暗殺者は愛される

うー吉

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ロクとイブのリハビリが始まった

「順調だよ」
「ええ 本当に」リハビリに付き合っているミアもニコニコしている
「俺も見に行きたい」
「テオは仕事忙しいでしょ」バッサリ言われた
「待っててね テオ すぐに歩けるようになって 仕事手伝うからね」
ミアの食器の後片づけしながら言ってる
「ああ そうしてもらえると助かるよ 書類がたまってる
少しだけでも 手伝いに来れないかと 事務方が呼んでいるがどうする」
「え 行ってもいいの?」
「事務方は是非にと言ってるが 通うのがなぁ」
「では わたしが 送迎いたしましょうか」とアランが言う

それならと とんとん拍子で話が進み
週に何度か ロクは執務室にやってくようになった


イブの検査の結果がそろった
実際 イブの体の臓器はなかったり 
ぎりぎり生きれるところまで取られている臓器もあったようで
「しんどくなかったの」とダイジロウに聞かれているイブが
「こんなものだと思ってました」と答えたら 
「これからはちゃんと言ってね」と毎朝自分の体調確認から始まるんです 
家族みんなが聞くんです
と少し照れたように教えてくれたので 少しほっとした

 
「あなたは何がしたい」フェルがアシエカの王に尋ねる
イブの確認手術にも立ち会い ソウテツの診断書類も欲しがる
「私は何も ただ 私たちの国は新興国 あなた方の国のように
安定した産業も力もない 安定を欲しくなるのは当たり前のことでは
ないでしょうか」
「それなら 自分の国で探せばいい ほかの国の物をあてにするのは
少し違うのではないのか」
「利用できるものは何でも利用する そういうものではありませんか
いざなぎの国にはまだ利用できるものがありますよ」
「あの国は滅んだ 今は新しい国となってやり直しているところだ」
「本当にそう思っているんですか」
お互いの腹の探り合いである
「まぁいいでしょ この話は一旦ここでおしまいということで」書類をまとめて秘書に渡す
「この少年 まぁ長くは生きられないでしょうが お大事にとお伝えください」
「トク やめろ」トクがアシエカの王の首に剣を当てていた
「ああ あなたの弟さんでしたね それは失言でしたね では」
と剣を指でどかし すれ違いざま
お前だけが情報を持ってるとは思わない事だ とトクジロウにささやいて部屋から出て行った

「今度会ったら ぶっ殺す」閉まったドアにトクジロウが剣を投げた
「お前だけが持っている情報とはなんだ」トクに聞く
ため息をひとつついて 「実は・・・」と話し出した

執務室にいれば いろんな話も耳に入る
「今日 トクジロウさんが怒っていたって聞いた」
少し元気がない 食事も進んでいない 事務方はどうもおしゃべりが多いようだ
「誰から聞いた」
「・・・」
そこはだんまりか
「ああ 怒っていたな」
「イブが長く生きれないって ほんと?」
「誰から聞いた」
「ホントなんだね」ロクがガダンと席を立つ
「どこへ行く」
「ダイジロウさんに聞きに行く」
ため息が出る 「聞いてどうする」
「・・・・・」
「聞いてどうにかなる事なのか 知ってお前がどうにかしてやれる事なのか」
ロクのそばに行き 椅子に座らせる
指先が白くなるぐらい 握りしめている手を包み込む 
「イブは今を大切に大事に 生きているんだ
家族で今日もきっと楽しく笑いながら食事をしている それでよくないか きっとそれでいいんだ」
「うん でも でもね」
「でも」
「なんでイブばっかりなんだろう」下を向いたまま顔が上がらない
「それでも イブは前を向いている 自分は生きている証拠なのだから 
みんなの分まで生きるんだと前を向いている なのに ロクが落ち込んだりしたら イブ悲しむぞ」
「わかってる」と小さな声が聞こえた
「だから 我が家も負けないように 楽しく笑いながら食事をしよう な」
頷いてはくれたが でも やはりいつものようには食べれなかった
「ごめんなさい」小さな声だ
「大丈夫か 気にしなくていいよ 気分悪くないか?」顔色が悪い 
「ロク 俺を見て」目が合うがいつもよりも暗い
「・・・」返事もない
「少し休もうな」と抱き上げる いつもなら恥ずかしいからやめて
というのに これにも反応がない
「アラン」と一言だけ言うと アランは深くうなずき部屋をでた

カウチにロクを下ろす ロクの前に跪く
「ロク 俺の事わかるか?」
「・・・テオ」顔を見てくれるが 目が暗いままだ


トクジロウの話が頭をよぎる
いざなぎで 強化人間 と呼ばれる人間の研究を進めていたらしい
薬や過度な訓練 洗脳で人間の持っている能力をはるかに超える能力を持つ人間
それが 強化人間

ロクと初めて会った時の戦い方 強化された人間だから
ブルっと体が震えた

トクジロウ様とダイジロウ様がいらっしゃいました とアランの声が聞こえた


「どうしたの?」
「わかんない なんか うまく うごかないの」
カウチで横になっているロクにダイジロウが質問する
俺とトクジロウは部屋の隅にいるようにダイジロウに言われた
「どんな感じがする ボヤッとするとか 何を言われてるかわからないとか 遠くに感じるとか
どうだろう」
「頭が重い ギューって押されてる感じがする 重たい
ねぇ もう寝てもいい 寝たい」 
「ああ ごめんね 名前聞いていいかな お名前は」
「№6だよ」



















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