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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第715話 旭 樹 再召喚 9 世界樹の精霊王へ帰還の挨拶&増えた謎
目を瞑り意識を集中させ、加護を受けた精霊王の森を詳細に思い浮かべていく。
意識だけの状態で、大陸を違える程に遠く離れた場所へ飛ぶのは結構難しい。
だが木を通してなら、なんとかなりそうだ。
次に目を開いた時、俺は既に精霊の森にいた。
森の中央の大きな世界樹のある場所へと、そのまま視線を移す。
あぁ、いたいた。
相変わらず、無駄に顔がいい精霊王の姿を見付ける。
四属性の精霊王は女性達なのに、どうして世界樹の精霊王は男性なんだろうなぁ。
『精霊王、ご無沙汰しております。帰還の挨拶に参りました』
「誰かと思ったら……ヒルダのようだね。君の夫から生きていると聞いてはいたけど、これは驚いた。今の姿が生前の君なのか……」
響が事前に俺の話をしていたらしく、精霊王は言葉にする程驚いている様子はない。
『ティーナを育てて下さり、感謝しています。娘が巫女姫だと言われ、少し事情を聞きたいのですが……』
「あぁ、君が産んだ子供はかなり特殊な存在でね。人族やエルフの下で育てられるのは拙いと思い、私の養い子としたんだよ。ハイエルフの王族に、【存在を秘匿される御方】と呼ばれる存在が数百年毎に生まれるのは知っているだろう? 彼らは時空魔法適正持ちで、エルフの守護神とも呼ばれるね。王宮の精霊殿で、王族を護衛する影衆達から選ばれた50人の『万象』達に守られ大切に育てられる」
『はい、それは私も存じております』
「それとは別に、この世界には巫女姫と呼ばれる存在が数千年に一度誕生するんだよ。どの種族で生まれてくるか分からない事が多いけど、今回はティーナがその巫女姫だった。巫女姫は、あらゆる種族に魔力を分け与えられる。その恩恵に与ろうと攫われる危険性も高く、また同時に生まれる厄介な存在からは常に命を狙われるんだ」
『私の娘は、かなり危険な状態なのですか?』
「そうだね。アレは巫女姫の存在を許さない。私の結界がある精霊の森にいても、いつか発見される可能性が高いため、一度違う世界へ護衛達と共に転生してもらった。ティーナの傍には、その護衛達がいる筈だよ。皆、まだ記憶を封印したままだから知らないだろうけど」
『では、私と同じように皆前世があると?』
「あぁ、君の場合は……。二重の封印が施されているみたいだね。一つは私がしたもの、もう一つは転生後に生まれ変わった世界の守護者から記憶を封じられている? 残念だけど、これは私でも解けない。分かるのは、ティーナの記憶が戻ると同時に解除されるという事だけだよ。君の転生には、かなり大きな代償が必要だったらしい」
『それは、私が娘の護衛として転生した事になるのでしょうか?』
「どうも、そんな感じがするね。紫眼を持って生まれた王族なのに、時空魔法の適正がなかった訳が分かったよ」
精霊王は自分一人で納得し、ポンと手を叩いていた。
意味がさっぱり分からない。
娘の護衛として一緒に転生したなら、時間軸がおかしいんじゃ?
俺には前前世がある事になる。
ハイエルフのヒルダと人間として樹の他にも、人生があったというのか?
巫女姫の話を聞きに来たのに、俺自身の謎が見付かってしまった。
あぁ、そろそろ時間切れか……。
『精霊王。後日、改めて伺います。序に世界樹の苗木を分けて下さいな』
「おや? また【エルフの秘伝薬】が必要なのかい?」
『いえ、私は既に結婚しており2人の子供もいます。産んだのは勿論、妻ですが……』
「生前の君には、妻と子供がいたのか……。苗木をどうする心算なの?」
『世界樹の木がある場所なら、別世界でも精霊王に声は届きますよね?』
「苗木を通し語り掛けてくれれば、私には聞こえるよ」
『娘の魔法にホームという、規格外の能力があるのです。それはこの世界とは違う場所になるので、念のため備えておきたく存じます』
「転生先の守護者が安全な場所を用意してくれたようだね。分かった、苗木を渡そう」
精霊王から苗木を貰い、俺は自分の体に戻るよう意識を変化させ、両手に触れる木の幹を実感すると再び目を開ける。
無事にガーグ老の工房の庭へ戻れたようだ。
時間にして10分程度だろうか?
響はまだ、ガーグ老相手に将棋を指している。
俺は両手に持った苗木を響のマジックバッグに入れ、娘達を待った。
30分後、娘達が増えた魔物と一緒に工房内へ入ってくる。
魔物を確認した瞬間、変な声が出そうになった。
妻から従魔を紹介され、またおかしな名前をと思ったが……。
「俺の騎獣もウサギなの!?」
名前より、従魔の種類が気になって仕方ない。
まさか俺もウサギに騎乗するとは思わず声を上げる。
「結花……。もっと格好いい魔物はいなかったのか?」
「あら、可愛い方がいいでしょ?」
「いや、俺は……」
娘の従魔のように大型魔物が良かったとは、笑っていない妻の目を見て言えなかった。
「あ~、マリーだっけ? これからよろしくな!」
ブラッディ・マリーと名付けられた雄のフォレストウサギに挨拶し、頭を撫でた。
俺のテイムした従魔じゃないが、2匹の白梟はマリーに向かい頭を上下に振っている。
これから俺を乗せる従魔に、よろしくと言っているみたいだった。
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意識だけの状態で、大陸を違える程に遠く離れた場所へ飛ぶのは結構難しい。
だが木を通してなら、なんとかなりそうだ。
次に目を開いた時、俺は既に精霊の森にいた。
森の中央の大きな世界樹のある場所へと、そのまま視線を移す。
あぁ、いたいた。
相変わらず、無駄に顔がいい精霊王の姿を見付ける。
四属性の精霊王は女性達なのに、どうして世界樹の精霊王は男性なんだろうなぁ。
『精霊王、ご無沙汰しております。帰還の挨拶に参りました』
「誰かと思ったら……ヒルダのようだね。君の夫から生きていると聞いてはいたけど、これは驚いた。今の姿が生前の君なのか……」
響が事前に俺の話をしていたらしく、精霊王は言葉にする程驚いている様子はない。
『ティーナを育てて下さり、感謝しています。娘が巫女姫だと言われ、少し事情を聞きたいのですが……』
「あぁ、君が産んだ子供はかなり特殊な存在でね。人族やエルフの下で育てられるのは拙いと思い、私の養い子としたんだよ。ハイエルフの王族に、【存在を秘匿される御方】と呼ばれる存在が数百年毎に生まれるのは知っているだろう? 彼らは時空魔法適正持ちで、エルフの守護神とも呼ばれるね。王宮の精霊殿で、王族を護衛する影衆達から選ばれた50人の『万象』達に守られ大切に育てられる」
『はい、それは私も存じております』
「それとは別に、この世界には巫女姫と呼ばれる存在が数千年に一度誕生するんだよ。どの種族で生まれてくるか分からない事が多いけど、今回はティーナがその巫女姫だった。巫女姫は、あらゆる種族に魔力を分け与えられる。その恩恵に与ろうと攫われる危険性も高く、また同時に生まれる厄介な存在からは常に命を狙われるんだ」
『私の娘は、かなり危険な状態なのですか?』
「そうだね。アレは巫女姫の存在を許さない。私の結界がある精霊の森にいても、いつか発見される可能性が高いため、一度違う世界へ護衛達と共に転生してもらった。ティーナの傍には、その護衛達がいる筈だよ。皆、まだ記憶を封印したままだから知らないだろうけど」
『では、私と同じように皆前世があると?』
「あぁ、君の場合は……。二重の封印が施されているみたいだね。一つは私がしたもの、もう一つは転生後に生まれ変わった世界の守護者から記憶を封じられている? 残念だけど、これは私でも解けない。分かるのは、ティーナの記憶が戻ると同時に解除されるという事だけだよ。君の転生には、かなり大きな代償が必要だったらしい」
『それは、私が娘の護衛として転生した事になるのでしょうか?』
「どうも、そんな感じがするね。紫眼を持って生まれた王族なのに、時空魔法の適正がなかった訳が分かったよ」
精霊王は自分一人で納得し、ポンと手を叩いていた。
意味がさっぱり分からない。
娘の護衛として一緒に転生したなら、時間軸がおかしいんじゃ?
俺には前前世がある事になる。
ハイエルフのヒルダと人間として樹の他にも、人生があったというのか?
巫女姫の話を聞きに来たのに、俺自身の謎が見付かってしまった。
あぁ、そろそろ時間切れか……。
『精霊王。後日、改めて伺います。序に世界樹の苗木を分けて下さいな』
「おや? また【エルフの秘伝薬】が必要なのかい?」
『いえ、私は既に結婚しており2人の子供もいます。産んだのは勿論、妻ですが……』
「生前の君には、妻と子供がいたのか……。苗木をどうする心算なの?」
『世界樹の木がある場所なら、別世界でも精霊王に声は届きますよね?』
「苗木を通し語り掛けてくれれば、私には聞こえるよ」
『娘の魔法にホームという、規格外の能力があるのです。それはこの世界とは違う場所になるので、念のため備えておきたく存じます』
「転生先の守護者が安全な場所を用意してくれたようだね。分かった、苗木を渡そう」
精霊王から苗木を貰い、俺は自分の体に戻るよう意識を変化させ、両手に触れる木の幹を実感すると再び目を開ける。
無事にガーグ老の工房の庭へ戻れたようだ。
時間にして10分程度だろうか?
響はまだ、ガーグ老相手に将棋を指している。
俺は両手に持った苗木を響のマジックバッグに入れ、娘達を待った。
30分後、娘達が増えた魔物と一緒に工房内へ入ってくる。
魔物を確認した瞬間、変な声が出そうになった。
妻から従魔を紹介され、またおかしな名前をと思ったが……。
「俺の騎獣もウサギなの!?」
名前より、従魔の種類が気になって仕方ない。
まさか俺もウサギに騎乗するとは思わず声を上げる。
「結花……。もっと格好いい魔物はいなかったのか?」
「あら、可愛い方がいいでしょ?」
「いや、俺は……」
娘の従魔のように大型魔物が良かったとは、笑っていない妻の目を見て言えなかった。
「あ~、マリーだっけ? これからよろしくな!」
ブラッディ・マリーと名付けられた雄のフォレストウサギに挨拶し、頭を撫でた。
俺のテイムした従魔じゃないが、2匹の白梟はマリーに向かい頭を上下に振っている。
これから俺を乗せる従魔に、よろしくと言っているみたいだった。
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