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『いつまでも続く楽しみ』<♀♀>
しおりを挟む~豌豆の花言葉~
「貴方が悪いのよ…。そう、全て貴方が…。」
私はずっと彼女だけを思い続けていたのに、彼女は私を相手にしなくなった…。
始まりは、風邪をひけば体調を気にしてくれたり、元気が無ければ声を掛けてくれたりと彼女が私に対して沢山の優しさをくれた事だった。
何度もそんな事が続く内に、私もそれに返さなければと私の出来る事を彼女にしてあげて、その事を彼女も喜んでくれた。
それが嬉しくて私はどんどん彼女にのめり込み、私の出来る事以上の事を彼女にしてあげたくなっていった。
彼女が辛そうな時はずっと側に居て話を聞き、彼女が楽しそうな時は私も目一杯楽しみ、彼女が泣いている時は隣でその涙を拭ってあげた。
必要な物は買って渡し、嫌な思いをしている時はその原因を無くして来た。
その度に彼女は困った様に笑ってはいたが、優しく微笑んで、私のする事を受け入れてくれた。
それが私にとって、とてつもない幸せだった。
そんな日々を繰り返していたある日、彼女は突然、私を避ける様になった。
あからさまに。
声を掛けても無視され、何かを渡しても受け取って貰えず、彼女の急な変化に私は戸惑った。
‘何かしてしまったのだろうか’とか、‘急にどうしてしまったのだろうか’とか、色々と理由を考えてはみても何も思い浮かばなかった。
避けられて、無視されて、拒否されて、私の心はすっかり彼女から興味を失い始めていた。
何をしても反応は返って来ず、全てが無意味に思えた頃、私は彼女から離れて行った。
それからの日々は、少しだけ世界が暗く感じられる様になったものの、前と変わらぬ生活に戻っていった。
考える事は自分の事だけだし、沢山の友人達と遊ぶ様になった。
少し物足りない気はしたけど、私は元の生活に戻っている事にどこか安堵している部分もあった。
(私は、どうしてこんなにホッとしてるのかしら…。)
頭の中にふと浮かんだ疑問。
その疑問に答えが出る前に、私は彼女から呼び出された。
彼女の部屋に。
「………。」
「よく来たわね。」
「…私に何の用?」
「用はね…。」
“ドサッ”
「っ…、なに、するの…。」
「貴方、あんなにアタシに尽くしてくれてたのに…、どうして他の子とばかり仲良くするのよ…。」
「な、に言ってるのよ…。あなたが私を、避けたんでしょ。」
「…ええ、避けたわよ。貴方が、本気でアタシに尽くす気があるかどうか知る為にね。」
(泣いちゃう…。)
彼女の言葉に私は驚いた。
避けられていた理由が私の本気を知る為だと言う事にも、その言葉を発した彼女の表情にも。
驚きながらも表情は一切変えず、押し倒した私を見下ろす彼女の表情に釘付けになっていた私に、彼女は小さく笑みを浮かべて手を伸ばして来た。
そっと頬を撫でて来たその手のあまりの冷たさに、私が軽くピクリと反応すると笑みは更に深まった。
「貴方が悪いのよ…。アタシから離れようとするから…。」
「………どうして欲しいの?」
「アタシに尽くしなさい…、いえ。貴方はアタシにだけ尽くし続ければ良いのよ。」
「っ!」
言いながら彼女は私の首筋に噛み付き、その痕を舌先で擽る様に舐めあげた。
小さな痛みと擽ったさとに私の身体が小さく跳ねると、彼女は私の頬にキスをした。
「アタシはここに痕を付けた。貴方はもうアタシから離れられない。」
そう言って、痕を付けた部分に触れた彼女の指先は更に冷たくなっていて、瞬間私は彼女に心を掴まれた。
そして、彼女へ尽くす事を誓いながら、これから続くであろう日々に胸を踊らせたのだった。
「今度はちゃんと、尽くし続けますね。」
終わり
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