165 / 175
2章ダンジョンへ向かおう
離別
しおりを挟む
突然、黒いローブ装束と仮面を纏った一団が俺達の周りを囲む。
胸ポケットには金の菊の花の紋章。
一団に銃を向けられ、固まり、緊迫した雰囲気が漂う。
がやがやとした賑やかな会館が静まり返る。
シャルマンが紺色の前髪を揺らせ、睨みつける。
「シャルマンギルドの団長であるこの僕に銃を向ける気かい? どうなるか分かっているのか?」
リーダーらしき仮面の男の低い声で淡々と発した。
仮面から表情は窺い知る事は出来ないが声は冷徹である。
「リオラ様を連れ回す犯罪人ならば……十強神団のシャルマン団長でも容赦はしないとスカーレット王は仰せられる。言っとくが十魔王族の地位は十強神団よりも上。この場でシャルマン団長を射殺する事も可能。シャルマン妙な気は起こすな?」
その冷徹な仮面の男は嘘を言ってるようには感じられない。
言葉に重みが感じられた。
また十強神団の団長に手を震えずに銃を向けている。
微動だにしない身体や所作。
もしこの者が嘘を言っていたならば、その者の死刑はおろかその者の家族や友人や部下は処刑される
よって一介の国の騎士である事は間違いない。
この者は本気で発砲するとそう直感した。
その直感は俺だけではない、シャルマンも感じていた。
シャルマンは両手を上げ、全面降伏と言った表情。
しかし、微かに苛立ちが顔に表れている。
「ははは……そうか。君らは本当にスカーレット王国の使者か。厄介だね」
「潔くリオラ様を返してもらう」
すると、リオラが険しい表情できっぱり告げる。
今までに無い彼女の怒りや悲しみに満ちた声。
「お父様に私は王選を辞退すると伝えなさい!」
「それはできません……スカーレット王はリオラ様をナスカ王国の王となってもらうとお考えです」
「嫌よ」
涙を瞳に浮かべながら、俯くリオラ。
すると、カバーニが声を荒げ、犬耳を逆立ち、つり目はさらに細くなる。
「おい、てめぇら? 何やってくれてんだぁぁぁ!!!!」
カバーニの頭部に銃口がぐっと押し付けられ、ビクッとし、縮こまる両耳。
だが、こんな事で怯えるような奴ではない。
沸点が上がったように銃を振り払い、立ち上がるカバーニ。
椅子からガタガタと床に転がり落ちる。
しかし、仮面の者はカバーニに銃口を額に向ける。
睨み合う二人。
ガチャッと響く。
既に仮面の集団に包囲された俺達。
銃口を向けられ、死に直結する場面。
再度、リーダーらしき仮面の男が声を発する。
「あまり騒ぐな。我々はお前らの命を奪いにきたのではない」
続ける。
「リオラ様……ここで従わなければ……この者らの命は奪います」
「なんやとぉぉぉぉ!!!!」
カバーニが声を荒げ、銃口を額に向けられたまま、今に暴れ出しそうだ。
リオラは涙を流しながら、小さく呟く。
俺は何も出来なく、拳を握り締める。
「分かったからもうやめて……」
カバーニが俺に向かって叫ぶ。
下を向いて、黙っている俺に。
「おい!! アル!! 何黙って見てるんやぁぁぁぁぁぁ!!!!」
胸ポケットには金の菊の花の紋章。
一団に銃を向けられ、固まり、緊迫した雰囲気が漂う。
がやがやとした賑やかな会館が静まり返る。
シャルマンが紺色の前髪を揺らせ、睨みつける。
「シャルマンギルドの団長であるこの僕に銃を向ける気かい? どうなるか分かっているのか?」
リーダーらしき仮面の男の低い声で淡々と発した。
仮面から表情は窺い知る事は出来ないが声は冷徹である。
「リオラ様を連れ回す犯罪人ならば……十強神団のシャルマン団長でも容赦はしないとスカーレット王は仰せられる。言っとくが十魔王族の地位は十強神団よりも上。この場でシャルマン団長を射殺する事も可能。シャルマン妙な気は起こすな?」
その冷徹な仮面の男は嘘を言ってるようには感じられない。
言葉に重みが感じられた。
また十強神団の団長に手を震えずに銃を向けている。
微動だにしない身体や所作。
もしこの者が嘘を言っていたならば、その者の死刑はおろかその者の家族や友人や部下は処刑される
よって一介の国の騎士である事は間違いない。
この者は本気で発砲するとそう直感した。
その直感は俺だけではない、シャルマンも感じていた。
シャルマンは両手を上げ、全面降伏と言った表情。
しかし、微かに苛立ちが顔に表れている。
「ははは……そうか。君らは本当にスカーレット王国の使者か。厄介だね」
「潔くリオラ様を返してもらう」
すると、リオラが険しい表情できっぱり告げる。
今までに無い彼女の怒りや悲しみに満ちた声。
「お父様に私は王選を辞退すると伝えなさい!」
「それはできません……スカーレット王はリオラ様をナスカ王国の王となってもらうとお考えです」
「嫌よ」
涙を瞳に浮かべながら、俯くリオラ。
すると、カバーニが声を荒げ、犬耳を逆立ち、つり目はさらに細くなる。
「おい、てめぇら? 何やってくれてんだぁぁぁ!!!!」
カバーニの頭部に銃口がぐっと押し付けられ、ビクッとし、縮こまる両耳。
だが、こんな事で怯えるような奴ではない。
沸点が上がったように銃を振り払い、立ち上がるカバーニ。
椅子からガタガタと床に転がり落ちる。
しかし、仮面の者はカバーニに銃口を額に向ける。
睨み合う二人。
ガチャッと響く。
既に仮面の集団に包囲された俺達。
銃口を向けられ、死に直結する場面。
再度、リーダーらしき仮面の男が声を発する。
「あまり騒ぐな。我々はお前らの命を奪いにきたのではない」
続ける。
「リオラ様……ここで従わなければ……この者らの命は奪います」
「なんやとぉぉぉぉ!!!!」
カバーニが声を荒げ、銃口を額に向けられたまま、今に暴れ出しそうだ。
リオラは涙を流しながら、小さく呟く。
俺は何も出来なく、拳を握り締める。
「分かったからもうやめて……」
カバーニが俺に向かって叫ぶ。
下を向いて、黙っている俺に。
「おい!! アル!! 何黙って見てるんやぁぁぁぁぁぁ!!!!」
0
あなたにおすすめの小説
気弱令嬢の悪役令嬢化計画
みおな
ファンタジー
事故で死んだ私が転生した先は、前世の小説の世界?
しかも、婚約者に不当に扱われても、家族から冷たくされても、反論ひとつ出来ない気弱令嬢?
いやいやいや。
そんなことだから、冤罪で処刑されるんでしょ!
せっかく生まれ変わったんだから、処刑ルートなんて真っ平ごめん。
屑な婚約者も冷たい家族も要らないと思っていたのに・・・?
転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。
けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。
そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。
‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。
「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。
【完結】うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。
かの
ファンタジー
孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。
ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈
追放された『ただの浄化係』、実は国中の魔石を満たしていた精霊姫でした〜今さら戻れと言われても、隣国のイケメン皇帝が離してくれません〜
ハリネズミの肉球
ファンタジー
「おい、城の噴水が止まったぞ!?」
「街の井戸も空っぽです!」
無能な王太子による身勝手な婚約破棄。
そして不毛の砂漠が広がる隣国への追放。だが、愚かな奴らは知らなかった。主人公・ルリアが国境を越えた瞬間、祖国中の「水の魔石」がただの石ころに変わることを!
ルリアは、触れるだけで無尽蔵に水魔力を作り出す『水精霊の愛し子』。
追放先の干ばつに苦しむ隣国で、彼女がその力を使えば……不毛の土地が瞬く間に黄金のオアシスへ大進化!?
優しいイケメン皇帝に溺愛されながら、ルリアは隣国を世界一の繁栄国家へと導いていく。
一方、水が完全に枯渇し大パニックに陥る祖国。
「ルリアを連れ戻せ!」と焦る王太子に待っていたのは、かつて見下していた隣国からの圧倒的な経済・水源制裁だった——!
今、最高にスカッとする大逆転劇が幕を開ける!
※本作品は、人工知能の生成する文章の力をお借りしつつも、最終的な仕上げにあたっては著者自身の手により丁寧な加筆・修正を施した作品です。
異世界のんびり放浪記
立花アルト
ファンタジー
異世界に転移した少女リノは森でサバイバルしながら素材を集め、商人オルソンと出会って街アイゼルトヘ到着。
冒険者ギルドで登録と新人訓練を受け、採取や戦闘、魔法の基礎を学びながら生活準備を整え、街で道具を買い揃えつつ、次の冒険へ向けて動き始めた--。
よくある異世界転移?です。のんびり進む予定です。
小説家になろうにも投稿しています。
転生してもオタクはなおりません。
しゃもん
恋愛
活字中毒者である山田花子は不幸なことに前世とは違いあまり裕福ではない母子家庭の子供に生まれた。お陰で前世とは違い本は彼女の家庭では贅沢品でありとてもホイホイと買えるようなものではなかった。とは言え、読みたいものは読みたいのだ。なんとか前世の知識を魔法に使って少ないお金を浮かしては本を買っていたがそれでも限界があった。溢れるほどの本に囲まれたい。そんな願望を抱いている時に、信じられないことに彼女の母が死んだと知らせが入り、いきなり自分の前に大金持ちの異母兄と実父が現れた。これ幸いに彼等に本が溢れていそうな学校に入れてもらうことになったのだがそこからが大変だった。モブな花子が自分の願望を叶えて、無事幸せを握り締めるまでの物語です。
異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~
存在証明
ファンタジー
不慮の事故によって異世界に転生したカイ。異世界でも家族に疎まれる日々を送るがある日赤い瞳の少年と出会ったことによって世界が一変する。突然街を襲ったスタンピードから2人で隣国まで逃れ、そこで冒険者となったカイ達は仲間を探して冒険者ライフ!のはずが…?!
はたしてカイは運命をぶち壊して幸せを掴むことができるのか?!
火・金・日、投稿予定
投稿先『小説家になろう様』『アルファポリス様』
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる