時空魔術操縦士の冒険記

一色

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1章魔戦操縦士学院

11話紅闘牛は闘う

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 ずいぶん自信があるなカバーニは。
 俺の視線に気づいたカバーニはニヤッと笑う。

「ワイの力を見せる時が来たんや……見てろアル」

 こいつの顔が腹立たしい。犬耳が勢い良く立ち上がる。
 カバーニは右手首にあるMC(魔戦具現化携帯装置)を掲げる。

「来いや!」

 カバーニの身体から眩い光りが輝く。
 それは大きな光芒がフォルムをかたどっていく。
 次第に光芒は消えていく、巨大な鋼鉄の紅戦闘機が姿を現す。

【紅闘牛《レッド・アルバローザ》】
 旧型ララナ製。
 発売年は白騎士と同時期。
 人気や売上戦闘力は白騎士に比べて落ちる。
 発売から一年程で機体に重大な欠陥が見つかり生産停止、発売停止を余儀なくされた。
 現在所有している者はおろか操縦士も極めて少ないだろう。 
 当初の生産数、発売数も極めて少ないため希少と見なされ、魔戦収集家の間では高値で取引されている。
 人気のない希少魔戦とも呼ばれている。
 全身の機体は紅色で染まった機体。紅の牛。怒りの牛。猛牛。
 体長12メートル。重量20トン。
 頭部は牛のような顔と猛猛《もうもう》しい二角。見据える金色の双眸。大きな丸み帯びた艶のある胴体。
 あらゆる攻撃と衝撃に対応する。
 装備武器。大剣から銃へ高速形態変化可能。
 右手の巨大な大剣の先が地面に重くめり込んでいる。
 その大剣が敵に一筋放たれれば、大ダメージを確実である。
 高い攻撃力と耐性を持つが、重量が高く、機動性もなく、攻撃は単調と弱点が多い。 
 ロンが付け加える。

「まず始めに難易度を言うのですぞ!」

 頷くカバーニ。

「easy!!」

 大きく言い放つ。おいおい随分弱腰だな。
 確か初め、寮での自己紹介でランキング一位目指すとか一流の魔戦操縦士になるとか言ってなかったか。
 まあ良い。easyの白騎士でもそれなりに強いからな。

 白騎士から奇怪な音がし始める。
 頭部を保護するヘルムの上部分から赤い光が煌めき、青と白のプレートアーマに覆われた全身が動き出す。
 そして、台車から勢い良くジャンプし、腰を落とし地面に降り立つ。
 白騎士は立ち上がり、コンピューターの声を響かせる。

「easyモード……リョウカイシマシタ……対象物Fクラス250ジョージ・カバーニ……」 

 機体の中では額から汗が滲み出るカバーニに緊張が走る。
 炎ような威圧する印象はカバーニからはない。
 
 先制攻撃を仕掛けるのはカバーニ。
 右手の大剣から青い光芒が放つ。 

 右手の大剣を勢い良く持ち上げ、「さあ勝負や!」と息を吐く。

 さてこの男はどの程度やれるか。
 
 真横一直線に右左から連続斬りのカバーニ。
 重量のある大剣を連続で軽々しく斬撃を繰り出す、まさに狂気乱舞。
 カバーニの相当の筋力があったからこその大剣の乱舞。
 攻撃回数を増やせば、圧倒的な攻撃力を誇るレッドアルバローザと相まって、敵にとっては脅威に違いない。
 魔力を体内で構築し、キャッチしたと同時に武器に魔力を送り込む。
 魔力を構築する、武器に注入する時間は新入生にしては早い方だろう。
 この段階ならばABクラスにいても遜色がない。
 押され気味になり不利と判断したのか後退する白騎士。
 だが止まない斬撃。重量感のある地響きを鳴らせるカバーニ。
 まさに興奮した闘牛のようだ。
 二角の怪物は金色双眸を光らせる。

「ッン! ッン! ッン!」

 正面から闘牛の走りで近寄り、大剣で白騎士の胴体へ右左から振り回す。
 連続攻撃。

「ブンッ! ブンッ! ブンッ! ブンッ!」

 だが。
 白騎士は後退し、軽く避ける。
 風斬り音が鳴るだけ。
 反撃する白騎士。急接近し、槍の連続突き刺しからの回転して下から上へ突き上げる連続攻撃。

「ちっ!! ガンッ! ガンッ! ズシッ! グワーン! っっ!」

 白騎士の突き上げは、牛をいたぶる。
 回転しながら威力をどんどん増し、突き上げ続ける。青い円形の光芒が槍から連続で発生。
 カバーニは大剣で攻撃を受け止めるが、手数が多すぎて休む暇や退避をさせてくれない。
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