暗殺者は愛される

うー吉

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「大丈夫か?」
「ああ」酒の入ったグラスを受け取る
「精神の不安定さは すぐには治らないよ」
「わかっている わかっているんだ」グラスの氷がカランとなる
「『あの話』どこまで信用できる」トクジロウに尋ねる
「悲しいけど 事実だ」
グラスの酒を一気に飲む
「あの 旦那様 ロクが・・・」
「ロクがどうした」と三人でミアを見る
「あ いや ロクが旦那様を探していたのですが 気持ち悪くなってしまったらしく
廊下に座り込んでいて 旦那様を連れてくるからと言ってベットへ連れて行ったので
様子を見てあげてほしくて」
「ありがとう ミア」とミアにいう 「あの旦那様」
「私は どんなロクも好きですよ ロクにどんな秘密があっても 私はロクの事が大好きですよ
これだけは変わりません ウチはみんなそうでしたよね」
「そうだ 当たり前だ」
「なら 大丈夫ですね」とミアが微笑む

部屋の扉をゆっくり開ける
「テオ?」
「ああそうだよ ごめん寂しかったのか」ベットに腰をかけ 頭を撫でてやる
「・・・」返事がないのが証拠だなと思う
「気分が悪くなったって聞いたけど ダイジロウ呼ぶか?」
「大丈夫 ダイさんとトクさんはイブのところへ帰してあげて 俺は大丈夫だから」
口調がしっかりしている 不安定さが消えた
「そうだな イブが寂しがったら困るからな」と笑うと
「別に 寂しかったわけじゃないからね」とプイと反対側を向いて 
おやすみと一言言って目をつむってしまった
「おやすみ」と明かりを消した


王城に呼び出された それも住居の方
フェルとクリスが待っている
「俺に内緒にしてることがあるだろう」とフェルが言う
「別に内緒にしていたわけではない」
「私たちだけ のけ者ですか?」
「そんなつもりもない」知っているくせに嫌味な奴だ
「『強化人間』の話 トクから聞いていたけど 信じられなかった」
フェルが真っすぐ俺を見る ちゃんと話すまで帰してもらえそうにない

「初めて会った時から すごいと思っていた
目の良さ 勘の良さ 戦い方 見とれてしまうほどだった
俺を庇ったときも 距離が少しあったように思ったが ロクは俺の前に入った
身体能力もすごいんだと思った」
「頭もいい」
「国の言葉 文字も理解していたし あと何か国かの言葉も知っている
記憶力もすごい 俺のデスクの書類を把握している」
「それはすごいな」と2人が感心してる
「急に幼くなったり 言葉がうまく出なかったり 不安定な部分は知ってるだろ」
「ああ」とクリスがうなずく
「だた 強化人間を見たことがない だから ちょっと頭の切れる賢い人と思う
暗殺者でも強化人間でも違いがあるのか どちらも 人としての生き方を否定されている
あの国がやっていたことは許されない事で もしどこかで同じことを繰り返しているのなら
やめさせるべきことだと思う」
「かなりの犠牲者がいるな」フェルが言う
「以前 イブが部隊としては30人くらいと言っていた 成功したのが30人なのか」
「いや 違うな」トクジロウが現れた
「イブがいた部隊は 失敗した方だな だから イブの体は売られた
強化してもロクほどに強化できなかった だから 『ロクは特別』なんだよ」
「ロクだけが成功したという事か」
「おそらく そうだと思う」
「あの新興国はどこまで知っているんだ」クリスがトクに尋ねる
「たぶん全て」
「トクジロウ あの国から目を離すなよ」
「いわれなくても 何だったら滅ぼしてやってもいいぞ」
「それは だめだ」
「チィッ 命拾いしやがって」大きな舌打ちだ 
「もうこれ以上ロクとイブに負担はかけれない 次は我々がやる番だ 
国はつぶさんが 二度とロクやイブの事考えられないようにしないとな 徹底的にやるぞ」
俺たちは フィルの声にうなずいた


帰り際に「ロクの様子はどう」クリスが訊ねる
「まぁまぁ元気かな なぁ会いに来てやってくれないか」
「珍しいこともあるもんだね テオがそんなこと言うなんて」
「いや 何か隠してるんだ 何かわからない 俺たちには言わない
でも お前になら言うかも知れない だから」
「でも 俺が聞いてもお前に言わないかもよ」
「それでもいい 話を聞いてやってほしいんだ」
「わかった 明日にでも ここへ連れてきてもいいかな フェル?」
「いいぞ」とトクジロウと話をしているフェルが返事する
「もしなんかあったら連絡するから そんな顔するな」とクリスが言う
どんな顔だ テストで欠点取った時よりひどい顔と笑われた

次の日 執務室で
「テオ様 今日宰相に呼ばれております 帰りは遅くなるので
アランの迎えは断っておくようにと言われた 仕事が終わってから 宰相のところへ行きます」
「ああ 帰り 迎えが必要なら連絡しろ」
「はい」

    
王城の奥深く フェルとクリスの居住区だ 表と違ってあまり人の出入りがなくて 静か
呼び鈴を押す
「はい いらっしゃい」とクリスが扉を開けてくれた
小さなキッチン 小さな居間にキョロキョロ見てしまう
「ロクはここへ来たの初めてだっけ」
「はい そうです」クリスがムッとする
「ロクは いつから兄に敬語使うようになったの」
「あ ごめ・・ん」ここに座ってとキッチンにある 二人用のテーブルに腰を掛ける
「ミアほど料理は得意じゃないけどね 待ってってね」と夕食の準備をしているのがわかる
「手伝うよ」とクリスの横に並ぶ
「そう じゃあ一緒に作ろう」と2人でたわいもない会話をしながら 食事を作り食べた
食後のお茶をもらい 居間に移動する
「何があったの」
これが本題か 「別にと言ったら はいそうですかと言ってくれる?」
「言えないね だって何か隠してるでしょ」
ため息が出る 「隠し事うまいつもりだったのに」
「そうかな わかるよ 」
「監視されてると思う」
「いつ気が付いた」
「うーん 前からちょろちょしてるなとは思っていた
完全に 張り付かれるようになったのは 1週間ぐらいかな」
「なぜ テオに言わなかった」
「目的がわからなかったから」
「クリスに呼ばれたから たぶんコレの事かなと思ったから
捕まえて 俺のロッカーに入れてある」
「頼む」とたぶんトクさんに言ってんだと思う
「それで 目的はわかったの」
「目的は 俺 俺にアシエカに来いって言ってる」
「なんのためにかわかる」
「たぶん 俺が 『強化人間』だから 実験の成果でしょ」
「怪我はない?」
「俺が 向こうが」「ロクに決まってるでしょ」怒られた
「大丈夫 リハビリの成果」Vサインをする
「もう 危ない事する時は ちゃんと言って」
なんて説明するの とクリスは呆れているが
「どうするかもう考えたんでしょ」と笑いかければ 当然でしょと笑ってくれた
頼もしい兄である

「とりあえずロクは怒られなさい」
とテオに全部話されて 怒られて 司令部のセキュリティの甘さに ルイが怒られていた
ごめんね ルイ

フェルが 本当に全てを終わらせるからな イブ待っとけな さぁ勝ちに行くぞ
と立ち上がった













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