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トクに案内され 小さな屋敷の前に立つ
「ここか」「ああ」じっと屋敷を見る
「誰もいないのか」周りが静かすぎる
「では 行こう」
たのむ生きていてくれ
ドアを破り 屋敷の中を探す それでも見つからない
どこだ ロク
もう遅かったのか と考えがよぎる
どこだ ロク どこだ
一つの部屋へ入った時 テーブルの上に一枚の紙
スパルガリズ語の古い字で 預かり物はこの下にある と書かれていた
誰が置いた
テーブルの下に 地下につながる入り口を見つける
階段を下りていく 廊下を進み
1番奥の部屋のすみに
血まみれで 気を失って倒れているロクを見つけた
「ロ・・ク・・・」抱きしめる
消えてなくなりそうな細い呼吸と
ありえないほど熱を持った体
「ロク 遅くなってすまんな
よく頑張った みんなが待ってる 帰ろうな」
マントで包む 背中に手をやった時
少しほんの少しビクンと体が動いた
「ごめんな 痛いな 少しガマンな」
手が血で真っ赤になる マントに血が滲む
力の入ってない腕 見るからに折れているのがわかる両足 目からの出血 爪を剥がされた指
体中に痣や傷がある ひどい
言葉が出ない
「ここに寝かせろ」と居間の一室をシーツを敷き
ソウテツとダイジロウガが待っていた
「治療は少しでも早い方がいい」とソウテツが言う
足を正しい方向で固定する
服を脱がせ 体の状態を見る
「ダイジロウ」とソウテツが呼ぶ
脇腹の一部がドス黒く変色している
「たぶんそうだと思う」
「ここで切る」ソウテツが言う
「清潔なタオルと水をたくさん用意しろ」とダイジロウガが指示をだす
「行くぞ」ソウテツがメスでロクの体を切る 赤黒い血が流れる ある程度の出血が終わると ソウテツが腹を押さえ血を止める
「顔拭いてやれ」とダイジロウからみずにぬれたタオルを受け取った
顔を拭いてやる おでこに傷と目の傷が見える
「目の傷たいした事なければいいけどな」とダイジロウが言う
「生きていてくれたら それでいい」
「それは任せておけ 絶対助けてやるから」ダイジロウが言う 無言で頷いた
ロクを病院に運び 本格的な治療を始めた
「少し用事を済ませてくる」病院に駆けつけたアランとミアに声をかけ 城へ向かう
いざなぎの大臣とアレは・・・ロクの昔の仲間だなとトクジロウが言う どうするそのまま始末するか とフェルに聞く
ロクはあんな姿になっているのに 何故あいつらは ここにいる
ロクをあんな目にあわせた奴らが のうのうと息をしている
ロクが苦しい思いをしているのに お前らは 生きている
殺してやる
「殺気をおさめろ」とフェルに言われた
「今すぐ あいつらを殺して 国を滅ぼしていいか」
「テオ・・・」
「何であいつらは息をしている なぜしゃべっている 歩いているぞ
ロクは 息もままならず 血を流し 高熱を出して 苦しんでいる それなのにあいつらは
フェル命令をくれ あいつらを滅ぼしていいと命令をくれ」
「命令はすぐにやる 待っていろ ただ どこまでやるかは俺が判断する いいな」
「ついてこい お前にいざなぎを攻める大義名分をくれてやる」フェルが部屋へ向かう
病室の前の廊下で ソウテツが俺を待っていた
「戦争だ あの国を亡ぼす」ソウテツに言う
「すぐに行くのか」
「ああ すぐに終わらせてくる 留守の間頼む」
「顔ぐらい見てやれよ」
「見たら離れられなくなるから 帰ってからにするよ」
「・・・ぎりぎりのところだぞ・・・それでも行くのか」
もう二度と 生きているロクに会えないかもしれない
それでも これが ロクのような子供を二度と作らない世界を作る第一歩だ
「あいつはなかなか死なんよ しぶといからな
ロクに寝て待っていろ すぐに帰ってくるからと言っといてくれ」
「・・・わかったよ 気を付けてな」
こっちはロクで手いっぱいだから 無駄に怪我人作るなよ
「わかったよ」と病院を後にする
テオが 我が国の歴史上もっとも短い戦争 と後世に伝えられる戦争に勝利して戻ってきたのは
三日後だった
「少しだけ落ち着いたんだほんの少し まだ油断はできないけどな」とソウテツが教えてくれた
「昨日 お水をね飲んでくれたんです ロクは頑張り屋です
旦那様 いっぱい褒めてあげてくださいね」とミヤが泣きはらした顔で言う
全身に包帯を巻いている状態で ベットに寝ている
でも あの地下室から救い出した時より 強い息づかいを感じる
動かない手をそっと握る いつか握り返してくれたらそれでいい
「ただいま ロクが頑張ってる間 俺もがんばったよ
いざなぎを滅ぼしたよ でも 壊したのは城だけ だって腐ってるのは城だけだよって
ロクよく言ってただろ だから城だけにした
逃げた国民は帰れるように周りの国で協力することになった
勤勉な国民だ きっといい国を作ると思うぞ いつか一緒に見に行こうな」
いつか 手をつないで ロクの足で歩いて ロクの目で見てほしい
ロクの生まれ故郷を
「ここか」「ああ」じっと屋敷を見る
「誰もいないのか」周りが静かすぎる
「では 行こう」
たのむ生きていてくれ
ドアを破り 屋敷の中を探す それでも見つからない
どこだ ロク
もう遅かったのか と考えがよぎる
どこだ ロク どこだ
一つの部屋へ入った時 テーブルの上に一枚の紙
スパルガリズ語の古い字で 預かり物はこの下にある と書かれていた
誰が置いた
テーブルの下に 地下につながる入り口を見つける
階段を下りていく 廊下を進み
1番奥の部屋のすみに
血まみれで 気を失って倒れているロクを見つけた
「ロ・・ク・・・」抱きしめる
消えてなくなりそうな細い呼吸と
ありえないほど熱を持った体
「ロク 遅くなってすまんな
よく頑張った みんなが待ってる 帰ろうな」
マントで包む 背中に手をやった時
少しほんの少しビクンと体が動いた
「ごめんな 痛いな 少しガマンな」
手が血で真っ赤になる マントに血が滲む
力の入ってない腕 見るからに折れているのがわかる両足 目からの出血 爪を剥がされた指
体中に痣や傷がある ひどい
言葉が出ない
「ここに寝かせろ」と居間の一室をシーツを敷き
ソウテツとダイジロウガが待っていた
「治療は少しでも早い方がいい」とソウテツが言う
足を正しい方向で固定する
服を脱がせ 体の状態を見る
「ダイジロウ」とソウテツが呼ぶ
脇腹の一部がドス黒く変色している
「たぶんそうだと思う」
「ここで切る」ソウテツが言う
「清潔なタオルと水をたくさん用意しろ」とダイジロウガが指示をだす
「行くぞ」ソウテツがメスでロクの体を切る 赤黒い血が流れる ある程度の出血が終わると ソウテツが腹を押さえ血を止める
「顔拭いてやれ」とダイジロウからみずにぬれたタオルを受け取った
顔を拭いてやる おでこに傷と目の傷が見える
「目の傷たいした事なければいいけどな」とダイジロウが言う
「生きていてくれたら それでいい」
「それは任せておけ 絶対助けてやるから」ダイジロウが言う 無言で頷いた
ロクを病院に運び 本格的な治療を始めた
「少し用事を済ませてくる」病院に駆けつけたアランとミアに声をかけ 城へ向かう
いざなぎの大臣とアレは・・・ロクの昔の仲間だなとトクジロウが言う どうするそのまま始末するか とフェルに聞く
ロクはあんな姿になっているのに 何故あいつらは ここにいる
ロクをあんな目にあわせた奴らが のうのうと息をしている
ロクが苦しい思いをしているのに お前らは 生きている
殺してやる
「殺気をおさめろ」とフェルに言われた
「今すぐ あいつらを殺して 国を滅ぼしていいか」
「テオ・・・」
「何であいつらは息をしている なぜしゃべっている 歩いているぞ
ロクは 息もままならず 血を流し 高熱を出して 苦しんでいる それなのにあいつらは
フェル命令をくれ あいつらを滅ぼしていいと命令をくれ」
「命令はすぐにやる 待っていろ ただ どこまでやるかは俺が判断する いいな」
「ついてこい お前にいざなぎを攻める大義名分をくれてやる」フェルが部屋へ向かう
病室の前の廊下で ソウテツが俺を待っていた
「戦争だ あの国を亡ぼす」ソウテツに言う
「すぐに行くのか」
「ああ すぐに終わらせてくる 留守の間頼む」
「顔ぐらい見てやれよ」
「見たら離れられなくなるから 帰ってからにするよ」
「・・・ぎりぎりのところだぞ・・・それでも行くのか」
もう二度と 生きているロクに会えないかもしれない
それでも これが ロクのような子供を二度と作らない世界を作る第一歩だ
「あいつはなかなか死なんよ しぶといからな
ロクに寝て待っていろ すぐに帰ってくるからと言っといてくれ」
「・・・わかったよ 気を付けてな」
こっちはロクで手いっぱいだから 無駄に怪我人作るなよ
「わかったよ」と病院を後にする
テオが 我が国の歴史上もっとも短い戦争 と後世に伝えられる戦争に勝利して戻ってきたのは
三日後だった
「少しだけ落ち着いたんだほんの少し まだ油断はできないけどな」とソウテツが教えてくれた
「昨日 お水をね飲んでくれたんです ロクは頑張り屋です
旦那様 いっぱい褒めてあげてくださいね」とミヤが泣きはらした顔で言う
全身に包帯を巻いている状態で ベットに寝ている
でも あの地下室から救い出した時より 強い息づかいを感じる
動かない手をそっと握る いつか握り返してくれたらそれでいい
「ただいま ロクが頑張ってる間 俺もがんばったよ
いざなぎを滅ぼしたよ でも 壊したのは城だけ だって腐ってるのは城だけだよって
ロクよく言ってただろ だから城だけにした
逃げた国民は帰れるように周りの国で協力することになった
勤勉な国民だ きっといい国を作ると思うぞ いつか一緒に見に行こうな」
いつか 手をつないで ロクの足で歩いて ロクの目で見てほしい
ロクの生まれ故郷を
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