【色欲物怪物語】

色酉ウトサ

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『妖怪・小人』<妖怪♂・人間♀>

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真夜中、娘がふと目を覚ますと身体に違和感を覚えた。

違和感の正体を確かめようと娘が布団に手を掛けたその時、胸の突起を軽く摘ままれて身体を仰け反らせた。

その刺激で意識がはっきりした娘は、慌てて布団を捲り、パジャマの上から自らの胸に手を当てて、突起を摘まんだものを捕まえようと手を伸ばした。

ギュ

(一体、何なの…?)

手を当てるとそこには手の平サイズの何かがあり、娘はそれを片手で押さえつけながら、もう片方の手をパジャマの中へと差し込んだ。

服の中の異物はあっさり捕まり、娘は枕元の明かりを点けて捕まえた異物を明かりの元へと引っ張りだした。

異物の正体はなんと、小さな人間だった。

顔は、男性のように見えたり女性のように見えたりする中性的なもので、衣服を身に付けていない身体つきも、胸に凹凸も無ければ下半身にも何もついていなかった。

「え…、なに、これ…」

「あ~あ、とうとう捕まっちゃったか…」

「喋っ、た…」

「喋ったらいけないの?」

男とも女ともつかない小さな人間はつまらなそうに娘の手の上に座り込み、ぶつぶつと文句を言っていた。

あまりに信じられない光景に固まった娘。

小さな人間はそんな娘へ視線を向けると口角を上げて、ここぞとばかりに手の上から飛び降りた。

慌てて捕まえようとした娘だったが、小さな人間はベッドと壁の隙間に姿をくらましてしまい、結局、見失ってしまった。

(あの人は…、一体何者だったんだろう…)

モゾ

「え?」

ヌヌヌッ

「やぁっ?!な、に…」

再び布団に入り、小さい人間のことを考えている内に眠りに就きかけた娘だったが、今度は下半身に違和感を覚え目を見開いた。

瞬間、何かが自身のナカへと入り込んできていることに気付くと、青ざめながらもゆっくりと上体を起こしてパジャマの中を覗き込んだ。

見た感じには何も無かったが、ナカの異物感は存在し続けたため、娘は恐る恐る手を伸ばし入り口に触れた。

そこからは細長い二本の何かが突き出ており、娘はそれを摘まむと、ゆっくりと引っ張った。

引っ張ると、同時に異物がナカを擦る感覚に娘はビクンと反応し、思わず指を離してしまった。

「あっ…」

ヌルッ

「や、だ…。また…、奥に…」

指が離れると同時に、それは再び逃げるようにナカへと入り込んだ。

それでもなんとか引きずり出さなくてはと考えた娘は、もう一度はみ出していたものを掴み引っ張った。

キュッ

ズッ

「はぁ…、ふっ、う…んん」

ガリッ

「っ?!」

なんとか刺激に堪えながら引き抜いていた娘だったが、不意にナカを引っ掛かれる感覚に仰け反った。

瞬間、掴んでいた指先の力が抜けてしまい再び離れると、それは一気に最奥へと入り込んでしまったのだ。

「!!?」

慌てて指をナカへと挿し込み、娘は必死に入り込んだ何かを取り出そうとしたが指は届かず、涙を浮かべながらどうしようかと思案した。

しかしいい案は浮かばず、とうとう泣き出してしまった娘。

その間もナカへと入り込んだモノはもぞもぞと動き続け、最奥へと入り込むとそこで静かになった。

異物が大人しくなる頃には、娘も泣き疲れて眠ってしまい、目を覚ました時には朝になっていた。

「ん…、朝…?あ、そう言えば!」

昨夜のことを思い出し、上体を起こした娘は瞳を潤ませながら恐る恐る自らの下半身へと視線を移した。

(違和感あるけど、あれは夢…) 

「ん?目が覚めたんだ」

「っ!どこ…」

「こっちこっち」

「あ…」
  
「ずっと眠れなかったんだけど、やっと眠れたんだありがとう!」

声に驚き辺りを見回す娘に、声の主は両手を大きく降りながら呼び掛けた。

声の先は机の上で、そこには昨夜の小さな人間が立って娘を見ていた。

小さな人間は呆けている娘に何故か礼を述べ、理由を話し始めた。

「最近この辺に引っ越して来たんだけど、知り合いも居なくて心細かったんだ。そんな時、たまたまあんたの布団に入り込んだら気持ちよくて寝ちゃってさ。でも、まさか潰されるとは思わなかったけど…」

「つ、潰される…?」
 
「そ!気持ちよく寝てたのにさ~…。だから、ちょっと嫌がらせしたの」

「嫌がらせ…あ」

それまで、不思議そうに小さな人間の話を聞いていた娘だったが、いたずらっぽく話した内容に再び昨夜のことを思い出して顔を真っ赤に染めた。

小さな人間は娘の様子に楽しそうに笑うと、くるりと後ろを向いてしまった。

「じゃ、そろそろ行くよ!またいつか会えるといいな」

言うなり小さな人間は机の隙間に入り込み、そのまま姿を消した。

呆然とそれ見つめていた娘だったが、慌ててベッドから起き上がると机の隙間を覗き込んだ。

しかしそこにはすでに小さな人間の姿は無く、娘はなんとも言えない気持ちになりながらも「またね…」と呟いたのだった。



終わり
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