510 / 781
第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第633話 迷宮都市 樹おじさんの召喚 9 新しい魔物のテイムと従魔登録
これから産科の勉強をすると言う兄と旭を先にホーム内へ送り、女性陣だけでダンジョンへ向かう。
雫ちゃんのお母さんに、一応何の魔物をテイムする予定か聞くと案の定フォレストウサギだった。
1匹だけ種類が違っていたら可哀想だという理由らしい。
せめてもう少し強い雪ウサギにしてあげたかったけど、摩天楼のダンジョンに出現する魔物の従魔登録をする訳にはいかないだろう。
地下14階で雫ちゃんのお母さんがフォレストウサギに魅了を掛ける。
獰猛な魔物の顔付きが変化し、ヒョコヒョコと歩いてきた。
まぁ、見ている分には可愛い魔物だよね。
私は乗りたいと思わないけど……。
「貴方の名前は、ブラッディ・マリーよ!」
また変わった名前を……。
それはカクテルの名称ですよね?
しかも呼び難そうだ。
「お母さん、微妙に長いよ!」
雫ちゃんが抗議する。
「じゃあ、呼ぶ時はマリーにしましょ」
雄ですけど……?
そうして樹おじさんの騎獣は、フォレストウサギのマリーに決まった。
ダンジョンから出て冒険者ギルドへ。
1匹増えたフォレストウサギを見て、受付嬢が「従魔登録ですね」とにこやかに言い会議室まで案内してくれる。
会議室で待っていると、程なくしてオリビアさんが入ってきた。
「ええっと、今回はユカさんがテイムされたんですね。またウサギを……」
増えた従魔を見て、オリビアさんの顔が引き攣っている。
渡された首輪をマリーに着け、従魔登録の用紙を雫ちゃんのお母さんが記入後に返却した。
「これで3匹目……」
そう呟くオリビアさんの表情は、疲労の色が濃い。
疲れているようだったから、私はドライフルーツ入りのショートブレッドを渡してあげた。
甘い物を食べ、疲れを癒して下さいね。
冒険者ギルドを出て、ガーグ老の工房へ戻る。
早速、雫ちゃんのお母さんが樹おじさんに従魔を紹介していた。
「俺の騎獣もウサギなの!?」
体格の良い樹おじさんが、体長1mのフォレストウサギに乗る姿はシュールだ。
でも地下14階の魔物で主人のLvが30あれば、成人男性でも問題なく乗せられる。
くるときは、2人乗りしても大丈夫だったしね。
「結花……。もっと格好いい魔物はいなかったのか?」
「あら、可愛い方がいいでしょ?」
「いや、俺は……」
雫ちゃんお母さんの目が笑っていない事に気付き、樹おじさんが口籠る。
妻の方が強いのは、どこの夫婦も同じらしい。
「あ~、マリーだっけ? これからよろしくな!」
樹おじさんは諦めたのか、マリーに挨拶し頭をポンポンと撫でた。
両肩に乗っている2匹の白梟も、マリーに向かい頭を上下させている。
従魔同士は意志の疎通が出来るんだろうか?
ガーグ老とシュウゲンさんの対局がどうなったか聞くと、シュウゲンさんが3連勝中のようだ。
そもそもイギリス人の祖父に将棋を教えたのは、シュウゲンさんだと聞いている。
日本で亡くなるまで指導を受けていた祖父から、父も兄も将棋を習ったのだ。
師匠には勝てないだろう。
当然、父親から手ほどきを受けた奏伯父さんも強い。
父とは良い対戦相手だったようだ。
樹おじさんは、まぁそこそこ強い感じだろうか?
ガーグ老達は4人に一度も勝てず、唸っている。
私は現在対局中の人達が終了するまで待ち、皆と一緒に家まで帰った。
それからシュウゲンさんを王都に送り、ホーム内へ戻る。
勉強中の兄達の邪魔をしないよう、夕食は片手で食べられるお握りを作り机の上に置いて部屋へ戻った。
母の出産まであまり時間がないからか、2人は真剣な表情で参考資料を読んでいる。
出産に備え万全な態勢で臨んでほしい。
旭、頑張ってね!
月曜日。
今日から5日間またダンジョン攻略。
地下1階から地下11階の魔物から、樹おじさんに魔法を受けてもらう。
最初、魔物から無防備な状態で魔法を受ける事に難色を示していたけど、奥さんから「怪我をしたら治療してあげるわよ!」と背中を叩かれ渋々受けていた。
ステータスを確認して魔法を習得出来たと分かったのに、ちっとも嬉しそうじゃないなぁ。
ただコカトリスから石化魔法を習得した時と、リッチから闇魔法を習得した時は喜んでいた。
その差が分からない。
また、魅惑魔法を覚えた時は悪そうな顔をしニヤリと笑っている。
ええっと、悪い事には使用しないで下さいね?
兄&フォレストと別れ、私達は再び地下11階から地下15階まで移動した。
安全地帯に着いてマジックテントを設置後、休憩したら攻略開始。
アマンダさん・ダンクさんと挨拶を交わしながら、子供達の話を併せ伝えていく。
パーティーメンバーに旭の妹の旦那さんが加わると紹介する。
アマンダさんとダンクさんが雫ちゃんのお母さんが既婚者である事に驚き、樹おじさんを見て年齢差に苦笑していた。
増えた従魔を一緒に紹介すると、少し同情したような目を向けられる。
乗り心地、悪そうだもんね~。
旭家は4人で果物採取へ。
樹おじさんは、ダンジョン攻略を楽しみにしていたのに果物採取をすると言われ、がっかりした表情を隠せないようだ。
冒険者の仕事じゃないと叫んでいたけど奥さんから「何か問題が?」と言われ、すごすごと引き下がった。
ダンジョン産の果物は甘くて美味しいし、王都では高級フルーツとして販売されている。
毎日タダで収穫出来るなら、雫ちゃんもお母さんも採りたいだろう。
私も地下16階の果物を収穫しよう。
バナナは子供達に人気の果物だ。
ダンジョン産の果物は1ヶ月程日持ちがするので、皮が黒くなったりもしない。
ランダムに生るパイナップルも完熟状態で美味しいんだよね~。
果物の収穫後、地下13階に移動しハニーから薬草の入ったマジックバッグを受け取る。
あれ?
縞模様の色が、クインビーとそっくりになっている。
コロニーのキラービーも、キングビーに進化してるようだ。
-------------------------------------
お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
-------------------------------------
雫ちゃんのお母さんに、一応何の魔物をテイムする予定か聞くと案の定フォレストウサギだった。
1匹だけ種類が違っていたら可哀想だという理由らしい。
せめてもう少し強い雪ウサギにしてあげたかったけど、摩天楼のダンジョンに出現する魔物の従魔登録をする訳にはいかないだろう。
地下14階で雫ちゃんのお母さんがフォレストウサギに魅了を掛ける。
獰猛な魔物の顔付きが変化し、ヒョコヒョコと歩いてきた。
まぁ、見ている分には可愛い魔物だよね。
私は乗りたいと思わないけど……。
「貴方の名前は、ブラッディ・マリーよ!」
また変わった名前を……。
それはカクテルの名称ですよね?
しかも呼び難そうだ。
「お母さん、微妙に長いよ!」
雫ちゃんが抗議する。
「じゃあ、呼ぶ時はマリーにしましょ」
雄ですけど……?
そうして樹おじさんの騎獣は、フォレストウサギのマリーに決まった。
ダンジョンから出て冒険者ギルドへ。
1匹増えたフォレストウサギを見て、受付嬢が「従魔登録ですね」とにこやかに言い会議室まで案内してくれる。
会議室で待っていると、程なくしてオリビアさんが入ってきた。
「ええっと、今回はユカさんがテイムされたんですね。またウサギを……」
増えた従魔を見て、オリビアさんの顔が引き攣っている。
渡された首輪をマリーに着け、従魔登録の用紙を雫ちゃんのお母さんが記入後に返却した。
「これで3匹目……」
そう呟くオリビアさんの表情は、疲労の色が濃い。
疲れているようだったから、私はドライフルーツ入りのショートブレッドを渡してあげた。
甘い物を食べ、疲れを癒して下さいね。
冒険者ギルドを出て、ガーグ老の工房へ戻る。
早速、雫ちゃんのお母さんが樹おじさんに従魔を紹介していた。
「俺の騎獣もウサギなの!?」
体格の良い樹おじさんが、体長1mのフォレストウサギに乗る姿はシュールだ。
でも地下14階の魔物で主人のLvが30あれば、成人男性でも問題なく乗せられる。
くるときは、2人乗りしても大丈夫だったしね。
「結花……。もっと格好いい魔物はいなかったのか?」
「あら、可愛い方がいいでしょ?」
「いや、俺は……」
雫ちゃんお母さんの目が笑っていない事に気付き、樹おじさんが口籠る。
妻の方が強いのは、どこの夫婦も同じらしい。
「あ~、マリーだっけ? これからよろしくな!」
樹おじさんは諦めたのか、マリーに挨拶し頭をポンポンと撫でた。
両肩に乗っている2匹の白梟も、マリーに向かい頭を上下させている。
従魔同士は意志の疎通が出来るんだろうか?
ガーグ老とシュウゲンさんの対局がどうなったか聞くと、シュウゲンさんが3連勝中のようだ。
そもそもイギリス人の祖父に将棋を教えたのは、シュウゲンさんだと聞いている。
日本で亡くなるまで指導を受けていた祖父から、父も兄も将棋を習ったのだ。
師匠には勝てないだろう。
当然、父親から手ほどきを受けた奏伯父さんも強い。
父とは良い対戦相手だったようだ。
樹おじさんは、まぁそこそこ強い感じだろうか?
ガーグ老達は4人に一度も勝てず、唸っている。
私は現在対局中の人達が終了するまで待ち、皆と一緒に家まで帰った。
それからシュウゲンさんを王都に送り、ホーム内へ戻る。
勉強中の兄達の邪魔をしないよう、夕食は片手で食べられるお握りを作り机の上に置いて部屋へ戻った。
母の出産まであまり時間がないからか、2人は真剣な表情で参考資料を読んでいる。
出産に備え万全な態勢で臨んでほしい。
旭、頑張ってね!
月曜日。
今日から5日間またダンジョン攻略。
地下1階から地下11階の魔物から、樹おじさんに魔法を受けてもらう。
最初、魔物から無防備な状態で魔法を受ける事に難色を示していたけど、奥さんから「怪我をしたら治療してあげるわよ!」と背中を叩かれ渋々受けていた。
ステータスを確認して魔法を習得出来たと分かったのに、ちっとも嬉しそうじゃないなぁ。
ただコカトリスから石化魔法を習得した時と、リッチから闇魔法を習得した時は喜んでいた。
その差が分からない。
また、魅惑魔法を覚えた時は悪そうな顔をしニヤリと笑っている。
ええっと、悪い事には使用しないで下さいね?
兄&フォレストと別れ、私達は再び地下11階から地下15階まで移動した。
安全地帯に着いてマジックテントを設置後、休憩したら攻略開始。
アマンダさん・ダンクさんと挨拶を交わしながら、子供達の話を併せ伝えていく。
パーティーメンバーに旭の妹の旦那さんが加わると紹介する。
アマンダさんとダンクさんが雫ちゃんのお母さんが既婚者である事に驚き、樹おじさんを見て年齢差に苦笑していた。
増えた従魔を一緒に紹介すると、少し同情したような目を向けられる。
乗り心地、悪そうだもんね~。
旭家は4人で果物採取へ。
樹おじさんは、ダンジョン攻略を楽しみにしていたのに果物採取をすると言われ、がっかりした表情を隠せないようだ。
冒険者の仕事じゃないと叫んでいたけど奥さんから「何か問題が?」と言われ、すごすごと引き下がった。
ダンジョン産の果物は甘くて美味しいし、王都では高級フルーツとして販売されている。
毎日タダで収穫出来るなら、雫ちゃんもお母さんも採りたいだろう。
私も地下16階の果物を収穫しよう。
バナナは子供達に人気の果物だ。
ダンジョン産の果物は1ヶ月程日持ちがするので、皮が黒くなったりもしない。
ランダムに生るパイナップルも完熟状態で美味しいんだよね~。
果物の収穫後、地下13階に移動しハニーから薬草の入ったマジックバッグを受け取る。
あれ?
縞模様の色が、クインビーとそっくりになっている。
コロニーのキラービーも、キングビーに進化してるようだ。
-------------------------------------
お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
-------------------------------------
あなたにおすすめの小説
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
家ごと異世界ライフ
もちもちほっぺ
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
『お前の針仕事など誰でもできる』——なら社交界のドレスの裏地を、めくってごらんなさい
歩人
ファンタジー
「地味な針仕事しかできない令嬢は要らない」——公爵家の嫡男にそう言い渡された伯爵令嬢ティナは、
裁縫道具だけを持って屋敷を出た。その翌週、社交界が凍りつく。王妃の夜会服も、公爵令嬢の舞踏会
ドレスも、第一王女の外交用ローブも——仕立てた職人が消えたのだ。しかもティナが十年かけて縫った
全てのドレスの裏地には、二重縫いで隠された署名が残されていて——。
辺境の小さな仕立て屋で穏やかに暮らすティナの元に、王都から使者がやってくる。
【完結】遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
【残り数話を持ちまして3月29日完結!!】
夫にも子どもにも、私は選ばれなかった。
長年の裏切りを抱え、離縁状を置いて家を出た――。
待っていたのは、凍てつく絶望。
けれど同時に、それは残酷な運命の扉が開く瞬間でもあった。
「夫は愛人と生きればいい。
今さら縋られても、裏切ったあなたを許す力など残っていない」
それでも私は誓う――
「子どもたちの心だけは、必ず取り戻す」
歪で、完全な幸福――それとも、破滅。
“石”に翻弄された者たちの、狂おしい物語。
異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
婚約破棄された公爵令嬢は冤罪で地下牢へ、前世の記憶を思い出したので、スキル引きこもりを使って王子たちに復讐します!
山田 バルス
ファンタジー
王宮大広間は春の祝宴で黄金色に輝き、各地の貴族たちの笑い声と音楽で満ちていた。しかしその中心で、空気を切り裂くように響いたのは、第1王子アルベルトの声だった。
「ローゼ・フォン・エルンスト! おまえとの婚約は、今日をもって破棄する!」
周囲の視線が一斉にローゼに注がれ、彼女は凍りついた。「……は?」唇からもれる言葉は震え、理解できないまま広間のざわめきが広がっていく。幼い頃から王子の隣で育ち、未来の王妃として教育を受けてきたローゼ――その誇り高き公爵令嬢が、今まさに公開の場で突き放されたのだ。
アルベルトは勝ち誇る笑みを浮かべ、隣に立つ淡いピンク髪の少女ミーアを差し置き、「おれはこの天使を選ぶ」と宣言した。ミーアは目を潤ませ、か細い声で応じる。取り巻きの貴族たちも次々にローゼの罪を指摘し、アーサーやマッスルといった証人が証言を加えることで、非難の声は広間を震わせた。
ローゼは必死に抗う。「わたしは何もしていない……」だが、王子の視線と群衆の圧力の前に言葉は届かない。アルベルトは公然と彼女を罪人扱いし、地下牢への収監を命じる。近衛兵に両腕を拘束され、引きずられるローゼ。広間には王子を讃える喝采と、哀れむ視線だけが残った。
その孤立無援の絶望の中で、ローゼの胸にかすかな光がともる。それは前世の記憶――ブラック企業で心身をすり減らし、引きこもりとなった過去の記憶だった。地下牢という絶望的な空間が、彼女の心に小さな希望を芽生えさせる。
そして――スキル《引きこもり》が発動する兆しを見せた。絶望の牢獄は、ローゼにとって新たな力を得る場となる。《マイルーム》が呼び出され、誰にも侵入されない自分だけの聖域が生まれる。泣き崩れる心に、未来への決意が灯る。ここから、ローゼの再起と逆転の物語が始まるのだった。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!