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2章英雄と龍魔王
ダンジョン
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目的のダンジョンはグラード王国を東に進み、1キロ程歩いた所に森林地帯がある。
低クラスから中クラスのモンスターが棲息し、駆け出し冒険者にとっては良い訓練場所ということだ。
支援するとは言ったものの、武器も無く、丸腰でダンジョンへ行くのは場違いだろうか。
「え……と……依頼内容は腐った茸の駆除か……案外楽そうだ」
すると、突如、緑の林が小刻みに揺れ、獰猛な狂犬が三匹飛び出してきた。
赤、青、緑色の皮膚をし、凶暴な一角が特徴とする犬族の魔獣。
【凶犬《きょうけん》】
人間に対して恨みがあるのか、襲いかかる大半は人間。
上位種。レベル600。
そして、三匹の凶犬は唸りを立て、アタマカラの周囲を回り、徐々に近づいて、行動範囲を縮小させていく。
次の瞬間、赤の凶犬がアタマカラの顔を目掛けて、襲いかかってきた。
「ギャルァァァァァァ!」
アタマカラは何とか、右に逸れて、回避するが、既に緑の凶犬が懐に潜り込んで、右足に噛みついていた。
暴れたい程激しい痛みが襲い、何とか振り払おうとするが、青い犬がアタマカラの頭に噛みつき、動きを停止させる。
今度は、赤犬が逃した腹いせとばかりに左足に噛みついた。
完全に動きを封じ込められた。
「ぁぁぁああああ!!」
凶暴な噛みつきは一度噛みついたら、早々には解放はしてはくれない。
永遠に続くような痛みが身体や心を蝕んでくる。
だが、次の瞬間、連続的に炎が凶犬から発生し、凶犬は痛みで、地面を転がり回り、炎を追い払うと試みるが、一向に消える気配は無い。
やがて、炎は凶犬達を燃やし尽くし、灰となり、ドロップアイテムと思われる凶犬の牙が地面に落ちた。
アタマカラは息切れをし、崩れ落ちた。
「はぁ……はぁ……助かった」
その時、誰かが後ろを通り過ぎた。
銀色の鎧をした者がその落下したドロップアイテムまで颯爽と歩いていく。
まさに、女騎士と云った佇まい。
丸み帯びた、柔らかな施しの銀の頭部。
右手には金銀の豪奢な剣を携え、炎の残り火がパチパチと鳴っている。
おそらく、先程の炎はこの女なのだろう。
女はアイテムに手を翳し、次々にアイテムを消失させる。
ボックスにアイテムを転送しているようだった。
それにしても、この防具、どこかで見たことがある。
それは、依頼屋でぶっかった銀髪の美女だった……確か。
気がつくと、目の前にその銀色の女騎士はいた。そして、差し出した、凶犬の牙。
紅の両眼が冷徹にこちらを見上げると、光沢の銀色の頭部は消えていき、銀髪の綺麗な少女の顔が露わになる。
透き通った、だがどこか人間嫌いな側面が見え隠れする声を発する。
「これ……あなたの」
低クラスから中クラスのモンスターが棲息し、駆け出し冒険者にとっては良い訓練場所ということだ。
支援するとは言ったものの、武器も無く、丸腰でダンジョンへ行くのは場違いだろうか。
「え……と……依頼内容は腐った茸の駆除か……案外楽そうだ」
すると、突如、緑の林が小刻みに揺れ、獰猛な狂犬が三匹飛び出してきた。
赤、青、緑色の皮膚をし、凶暴な一角が特徴とする犬族の魔獣。
【凶犬《きょうけん》】
人間に対して恨みがあるのか、襲いかかる大半は人間。
上位種。レベル600。
そして、三匹の凶犬は唸りを立て、アタマカラの周囲を回り、徐々に近づいて、行動範囲を縮小させていく。
次の瞬間、赤の凶犬がアタマカラの顔を目掛けて、襲いかかってきた。
「ギャルァァァァァァ!」
アタマカラは何とか、右に逸れて、回避するが、既に緑の凶犬が懐に潜り込んで、右足に噛みついていた。
暴れたい程激しい痛みが襲い、何とか振り払おうとするが、青い犬がアタマカラの頭に噛みつき、動きを停止させる。
今度は、赤犬が逃した腹いせとばかりに左足に噛みついた。
完全に動きを封じ込められた。
「ぁぁぁああああ!!」
凶暴な噛みつきは一度噛みついたら、早々には解放はしてはくれない。
永遠に続くような痛みが身体や心を蝕んでくる。
だが、次の瞬間、連続的に炎が凶犬から発生し、凶犬は痛みで、地面を転がり回り、炎を追い払うと試みるが、一向に消える気配は無い。
やがて、炎は凶犬達を燃やし尽くし、灰となり、ドロップアイテムと思われる凶犬の牙が地面に落ちた。
アタマカラは息切れをし、崩れ落ちた。
「はぁ……はぁ……助かった」
その時、誰かが後ろを通り過ぎた。
銀色の鎧をした者がその落下したドロップアイテムまで颯爽と歩いていく。
まさに、女騎士と云った佇まい。
丸み帯びた、柔らかな施しの銀の頭部。
右手には金銀の豪奢な剣を携え、炎の残り火がパチパチと鳴っている。
おそらく、先程の炎はこの女なのだろう。
女はアイテムに手を翳し、次々にアイテムを消失させる。
ボックスにアイテムを転送しているようだった。
それにしても、この防具、どこかで見たことがある。
それは、依頼屋でぶっかった銀髪の美女だった……確か。
気がつくと、目の前にその銀色の女騎士はいた。そして、差し出した、凶犬の牙。
紅の両眼が冷徹にこちらを見上げると、光沢の銀色の頭部は消えていき、銀髪の綺麗な少女の顔が露わになる。
透き通った、だがどこか人間嫌いな側面が見え隠れする声を発する。
「これ……あなたの」
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