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ギフト
ディゼムとリール
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外は心地よい風が吹いていた。
――今頃、みんなは数学の授業中かな……。私がいなくてみんな心配してるだろうなあ――。
凛子の足取りは自然と重くなる。晴れ渡った青空とは裏腹に、今にも雨が降り出しそうな心境になっていた。
「心配ですか?」
「…………」
「心配ですよね」
「…………」
「あまり心配なさらないでください」
「…………」
「ここは凛子さんの住む世界とは違う時間の速度になります」
「…………?」
「この世界から見ると、凛子さんの世界では時間はほぼ動いていないように見えます。だから、心配しなくとも大丈夫ですよ。まだ凛子さんがいなくなったとは誰も思っていませんよ」
「えっ? そうなの!?」
早くそれを言ってくれ、そう凛子は叫びたい気持ちだった。ミルゼの長い髪をひっつかんで、いっそのこと日本髪のように高く結い上げてしまいたい、思わず手がうずうずした。
「待ち合わせの場所はもうすぐですからね」
待ち合わせ――。もうすぐその肉食系とやらの二人の人物に会うのか、と凛子は少し緊張していた。きっとミルゼと違って恐ろしい外見と性格をしているのだろう、そう想像した。
ミルゼと違って――。そこで凛子は思わず足が止まった。
――私、ミルゼのなにを知っているというんだろう?
知らず知らずのうちに、ミルゼに好感を抱いている自分に気が付いた。好感どころか――。
――ミルゼは優しくて穏やかで――、とても綺麗で――。
柔らかな風が通り抜ける。清々しい緑の香り。
――わけのわからないやつなんだけど――。
光る銀の髪。凛子は、姿勢のよい美しいその姿から目が離せなくなっていた。
「凛子さん。どうしました?」
不意に振り向かれ、凛子はどぎまぎする。
「えっ? な、なんでもないよ」
「緊張しなくて大丈夫ですよ。とても気のいい人たちですから」
「ふ、ふうん」
道行く人々は皆普通の人たちのように見えた。角や耳、しっぽなど変わった特徴のある人はいないようだった。
「……肉食系の人、いないね」
「そうですね。今のところ、いませんね。まあギフトを受けた者は自然と夜行性の生活を好むことが多いですから、日中は余計少ないかもしれません」
「えっ? そうなの?」
「私も夜の方が得意です。だから今のお店の店員さんは、早朝からしっかり働いていて偉いなあと思います。凛子さんも偉いですね」
「い、いや別に活動する時間帯が違うだけだと思うけど……」
「でも私は夜も結構寝てますよ。一日中寝ていてもいいかなあと思うくらいです」
食べるか寝てるか――、お前はコアラか!? とちょっとツッコミたくなった。
細い路地に入る。その路地をさらに曲がり、建物と建物の間を進む。レンガ造りのような建物に、裏口らしき黒い金属製の扉。ミルゼはその扉を開ける。
「階段……」
いきなり、地下に続く細い階段があった。ミルゼは薄暗い階段を降りていく。
「え……。なんか怖いんだけど……」
凛子は引き返したくなった。先ほどまでの明るくあたたかい日差しは感じられない。空気感が違う。通りから少し離れただけなのに、昼間でもここは別次元の場所だ、そう感じた。
「大丈夫ですよ。そんなに怪しいところじゃないですから」
「そ・ん・な・に!?」
そんなに、とわざわざ付けるということは、まったく怪しくないというわけではないと認めたようなものだ。
「危険ではありません。昼間は」
「ひ・る・ま・は!?」
しかも、「安全」とは一言も付けない。
――怪しすぎる! だ、大丈夫なの!?
地下に降りると、看板も飾りも目印となるようなものもなにもなく、ただシンプルな扉があった。
「待ち合わせ場所って、ここなの!?」
「はい。そうです」
そう笑顔で答えながら、ミルゼはなんの躊躇もなく扉を開け中に入った。
中は――。どうやら飲食店のようだった。扉や階段の暗い印象とは違い、店内は案外広く清潔感があり、昼間からすでにたくさんの人々が飲食し談笑していた。荒くれ者のような怖い若者ばかりかと凛子は想像していたが、予想に反して年配の客が多く、きちんとした身なりの老紳士といった風情の人たちや、上品な中年の女性客の集団などがいた。
「な、なんだ。そんなに怖くないかも……」
凛子は少し安堵した。
「よっ! 久しぶりっ!」
いきなり横からミルゼに声をかける大柄な若い男性――その頭には、獣の耳が付いていた。
「あっ……!」
凛子は思わず指を指してしまいそうになった。
「久しぶりです。ディゼム。こちらが、協力してくださる凛子さんです。凛子さん、彼がディゼムです」
――ほんとに耳が……!
「へええ! かわいいねえ! 凛子! よろしく!」
よく通る快活な声。ディゼムは大きな手を差し出し、握手を求めた。
「よ、よろしくお願いします……」
思わず素直に凛子も手を差し出した。分厚い手にぎゅっと力強く握られ、凛子はうろたえる。
黒い髪に褐色の肌、生き生きと輝く黒い瞳。たぶんミルゼと同じくらいの年齢だろう。凛子は完全武装の姿を想像していたが、ディゼムは軽装で動きやすい恰好をしていた。大きな口からは綺麗な白い歯がこぼれ――肉食系のためか犬歯がとがって見える――人懐っこく眩しい笑顔だった。精悍な顔つきで眼光は鋭いがタレ目で、いかにも女性にモテそうな――そしてちょっと女好きそうな――感じがした。背が高く筋肉質で屈強な外見をしているが、女性にはめっぽう弱いに違いない。
「リールのやつ、まだ来ないんだよねえ! まったくあいつはいつも遅えんだから!」
ディゼムは困るふうでも怒るふうでもなく、大きな声で愉快そうに言う。
「ディゼムはいつ来たんですか?」
「ん? たった今よ! 今! まあとりあえず座ろうぜ!」
――よかった。とりあえず怖い人じゃなさそう。
凛子はほっと胸をなでおろす。
「凛子は、飲めんの?」
着席するやいなや、ディゼムは興味津々といった感じで凛子に質問する。
「ま、まさかっ! 私、未成年ですっ! 飲めませんっ!」
「凛子さんの住む国では、未成年は飲酒が禁じられているんですよね」
こちらの世界では飲酒が大丈夫ということらしい。でも成人したって私は別にお酒を飲みたいなんて思わないだろうと凛子は思う。自分が酒を飲んでコントの酔っ払いのようになった姿を想像して凛子はぞっとした。
「そっかあ。俺は早速なにか飲もうかな。おーい、おねーさあん!」
元気に店員に手を振るディゼム。またしても無駄に元気なやつが、と凛子はちょっと先行き不安になる。
「私はなにを食べようかな」
また食うのかいっ! と凛子がツッコミを入れようとした時、ハスキーな女性の声がした。
「こんにちは。珍しく早く着いたでしょう?」
ショートカットの若く美しい女性だった。髪の色は薔薇のように深紅、瞳は輝く金色だった。赤い口紅に黒いアイライン、はっきりとしたメイクだが、メイクがなくても十分美人、むしろ素顔のほうが花のように美しいに違いない、そんな整った顔立ちだった。すらりとした長身でスタイルがよく、黒のホットパンツとヒールの高いブーツがとても似合っていた。そして後ろには――。爬虫類のような長い尻尾があった。
――し、尻尾だ! ということはこの人が――。
「こんにちは、リール。久しぶりですね。約束の時間通りとは珍しいですね」
「リール! 早かったじゃん! 元気してたかあっ?」
「ふふふ。あんたたちの顔を見るのが楽しみで、今日は早く起きちゃったのよ」
「まーたまた! んなわけねーだろ、たまたまだろおっ!? たまたまっ!」
「ふふ。そうね」
涼しげな目を細め笑う。
「リール、彼女がお話した凛子です。そして凛子、彼女がリールです」
「ふうん」
リールは微笑みを浮かべながら、ちょっと珍しいものでも見るような目で凛子を眺めた。美人に見つめられ、同性でも凛子はちょっとどきどきする。
――今頃、みんなは数学の授業中かな……。私がいなくてみんな心配してるだろうなあ――。
凛子の足取りは自然と重くなる。晴れ渡った青空とは裏腹に、今にも雨が降り出しそうな心境になっていた。
「心配ですか?」
「…………」
「心配ですよね」
「…………」
「あまり心配なさらないでください」
「…………」
「ここは凛子さんの住む世界とは違う時間の速度になります」
「…………?」
「この世界から見ると、凛子さんの世界では時間はほぼ動いていないように見えます。だから、心配しなくとも大丈夫ですよ。まだ凛子さんがいなくなったとは誰も思っていませんよ」
「えっ? そうなの!?」
早くそれを言ってくれ、そう凛子は叫びたい気持ちだった。ミルゼの長い髪をひっつかんで、いっそのこと日本髪のように高く結い上げてしまいたい、思わず手がうずうずした。
「待ち合わせの場所はもうすぐですからね」
待ち合わせ――。もうすぐその肉食系とやらの二人の人物に会うのか、と凛子は少し緊張していた。きっとミルゼと違って恐ろしい外見と性格をしているのだろう、そう想像した。
ミルゼと違って――。そこで凛子は思わず足が止まった。
――私、ミルゼのなにを知っているというんだろう?
知らず知らずのうちに、ミルゼに好感を抱いている自分に気が付いた。好感どころか――。
――ミルゼは優しくて穏やかで――、とても綺麗で――。
柔らかな風が通り抜ける。清々しい緑の香り。
――わけのわからないやつなんだけど――。
光る銀の髪。凛子は、姿勢のよい美しいその姿から目が離せなくなっていた。
「凛子さん。どうしました?」
不意に振り向かれ、凛子はどぎまぎする。
「えっ? な、なんでもないよ」
「緊張しなくて大丈夫ですよ。とても気のいい人たちですから」
「ふ、ふうん」
道行く人々は皆普通の人たちのように見えた。角や耳、しっぽなど変わった特徴のある人はいないようだった。
「……肉食系の人、いないね」
「そうですね。今のところ、いませんね。まあギフトを受けた者は自然と夜行性の生活を好むことが多いですから、日中は余計少ないかもしれません」
「えっ? そうなの?」
「私も夜の方が得意です。だから今のお店の店員さんは、早朝からしっかり働いていて偉いなあと思います。凛子さんも偉いですね」
「い、いや別に活動する時間帯が違うだけだと思うけど……」
「でも私は夜も結構寝てますよ。一日中寝ていてもいいかなあと思うくらいです」
食べるか寝てるか――、お前はコアラか!? とちょっとツッコミたくなった。
細い路地に入る。その路地をさらに曲がり、建物と建物の間を進む。レンガ造りのような建物に、裏口らしき黒い金属製の扉。ミルゼはその扉を開ける。
「階段……」
いきなり、地下に続く細い階段があった。ミルゼは薄暗い階段を降りていく。
「え……。なんか怖いんだけど……」
凛子は引き返したくなった。先ほどまでの明るくあたたかい日差しは感じられない。空気感が違う。通りから少し離れただけなのに、昼間でもここは別次元の場所だ、そう感じた。
「大丈夫ですよ。そんなに怪しいところじゃないですから」
「そ・ん・な・に!?」
そんなに、とわざわざ付けるということは、まったく怪しくないというわけではないと認めたようなものだ。
「危険ではありません。昼間は」
「ひ・る・ま・は!?」
しかも、「安全」とは一言も付けない。
――怪しすぎる! だ、大丈夫なの!?
地下に降りると、看板も飾りも目印となるようなものもなにもなく、ただシンプルな扉があった。
「待ち合わせ場所って、ここなの!?」
「はい。そうです」
そう笑顔で答えながら、ミルゼはなんの躊躇もなく扉を開け中に入った。
中は――。どうやら飲食店のようだった。扉や階段の暗い印象とは違い、店内は案外広く清潔感があり、昼間からすでにたくさんの人々が飲食し談笑していた。荒くれ者のような怖い若者ばかりかと凛子は想像していたが、予想に反して年配の客が多く、きちんとした身なりの老紳士といった風情の人たちや、上品な中年の女性客の集団などがいた。
「な、なんだ。そんなに怖くないかも……」
凛子は少し安堵した。
「よっ! 久しぶりっ!」
いきなり横からミルゼに声をかける大柄な若い男性――その頭には、獣の耳が付いていた。
「あっ……!」
凛子は思わず指を指してしまいそうになった。
「久しぶりです。ディゼム。こちらが、協力してくださる凛子さんです。凛子さん、彼がディゼムです」
――ほんとに耳が……!
「へええ! かわいいねえ! 凛子! よろしく!」
よく通る快活な声。ディゼムは大きな手を差し出し、握手を求めた。
「よ、よろしくお願いします……」
思わず素直に凛子も手を差し出した。分厚い手にぎゅっと力強く握られ、凛子はうろたえる。
黒い髪に褐色の肌、生き生きと輝く黒い瞳。たぶんミルゼと同じくらいの年齢だろう。凛子は完全武装の姿を想像していたが、ディゼムは軽装で動きやすい恰好をしていた。大きな口からは綺麗な白い歯がこぼれ――肉食系のためか犬歯がとがって見える――人懐っこく眩しい笑顔だった。精悍な顔つきで眼光は鋭いがタレ目で、いかにも女性にモテそうな――そしてちょっと女好きそうな――感じがした。背が高く筋肉質で屈強な外見をしているが、女性にはめっぽう弱いに違いない。
「リールのやつ、まだ来ないんだよねえ! まったくあいつはいつも遅えんだから!」
ディゼムは困るふうでも怒るふうでもなく、大きな声で愉快そうに言う。
「ディゼムはいつ来たんですか?」
「ん? たった今よ! 今! まあとりあえず座ろうぜ!」
――よかった。とりあえず怖い人じゃなさそう。
凛子はほっと胸をなでおろす。
「凛子は、飲めんの?」
着席するやいなや、ディゼムは興味津々といった感じで凛子に質問する。
「ま、まさかっ! 私、未成年ですっ! 飲めませんっ!」
「凛子さんの住む国では、未成年は飲酒が禁じられているんですよね」
こちらの世界では飲酒が大丈夫ということらしい。でも成人したって私は別にお酒を飲みたいなんて思わないだろうと凛子は思う。自分が酒を飲んでコントの酔っ払いのようになった姿を想像して凛子はぞっとした。
「そっかあ。俺は早速なにか飲もうかな。おーい、おねーさあん!」
元気に店員に手を振るディゼム。またしても無駄に元気なやつが、と凛子はちょっと先行き不安になる。
「私はなにを食べようかな」
また食うのかいっ! と凛子がツッコミを入れようとした時、ハスキーな女性の声がした。
「こんにちは。珍しく早く着いたでしょう?」
ショートカットの若く美しい女性だった。髪の色は薔薇のように深紅、瞳は輝く金色だった。赤い口紅に黒いアイライン、はっきりとしたメイクだが、メイクがなくても十分美人、むしろ素顔のほうが花のように美しいに違いない、そんな整った顔立ちだった。すらりとした長身でスタイルがよく、黒のホットパンツとヒールの高いブーツがとても似合っていた。そして後ろには――。爬虫類のような長い尻尾があった。
――し、尻尾だ! ということはこの人が――。
「こんにちは、リール。久しぶりですね。約束の時間通りとは珍しいですね」
「リール! 早かったじゃん! 元気してたかあっ?」
「ふふふ。あんたたちの顔を見るのが楽しみで、今日は早く起きちゃったのよ」
「まーたまた! んなわけねーだろ、たまたまだろおっ!? たまたまっ!」
「ふふ。そうね」
涼しげな目を細め笑う。
「リール、彼女がお話した凛子です。そして凛子、彼女がリールです」
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