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2章英雄と龍魔王
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「まず冒険者様はインターフェースを展開して頂き、依頼の欄をタップし、またお好みの依頼を再度タップして頂きますと……受注申請となります。そして、こちらの本部までその申請が届き、冒険者様の事前の一部情報を依頼人様に送り、そこで承諾があって、初めて冒険者様は依頼を遂行して頂きます。したがって、どこにいても、依頼を申請したり、遂行できます」
「はい」
「なお、依頼には難易度があり、ルーキーからカーディナルまで振り分けられています。最上級のカーディナル以外は低級の称号を持つ冒険者、どの難易度でも受注できます。ですが、称号や自らの力量に応じて、受注することをおすすめします」
「へぇ……あの……受注申請して、依頼に拒否されることはあるんですか?」
「依頼は膨大な数があります……また多種多様なので、基本的に拒否されることはありません。ですが、個別や特殊な案件になりますと、拒否される可能性はあります」
「あーはい」
「依頼を完了しますと、自動的に本部に連絡が来て、依頼主に依頼完了を通達し、そして、冒険者様の所持金欄または資産欄に報酬が送られます」
受付嬢は前半までは丁寧に対応してくれたが、やはり、外部の連絡から大量に来ていて、忙しいらしく、後の説明はホログラムを展開して、参照してくださいとのことだった。
すると、受付嬢は頭を抱え、溜め息を付いて、アタマカラを見た。
「あっ……」
「分かりました。後は自分でやりますから」
厄介者扱いなのだろうと思い、薄く笑ってアタマカラは立ち去ろうとする。
予想外にも、茶髪の猫の女は頬や耳を真っ赤にして、呼び止めた。
「まま……待ってください!」
「は……はい?」
「申し訳無いのですが……指定の依頼を受けてくれませんか?」
その突然の彼女の申し出に、驚いたが、拒否する理由は無いだろう。
依頼をやろうと決めてここに来てるのだから。
「ええ……いですよ」
「あっ……良かったです。私の友人が一人でダンジョンに潜ってしまって……その友人と一緒にモンスターを狩ってくださいませんか?」
「ええ……はい」
「彼女は強いですけど……いつも一人でダンジョン行くから心配で……だからお願いします」
「はい」
アタマカラは適当な返事をしつつ、疑問が湧いた。
大切な友人をなぜ見ず知らずの俺に託すのだろうか……。
「それは……たしかに……称号は駆け出し冒険者、レベル0ですが……その白色防具は……ゴッドクラスの最上級の防具……それなりの逸材かと思いまして……正直申しますと……こちらも手一杯なのです……まあ、何かしたら私の友人はあなたを殺しちゃいます」
受付嬢は満面の可愛らしさ満点の笑顔で、そう言った。
アタマカラは苦笑いをするしか無い。
「参ったな」
早速その友人と合流するべく、ダンジョンに向かった。
※
「はい」
「なお、依頼には難易度があり、ルーキーからカーディナルまで振り分けられています。最上級のカーディナル以外は低級の称号を持つ冒険者、どの難易度でも受注できます。ですが、称号や自らの力量に応じて、受注することをおすすめします」
「へぇ……あの……受注申請して、依頼に拒否されることはあるんですか?」
「依頼は膨大な数があります……また多種多様なので、基本的に拒否されることはありません。ですが、個別や特殊な案件になりますと、拒否される可能性はあります」
「あーはい」
「依頼を完了しますと、自動的に本部に連絡が来て、依頼主に依頼完了を通達し、そして、冒険者様の所持金欄または資産欄に報酬が送られます」
受付嬢は前半までは丁寧に対応してくれたが、やはり、外部の連絡から大量に来ていて、忙しいらしく、後の説明はホログラムを展開して、参照してくださいとのことだった。
すると、受付嬢は頭を抱え、溜め息を付いて、アタマカラを見た。
「あっ……」
「分かりました。後は自分でやりますから」
厄介者扱いなのだろうと思い、薄く笑ってアタマカラは立ち去ろうとする。
予想外にも、茶髪の猫の女は頬や耳を真っ赤にして、呼び止めた。
「まま……待ってください!」
「は……はい?」
「申し訳無いのですが……指定の依頼を受けてくれませんか?」
その突然の彼女の申し出に、驚いたが、拒否する理由は無いだろう。
依頼をやろうと決めてここに来てるのだから。
「ええ……いですよ」
「あっ……良かったです。私の友人が一人でダンジョンに潜ってしまって……その友人と一緒にモンスターを狩ってくださいませんか?」
「ええ……はい」
「彼女は強いですけど……いつも一人でダンジョン行くから心配で……だからお願いします」
「はい」
アタマカラは適当な返事をしつつ、疑問が湧いた。
大切な友人をなぜ見ず知らずの俺に託すのだろうか……。
「それは……たしかに……称号は駆け出し冒険者、レベル0ですが……その白色防具は……ゴッドクラスの最上級の防具……それなりの逸材かと思いまして……正直申しますと……こちらも手一杯なのです……まあ、何かしたら私の友人はあなたを殺しちゃいます」
受付嬢は満面の可愛らしさ満点の笑顔で、そう言った。
アタマカラは苦笑いをするしか無い。
「参ったな」
早速その友人と合流するべく、ダンジョンに向かった。
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