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第3章 リースナーの町 ダンジョン攻略

第21話 リースナーの町 ダンジョン初日 初めての魔法

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 馬車に揺られ休憩を挟みながら半日。
 一緒に乗り合わせた2人の夫婦と話している間に目的の町へ到着。
 この町の名前はリースナー。
 ちなみに、私達が4年半を過ごした町はミリオネという。

 この日、私達は一度自宅へ帰った。
 町の宿に泊まるのは、お金の無駄でしかない。
 明日からは待望のダンジョンだ!

 翌朝8時。
 まずは冒険者ギルドに向かう。
 ダンジョンに関し2階の資料室で調べるためだ。
 ダンジョンは、入場料が1人銀貨1枚(1万円)掛かるらしい。
 思ったより高いけど、ダンジョンに入れるのはC級冒険者だから問題ないのかな?

 24時間出入り自由で、冒険者には大変便利な仕組みだ。
 リースナーのダンジョンは、地下10階まであり罠や宝箱はない。
 移転も出来ないから10階まで降りようとすると、各階の安全地帯でマジックバッグを利用しながらテントを張り、長期間(魔物肉は1ヶ月ほど腐らない)潜るそうだ。

 常設依頼の内容を確認してみよう。

【ダンジョン地下1階 常設依頼 C級】
 リザードマン1匹 銀貨7~10枚(魔石・本体必要)
 ファングボア1匹 銀貨7~10枚(魔石・本体必要)
 吸血コウモリ1匹 銀貨3枚(魔石・本体必要)
 ダンジョンネズミ1匹 銅貨2枚(魔石・本体必要)
 ファイアースライム(赤色)1匹 銅貨1枚(魔石必要)
 ウォータースライム(青色)1匹 銅貨1枚(魔石必要)
 ウィンドスライム(緑色)1匹 銅貨1枚(魔石必要) 
 アーススライム(茶色)1匹 銅貨1枚(魔石必要)

 ダンジョンに出現するのは、初見の魔物ばかりで少しドキドキする。
 リザードマンはトカゲかな?
 受付嬢へダンジョンの場所を聞いた所、ダンジョン~冒険者ギルド間の乗合馬車が1時間毎に出ているみたいなので馬車へ乗る事にした。
 料金は1人銅貨2枚(2,000円)。

 その前に魔道具屋へ寄り、マジックバッグ10㎥を2個、金貨30枚(3千万円)支払い購入。

 地下1階の地図 銀貨10枚
 マジックバッグ5㎥ 金貨2枚
 マジックバッグ7㎥ 金貨5枚
 マジックバッグ10㎥ 金貨15枚
 
 マジックバッグの大きさは縦が1m横が30cm、肩に掛ける仕様になっている。
 身長155cmの私には、少し使いづらい大きさだ。
 しかも革製なので重そう…。 
 地図はマッピングがあるので購入はしない。
 冒険者ギルドの前には10台くらい馬車が並んでいる。
 まるでタクシーのようだ。

 しばらく待ち、5台目にきたダンジョンいきの馬車へ乗り込む。
 6人乗りだったので4人は見知らぬ冒険者と一緒になる。
 10代後半から30代と年齢層は広いけど、女性は1人もいなかった。
 どうやら同じパーティー仲間のようだ。
 男性達は、ニヤニヤ笑いながらこちらを見てくる。
 視線が私1人に集中しているように感じ、怖くなり思わず兄の背中にへ隠れてしまった。

 馬車に乗り1時間後。
 ダンジョン前に到着した。
 4人は入場料を払いダンジョン内へ入っていく。

「お兄ちゃん。この町の冒険者は、ちょっと怖いよ。注意した方がいいかも……。マジックバッグを盗まれそう」

「あいつら、何かたくらんでそうな気がする。気を付けておいた方がいいかもな」

「うん、お願い。私もマッピングを見ながら、なるべく会わないようにするから」

 ミリオネの冒険者は皆が優しかったので、身の危険は感じなかったのに……。
 ダンジョンがある町は違うのかなぁ。
 入場料銀貨1枚(1万円)を受付の男性に払い、入り口から地下へ続く階段を降りた。
 地下1階は迷路状で、通路を進みながら攻略するようになっている。
 特に照明がなくても問題なく周囲を見渡せた。

「ダンジョンって、結構明るいんだね~。壁が少し光ってるよ」

「これぞファンタジーだ! 興奮するなぁ~」
   
「前方3mにファイアースライム3匹。ファイアーボールを撃ってくるから注意!」

「了解」
 
 兄は盾を構えながら慎重しんちょうに歩く。
 1mくらい近付いた時、3匹の赤いスライムからファイアーボールが放たれた!
 2発は兄が盾で受け止める。
 残り1発が、私の右手首を僅《わず》かに掠《かす》ったので驚く。
 革鎧が無い部分だったから服が燃えてしまったけれど、熱いとは感じなかった。
 これ……528あるMPで、魔法に対する抵抗値が高いんじゃないかしら?

 私は1匹を槍で突き刺し、兄はライトボールで2匹倒した。
 兄が心配そうに私の腕を確認したけど、火傷跡のない綺麗な皮膚を見て安心したようだ。
 魔石を拾いマジックバッグに入れる。
 念のためステータスを確認すると、

 リーシャ・ハンフリー 16歳
 レベル 10
 HP 528
 MP 520
 魔法 時空魔法(ホームLv10・アイテムBOX・マッピングLv10・召喚)
 魔法 火魔法(ファイアーボールLv0)

 MPが8減少し火魔法を覚えていた。

「私、火魔法を覚えられたよ! お兄ちゃんも確認してみて!」

「本当か!?」

 兄は確認して首を横に振った。

「……俺は無理だった」

「もしかして、体に受ける必要があるのかも? 次は、盾で防がず受けて検証しよう!」

「ああ、そうしてみよう」

 5m歩いた所でウォータースライム3匹を見付けた。
 2人とも一度魔法を体に受けて倒した後、ステータスを確認。

「俺も水魔法を覚えたぞ!」
 
「私も覚えたよ~。ウィンドスライムとアーススライムも、同じように魔法を受けてみよう」

「こんな簡単に魔法を覚えられるなんてラッキーだな」

「そうだね、この調子で覚えよう」

 私は、やっと自分のMPが使用出来ると感動していた。
 いつも兄が光魔法で倒すのをうらやましく見ていたのだ。
 スライムから4属性魔法を覚えられるとは……。
 ダンジョンを攻略しにきて良かった~!

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