時空魔術操縦士の冒険記

一色

文字の大きさ
12 / 175
1章魔戦操縦士学院

12話運命の判断

しおりを挟む
 ここにきてレッドアルバローザの機動性の低さが露呈する。
 防戦一方だ。逃げられない。
 高速槍の突き刺し。
 一辺倒な攻撃ではない。僅かにタイミングと位置ずらして攻撃している。これはコンピューターによる攻撃だから素晴らしいとしか言いようがない。
 しかし、カバーニも反撃に出ようとする。
 カバーニの戦い方は真っ正面から力技で押し切る。
 大剣を振り回して、突き出される槍を弾き返す。
 レッドアルバローザとの相性も良い。
 悪くない戦い方だが。
 レッドアルバローザの弱点は機動性の低さ。
 それをどうするか。
 なかなか難しいな。
 適度に間合いを取り、相手が接近した時に攻撃するか。
 さてどうする。
 カバーニは息が荒くなり、一旦レッドアルバローザを後退。

「はぁはぁはぁはぁ」

 体力と魔力が共に減っているようだ。
 まだ開始2分ぐらいしか経ってないぞ。
 どうする気だ。
 レッドアルバローザは右手は銃に形態変化する。
 銀色の大型の銃に。大きさは大剣と変わらない。

「火炎射《インフェルス》!!!!」

 即座に発射する。
 火炎の魔力。まさに闘牛の暴れる炎。
 あちらこちらとメラメラと飛び出す。
 そして、勢い良く飛び出し、一つの炎の柱となる。
 銃口から放たれた炎の波動は白騎士へ一直線となる。
 轟々と焼き尽くす炎。ずらっーと長い炎の一文字。
 右から左まで続く炎の道。
 だが、白騎士は糸も簡単に盾で炎を防ぐ。
 真っ赤な炎は行き場を失い、彷徨い、あっという間に炎はあらぬ方向へ行く。
 次の瞬間、残った火種が空気に触れて、盾の前で爆発する。霧状の黒煙が舞う。
 すると黒煙が消えたと同時に白騎士がいなかった。
 消えた。
 モニター越しでカバーニは白騎士を探すがいない。
 見上げると白の巨塔はいた。
 ロンは必死の形相で叫ぶ。

「白夜叉《シロヤシャ》だ!!!!」

 カバーニは即座に銃口を上へ向けるが、既に遅かった。
 白騎士は槍を突き出し、高速回転で落下し、槍から円形の青き光芒が放たれる。
 その回転はあまり凄まじき回転で黒煙を生じる。捻まがるかのような空。
 カバーニは銃口から炎噴射し、衝突する。
 炎と激突する白騎士。
 盾で銃口の炎を防ぎ、さらに押し込み、炎はあらぬ方向へ、ぐにゃと柔らかい物のように潰される銃、さらに紅機体も地面に追いやられる。
 即座に支える無理な態勢からカバーニの左拳が炸裂する。

「闘牛拳《ローザ》」

 通常の拳攻撃より数段階攻撃が跳ね上がる。

 その左拳は白騎士の顔面に。勢い良く飛ばされる白い巨体。
 だが、空中で白騎士はその攻撃を吸収し、再度槍を突き出し向かってくる。
 速い。華麗なる脚から青い光芒を放ちながら、迫ってくる。
 さすがに闘牛拳を耐え切れるとは予期していなかったカバーニ。
 カバーニの操縦が停止する。
 どうすれば良い。
 刹那の瞬間。
 白騎士の槍はレッドアルバローザの艶やかかな紅の胴体に槍を突き刺す。
 機体は凹む。
 そこから亀裂が生じる。
 一撃だけではなかった。二、三、四撃と高速で繰り出す槍。
 無数の槍を連続で突き刺す。
 その攻撃を『無双槍《ムソウヤリ》』。
 槍はカバーニを突き刺す突き刺す。
 反撃はおろか防御すら、反応すら出来なかった。
 最後の一撃を顔面に突き出される。完敗だった。
 無惨に吹き飛ばされる上空へカバーニ。
 地面に叩きつけられ、砂埃が舞い踊る。
 機体の中でカバーニは両手をレバーから離し落胆の表情。

 ロンが叫ぶ。

「Defead《ハイボク》と言えば白騎士は攻撃を止めます!」

 確かにそれも選択肢だ。
 タイター先生は何も白騎士に勝てとは言ってない、授業を受けろ、つまり戦闘さえすればいいのだ。
 この段階で目的は達成されている。
 授業評価に関しては点数は減点されるだろうが、退学はないだろう。
 そして、疲れ果てた表情で、纏った紅機体を消し、立ち上がるカバーニ。

 右足で地面を踏み、「くそっ」と吐き捨てる。

 カバーニは力のない声で「Defead《ハイボク》」と宣言した。
 俺の横を通り過ぎ、「ワイ格好悪りぃや」と呟き、後方の壁に背中をつけ、休息する。

 ロンが俺に。

「easyモードいえど白騎士は強いですな」

「確かになカバーニが花が萎れたような様になるとは思わなかったがな」

「そうですな」

「しかしロンは白騎士について良く知ってるな」

「まあこれくらい当たり前ですな……魔戦開発士を目指してますからな」

「そうだったな」

 後ろにいたリオラが会話に入る。

「アル君の戦い見てみたいなっ」

「おっそうか?」

「うん!!」

「リオラに後押しされちゃたなら俺がやるしかないな」

 俺が挑もうとした瞬間にマシュが前へ出る。

「次は私がやるわ」
 
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

迷惑異世界のんびり道中記~ちびっ子勇者とともに~

沢野 りお
ファンタジー
なんということもない普通の家族が「勇者召喚」で異世界に召喚されてしまった。 兄、橘葵二十八歳。一流商社のバリバリエリートのちメンタルに負担を受け退職後、一家の主夫として家事に精を出す独身。 姉、橘桜二十五歳。出版社に勤める美女。儚げで庇護欲をそそる美女。芸能人並みの美貌を持つオタク。あと家事が苦手で手料理は食べたら危険なレベル。 私、橘菊華二十一歳。どこにでいもいる普通の女子大生。趣味は手芸。 そして……最近、橘一家に加わった男の子、右近小次郎七歳。両親が事故に亡くなったあと、親戚をたらい回しにされ虐げられていた不憫な子。 我が家の末っ子として引き取った血の繋がらないこの子が、「勇者」らしい。 逃げました。 姉が「これはダメな勇者召喚」と断じたため、俗物丸出しのおっさん(国王)と吊り上がった細目のおばさん(王妃)の手から逃げ……られないよねぇ? お城の中で武器を持った騎士に追い詰められて万事休すの橘一家を助けたのは、この世界の神さまだった! 神さまは自分の落ち度で異世界召喚が行われたことは謝ってくれたけど、チート能力はくれなかった。ケチ。 兄には「生活魔法」が、姉には「治癒魔法」が、小次郎は「勇者」としてのチート能力が備わっているけど子どもだから鍛えないと使えない。 私には……「手芸創作」って、なにこれ? ダ神さまにもわからない能力をもらい、安住の地を求めて異世界を旅することになった橘一家。 兄の料理の腕におばさん軍団から優しくしてもらったり、姉の外見でおっさんたちから優遇してもらったり、小次郎がうっかりワイバーン討伐しちゃったり。 え? 私の「手芸創作」ってそんなことができちゃうの? そんな橘一家のドタバタ異世界道中記です。 ※更新は不定期です ※「小説家になろう」様、「カクヨム」様にも掲載しています ※ゆるい設定でなんちゃって世界観で書いております。

【完結】うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。

かの
ファンタジー
 孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。  ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈

転生してもオタクはなおりません。

しゃもん
恋愛
 活字中毒者である山田花子は不幸なことに前世とは違いあまり裕福ではない母子家庭の子供に生まれた。お陰で前世とは違い本は彼女の家庭では贅沢品でありとてもホイホイと買えるようなものではなかった。とは言え、読みたいものは読みたいのだ。なんとか前世の知識を魔法に使って少ないお金を浮かしては本を買っていたがそれでも限界があった。溢れるほどの本に囲まれたい。そんな願望を抱いている時に、信じられないことに彼女の母が死んだと知らせが入り、いきなり自分の前に大金持ちの異母兄と実父が現れた。これ幸いに彼等に本が溢れていそうな学校に入れてもらうことになったのだがそこからが大変だった。モブな花子が自分の願望を叶えて、無事幸せを握り締めるまでの物語です。

異世界のんびり放浪記

立花アルト
ファンタジー
異世界に転移した少女リノは森でサバイバルしながら素材を集め、商人オルソンと出会って街アイゼルトヘ到着。 冒険者ギルドで登録と新人訓練を受け、採取や戦闘、魔法の基礎を学びながら生活準備を整え、街で道具を買い揃えつつ、次の冒険へ向けて動き始めた--。 よくある異世界転移?です。のんびり進む予定です。 小説家になろうにも投稿しています。

追放された『ただの浄化係』、実は国中の魔石を満たしていた精霊姫でした〜今さら戻れと言われても、隣国のイケメン皇帝が離してくれません〜

ハリネズミの肉球
ファンタジー
「おい、城の噴水が止まったぞ!?」 「街の井戸も空っぽです!」 無能な王太子による身勝手な婚約破棄。 そして不毛の砂漠が広がる隣国への追放。だが、愚かな奴らは知らなかった。主人公・ルリアが国境を越えた瞬間、祖国中の「水の魔石」がただの石ころに変わることを! ルリアは、触れるだけで無尽蔵に水魔力を作り出す『水精霊の愛し子』。 追放先の干ばつに苦しむ隣国で、彼女がその力を使えば……不毛の土地が瞬く間に黄金のオアシスへ大進化!? 優しいイケメン皇帝に溺愛されながら、ルリアは隣国を世界一の繁栄国家へと導いていく。 一方、水が完全に枯渇し大パニックに陥る祖国。 「ルリアを連れ戻せ!」と焦る王太子に待っていたのは、かつて見下していた隣国からの圧倒的な経済・水源制裁だった——! 今、最高にスカッとする大逆転劇が幕を開ける! ※本作品は、人工知能の生成する文章の力をお借りしつつも、最終的な仕上げにあたっては著者自身の手により丁寧な加筆・修正を施した作品です。

異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~

存在証明
ファンタジー
不慮の事故によって異世界に転生したカイ。異世界でも家族に疎まれる日々を送るがある日赤い瞳の少年と出会ったことによって世界が一変する。突然街を襲ったスタンピードから2人で隣国まで逃れ、そこで冒険者となったカイ達は仲間を探して冒険者ライフ!のはずが…?! はたしてカイは運命をぶち壊して幸せを掴むことができるのか?! 火・金・日、投稿予定 投稿先『小説家になろう様』『アルファポリス様』

神のミスで転生したけど、幼女化しちゃった! 神具【調薬釜】で、異世界ライフを楽しもう!

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
旧題:神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜  ※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!  電子書籍は、2026/3/9に発売です!  書籍は2026/3/11に発売(予約受付中)です!メロンブックス様より、特典の描き下ろしSSペーパーがあります。詳しくは、メロンブックス様へお願い致します。  イラストは、にとろん様です。よろしくお願い致します!  ファンタジー小説大賞に投票して頂いた皆様には、大変感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

処理中です...