大に赤面する。
「すっ、すいません。ちょっときょうはもう眠いので寝ます! おやすみなさい!」
水戸くんは焦った表情で、ディスプレイを切った。
「水戸くん、こういうことしたことないの?」
「当たり前でしょ。中1からスクール入って、誰かと付き合うとか不可能だったし、キスだって授業で習ったのをしただけだよ。本当にはしたことなかった」
「そ、そっか」
なぜだか分からないけど、よろこびがむくむくと湧き上がってきた。
本当にしたのは僕がはじめてなのだということに、うれしさが込み上げてきてしまう。
……って。いや、違うか。
BL杯は疑似恋愛だし、はじめてにカウントしちゃだめなのかも。
でも僕は、一方的でもいいから、はじめてのセックスの相手は水戸くんだったと、そういう思い出を抱いて生きていきたかった。
「水戸くん、僕、きょうのこと、一生忘れないよ。ありがとう」
……反応がない。
目を見開いている。
僕は下を向き、もじもじと指先をいじった。
片思いでも、全然かまわない。
僕は水戸くんのことが好きだと思った。
Day4 End.
僕たちは無言で、粛々と事後の片付けをした。
そして、チャットをつけた。
[うわあああああ話す!?!?!れれ!!!!]
[まじ!?やばいやばいやばいくると思わなかったやばい]
[え、これ、何してたかとか聞いていいやつ??]
視聴者はなんと、700人。
多分、ほとんど何をしているか分からないような音声を、全校生徒くらいの人数の人が、聞いていたなんて。
僕は水戸くんの服を掴み、うつむいた。
ディスプレイに映る自分が、真っ赤だったからだ。
水戸くんは、頭を掻きながら言った。
「まあ、聞いてて分かったと思いますが……初エッチしました」
コメントが滝のように流れる。
「演技だったのか、本当だったのかは、想像にお任せします。演技だと思うならぜひ理空の熱演を褒めてあげて欲しいですし、本当だと思うなら、……俺たちのことをちょっとだけお祝いしてくれるとうれしいです」
[りくちゃんてんさい!!演技でもほんとでも天才的にかわいいよ!!!]
[ありがとう水戸くんこの世に生まれてくれて]
[↑そこを祝うのかwww]
[どっちでもいいよーどっちでも尊いよー泣]
[あしたご祝儀1000コイン入れるから!]
「あ、ポイントのことはお気になさらず! お祝いの気持ちだけで十分なので」
[いやいやいや無料コインだけじゃ足りないこの愛しい気持ちよw 課金させてくれw]
[何気お祝いって言い切ったのうける笑]
固定タグに、『赤飯炊こう』という、謎の文言が足される。
「理空、なんか言いたいことある?」
「え? えっと……、えと、変なこと言ってなかったか心配です。途中から訳わかんなくなっちゃったので……。変なこと言ってたら忘れてください」
ジャラジャラとポイントが入ってくる。
コメントの流れが速すぎて拾えない。
僕が前のめりに画面を見ていると、水戸くんが口に両手をあてた。
「くぁ……。すいません、あくび出た。さすがに眠いです。結構体力使うんですね、こういう行為って」
「え? 水戸くんは、こういうの……はじめてなの?」
「ん? うん」
お互いきょとんとして、数秒の沈黙ののち、盛大に赤面する。
「すっ、すいません。ちょっときょうはもう眠いので寝ます! おやすみなさい!」
水戸くんは焦った表情で、ディスプレイを切った。
「水戸くん、こういうことしたことないの?」
「当たり前でしょ。中1からスクール入って、誰かと付き合うとか不可能だったし、キスだって授業で習ったのをしただけだよ。本当にはしたことなかった」
「そ、そっか」
なぜだか分からないけど、よろこびがむくむくと湧き上がってきた。
本当にしたのは僕がはじめてなのだということに、うれしさが込み上げてきてしまう。
……って。いや、違うか。
BL杯は疑似恋愛だし、はじめてにカウントしちゃだめなのかも。
でも僕は、一方的でもいいから、はじめてのセックスの相手は水戸くんだったと、そういう思い出を抱いて生きていきたかった。
「水戸くん、僕、きょうのこと、一生忘れないよ。ありがとう」
……反応がない。
目を見開いている。
僕は下を向き、もじもじと指先をいじった。
片思いでも、全然かまわない。
僕は水戸くんのことが好きだと思った。
Day4 End.
17
あなたにおすすめの小説
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
わがまま放題の悪役令息はイケメンの王に溺愛される
水ノ瀬 あおい
BL
若くして王となった幼馴染のリューラと公爵令息として生まれた頃からチヤホヤされ、神童とも言われて調子に乗っていたサライド。
昔は泣き虫で気弱だったリューラだが、いつの間にか顔も性格も身体つきも政治手腕も剣の腕も……何もかも完璧で、手の届かない眩しい存在になっていた。
年下でもあるリューラに何一つ敵わず、不貞腐れていたサライド。
リューラが国民から愛され、称賛される度にサライドは少し憎らしく思っていた。
幼馴染みのハイスペックαから離れようとしたら、Ωに転化するほどの愛を示されたβの話。
叶崎みお
BL
平凡なβに生まれた千秋には、顔も頭も運動神経もいいハイスペックなαの幼馴染みがいる。
幼馴染みというだけでその隣にいるのがいたたまれなくなり、距離をとろうとするのだが、完璧なαとして周りから期待を集める幼馴染みαは「失敗できないから練習に付き合って」と千秋を頼ってきた。
大事な幼馴染みの願いならと了承すれば、「まずキスの練習がしたい」と言い出して──。
幼馴染みαの執着により、βから転化し後天性Ωになる話です。両片想いのハピエンです。
他サイト様にも投稿しております。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
のほほんオメガは、同期アルファの執着に気付いていませんでした
こたま
BL
オメガの品川拓海(しながわ たくみ)は、現在祖母宅で祖母と飼い猫とのほほんと暮らしている社会人のオメガだ。雇用機会均等法以来門戸の開かれたオメガ枠で某企業に就職している。同期のアルファで営業の高輪響矢(たかなわ きょうや)とは彼の営業サポートとして共に働いている。同期社会人同士のオメガバース、ハッピーエンドです。両片想い、後両想い。攻の愛が重めです。
ドジで惨殺されそうな悪役の僕、平穏と領地を守ろうとしたら暴虐だったはずの領主様に迫られている気がする……僕がいらないなら詰め寄らないでくれ!
迷路を跳ぶ狐
BL
いつもドジで、今日もお仕えする領主様に怒鳴られていた僕。自分が、ゲームの世界に悪役として転生していることに気づいた。このままだと、この領地は惨事が起こる。けれど、選択肢を間違えば、領地は助かっても王国が潰れる。そんな未来が怖くて動き出した僕だけど、すでに領地も王城も策略だらけ。その上、冷酷だったはずの領主様は、やけに僕との距離が近くて……僕は平穏が欲しいだけなのに! 僕のこと、いらないんじゃなかったの!? 惨劇が怖いので先に城を守りましょう!
双子のスパダリ旦那が今日も甘い
ユーリ
BL
「いつになったらお前は学校を辞めるんだ?」「いつになったら俺らの仕事の邪魔をする仕事をするんだ?」ーー高校二年生の柚月は幼馴染の双子と一緒に暮らしているが、毎日のように甘やかされるも意味のわからないことを言ってきて…「仕事の邪魔をする仕事って何!?」ーー双子のスパダリ旦那は今日も甘いのです。
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる