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第3章 リースナーの町 ダンジョン攻略
第39話 地下10階 そこにいたのは……ドラゴンじゃなかった!?
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そして3ヶ月後。
Lvが上がらなくなり、兄にせかされるまま地下10階へ拠点を移す。
気が付けばダンジョンに潜り続けて2年。
異世界生活も6年半となった。
【現在のステータス】
リーシャ・ハンフリー 18歳
レベル 25
HP 1,248
MP 1,248
魔法 時空魔法(ホームLv25・アイテムBOX・マッピングLv25・召喚)
魔法 火魔法(ファイアーボールLv9、ファイアーアローLv8)
魔法 水魔法(ウォーターボールLv9)
魔法 土魔法(アースボールLv9)
魔法 風魔法(ウィンドボールLv9)
魔法 石化魔法(石化Lv3)
魔法 雷魔法(サンダーアローLv8)
魔法 闇魔法(ドレインLv0)
椎名 賢也 20歳
レベル 25
HP 1,300
MP 1,300
魔法 光魔法(ヒールLv9・ホーリーLv9・ライトボールLv10)
魔法 火魔法(ファイアーボールLv9・ファイアーアローLv8)
魔法 水魔法(ウォーターボールLv9)
魔法 土魔法(アースボールLv9)
魔法 風魔法(ウィンドボールLv9)
魔法 石化魔法(石化Lv3)
魔法 雷魔法(サンダーアローLv7)
魔法 闇魔法(ドレインLv0)
私はホームを中心に半径25km移動可能となった。
各魔法のレベルが上がった。
兄の魔法も順調に上がっている。
ドレインは、自分が怪我をする必要があるので上げられなかった……。
念のためにエクスポーション(銀貨30枚)を購入し、アイテムBOXへ入れておこう。
地下10階の地図はない。
リーダー達に聞いても知らないらしい。
常設依頼もないため誰も攻略した人がいないのか、地下10階で冒険者が亡くなり情報がないのか……。
今日は朝から、ダンジョンの最終層を攻略するので、ドキドキ・わくわく・ソワソワしていた。
だってダンジョンボスといえば定番の魔物、ドラゴンを初めて見られるのよ!
異世界にきたら一番見てみたい魔物NO.1だ!
NO.2はペガサス&グリフォン。
NO.3はフェニックス&フェンリル
そしてドラゴンをテイム出来たら竜騎士のように空を飛んでみたい!
あぁ、夢が広がるなぁ~。
最後に最も重要なのは、ドラゴンを狩れば換金額が相当高い事。
全身が素材の宝庫と言われているため、過去最高の換金額になるだろう。
もし勝てそうになかったら、即座にマッピングで撤退すれば良いし。
でもきっと兄が、電子サーベルと化したライトボールで瞬殺するに違いない。
さて、地下10階は待望のドラゴンか!?
階段を降りてみると、そこには――――はぁ??
私の幼馴染み且つ兄の親友である旭 尚人(享年45)が、当時のままの姿でそこにいた!
もう驚きすぎて開いた口が塞がらない。
兄の様子を窺うと、まるで幽霊を見たかのように後退り顔面を蒼白にさせている。
だって、旭は45歳の時に突然死したんだから。
医者の不養生とは、まさにこの事かと当時の私は思ったものだ。
同僚だった兄が倒れている旭を見付け必死に蘇生させようと頑張ったけれど、その努力も虚しくそのまま生きて帰らぬ人となった筈だった。
そうその死んだ人間が、ダンジョンの最終階にいるなんて一体誰が想像出来る?
生きていると想像さえしていなかった親友との予期せぬ再会に、兄は茫然としているだけだった。
私の方が、いち早く思考を回復して名前を呼ぶ。
「旭じゃん!」
「お前、なんでこんな所にいるんだよ!!」
私の声で漸く我に返った兄が旭に近付き、少々乱暴な勢いで迫ると胸倉を強く掴び叫んだ!
普段、冷静な兄がここまで取り乱すのは滅多にない。
それ程、大きな衝撃を受けたのだろう。
私だって目の前にいる本人を見ても、まだ信じられないくらいだ。
死に際を直接腕の中で看取った兄は、それ以上に混乱しているのかも知れない。
「え? 誰っ? ……てか、なんか凄く若くなってるけど、その声は賢也…………だよね?」
いきなり若い姿の兄から詰め寄られ、胸倉を掴まれた状態の旭が困惑した様子で首を傾げる。
私達もそりゃあもう驚いたけれど、旭の方も異世界のダンジョン内で何故か若い姿になっている兄と、誰だか分からない私を見て唖然とするだろう。
何が起きているのか訳が分からない。
私達3人は、お互い無言になってしまった……。
私は問題解決のために一番手っ取り早い方法を選択する。
アイテムBOXから、例の封筒を2つ取り出して旭へ渡す事にしたのだ。
旭は別人になっている私が分からないから、手渡された封筒を怪訝な表情で受け取ると問いかけるように兄の方を見た。
兄は無言で頷く。
それを確認した旭が何か理由があると思ったのだろう。
手渡された封筒を見るなり大きく目を瞠る。
急いで封筒を開け中身を取り出すと読み始めた。
【詫び状】と書かれた封筒
『とても困った事になっている貴方へ
すべての元凶は私です。
この責任を取り、出来うる限りの保障をさせて頂きました。
まず、いま貴方がいる世界は地球ではありません。
剣と魔法の、ファンタジーである所の異世界です。
そしてとても残念ですが椎名 沙良様48歳は、お亡くなりになりました。
貴方は現在カルドサリ王国のハンフリー公爵家、リーシャ・ハンフリー第一令嬢12歳です。
リーシャの家庭環境
母(ファイナ・ハンフリー 享年30 2年前に逝去)
父(ケンドリック・ハンフリー 33歳 公爵家当主 1年前に後妻と再婚)
後妻(リンダ・ハンフリー 32歳 継承権なし)
連れ子(サリナ・ハンフリー 12歳 継承権なし)
備考※ 現在、公爵は王都に社交のため不在。後妻リンダが領地公爵邸を仕切っており、リーシャは部屋を連れ子サリナに追い出され、納屋で監禁生活を送っている模様。(こんな家庭しか用意出来ずに申し訳ありません)
リーシャ・ハンフリーの能力
【時空魔法】
●ホーム 地球世界の椎名 沙良様の自宅に移転出来ます。
家賃・水道光熱費無料。
今回は慰謝料として、4階建てアパート12部屋すべてをホームとさせて頂きます。
また、異世界お試し期間で1年間(365日)分の部屋にあるすべてを(2021年12月24日現在補充可能。可能な限りでの原状回復済み。更に自宅303号室は追加登録補充可能)補償します。
レベル10毎にホームに出来る箇所が追加、最大10ヶ所。
●アイテムBOX 容量無限・時間停止。
●マッピング 行動範囲を地図に作成。
●召喚 地球世界の人間を呼び出せます。但し召喚した人間は送還出来ません。
レベル10毎に1人召喚出来ます。
慰謝料として、現在は1人召喚可能です。
召喚した人間には、異世界の能力をランダムに3つ与えます。
この手紙を読み終わり次第、椎名 沙良様の肉体は消滅しリーシャ・ハンフリー様に変換されますので、まずは「ステータス」と唱え能力の確認をお勧めします。
最後に、このような不幸な目に遭わせてしまいましたが、これからの貴方の人生が幸多き事でありますよう、お祈り申し上げます。』
【召喚された方へ】と書かれた封筒
『椎名 沙良様から、召喚された方へ
すべての元凶は私です。
この責任を取り、出来うる限りの保障をさせて頂きました。
まず、いま貴方がいる世界は地球ではありません。
剣と魔法の、ファンタジーである所の異世界です。
椎名 沙良様にあわせ、年齢は設定させて頂きました。
また、異世界の能力3つをご確認下さい。
椎名 賢也様の能力
【光魔法】
●ヒール 怪我を治せますが、病気を治す事は出来ません。
●ホーリー HPを回復したり、アンデッド系を攻撃します。
●ライトボール 攻撃魔法。照明代わりにもなります。
まずは「ステータス」と唱え、能力の確認をお勧めします。
最後に、このような不幸な目に遭わせてしまいましたが、これからの貴方の人生が幸多き事でありますよう、お祈り申し上げます。』
読み終わった旭は目を閉じると溜息を吐いた。
「あ~、大体事情は把握したけど……。2人共若くなりすぎ! しかも、沙良ちゃん別人だから外国人みたいに見えるよ~」
「お前こそ、どうなってるんだ? 俺は葬式にも参加したんだぞ!」
「うん、これ読んでみて?」
旭から渡された封筒を見る。
【詫び状】と書かれた見覚えのある封筒。
なんだか非常に嫌な予感がする……。
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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Lvが上がらなくなり、兄にせかされるまま地下10階へ拠点を移す。
気が付けばダンジョンに潜り続けて2年。
異世界生活も6年半となった。
【現在のステータス】
リーシャ・ハンフリー 18歳
レベル 25
HP 1,248
MP 1,248
魔法 時空魔法(ホームLv25・アイテムBOX・マッピングLv25・召喚)
魔法 火魔法(ファイアーボールLv9、ファイアーアローLv8)
魔法 水魔法(ウォーターボールLv9)
魔法 土魔法(アースボールLv9)
魔法 風魔法(ウィンドボールLv9)
魔法 石化魔法(石化Lv3)
魔法 雷魔法(サンダーアローLv8)
魔法 闇魔法(ドレインLv0)
椎名 賢也 20歳
レベル 25
HP 1,300
MP 1,300
魔法 光魔法(ヒールLv9・ホーリーLv9・ライトボールLv10)
魔法 火魔法(ファイアーボールLv9・ファイアーアローLv8)
魔法 水魔法(ウォーターボールLv9)
魔法 土魔法(アースボールLv9)
魔法 風魔法(ウィンドボールLv9)
魔法 石化魔法(石化Lv3)
魔法 雷魔法(サンダーアローLv7)
魔法 闇魔法(ドレインLv0)
私はホームを中心に半径25km移動可能となった。
各魔法のレベルが上がった。
兄の魔法も順調に上がっている。
ドレインは、自分が怪我をする必要があるので上げられなかった……。
念のためにエクスポーション(銀貨30枚)を購入し、アイテムBOXへ入れておこう。
地下10階の地図はない。
リーダー達に聞いても知らないらしい。
常設依頼もないため誰も攻略した人がいないのか、地下10階で冒険者が亡くなり情報がないのか……。
今日は朝から、ダンジョンの最終層を攻略するので、ドキドキ・わくわく・ソワソワしていた。
だってダンジョンボスといえば定番の魔物、ドラゴンを初めて見られるのよ!
異世界にきたら一番見てみたい魔物NO.1だ!
NO.2はペガサス&グリフォン。
NO.3はフェニックス&フェンリル
そしてドラゴンをテイム出来たら竜騎士のように空を飛んでみたい!
あぁ、夢が広がるなぁ~。
最後に最も重要なのは、ドラゴンを狩れば換金額が相当高い事。
全身が素材の宝庫と言われているため、過去最高の換金額になるだろう。
もし勝てそうになかったら、即座にマッピングで撤退すれば良いし。
でもきっと兄が、電子サーベルと化したライトボールで瞬殺するに違いない。
さて、地下10階は待望のドラゴンか!?
階段を降りてみると、そこには――――はぁ??
私の幼馴染み且つ兄の親友である旭 尚人(享年45)が、当時のままの姿でそこにいた!
もう驚きすぎて開いた口が塞がらない。
兄の様子を窺うと、まるで幽霊を見たかのように後退り顔面を蒼白にさせている。
だって、旭は45歳の時に突然死したんだから。
医者の不養生とは、まさにこの事かと当時の私は思ったものだ。
同僚だった兄が倒れている旭を見付け必死に蘇生させようと頑張ったけれど、その努力も虚しくそのまま生きて帰らぬ人となった筈だった。
そうその死んだ人間が、ダンジョンの最終階にいるなんて一体誰が想像出来る?
生きていると想像さえしていなかった親友との予期せぬ再会に、兄は茫然としているだけだった。
私の方が、いち早く思考を回復して名前を呼ぶ。
「旭じゃん!」
「お前、なんでこんな所にいるんだよ!!」
私の声で漸く我に返った兄が旭に近付き、少々乱暴な勢いで迫ると胸倉を強く掴び叫んだ!
普段、冷静な兄がここまで取り乱すのは滅多にない。
それ程、大きな衝撃を受けたのだろう。
私だって目の前にいる本人を見ても、まだ信じられないくらいだ。
死に際を直接腕の中で看取った兄は、それ以上に混乱しているのかも知れない。
「え? 誰っ? ……てか、なんか凄く若くなってるけど、その声は賢也…………だよね?」
いきなり若い姿の兄から詰め寄られ、胸倉を掴まれた状態の旭が困惑した様子で首を傾げる。
私達もそりゃあもう驚いたけれど、旭の方も異世界のダンジョン内で何故か若い姿になっている兄と、誰だか分からない私を見て唖然とするだろう。
何が起きているのか訳が分からない。
私達3人は、お互い無言になってしまった……。
私は問題解決のために一番手っ取り早い方法を選択する。
アイテムBOXから、例の封筒を2つ取り出して旭へ渡す事にしたのだ。
旭は別人になっている私が分からないから、手渡された封筒を怪訝な表情で受け取ると問いかけるように兄の方を見た。
兄は無言で頷く。
それを確認した旭が何か理由があると思ったのだろう。
手渡された封筒を見るなり大きく目を瞠る。
急いで封筒を開け中身を取り出すと読み始めた。
【詫び状】と書かれた封筒
『とても困った事になっている貴方へ
すべての元凶は私です。
この責任を取り、出来うる限りの保障をさせて頂きました。
まず、いま貴方がいる世界は地球ではありません。
剣と魔法の、ファンタジーである所の異世界です。
そしてとても残念ですが椎名 沙良様48歳は、お亡くなりになりました。
貴方は現在カルドサリ王国のハンフリー公爵家、リーシャ・ハンフリー第一令嬢12歳です。
リーシャの家庭環境
母(ファイナ・ハンフリー 享年30 2年前に逝去)
父(ケンドリック・ハンフリー 33歳 公爵家当主 1年前に後妻と再婚)
後妻(リンダ・ハンフリー 32歳 継承権なし)
連れ子(サリナ・ハンフリー 12歳 継承権なし)
備考※ 現在、公爵は王都に社交のため不在。後妻リンダが領地公爵邸を仕切っており、リーシャは部屋を連れ子サリナに追い出され、納屋で監禁生活を送っている模様。(こんな家庭しか用意出来ずに申し訳ありません)
リーシャ・ハンフリーの能力
【時空魔法】
●ホーム 地球世界の椎名 沙良様の自宅に移転出来ます。
家賃・水道光熱費無料。
今回は慰謝料として、4階建てアパート12部屋すべてをホームとさせて頂きます。
また、異世界お試し期間で1年間(365日)分の部屋にあるすべてを(2021年12月24日現在補充可能。可能な限りでの原状回復済み。更に自宅303号室は追加登録補充可能)補償します。
レベル10毎にホームに出来る箇所が追加、最大10ヶ所。
●アイテムBOX 容量無限・時間停止。
●マッピング 行動範囲を地図に作成。
●召喚 地球世界の人間を呼び出せます。但し召喚した人間は送還出来ません。
レベル10毎に1人召喚出来ます。
慰謝料として、現在は1人召喚可能です。
召喚した人間には、異世界の能力をランダムに3つ与えます。
この手紙を読み終わり次第、椎名 沙良様の肉体は消滅しリーシャ・ハンフリー様に変換されますので、まずは「ステータス」と唱え能力の確認をお勧めします。
最後に、このような不幸な目に遭わせてしまいましたが、これからの貴方の人生が幸多き事でありますよう、お祈り申し上げます。』
【召喚された方へ】と書かれた封筒
『椎名 沙良様から、召喚された方へ
すべての元凶は私です。
この責任を取り、出来うる限りの保障をさせて頂きました。
まず、いま貴方がいる世界は地球ではありません。
剣と魔法の、ファンタジーである所の異世界です。
椎名 沙良様にあわせ、年齢は設定させて頂きました。
また、異世界の能力3つをご確認下さい。
椎名 賢也様の能力
【光魔法】
●ヒール 怪我を治せますが、病気を治す事は出来ません。
●ホーリー HPを回復したり、アンデッド系を攻撃します。
●ライトボール 攻撃魔法。照明代わりにもなります。
まずは「ステータス」と唱え、能力の確認をお勧めします。
最後に、このような不幸な目に遭わせてしまいましたが、これからの貴方の人生が幸多き事でありますよう、お祈り申し上げます。』
読み終わった旭は目を閉じると溜息を吐いた。
「あ~、大体事情は把握したけど……。2人共若くなりすぎ! しかも、沙良ちゃん別人だから外国人みたいに見えるよ~」
「お前こそ、どうなってるんだ? 俺は葬式にも参加したんだぞ!」
「うん、これ読んでみて?」
旭から渡された封筒を見る。
【詫び状】と書かれた見覚えのある封筒。
なんだか非常に嫌な予感がする……。
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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応援ありがとうございます!
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