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4章神英雄団討伐
4章5話ゴブリン女王はまだ生きている
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「……殺した?」
「お忘れか魔王よ? コブミじゃ? お主はゴブリン女王を殺したじゃろ」
「……」
「まあこの子にはゴブミと同じ血が流れているということじゃが。これは初代コブリン女王ゴブリア細胞で創った。ゴブリアはワシの恋人だった。死んだがのぉ。そこで、ワシはゴブリアの魂と細胞を入れる器を探したのじゃ」
「まさか、その器を探すために、幾多の女神を殺したというのか」
「より良い物を求めるには犠牲はつきものじゃ」
「その子はなんだ」
「この器は平凡な器じゃ。こいつはゴブリアの代わりにはなれん」
ドラグロワは非情な両眼をし、剣で小さな少女の心臓を貫いた。
抜かれるゴブリアの魂と細胞の結晶。
魔王は恐ろしいことを悟ってしまう。
「まさか、ゴブリアに相応しい器は」
「そうじゃ。アカリじゃ」
その瞬間、魔王の怒りは沸点に達した。
「俺は今すぐ貴様を殺す」
ドラグロワの龍の黄金色の両眼は赤みを帯びる。
「人間如きが神を倒せるはずがなかろう」
怒りに満ちた魔王は左手を差し出し、破壊の弾丸を放つ。
「破壊の弾丸!」
しかし、それは、ドラグロワが発する光の瘴気で、消滅。
「くくくく。分からぬか?」
「破壊の弾丸!!」
その攻撃も消滅。
更に魔王は改造を発動する。
「改造ドラグロワの戦闘値0に書き換えろ」
しかし、ドラグロワの右手の一振りで無効化。
「どうじゃ? 無効化される気分は?」
魔王は驚愕と絶望の表情で崩れ落ちる。
限界を知った。
神の前では魔王と言えどただの平凡な魔獣に成り下がる。
圧倒的な天と地の差を感じる。
きっと、英雄もこのような敗北感を味わったのだろう。
「……ああ……」
「無駄じゃ、神には通用しない」
ドラグロワは瀕死の状態のアカリを引き寄せる。
魔王は必死の形相で、ドラグロワに破壊の弾丸を放つ、
「制裁(カウンター)」
しかし、瞬時に弾き返され、逆に魔王が破壊の弾丸を食らい、吹き飛ばされる。
「うっ」
「本来なら、神は人間には攻撃はしてはいけない。しかし、神への畏敬を行った者は例外じゃ」
天から光の龍を放ち、魔王を滅する。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
大稲妻の雷撃と龍の轟々たる咆哮が魔王の体と精神をズタズタにする。
魔王はボロボロになりながらも、アカリを助けようと手を伸ばす。
「アカリ……」
「この女神はアカリではない、ゴブリアじゃ」
ドラグロワはゴブリアの魂と細胞の光を圧縮し、小さな光玉にさせ、眠るアカリの口に入れる。
「アカリに触るなぁぁぁぁぁぁぁ!!」
その瞬間、アカリの身体が眩く光を発する。
光が消えると、元の状態に戻り、俯いたアカリがいた。
クリーム色の金髪、白い翼、白衣の天衣を纏った女神。
紛れもないアカリだ。
魔王は狼狽しながら、立ち上がる。
「アカリ……アカリ……アカリ……」
「……返事をしてくれ」
アカリが顔を上げると、そこにピンク色の大きな両眼とゴブリンの顔があった。
アカリは不気味に笑う、明らかに獣のような、狂った笑みだ。
「グヘヘヘヘ……キャキャキャキャ……ワタシハゴブリアヨ」
その瞬間、アカリは一瞬で消え、魔王の心臓に右手で突き刺し、グリグリとねじ込む。
「アカリ……」
昆虫のようなピンク色の両眼が笑う。
「グヘヘヘ……キャキャキャキャ……ゼンブ……ウバッタ」
魔王は心臓から大量の血を吹き出し、後ろへ倒れた。
「何をした……」
ドラグロワがアカリの金髪を撫で、また笑みを浮かべる。
「お主の特殊能力とスキルを全て奪った。これでお主は世界最強の魔王ではなくなった」
そうか……。
俺は負けたのだ。
すると、頭の中で、ずっと心配の声を上げていたルルの声が今になってはっきりと聞こえてきた。
しかし、また遠くへ行ってしまう。
一人にしないでくれ。
「お忘れか魔王よ? コブミじゃ? お主はゴブリン女王を殺したじゃろ」
「……」
「まあこの子にはゴブミと同じ血が流れているということじゃが。これは初代コブリン女王ゴブリア細胞で創った。ゴブリアはワシの恋人だった。死んだがのぉ。そこで、ワシはゴブリアの魂と細胞を入れる器を探したのじゃ」
「まさか、その器を探すために、幾多の女神を殺したというのか」
「より良い物を求めるには犠牲はつきものじゃ」
「その子はなんだ」
「この器は平凡な器じゃ。こいつはゴブリアの代わりにはなれん」
ドラグロワは非情な両眼をし、剣で小さな少女の心臓を貫いた。
抜かれるゴブリアの魂と細胞の結晶。
魔王は恐ろしいことを悟ってしまう。
「まさか、ゴブリアに相応しい器は」
「そうじゃ。アカリじゃ」
その瞬間、魔王の怒りは沸点に達した。
「俺は今すぐ貴様を殺す」
ドラグロワの龍の黄金色の両眼は赤みを帯びる。
「人間如きが神を倒せるはずがなかろう」
怒りに満ちた魔王は左手を差し出し、破壊の弾丸を放つ。
「破壊の弾丸!」
しかし、それは、ドラグロワが発する光の瘴気で、消滅。
「くくくく。分からぬか?」
「破壊の弾丸!!」
その攻撃も消滅。
更に魔王は改造を発動する。
「改造ドラグロワの戦闘値0に書き換えろ」
しかし、ドラグロワの右手の一振りで無効化。
「どうじゃ? 無効化される気分は?」
魔王は驚愕と絶望の表情で崩れ落ちる。
限界を知った。
神の前では魔王と言えどただの平凡な魔獣に成り下がる。
圧倒的な天と地の差を感じる。
きっと、英雄もこのような敗北感を味わったのだろう。
「……ああ……」
「無駄じゃ、神には通用しない」
ドラグロワは瀕死の状態のアカリを引き寄せる。
魔王は必死の形相で、ドラグロワに破壊の弾丸を放つ、
「制裁(カウンター)」
しかし、瞬時に弾き返され、逆に魔王が破壊の弾丸を食らい、吹き飛ばされる。
「うっ」
「本来なら、神は人間には攻撃はしてはいけない。しかし、神への畏敬を行った者は例外じゃ」
天から光の龍を放ち、魔王を滅する。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
大稲妻の雷撃と龍の轟々たる咆哮が魔王の体と精神をズタズタにする。
魔王はボロボロになりながらも、アカリを助けようと手を伸ばす。
「アカリ……」
「この女神はアカリではない、ゴブリアじゃ」
ドラグロワはゴブリアの魂と細胞の光を圧縮し、小さな光玉にさせ、眠るアカリの口に入れる。
「アカリに触るなぁぁぁぁぁぁぁ!!」
その瞬間、アカリの身体が眩く光を発する。
光が消えると、元の状態に戻り、俯いたアカリがいた。
クリーム色の金髪、白い翼、白衣の天衣を纏った女神。
紛れもないアカリだ。
魔王は狼狽しながら、立ち上がる。
「アカリ……アカリ……アカリ……」
「……返事をしてくれ」
アカリが顔を上げると、そこにピンク色の大きな両眼とゴブリンの顔があった。
アカリは不気味に笑う、明らかに獣のような、狂った笑みだ。
「グヘヘヘヘ……キャキャキャキャ……ワタシハゴブリアヨ」
その瞬間、アカリは一瞬で消え、魔王の心臓に右手で突き刺し、グリグリとねじ込む。
「アカリ……」
昆虫のようなピンク色の両眼が笑う。
「グヘヘヘ……キャキャキャキャ……ゼンブ……ウバッタ」
魔王は心臓から大量の血を吹き出し、後ろへ倒れた。
「何をした……」
ドラグロワがアカリの金髪を撫で、また笑みを浮かべる。
「お主の特殊能力とスキルを全て奪った。これでお主は世界最強の魔王ではなくなった」
そうか……。
俺は負けたのだ。
すると、頭の中で、ずっと心配の声を上げていたルルの声が今になってはっきりと聞こえてきた。
しかし、また遠くへ行ってしまう。
一人にしないでくれ。
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