転生したらダンジョン雲になった訳

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2章英雄と龍魔王

人間嫌い

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 窮地を助けて貰い、凶犬を一人で倒したのは女騎士なのだ、受け取れる訳はない。

「……それは君のだ」

 銀髪の少女は紅の両眼で少し閉じた後、首を左右に小さく振る。

「陽動にはなったし……それにあなたならきっと倒せていた気がする」

 潤んだ紅の両眼でそう言った。
 彼女の心の声を聞いた気がするのはなぜだろうか。
 すると、彼女は髪を翻して、前へ進もうとする。
 アタマカラは咄嗟に呼び止めようとするが、
 
「あっ……」

 そして、彼女は立ち止まって、少し首を傾げる。
 銀髪は風で翻り、揺れ、乱れる。

「あなた……どっかで会わなかった?」

 乱れた銀髪から覗く紅の両眼は儚く、悲しみが込められていた。
 アタマカラははっと我に返り、言葉を発する。

「茶髪の受付嬢から頼まれてきたんだ……」

 彼女は頬に人差し指を立て、考える仕草をする。
 無表情だが、とても、儚くて、美しい。
 冒険以外では家に出ることが無いだろうと思えるほどの純白の肌はこの世に類を見ない程、美しい。
 彼女は溜め息を付いて、不満げな唇にさせる。

「一人で大丈夫って言ったのに……」

 そう彼女は呟いた後、アタマカラを無視し、前へ進もうとする。
 アタマカラは困惑げに、呼び止める。

「ちょっと待ってよ。君……」

 彼女は立ち止まり、初対面のような態度でこちらを振り返った。

「何?」

「せっかく来たんだし、俺も行くよ」

「いらない……」

「いや、でも」

「私……人間嫌いなの」

 彼女はそう冷たく、いい放つ。
 嫌悪という感情が込められているのか分からないが、逆に彼女自身が人間に嫌われてると言っているようにも思えた。
 アタマカラはそう門前払いをされ、困惑したまま立ち尽くす。
 彼女はそそくさと、人間嫌い全開のオーラで前へ直進した。

 

 
 
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