669 / 756
第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第805話 迷宮都市 地下16階・地下12階&摩天楼ダンジョン(31階)&結界魔法のLv上げ 2
しおりを挟む
どう説明しようと焦っている間に、茜が口を開いた。
「子供達の自衛手段を考えると言っていただろう? 樹おじさんに結界魔法を魔石にしてもらうため、警備用の従魔をテイムする序に、摩天楼ダンジョンの魔物から習得したんだよ」
「あぁ、そう言ってましたね。ええっとじゃあ、あの2匹がテイムした魔物ですか?」
少し離れた場所にいたファイト・カンガルーを見つけ、早崎さんが困惑した表情になる。
今までと違う系統の魔物だから、疑問に思っているのだろう。
結界魔法の件は、よく考えたら内緒にする必要がなかったよ。
摩天楼のダンジョンでテイムすると伝えてあるし、子供達に渡す魔石用の魔法を習得しても問題ない。
「はい、ガルボとガルシングです」
名前を聞いた早崎さんが、ぷっと吹き出した。
「お義姉さん、カンガルーとボクシングを掛けましたね」
今回は少し捻ってみた名前の理由を、簡単に当てられてしまった。
誰も何も言わないから、気付いてないと思ってたのになぁ。
早崎さんの言葉に皆、驚かないから分かっていたんだろう。
でも、テイムした魔物のある特徴には気付いてないみたい。
彼にLv50の恩恵を確認すると、HP上昇とMP上昇の能力が2倍から3倍に増えたそうだ。
Lv100の時は4倍に増えるのかしら?
現在は結界魔法がLv2の早崎さんも、Lv上げに参加してもらった。
1時間後、樹おじさんの結界Lvが2に上がったのを確認して家へ戻る。
魔物をテイムすると言ったからか兄と旭は家にいた。
早速2匹のファイト・カンガルーを紹介しよう。
「沙良ちゃん、カンガルーに見えるんだけど……」
旭は口を大きく開け固まり、隣にいる兄の肩を揺さぶっている。
「大丈夫だ、俺にもカンガルーに見える。しかし、雄しかテイム出来ないんじゃないのか?」
お腹に袋があるファイト・カンガルーを見るなり、兄が指摘した。
そう、この魔物をテイムしようとした一番の理由はそこなんだよね~。
いざという時は、子供達をお腹の袋に入れてもらう心算。
何故か雄のカンガルーにも、お腹に袋があったのだ。
魔物は動物じゃないから同じ生態とは限らないとはいえ、不思議で仕方ない。
「雄だよ? 名前はガルボとガルシング!」
「あぁ……そうか、よろしくな俺は沙良の兄だ」
そう言って兄は2匹と拳をぶつけ合い、少し遅れて旭が真似をする。
「2匹は、どの階層にいたんだ?」
「強い方がいいと思って、99階の魔物にしたの」
「99階!?」
旭は驚いていたけど、兄は茜の方をちらりと見て納得したのか何も言わなかった。
新しい従魔の紹介が済んだので、夕食の準備をしよう。
今日は早崎さんのリクエストを聞き、春巻き・焼売・炒飯になった。
それだけだと野菜が足りないから、青菜炒めも付けようかな?
食事中、樹おじさんに作製してもらう魔石の魔法習得をした話も伝え、結界魔法をまだ覚えていないメンバーと一緒に後日、習得してもらう事にした。
月曜日。
メンバーと異世界の家へ移転すると、庭にルシファーがいた。
もう依頼を達成したのかと思い、青龍の巫女奪還の件は知らないメンバーもいるので小さく声を掛ける。
するとルシファーは気まずそうな表情をして、樹おじさんを窺う素振りをみせた。
「巫女は、どこにいるの?」
「それが……。巫女の護衛に魔族の公爵がいて、話し合いでは解決出来なかった」
あぁ、よりによって巫女の護衛に上の爵位の魔族が付いていたのか。
公爵まで、あげておくべきだったかしら? でもこの場合、同じ爵位じゃ簡単にはいきそうもない。
ルシファーへ、青龍の巫女に成り代わり契約の破棄をお願いした人物とは違うだろう。
当時、子爵だったルシファーより上の爵位に依頼するとは、アシュカナ帝国人は魔族をよく利用しているみたいだ。
護衛なら長期に渡り、契約に必要な魔力も多そうだけど……。
しかし困ったな、その上となると魔王しかいない。
「ルシファー、お父さんに頼めるかしら?」
「それは……」
依頼された契約が達成出来ず悔しいのか、ルシファーは口籠ってしまった。
樹おじさんに、いいところを見せたかったのもあるんだろう。
こちらもあまり長く待てない案件だから、ここは頷いてほしい。
傍で話を聞いていたおじさんが、ルシファーの肩をぽんと叩いた。
「また、活躍の場はあるわよ」
「すみません……、父を呼んできます」
「ええっと今直ぐじゃなく、夜の方がいいわね。召喚するから待ってくれるかしら?」
私達は今からダンジョン攻略に向かうため、樹おじさんはそう言って彼を返す。
帰還したルシファーの背中は、哀愁漂うものだった。
自分が受けた依頼を父に代わってもらうのは、息子として不甲斐ないと感じるのだろう……。
会話自体は5分程度だったので、メンバーをそう待たせる事もなくダンジョンへ向かった。
樹おじさんは迷宮都市のダンジョンを攻略出来ず午前中暇だから、武術稽古を受けにガーグ老の工房へ寄るらしい。
地下11階で兄&シルバーと別れ地下16階の安全地帯に到着後、2週間振りに会うアマンダさん、ダンクさんと挨拶を交わし子供達の話を併せて伝えた。
治癒術師の3人がいなくても、『MAXポーション』があるお陰で重篤な怪我人は出ず済んだみたいで安心する。
私と茜はハニー達から薬草を回収して、アイテムBOXに入れたガルボとガルシングを紹介した。
ハニーはピコピコと触角を動かし2匹は頭を下げている。
まだ紹介していないメンバーには、子供達と一緒の時でいいだろう。
地下17階の果物を採取したら槍のLv上げをするので地下12階へ移動し、今日はコカトリス(キング・クイーン)相手に無双しようと槍を振るい巣から卵を回収していく。
間違って卵に刺さると困るから、投擲練習はお預けだ。
なんせ一度も魔物に当たった事がないからね!
シュウゲンさんが鍛えた武器は性能がいいので、硬い卵が割れてしまったら大変だし……。
3時間後、地下16階の安全地帯に戻り自宅で昼食を食べたら、樹おじさんを迎えに行き摩天楼ダンジョン31階へ移転する。
2回の攻略を終えたあとはホームにメンバーを送り、父と樹おじさんを連れ再び異世界の家へ移動して、地面に魔法陣を描きルシファーと父親を召喚した。
-------------------------------------
お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
-------------------------------------
「子供達の自衛手段を考えると言っていただろう? 樹おじさんに結界魔法を魔石にしてもらうため、警備用の従魔をテイムする序に、摩天楼ダンジョンの魔物から習得したんだよ」
「あぁ、そう言ってましたね。ええっとじゃあ、あの2匹がテイムした魔物ですか?」
少し離れた場所にいたファイト・カンガルーを見つけ、早崎さんが困惑した表情になる。
今までと違う系統の魔物だから、疑問に思っているのだろう。
結界魔法の件は、よく考えたら内緒にする必要がなかったよ。
摩天楼のダンジョンでテイムすると伝えてあるし、子供達に渡す魔石用の魔法を習得しても問題ない。
「はい、ガルボとガルシングです」
名前を聞いた早崎さんが、ぷっと吹き出した。
「お義姉さん、カンガルーとボクシングを掛けましたね」
今回は少し捻ってみた名前の理由を、簡単に当てられてしまった。
誰も何も言わないから、気付いてないと思ってたのになぁ。
早崎さんの言葉に皆、驚かないから分かっていたんだろう。
でも、テイムした魔物のある特徴には気付いてないみたい。
彼にLv50の恩恵を確認すると、HP上昇とMP上昇の能力が2倍から3倍に増えたそうだ。
Lv100の時は4倍に増えるのかしら?
現在は結界魔法がLv2の早崎さんも、Lv上げに参加してもらった。
1時間後、樹おじさんの結界Lvが2に上がったのを確認して家へ戻る。
魔物をテイムすると言ったからか兄と旭は家にいた。
早速2匹のファイト・カンガルーを紹介しよう。
「沙良ちゃん、カンガルーに見えるんだけど……」
旭は口を大きく開け固まり、隣にいる兄の肩を揺さぶっている。
「大丈夫だ、俺にもカンガルーに見える。しかし、雄しかテイム出来ないんじゃないのか?」
お腹に袋があるファイト・カンガルーを見るなり、兄が指摘した。
そう、この魔物をテイムしようとした一番の理由はそこなんだよね~。
いざという時は、子供達をお腹の袋に入れてもらう心算。
何故か雄のカンガルーにも、お腹に袋があったのだ。
魔物は動物じゃないから同じ生態とは限らないとはいえ、不思議で仕方ない。
「雄だよ? 名前はガルボとガルシング!」
「あぁ……そうか、よろしくな俺は沙良の兄だ」
そう言って兄は2匹と拳をぶつけ合い、少し遅れて旭が真似をする。
「2匹は、どの階層にいたんだ?」
「強い方がいいと思って、99階の魔物にしたの」
「99階!?」
旭は驚いていたけど、兄は茜の方をちらりと見て納得したのか何も言わなかった。
新しい従魔の紹介が済んだので、夕食の準備をしよう。
今日は早崎さんのリクエストを聞き、春巻き・焼売・炒飯になった。
それだけだと野菜が足りないから、青菜炒めも付けようかな?
食事中、樹おじさんに作製してもらう魔石の魔法習得をした話も伝え、結界魔法をまだ覚えていないメンバーと一緒に後日、習得してもらう事にした。
月曜日。
メンバーと異世界の家へ移転すると、庭にルシファーがいた。
もう依頼を達成したのかと思い、青龍の巫女奪還の件は知らないメンバーもいるので小さく声を掛ける。
するとルシファーは気まずそうな表情をして、樹おじさんを窺う素振りをみせた。
「巫女は、どこにいるの?」
「それが……。巫女の護衛に魔族の公爵がいて、話し合いでは解決出来なかった」
あぁ、よりによって巫女の護衛に上の爵位の魔族が付いていたのか。
公爵まで、あげておくべきだったかしら? でもこの場合、同じ爵位じゃ簡単にはいきそうもない。
ルシファーへ、青龍の巫女に成り代わり契約の破棄をお願いした人物とは違うだろう。
当時、子爵だったルシファーより上の爵位に依頼するとは、アシュカナ帝国人は魔族をよく利用しているみたいだ。
護衛なら長期に渡り、契約に必要な魔力も多そうだけど……。
しかし困ったな、その上となると魔王しかいない。
「ルシファー、お父さんに頼めるかしら?」
「それは……」
依頼された契約が達成出来ず悔しいのか、ルシファーは口籠ってしまった。
樹おじさんに、いいところを見せたかったのもあるんだろう。
こちらもあまり長く待てない案件だから、ここは頷いてほしい。
傍で話を聞いていたおじさんが、ルシファーの肩をぽんと叩いた。
「また、活躍の場はあるわよ」
「すみません……、父を呼んできます」
「ええっと今直ぐじゃなく、夜の方がいいわね。召喚するから待ってくれるかしら?」
私達は今からダンジョン攻略に向かうため、樹おじさんはそう言って彼を返す。
帰還したルシファーの背中は、哀愁漂うものだった。
自分が受けた依頼を父に代わってもらうのは、息子として不甲斐ないと感じるのだろう……。
会話自体は5分程度だったので、メンバーをそう待たせる事もなくダンジョンへ向かった。
樹おじさんは迷宮都市のダンジョンを攻略出来ず午前中暇だから、武術稽古を受けにガーグ老の工房へ寄るらしい。
地下11階で兄&シルバーと別れ地下16階の安全地帯に到着後、2週間振りに会うアマンダさん、ダンクさんと挨拶を交わし子供達の話を併せて伝えた。
治癒術師の3人がいなくても、『MAXポーション』があるお陰で重篤な怪我人は出ず済んだみたいで安心する。
私と茜はハニー達から薬草を回収して、アイテムBOXに入れたガルボとガルシングを紹介した。
ハニーはピコピコと触角を動かし2匹は頭を下げている。
まだ紹介していないメンバーには、子供達と一緒の時でいいだろう。
地下17階の果物を採取したら槍のLv上げをするので地下12階へ移動し、今日はコカトリス(キング・クイーン)相手に無双しようと槍を振るい巣から卵を回収していく。
間違って卵に刺さると困るから、投擲練習はお預けだ。
なんせ一度も魔物に当たった事がないからね!
シュウゲンさんが鍛えた武器は性能がいいので、硬い卵が割れてしまったら大変だし……。
3時間後、地下16階の安全地帯に戻り自宅で昼食を食べたら、樹おじさんを迎えに行き摩天楼ダンジョン31階へ移転する。
2回の攻略を終えたあとはホームにメンバーを送り、父と樹おじさんを連れ再び異世界の家へ移動して、地面に魔法陣を描きルシファーと父親を召喚した。
-------------------------------------
お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
-------------------------------------
740
あなたにおすすめの小説
家ごと異世界ライフ
ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。