自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

如月 雪名

文字の大きさ
372 / 781
第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第498話 迷宮都市 両親の召喚 14 アシュカナ帝国の忍び寄る影

 いつもならカルドサリ王国の諜報員ちょうほういん? の人達が、怪しい人物を片付けてくれるんだけど……。
 今日は偶々たまたまいないみたいで、物陰に潜んでいる男性2人は健在だった。

 迷宮都市で何度も後を付けられているから、理由を知りたい。
 これからは両親と雫ちゃんにお母さんも一緒にパーティーを組むから、危険はなるべく排除しておきたいのだ。

 一番簡単な方法は、男性2人をアイテムBOX内に収納してそのまま出さない事だけど……。
 今までの状況からして、連絡が途絶えても次の人間を送ってくるだけだろうなぁ。

 もし一番HP/MPが低い雫ちゃんに害が及んだらと思うと、ぞっとする。
 私だけを狙う分には、移転で逃げる事が出来るからさして問題はない。

 まぁ、狙われるのは嫌な気分だし相手が不明な点も気になるんだけどね。

 捕まえて、私に尋問する事は可能だろうか?
 少し考えて、そういった訓練を受けている人間から素人の私が聞き出す事は難しいとあきらめた。

 でも相手から行動を起こされてからでは、後の処理が厄介やっかいだ。

 2人にどう対処しようか考えていると、白ふくろうの『ポチ』・と『タマ』が凄い速さで飛んできた。

 絶対、梟が出せるスピードじゃないよ!
 ガーグ老のLvはどれだけ高いの!?

 2匹の白梟は私にぶつかる寸前で減速し、ふわりと両肩に止まった。
 そしてシルバー同様、前方に視線を固定し「ホー」と一鳴きする。 

 どうやら上空から私の姿を見付け、助けにきてくれたようだ。
 私の周囲に、テイムされた従魔が3匹いるからか2人の男性は動かない。

 移動をしようとした所、ガーグ老とその長男であるゼンさんが走ってこちらにやってきた。

 きっと従魔である2匹が、ガーグ老に念話で連絡を入れたんだろう。
 状況を知り、心配で駆け付けてくれたのか……。

「サラ……ちゃん。無事かの? 『ポチ』から、怪しい男性に見張られていると連絡があったんだが……」

「ガーグ老、態々わざわざきて頂きありがとうございます。ここから右前方へ20mくらい離れた場所に不審人物がいるんです。シルバーが警戒しているから分かったんですけど……。最近、誰かに見張られているようで……。少し気になり理由を知りたいと思っていた所なんです」

「何と! それはいかん。ゼンよ、今直ぐ2人を拘束して連れて参れ!」

「はっ!」

 返事をした瞬間、ゼンさんが一直線に2人に向かって走り出す。
 よく居場所が分かったな……。

 そしてものの数分もしない内に、2人は逃げる事も出来ずに縄を掛けられた状態で連れてこられた。
 その鮮やか過ぎる手腕に感心してしまう。

 流石さすが、王族を警護している騎士だ。
 現役なのは伊達だてじゃない。

 あれ?
 今日は仕事が非番だったのかな?
 稽古日の日曜が休日だと思ってたんだけど……。

 2人の男性は浅黒い肌をした長身痩躯そうくで、庶民に扮しているのか古着を着ていた。
 ただカルドサリ王国の人間ではないと思われる特徴がある。

 瞳の色は赤く耳の形が少しとがっていたのだ。
 これは異世界定番のダークエルフと言われる人種だろうか?

「こやつらは、アシュカナ帝国の人間だな。帝国人の匂いがぷんぷんするわ」

 ガーグ老は南大陸にあるアシュカナ帝国の人間を知っているようで、顔をしかめながら2人の事をにらみつけている。 
  
「サラ……ちゃん。後は、儂の方で情報を聞き出す。若い女子おなごが見るには少々刺激が強かろう。明日結果を報告するで、それまで待ってもらえんかの?」

「あっ、はい。どうして私の事を見張っていたのか分かると助かります」
 
 ここは本職であるガーグ老にお願いしよう。
 下手に尋問の場に立ち会い邪魔をしてはいけない。

「任せよ。安心して帰るがよい」

「よろしくお願いします」

 私は2人に頭を下げ、シルバーに乗って新居に帰った。

 はぁ~。
 何度もこんな事があると不安だなぁ。

 兄達には内緒にしているけど、両親には言った方がいいんだろうか?
 でも父は、そんな事を知ったら異世界で冒険者をする事を許してくれないかも知れない。

 やっぱり、もう少しだけ黙っておこう。
 明日、ガーグ老から理由を聞いてから考えればいいか。

 新居の庭からホームの自宅に戻る。
 時間は夕方の17時だった。

 兄の部屋をのぞいてみると、2人はまだ帰っていない。
 実家にいるかなと確認すると、父と兄と旭がリビングでTVを見ていた。

 バイクの練習後に、そのまま実家に寄ったのだろう。
 母が台所で料理をしているので、一緒に食べるのかな?

 私はマッピングで皆の居場所が分かるけど、人数が増えた事で連絡が取れない事が困る。
 通信の魔道具は、外に出した状態じゃないと文章を確認出来ないからね。

 携帯がつながるように、なんとかならないものか……。
 一応、『手紙の人』にお願いしておこう。

 兄が心配しているだろうと思い、私もマッピングで実家に移動する。
 料理の途中だった母を手伝い、その日の夕食は家族で食べる事にした。

 食事中、兄と旭にバイクは乗れるようになったのか聞いたら「完璧!」と答えが返ってくる。
 運転の仕方さえ分かれば、運動神経の良い2人は1日で乗れるようになったみたいだ。

 ちらりと見た限りでは、兄と父のバイクには後ろに座席のような物が付いていた気がする。
 2人乗りを想定して購入したんだろう。

 兄は、私を後ろに乗せてくれる心算つもりなのかも知れないなぁ。
 父の方は、母を乗せてあげたいのかも?

 でも、もう少し後にしてね。
 初心者の後ろに乗るのは少し怖い。

 父が日本酒を飲み出したので、おつまみに迷宮ウナギの肝焼きを出しておいた。
 なんとなく身の方より、肝の方が効果が高そうな気がするし……。

 明日は7時に異世界に移動し新居で子供達に炊き出し後、稽古に行く予定を伝え実家を出た。

 -------------------------------------
 お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
 読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
 応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
 これからもよろしくお願い致します。
 -------------------------------------
感想 2,669

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

転生皇女は冷酷皇帝陛下に溺愛されるが夢は冒険者です!

akechi
ファンタジー
アウラード大帝国の第四皇女として生まれたアレクシア。だが、母親である側妃からは愛されず、父親である皇帝ルシアードには会った事もなかった…が、アレクシアは蔑ろにされているのを良いことに自由を満喫していた。 そう、アレクシアは前世の記憶を持って生まれたのだ。前世は大賢者として伝説になっているアリアナという女性だ。アレクシアは昔の知恵を使い、様々な事件を解決していく内に昔の仲間と再会したりと皆に愛されていくお話。 ※コメディ寄りです。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

家ごと異世界ライフ

もちもちほっぺ
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!

夢のテンプレ幼女転生、はじめました。 憧れののんびり冒険者生活を送ります

ういの
ファンタジー
旧題:テンプレ展開で幼女転生しました。憧れの冒険者になったので仲間たちとともにのんびり冒険したいとおもいます。 七瀬千那(ななせ ちな)28歳。トラックに轢かれ、気がついたら異世界の森の中でした。そこで出会った冒険者とともに森を抜け、最初の街で冒険者登録しました。新米冒険者(5歳)爆誕です!神様がくれた(と思われる)チート魔法を使ってお気楽冒険者生活のはじまりです!……ちょっと!神獣様!精霊王様!竜王様!私はのんびり冒険したいだけなので、目立つ行動はお控えください!! 初めての投稿で、完全に見切り発車です。自分が読みたい作品は読み切っちゃった!でももっと読みたい!じゃあ自分で書いちゃおう!っていうノリで書き始めました。 2024年5月 書籍一巻発売 2025年7月 書籍二巻発売 2025年10月 コミカライズ連載開始

転生したので、今世こそは楽しく生きます!~大好きな家族に囲まれて第2の人生を謳歌する~

結笑-yue-
ファンタジー
『可愛いわね』 『小さいな』 『…やっと…逢えた』 『我らの愛しい姫。パレスの愛し子よ』 『『『『『『『『『『我ら、原初の精霊の祝福を』』』』』』』』』』 地球とは別の世界、異世界“パレス”。 ここに生まれてくるはずだった世界に愛された愛し子。 しかし、神たちによって大切にされていた魂が突然できた輪廻の輪の歪みに吸い込まれてしまった。 神たちや精霊王、神獣や聖獣たちが必死に探したが、終ぞ見つけられず、時間ばかりが過ぎてしまっていた。 その頃その魂は、地球の日本で産声をあげ誕生していた。 しかし異世界とはいえ、神たちに大切にされていた魂、そして魔力などのない地球で生まれたため、体はひどく病弱。 原因不明の病気をいくつも抱え、病院のベッドの上でのみ生活ができる状態だった。 その子の名は、如月結笑《キサラギユエ》ーーー。 生まれた時に余命宣告されながらも、必死に生きてきたが、命の燈が消えそうな時ようやく愛し子の魂を見つけた神たち。 初めての人生が壮絶なものだったことを知り、激怒し、嘆き悲しみ、憂い……。 阿鼻叫喚のパレスの神界。 次の生では、健康で幸せに満ち溢れた暮らしを約束し、愛し子の魂を送り出した。 これはそんな愛し子が、第2の人生を楽しく幸せに暮らしていくお話。 家族に、精霊、聖獣や神獣、神たちに愛され、仲間を、友達をたくさん作り、困難に立ち向かいながらも成長していく姿を乞うご期待! *:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈ 小説家になろう様でも連載中です。 第1章無事に完走したので、アルファポリス様でも連載を始めます! よろしくお願い致します( . .)" *:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈

追放された荷物持ちですが、実は滅んだ竜族の末裔でした~のんびり暮らしたいのに、なぜかそうならない~

ソラリアル
ファンタジー
目が覚めたら、俺は孤児だった。 家族も、家も、居場所もない。 そんな俺を拾ってくれたのは、優しいSランク冒険者のパーティだった。 「荷物持ちでもいい、仲間になれ」 その言葉を信じて、俺は必死についていった。 だけど、自分には何もできないと思っていた。 それでも少しでも役に立ちたくて、夜な夜な一人で力を磨いた。 だけどある日、彼らは言った。 『ここからは危険だ。荷物持ちは、もう必要ない』 それは、俺の身を案じた「優しさ」からの判断だった。 俺も分かっていた。 だから、黙ってそれを受け入れ、静かにパーティを離れた。 「もう誰にも必要とされなくてもいい。一人で、穏やかに生きていこう」 そう思っていた。そのはずだった。 ――だけど。 ダンジョンの地下で出会った古代竜の魂と、 “様々な縁”が重なり、騒がしくなった。 「最強を目指すべくして生まれた存在」 「君と一緒に行かせてくれ。」 「……オリオンを辞めさせた、本当の理由を知っている」 穏やかなスローライフ生活を望んだはずなのに、 世界はまた、勝手に動き出してしまったらしい―― ◇小説家になろうでも同時連載中です◇