【色欲物怪物語】

色酉ウトサ

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『妖怪・河童』<妖怪♂・人間♂>

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 陽が沈んだ頃、河原近くの茂みにまるでそこに置いてあるかの様に白い皿が草の上にあって、俺はそこへ恐る恐る近寄った。

「お、おい…、皿が、見えてるぞ…。」

「態と見せてたんだよ!」

声を掛けると、小さく反応した皿の下から緑色をした顔を出したそいつは、言葉こそ素っ気無いものの表情はどこか嬉しそうで、俺を見つめるとにんまりと笑った。

「わ、態と…?」

「また、来てくれたんだな。…やっぱり、お前じゃなきゃ駄目だ。」

「駄目って…!何すっ、おまっ、どこ触ってんだ!?」

「どこって…此処だよ。」

「くぁっ!また…。」

「相変わらず、良い反応だな!!」



 数日前、友達と遅くまで遊んだ帰り道、もよおした俺は俺の身長位まで伸びていた草の茂みで用をたす事にした。
陽も暮れていて人通りは無く、最適な場所を見つけたと思った。
だけどそれは、俺の大きな勘違いだった。

 茂みに入り、ズボンとパンツを下ろして下半身のモノに手を添え、準備が整った所で勢い良く排泄する。
まるで何かから解放されたかの様な気分で、夢心地のまま俺はその場に立ち尽くしていた。
でも次の瞬間、何かに尻を撫でられた様な感覚が走り、俺は驚いて身を強ばらせた。

 確実に何かが居ると分かったのは、尻を撫でたであろう手が太股の辺りを撫でながら、俺が手を添えている場所にまで触れて来た時だった。
‘他に人が居たのか?’とか、‘変態か!’とか、‘何で緑色なんだ?’とか、色々な考えが頭の中を駆け巡って居たが、排泄して居る場所に触れられると同時に、それまで出続けていた物は止まっていた。

 俺の下半身を撫で回していた手は、俺が気付いた事に気付いて一旦動きを止めたのだが、もう一度動き出すとモノを俺の手の上から両手で包み込む様に握り始めた。
握りながら、ゆっくりと動かし始めたそいつの動きに、自分の手の中にあるモノは俺の手を通して伝わる刺激に怖さを感じているにも拘らず反応し始め、硬さを増していった。
硬さを増すにつれて俺自身も息が荒くなり、それに感付いたのかそいつの手の動きは段々と速くなっていき、抗う事を忘れた俺は達していた。

 足に力が入らなくて膝から崩れ落ちそうになると、そいつは俺を後ろから抱き抱え、少しだけ後ろに引いて座らせた。

 両手で体を支えながら顔を上へ向けてそいつの顔を確かめる。
そいつの姿は本やテレビでよく見掛ける河童にそっくりで、驚きながらもどこか呆けていた俺を見下ろしたそいつはニコッと笑うと、言葉を発した。

「お前、反応良いな!」

「っ…。」

「何だ、無視するのか?」

「…お前は、まさか河童か?」

「お前達の間ではそう呼ばれてたな。ああ、オレは河童だ!」

「何でこんな事…。」

「此処には滅多に人が来ないからな。たまに来たと思えば、お前みたいに小便しに来る奴ばかりだ。だから、そいつらを驚かしてる。」

「………。」

「お前はそんな奴らの中で、一番反応が良かったぞ!!」

「…嬉しくねえよ…。」

「あ、おい…。」

 馬鹿にされた気がして、俺はその場から走り去った。
その日以来、その河原には行って無かったんだが…。


ドサッ

「な、何すんだよ!?」

「また、来てくれるとは思わなかった…。あの日から、お前以外の人間を何人かああして驚かしたけど、お前の反応が俺は一番好きだった。」

「…嬉しくねえよ。」

「今度は逃がさねえ。」

「や、め…うぁっ!?」

 俺を押し倒し、ニマニマと笑みを浮かべながら俺の服の中へと手を差し込んで来たそいつの手はひんやりと冷たくて、モノに触れられた瞬間に思わず仰け反った。

 異様な感触がモノを擦り上げて来る度に、何とも言えない気分になって俺の心中は複雑だった。
けれど、俺の反応を見ながら擦り続けていたそいつの目はどこか艶を含み始めていて、ドキッとした。

「そろそろ…、イきそうか?」

「イく訳…無い、だろ…。」

「ふふっ、こんなに身体をビクつかせてるのに?気にせずに、イけよ。その方がオレも嬉しいし。」

「なん、で…俺が、お前の喜ぶ事を、しなくちゃ…、いけないんだよ…。」

「…お前は、どうしてまた…、オレの所へ来た?嫌なら普通、もう来ない筈だろ。他の奴等は、そうだった…。」

 そいつの言葉に、俺は思わず黙り込んだ。
言っている事はもっともだったから。
嫌な思いをしたんだから普通はもうこの場所に来たくなくなる筈だし、来たらまた同じ事をされるかも知れない事は分かっていた筈だ。

 それでも俺がここへ来た理由は…。

「お前は…。」

「え?」

「オレにまたして欲しくて来たんだな。」

「違っ…あぁっ…。」

 そいつは、俺のモノをくちばしの様な口へ含むと舌を使い舐め回し始めた。
くちばしの部分は固く歯が当たっている様な感覚で、モノの先端はつつかれたり抉られたりと始めて与えられる刺激に俺は堪える事が出来なかった。

「ふう…、漸くイったな。どうだ、気持ち良かったか?」

「はぁ、はぁ…。気持ち良くなんか…。」

「ふ~ん、ま、良いや!今度は、オレを気持ち良くして貰うからな!!」

「え…。」

 言いながらそいつは自らのモノを硬くさせ、俺の口の中へと突っ込んだ。
草の様な、泥臭い様な臭いにむせ返りながらも俺はそいつのモノをくわえ続けた。

 放つ瞬間、そいつは俺の頭を押さえつけて喉の奥にまで押し込み、大量の粘液を放った。
一部は鼻から溢れ出たが、それ以外は嫌でも飲み込まさり、モノを俺の口の中から抜いたそいつはとても満足そうな表情を浮かべていた。

「ふぅ…飲んでくれて、ありがとな!!」

「はっ…、はっ…、無理矢理、じゃ…ないか…。」

「嫌なら吐き出せば良いだろ。」

「くっ…。」

「さてと、今日はここまでかな。」

「は?今日はここまでって…。」

「あれ?まだ続きやりたいのか?」

「続きって…っ!!」

「ここを使うんだよ。」

 不意に、そいつの手が俺の下の穴に触れ、俺の身体は仰け反った。
その反応が楽しかったのか、そいつは目を細めると指先を少しだけ中に差し込んだ。

 異物感に軽く身悶えていると、そいつは指を抜き、‘これはまた今度’と言って、いつの間にか姿を消していた。
身体を起こし辺りを見回したがそこらには誰も居らず、けれど、中に差し込まれた指の感触やモノを触られていた感覚、口の中に広がる独特の苦味の全てが夢では無いのだと告げていた。

 取り残された俺は取り敢えず衣服を着直し、次はいつになるのかなどと考えていた。
そして同時に、自分があの河童に魅入られたのだと言う事にも気付いてしまったのだった。





終わり
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