時空魔術操縦士の冒険記

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2章ダンジョンへ向かおう

5話洞窟3

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「え?」

 おいおい手を離すな!
 ふざけるな!
 俺は闇の中へ急降下する。
 死ぬ。

「ああああああああああ!!!!」

 運良く崖の壁にある木の枝引っ掛かる。
 危な。
 その後俺は何とかアイリスに魔術によって何とか引き揚げられた。
 まだ心拍数が異常に高鳴っている。
 アイリスは心配の表情で「怪我はありませんか?」
 リオラも目を逸らしながら駆け付ける。

「……」

「えへ? ごめんね」

「えへじゃない!」

「こんな所に崖……しかもどうやって前へ進むんだよ」

「本当だねっ……おーい!!」

 リオラは虚しく誰もいない崖の下へ叫ぶ。
 アイリスは、「このトロッコで行くのでは?」と皆に首を傾げながら言う。

「確かに崖の壁にはレール敷かれているけどさ、ほとんど垂直だぞこれ」

「前へ進むしかないわ……乗りましょうトロッコに……」


「いやでもな……危険だ」

「大丈夫よ魔戦を具現化させているんだから」

「まあそうだけどもさ」

 そんな俺の言葉を無視し、トロッコに乗り込むマシュ。
 仕方なく乗り込む。
 前の座席に俺、その後ろがマシュ、リオラ、そしてアイリス。
 そして、突然トロッコはガタガタと前へと動き出して行き、皆はビクッとし、身体を抱き寄せ合っている。
 ついにトロッコは崖から落下していき、暗闇の中へ吸い込まれていく。

「ああああああああ!!!!!!」

 この叫び声をどっか聞いたようなと思いながら、目を瞑った。
 冷たい風と水飛沫が襲い、猛スピードで下に落下したと思ったら急上昇し、再度落下しフワッと気持ち悪い感覚が襲う。
 それが何度となく続いていく。
 急カーブを曲がったり、くねくねとした上下に揺られ、はたまた左右を揺らす旋回コースだったりと。
 そして地獄のような時間は過ぎた。
 沈黙後、瞼《まぶた》を開けると。
 そこは先程と変わらない景色の洞窟だった。
【MC】の地図で逐一確認するがどうにも簡素で分かりにくい。
 先程よりは広い空間だが。
 トロッコから降り、前へと洞窟の奥を進んで行く。
 道行く先に松明《たいまつ》があるので、どうやら道として間違ってはいないようだ。
 すると、またマシュがイライラをぶつけてくる。
 もう、限界だ。

「……はぁ……やってらんねーよ……お前達とパーティーを組むのは今回で最後だ」

 日頃のストレスが限界に達していた。
 これ以上この女とずっと一緒にいるなんて絶対嫌だ。
 さすがにリオラ、アイリスは俺の強硬な発言に驚きを隠し切れなかった。
 マシュは一瞬顔が歪んだが、鼻で笑いながら言い返す。

「いいわよ……私も嫌よあんたとなんて……」

「それなら良いな……今回のクエストが終わり次第俺はこのパーティーから離脱する」

「そうね」

 アイリスが今度ばかりやばい険悪な雰囲気に慌てふためいて何か言葉を掛けようとする。

「マシュさん……」


「アイリスさん……私は大丈夫だから」

 俺は苛立ちを露わにしながら前へ進む。
 後から続く、マシュ、リオラ、アイリス。
 突然、地面に無数の穴が開き始め、どんどん増えていく円の穴。
 即座に戦闘態勢の構えを取る。
 すると地響きがする。
 怪物は下から瓦礫と共に現れた。

【白亜河馬《ヒッポポタムス》】
 レベル100。
 脚は短く、ずんぐりした白黒色の縞模様の身体。
 まさしく巨大なカバ。
 身体は鉄のように硬く、魔術やあらゆる攻撃が効かない。
 二つの紅の眼孔。

「エガガガガガガガガガガガ!!!!」

 大きな上顎と下顎をガシャガシャと音を立てて開けたり閉めたりし、大きな鼻からどす紫色の煙が吹き出す。
 その煙は相手を一瞬で死に至らしめる毒ガスだ。
 毒ガスは一定時間、対象物の動作を停止させる。
 その名も『毒霧《どくきり》』。
 辺りに立ち込める毒霧。
 俺は口を抑え、叫ぶ。

「吸うな! 直ぐに頭部を魔戦に具現化しろ!」

 皆、頭部を魔戦に具現化する。
 毒霧の中から獲物を定めて、獲物に高速スピードで突進してくる。
 気づいた時にはカバがマシュの頭の上にいた、そして口へ下半身を呑み込んでいく。
 ガシャガシャと機体を噛む音がする。
 マシュは怯えた表情で泣き叫ぶ。

「助げぇてよょょょょ!! やめでぇぇぇよ!! 早ぐぅぅぇ!!」

「エガガガガガガガガガ!!!!」

「早く頭部も魔戦に具現化しろ!」

 そしてマシュは頭部も魔戦に具現化するが、状況は深刻だ。
 下半身は既にカバーの呑み込み、混乱状態に陥り、蒼幻影を動かすことすらできない。
 その泣き叫ぶ声がさらに俺達に不安を与える。

「アル! 助げぇぇぇぇぇぇて!!!! アバゥ!!」

 やべぇなマシュの頭(蒼幻影の頭部)を甘噛みしてる。
 毒霧で動けない俺達はどうすれば良い。
 

 
 

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