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9 クッキーづくり・広まる噂
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「もちろん、親交を深めているのですわ。だって、私は血は繋がっていなくとも、アベラール様の母親ですから」
「余計なことはするな! 君はなにもしなくていいんだ」
「そうはまいりませんわ。私はキーリー公爵家に、お役に立つために嫁いできた身。旦那様は国を守るお立場ですから、屋敷のことには目が行き届きませんでしょう? アベラール様のお部屋は、それはもう散らかっておりましたわ。それに彼自身もお着替えをする必要がありましたもの」
私はにっこりと微笑む。
だって、彼は騎士団長ですもの。それだけで大変なお仕事のはず。
「ですから、お屋敷のことは私にお任せくださいませ。お子様のことも、私が責任を持ってお世話いたしますので、ご安心くださいね! さて、そろそろ私たちは一緒にクッキー作りにとりかからなくてはなりませんの。出来上がったら公爵様の執務室にも差し入れしますわ。さっ、アベラール様。クッキー作りよ」
「うん!」
キーリー公爵は目を白黒させていたけれど、お仕事の分担って大事だと思う。彼は騎士団でステイプルドン王国のために働いてお金を稼いでくださる。それに領地経営も手を抜くことなく頑張っていらっしゃるはず。屋敷の中のことぐらいは、私がしっかりしないと。それから将来キーリー公爵になるこのアベラールのことも、立派な大人の男性に育てるのは私の役目だと思う。
きっと、とっても素晴らしい素敵な男性になるわ。そう思うとたまらなく嬉しいけれど、愛らしい姿のままでいてほしいとも思ってしまう。
あぁ、少しも時間を無駄にできないわ。アベラール様との時間を精一杯楽しまないと、いけませんわね! 彼の成長のひとつひとつを、目に焼き付けておかなければ……子供って、あっという間に成長してしまいますもの。
「さぁ、これからイチゴクッキー作りよ」
「はぁい」
アベラールの元気のいいお返事がとてもかわいい。
***
私はクッキー作りを始めた。まずはイチゴを薄く切り、陶器の鉢に入れて砂糖を振りかけておく。ほんのり甘い香りが部屋に漂い始めた。木のボウルに室温に戻したバターと砂糖を入れ、木べらでたんねんにすり混ぜていく。白っぽくふんわりとしたら、卵黄をひとつ加えてさらによく混ぜる。そこへ小麦粉をふるい入れ、さっくりと混ぜ合わせ、生地がまとまったところで布巾をかけて魔導冷蔵庫で少し休ませた。
そのあいだ、私はアベラールと型抜きを選ぶ。私はお星様やハートの型抜きを、彼は猫やリスの型抜き。しばらくして休ませたクッキー生地を厚めに伸ばして、スライスイチゴを生地の上に適当に置く。先にお手本を見せてから、アベラールにもさせようと思ったから、よく見えるようにゆっくりと作業を進めた。
「ジャネ、ぼくもやりたい!」
彼が目を輝かせて、私の隣にぴったりと寄ってきた。
「もちろんよ、アベラール様。さぁ、生地をのばしてみて。めん棒を生地の上でコロコロするのよ」
私は作業台に生地をのせ、打ち粉を振ってから、めん棒を渡した。アベラールは私の真似をしながら、小さな手で一生懸命転がす。
「わぁ……のばすのってむずかしいー!」
「ふふっ、上手よ。じゃあ、次は型抜きね。選んだ型で、ぎゅっと押してみて」
「はじめは……ねこさんをぎゅーっ。つぎはね、りすさんも……ぎゅーっ。ジャネ、みてー! できたよ!」
その無邪気な笑顔に、私は思わず顔をほころばせた。
「とってもかわいい猫とリスさんね。きっと美味しいクッキーになるわ。」
アベラールは慎重に、それでいて嬉しそうに、次々とクッキー生地を型抜きしていく。かわいい猫やリスができあがるたびに「うまくできた!」という満足そうな笑顔を浮かべた。目を輝かせ、まるで宝物を手に入れたような表情に、私までウキウキしてくる。
「ジャネ、ぼく、じょうず? すごい?」
ほめてもらいたそうな、その得意げな顔もかわいらしくて、私はたくさんほめてあげた。
「上手、上手! 凄いわよ。なかなかこんなに綺麗に型抜きができる子はいないわ。アベラール様、最高にお上手です!」
顔を赤らめながらも、にこにこ顔のアベラール。子供と作るクッキーは、焼き上がる前から美味しい予感しかしない。
クッキーが焼けるまでの時間は、アベラールとおしゃべりをして過ごす。焼き上がりの香りが漂ってくると、彼は鼻をクンクンとさせながら、「たのしみ」とかわいらしくつぶやいた。
「もう少しだからね。待ってて」
「うん。まってるじかんもたのしいね」
整った綺麗な顔は期待に満ちて上気していたけれど、おとなしく行儀良く待つことができる賢い子だった。
やがて、焼き上がったクッキーの、ふわっとしたバターの香りが厨房に広がった。私は小さな紙に猫の絵を描いてあげ、アベラールになにかひとこと書くよう勧める。
エッジ男爵家では、私たち子供が父様の執務室にお茶とお菓子を運ぶ際に、よくこのようなメモを書いて添えたものだ。「お仕事、お疲れ様」「このお菓子は私たちの手作りよ」「お庭のバラの蕾が花開きました」そんな他愛もない内容を、父様の紅茶に添えるのが習慣になっていた。父様はとても喜んでくれたし、私たち家族の自然なコミュニケーションになっていたと思う。だから、キーリー公爵家でもそれを習慣にしたかった。
アベラールは猫の橫にひと言だけ書き添えた。
『はじめてクッキーつくったよ。たのしかった!』と。
私は小皿にクッキーを盛り紅茶も添えて、公爵の執務室に、アベラールと一緒に持って行くことにした。
扉をノックすると、冷たい声が返ってきた。
「なんだ? 今は仕事中だぞ」
「私とアベラール様が焼いたクッキーをお持ちしましたのよ。少し一休みして召し上がりませんか? 入ってもよろしいかしら?」
「え? ……あぁ、入れ。テーブルに適当に置いていってくれないか? 今は手が離せん」
公爵はこちらをチラリと見もしなかった。私を見つめてほしいなんて思ったわけではない。アベラールをちゃんと見て声ぐらいかけてくれてもいいのに……自分の息子なのだから、少しでも気にかけてほしい、と思っただけだ。
心なしかアベラールも悲しそうな顔になっていた。親から向けられる無関心って、子供の心をえぐるのよね。それはわずか五才でも空気でわかってしまう。
――アベラール……かわいそうに。……でも、私が公爵の分も愛してあげればいいのよね。十倍、いいえ百倍の愛を注いであげましょう。
***
キーリー公爵家の厨房。キッチンメイドたちがせっせと野菜の皮をむきながら、合間におしゃべりを楽しんでいた。
「今度の奥様は、本当に素晴らしい方だよ。聞いた? お坊ちゃんが魔力の暴走で火事を起こしたとき、奥様が火の中に飛び込んで助けたんだって――」
「えぇ!? 本当なの? 坊ちゃんを助けるために、炎も恐れずに……?」
「そうだよ。しかも、執事さんや侍女さんたちが必死に止めたのに、それを振り切って迷わず飛び込んだんだってさ。抱きしめて、落ち着かせたらしいよ」
「自分のお腹を痛めて生んだわけでもないのに……情の深い方だよねぇ。前の奥様とは大違いだわ」
メイドたちは口々に感嘆の声を上げ、手を止めながら顔を見合わせる。
そのやり取りを、ちょうど厨房に食材を届けに来ていた納品商人たちが耳にした。
「へぇ、そんな立派な奥方がいらっしゃったとは……」
彼らは目を丸くしながらその話に聞き入り、屋敷を後にするやいなや、得意げにその話を街で吹聴した。
「キーリー公爵家に嫁いできた新しい奥方様が、火事の中からアベラール様を助けたらしいぜ。なんでも、坊っちゃんが火魔法の暴走を起こしたんだとか」
「へぇ……それを聞いたら、今度の奥方様は立派だって話になるな。公爵様も、女性を見る目があったってことかね? 前の奥方には、かなり手こずっていなさったようだがなぁ」
「しかし、魔力の暴走ねぇ……キーリー公爵家は代々、恐ろしいほどの魔力量を誇る家系だからな。坊っちゃんも、いずれはキーリー公爵様並みになるんだろうな」
商人たちの語り口が興味をひいたのか、話はまたたく間に広まり、噂はキーリー公爵領を駆け巡った。やがてそれは王都にまで届き、王宮の侍女や女官たちのあいだでも、アベラールの魔力の多さがささやかれるようになった。
「余計なことはするな! 君はなにもしなくていいんだ」
「そうはまいりませんわ。私はキーリー公爵家に、お役に立つために嫁いできた身。旦那様は国を守るお立場ですから、屋敷のことには目が行き届きませんでしょう? アベラール様のお部屋は、それはもう散らかっておりましたわ。それに彼自身もお着替えをする必要がありましたもの」
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だって、彼は騎士団長ですもの。それだけで大変なお仕事のはず。
「ですから、お屋敷のことは私にお任せくださいませ。お子様のことも、私が責任を持ってお世話いたしますので、ご安心くださいね! さて、そろそろ私たちは一緒にクッキー作りにとりかからなくてはなりませんの。出来上がったら公爵様の執務室にも差し入れしますわ。さっ、アベラール様。クッキー作りよ」
「うん!」
キーリー公爵は目を白黒させていたけれど、お仕事の分担って大事だと思う。彼は騎士団でステイプルドン王国のために働いてお金を稼いでくださる。それに領地経営も手を抜くことなく頑張っていらっしゃるはず。屋敷の中のことぐらいは、私がしっかりしないと。それから将来キーリー公爵になるこのアベラールのことも、立派な大人の男性に育てるのは私の役目だと思う。
きっと、とっても素晴らしい素敵な男性になるわ。そう思うとたまらなく嬉しいけれど、愛らしい姿のままでいてほしいとも思ってしまう。
あぁ、少しも時間を無駄にできないわ。アベラール様との時間を精一杯楽しまないと、いけませんわね! 彼の成長のひとつひとつを、目に焼き付けておかなければ……子供って、あっという間に成長してしまいますもの。
「さぁ、これからイチゴクッキー作りよ」
「はぁい」
アベラールの元気のいいお返事がとてもかわいい。
***
私はクッキー作りを始めた。まずはイチゴを薄く切り、陶器の鉢に入れて砂糖を振りかけておく。ほんのり甘い香りが部屋に漂い始めた。木のボウルに室温に戻したバターと砂糖を入れ、木べらでたんねんにすり混ぜていく。白っぽくふんわりとしたら、卵黄をひとつ加えてさらによく混ぜる。そこへ小麦粉をふるい入れ、さっくりと混ぜ合わせ、生地がまとまったところで布巾をかけて魔導冷蔵庫で少し休ませた。
そのあいだ、私はアベラールと型抜きを選ぶ。私はお星様やハートの型抜きを、彼は猫やリスの型抜き。しばらくして休ませたクッキー生地を厚めに伸ばして、スライスイチゴを生地の上に適当に置く。先にお手本を見せてから、アベラールにもさせようと思ったから、よく見えるようにゆっくりと作業を進めた。
「ジャネ、ぼくもやりたい!」
彼が目を輝かせて、私の隣にぴったりと寄ってきた。
「もちろんよ、アベラール様。さぁ、生地をのばしてみて。めん棒を生地の上でコロコロするのよ」
私は作業台に生地をのせ、打ち粉を振ってから、めん棒を渡した。アベラールは私の真似をしながら、小さな手で一生懸命転がす。
「わぁ……のばすのってむずかしいー!」
「ふふっ、上手よ。じゃあ、次は型抜きね。選んだ型で、ぎゅっと押してみて」
「はじめは……ねこさんをぎゅーっ。つぎはね、りすさんも……ぎゅーっ。ジャネ、みてー! できたよ!」
その無邪気な笑顔に、私は思わず顔をほころばせた。
「とってもかわいい猫とリスさんね。きっと美味しいクッキーになるわ。」
アベラールは慎重に、それでいて嬉しそうに、次々とクッキー生地を型抜きしていく。かわいい猫やリスができあがるたびに「うまくできた!」という満足そうな笑顔を浮かべた。目を輝かせ、まるで宝物を手に入れたような表情に、私までウキウキしてくる。
「ジャネ、ぼく、じょうず? すごい?」
ほめてもらいたそうな、その得意げな顔もかわいらしくて、私はたくさんほめてあげた。
「上手、上手! 凄いわよ。なかなかこんなに綺麗に型抜きができる子はいないわ。アベラール様、最高にお上手です!」
顔を赤らめながらも、にこにこ顔のアベラール。子供と作るクッキーは、焼き上がる前から美味しい予感しかしない。
クッキーが焼けるまでの時間は、アベラールとおしゃべりをして過ごす。焼き上がりの香りが漂ってくると、彼は鼻をクンクンとさせながら、「たのしみ」とかわいらしくつぶやいた。
「もう少しだからね。待ってて」
「うん。まってるじかんもたのしいね」
整った綺麗な顔は期待に満ちて上気していたけれど、おとなしく行儀良く待つことができる賢い子だった。
やがて、焼き上がったクッキーの、ふわっとしたバターの香りが厨房に広がった。私は小さな紙に猫の絵を描いてあげ、アベラールになにかひとこと書くよう勧める。
エッジ男爵家では、私たち子供が父様の執務室にお茶とお菓子を運ぶ際に、よくこのようなメモを書いて添えたものだ。「お仕事、お疲れ様」「このお菓子は私たちの手作りよ」「お庭のバラの蕾が花開きました」そんな他愛もない内容を、父様の紅茶に添えるのが習慣になっていた。父様はとても喜んでくれたし、私たち家族の自然なコミュニケーションになっていたと思う。だから、キーリー公爵家でもそれを習慣にしたかった。
アベラールは猫の橫にひと言だけ書き添えた。
『はじめてクッキーつくったよ。たのしかった!』と。
私は小皿にクッキーを盛り紅茶も添えて、公爵の執務室に、アベラールと一緒に持って行くことにした。
扉をノックすると、冷たい声が返ってきた。
「なんだ? 今は仕事中だぞ」
「私とアベラール様が焼いたクッキーをお持ちしましたのよ。少し一休みして召し上がりませんか? 入ってもよろしいかしら?」
「え? ……あぁ、入れ。テーブルに適当に置いていってくれないか? 今は手が離せん」
公爵はこちらをチラリと見もしなかった。私を見つめてほしいなんて思ったわけではない。アベラールをちゃんと見て声ぐらいかけてくれてもいいのに……自分の息子なのだから、少しでも気にかけてほしい、と思っただけだ。
心なしかアベラールも悲しそうな顔になっていた。親から向けられる無関心って、子供の心をえぐるのよね。それはわずか五才でも空気でわかってしまう。
――アベラール……かわいそうに。……でも、私が公爵の分も愛してあげればいいのよね。十倍、いいえ百倍の愛を注いであげましょう。
***
キーリー公爵家の厨房。キッチンメイドたちがせっせと野菜の皮をむきながら、合間におしゃべりを楽しんでいた。
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「えぇ!? 本当なの? 坊ちゃんを助けるために、炎も恐れずに……?」
「そうだよ。しかも、執事さんや侍女さんたちが必死に止めたのに、それを振り切って迷わず飛び込んだんだってさ。抱きしめて、落ち着かせたらしいよ」
「自分のお腹を痛めて生んだわけでもないのに……情の深い方だよねぇ。前の奥様とは大違いだわ」
メイドたちは口々に感嘆の声を上げ、手を止めながら顔を見合わせる。
そのやり取りを、ちょうど厨房に食材を届けに来ていた納品商人たちが耳にした。
「へぇ、そんな立派な奥方がいらっしゃったとは……」
彼らは目を丸くしながらその話に聞き入り、屋敷を後にするやいなや、得意げにその話を街で吹聴した。
「キーリー公爵家に嫁いできた新しい奥方様が、火事の中からアベラール様を助けたらしいぜ。なんでも、坊っちゃんが火魔法の暴走を起こしたんだとか」
「へぇ……それを聞いたら、今度の奥方様は立派だって話になるな。公爵様も、女性を見る目があったってことかね? 前の奥方には、かなり手こずっていなさったようだがなぁ」
「しかし、魔力の暴走ねぇ……キーリー公爵家は代々、恐ろしいほどの魔力量を誇る家系だからな。坊っちゃんも、いずれはキーリー公爵様並みになるんだろうな」
商人たちの語り口が興味をひいたのか、話はまたたく間に広まり、噂はキーリー公爵領を駆け巡った。やがてそれは王都にまで届き、王宮の侍女や女官たちのあいだでも、アベラールの魔力の多さがささやかれるようになった。
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