時空魔術操縦士の冒険記

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2章ダンジョンへ向かおう

王戦6

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 目を開けていられない閃光。
 観客はうぉぉぉぉぉぉぉとどよめいている。
 悲鳴か感嘆か分からないが。
 俺はあまりの爆風でシルバディウスを後退せざる負えない。
 そんな中、絶望的な状況のはずのノブナガがニヤリと笑うのが一瞬見えた。
 瞬間、ノブナガは空中から消える。

「速いっ」

 眉根を上げるシャルマン。
 
 そして、シャルマンが陸上で周りを警戒する。
 しかし、尋常でないスピードでノブナガはランスロット・パラディンの背後に。
 シャルマンは目を剥き出しにする。

「何っ!!」

 速い。
 あれだけ光の魔力で警戒に当たっていたにも関わらず、背後を取られるとは。
 相手は生身の人間。
 驚嘆せざる負えない。
 次の瞬間、ノブナガの左拳に火が灯り、炎となり、炎の拳を勇猛なる後頭部に直撃させた。白金に施された鎧の後頭部が凹み、次第に亀裂を生じる。
 シャルマンは何とか光の魔力をフルパワーで放出し、装甲を急速防御強化し、ダメージを軽減させる。

『ライト・ブースト』

 しかし、その苦し紛れの施しの善し悪しは定まっていないまま、勢い良く吹き飛ばされるランスロット・パラディン。
 黒煙と砂塵が舞い上がり、反対方向の地面へ引きずり込まれる。

 ガガガガガガガガガガガガ。

 そして、その煙を打ち消すかのようにランスロット・パラディンが背後の白翼を翻して上昇し、宙返りし、体勢を整え、装甲をノブナガに向ける。
 しかし、背負っている白翼は先程の炎の拳でダメージを受け、黒煙と損傷を受けている。
 接近するべきか?
 しかし、次の攻撃に転じる時にやや遅れが生じ、回避され、こちらの隙を生み出し、反撃を喰らう。
 間合いを取り遠距離が得策だが、遠距離攻撃で相手を倒せるか分からない。
 もうやるしかない。
 大剣に光条を溜める、放つ。

「!!!!」

『光斬線』
 切り裂く光の魔力の斬攻撃。
 縦の一閃は距離を詰めながら敵へ。
 即座にノブナガは跳び、回避。
 光条は壁へ激突し、爆発と黒煙。

「!?」

「まだだっ!!」

 ランスロット・パラディンは縦横無尽に大剣を振り、連続的に放たれる稲妻のような光斬線。

「!!!!」

 難なく回避するノブナガ、壁には至る所に連続的に爆発が発生する。
 俺はその爆発に巻き込まれる所だったが、何とか回避する。
 シャルマンの攻撃は凄まじいし、ノブナガの圧倒的回避力も圧巻だ。
 観客は固唾を呑んで、その試合を目にしている。

 終わらないランスロット・パラディンの攻撃。
 ノブナガの回避もだんだん対応が難しくなるが、何とか耐える。
 そして、些細な事で試合は動く。
 ノブナガの回避力は脚に多大なる負荷を与えた。
 ノブナガは右目を瞑り、痛む素振りをし、回避の最中に右脚が痙攣《けいれん》、ノブナガの動きが止まる。
 
 シャルマンの鋭い金眼は見逃さない。光の斬線はノブナガの胴体に直撃し、袈裟切りを受けたように光の線がノブナガの胴体を灼かす。

「!?」

 ノブナガの口から血を吐き出し、胴体は血だらけの黒服から見える赤く染まった肉片。

「ぐはぁっ……はぁはぁ……うぅ」

 地面に膝を落とし、完全に動きが止まる。
 顔が歪むノブナガ。
 利発な男が初めて現した本音の表情。
 シャルマンは笑み。

「僕に魔戦なしで戦うなんて無謀だよ」

「はぁ……そうですね」

 呟くノブナガの眼鏡の右のレンズにひびが入る。
 俺は呟く。

「やっぱり強いなシャルマン」

 すると、椅子に座っていたイザベラが険しい表情で言う。
 青髪のお姫様のような顔がここまでキツイ表情になるか。

「ここで負けたらクビよ。ノブナガ」

「はっ」

 ノブナガは立ち上がりは魔戦を具現化する。

【黒格闘家《ブラックファイターマン》】。

 黒一色の細身で長身の装甲。
 頭部にはアスタリスクの細工が施されている。
 簡素な造り。
 物理、打撃系統では最高峰と呼ばれる装甲。
 スピードもかなり高い。
 魔術系統は低め。

 ブラックファイターマンは黒刀を消し、両拳と両脚に炎を灯す。
 黒い装甲が宿す炎の鉄拳。
 あの魔戦!?
 シャルマンは険しい表情。
 ノブナガは口から血を流しながら、前方を睨む。

「ほう……接近戦タイプの魔戦か」

「ふふっ……行きますよ」

「……」

「!?」

 電光石火のごとくブラックファイターマンは接近。
 メラメラと燃える炎拳。
 かなりの距離があった両者の間合いで、一方的に光線が走ったかのように激突。
 シャルマンは目を剥き出しにし、即座に大剣を振り下ろす。

「何っ!?」
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