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リクエスト
3 すっかりお兄様のアベラール
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今日もアリシアが遊びに来てくれて、アベラールと並んで楽しそうにおしゃべりをしていた。
私はサロンの窓辺で紅茶をいただきながら、その微笑ましい光景を静かに見守っている。
そこへ突然、泣きじゃくったデイジーが駆け込んできた。
そのすぐ後ろには、気まずそうな顔をしたチャールズの姿もある。
「アベラールおにーしゃま。チャールズおにーしゃまが、いじわるするのぉーー」
すっかり『アベラールお兄ちゃんっ子』になったデイジーが、お人形を壊されたらしく、泣きながらアベラールの胸に飛び込んでいる。アベラールは優しくデイジーの頭を撫でてから、チャールズの方にも目を向けた。
「どっちも悪くないよ。ほら、この人形、もともと腕のあたりがほつれてたみたいだし。デイジーは、毎日どこに行くにも持ってたからね。チャールズだって、わざとやったわけじゃないよな?」
「う、うん……」
チャールズは少しだけ目をそらしながら、小さな声でうなずいた。アベラールはにこっと笑って、チャールズにだけ声をかける。
「ちょっとガゼボまで来てくれる?」
それから、デイジーは私のところにも泣きついてきた。よしよしと頭を撫でながら、私はメイドにお裁縫道具を持ってくるように頼んだ。さて、これからお人形の腕を直そうと針を取ったところで、アリシアが親切な申し出をしてくれた。
「私が縫いますわ。お裁縫は得意ですから。デイジーちゃん、このお人形のドレスにかわいいお花の刺繍もしてあげるから、泣かないで」
アリシアは、綺麗な笑顔でデイジーの頭をやさしく撫でてくれた。
その所作も表情も、本当にお姉さんらしくて、どこか大人びて見える。
そして彼女は、やっぱりというべきか、目を引くほどの美少女に育っていた。
さすがはルカの姪。血は争えないということかしら。
「うんっ! アリシアおねーさま、だいすき!」
デイジーはすっかりご機嫌を直して、きらきらした目でアリシアを見上げている。
アリシアがいてくれると本当に助かる。
その隙に、私はそっと庭のガゼボへと足を向けた。あくまでお散歩の途中を装いながら。
アベラールがチャールズと何を話すのか、少しだけ気になってしまったのだ。
「……なるほどね。デイジーにしつこくお人形ごっこを誘われて、嫌になっちゃったんだな」
アベラールの声が、少し低く優しく響いていた。
「それだけじゃないよ。おとうさまはデイジーばかりかわいがるし……ずるいよ」
チャールズの小さな声に、アベラールはほんの少しだけ息をのんで、それから静かに笑った。
「それは違うよ、チャールズ。たしかに、お父様はお母様にそっくりなデイジーを、特別に可愛がってるのかもしれない。でも、ぼくたちのことだって、ちゃんと愛してくれてる。男の子だから、ちょっと違う形にはなるけどね」
「……でも、いつもデイジーばっかり、おとーしゃまのおひざにのってる。ぼくだって……ぼくだって、だっこしてほしいのに……」
「だったら、お父様にもそう言えばいいじゃないか?」
そう言いながら、アベラールは自分の膝をぽんぽんと叩く。
「なんなら、僕が抱っこしてあげようか? おいで」
チャールズは顔を真っ赤にして、ぷいっとそっぽを向いた。
その頭をアベラールはくしゃっと撫でて、やわらかくほほえむ。
「……よし。じゃあ、ちょっと気分転換しようか」
そう言って、空に向かって呼びかけた。
「ミュウベルク! 僕たちのところに来て!」
すぐに風を切る音がして、白銀の巨体がふわりと降りてきた。
ミュウベルクは今や立派な白銀竜に成長していたけれど、その心は昔と変わらない、優しい子竜のままだ。
「このあたりを一回りしてくれる? 湖や森の上を飛んで、チャールズにきれいな景色を見せてあげたいんだ」
ミュウベルクはこくりとうなずき、ふたりが乗りやすいように身をかがめた。
チャールズの目が、ぱぁっと輝いた。
やっぱり、ミュウベルクは優しいわ。
「ミュウベルク、お願い。落とさないように気をつけてあげて。チャールズはまだ小さいから……」
私は、ついこっそり見守っていたことも忘れて、声をかけてしまう。
するとアベラールが振り返り、にっこりと笑った。
「大丈夫だよ、お母様。僕がしっかり抱えてるし、ミュウベルクも乱暴な飛び方なんてしないから!」
そのまま、ミュウベルクが大きな翼を広げて舞い上がる。
高く、高く、青空へ。
「わああっ! たかーーいっ! すごいよアベラールにーーしゃまー!」
チャールズのはしゃいだ声が空に響いた。
ほんの少し前まで拗ねていたのが嘘のように、ご機嫌の弾むような声だった。
しばらくして、ミュウベルクに乗って戻ってきたチャールズは、自分からデイジーに歩み寄り、素直に謝っていた。
一方のデイジーも、「お人形ごっこをしつこく誘ってごめんなさい」と、ちゃんと謝っていて、なんとも微笑ましい光景だった。
やっぱり、アベラールとアリシアがいてくれると、ふたりはすぐに仲直りできる。
本当に、いい家族になったなぁ……なんて、しみじみと思ってしまう。
でも、ひとつだけ気になることがあるわ。
その夜、私は旦那様と向かい合って、少しだけ苦言を呈した。
「チャールズが、デイジーに焼きもちを焼いていましたの。最近デイジーを抱っこしすぎて、チャールズのことを少し忘れていませんか? できれば、同じくらい構ってあげてくださいな」
「……チャールズは男の子だろ? 父親に抱っこされてうれしいのか? 俺は嫌だったぞ。チャールズもそうかと思っていたんだが……。幼い頃のアベラールも、俺よりジャネットにばかり抱っこをせがんでいたし」
「子どもによって、性格は違いますのよ。チャールズは『お父様大好きっ子』なのだと思います。私たちも、もっと意識して、平等に接してあげないといけませんわね」
そう言って思い出すのは、自分の妹や弟たちのこと。
誰がいちばん愛されているかと、幼い頃の一時期、言い争ったことがある。
でも、それもすぐに収まったのは、ひとりひとりが愛されていると自信が持てたから。
「愛されているという確信が持てれば、自然と落ち着いていくものです。だから、チャールズにも『ちゃんと大切にされている』と思わせてあげてくださいね」
その言葉が効いたのか、翌日から旦那様はちょっと変わった。チャールズをそっと抱き上げたり、アベラールに笑いかけたり。
旦那様は、いつもよりゆっくりと息子たちと向き合い、穏やかに時間を楽しんでいた。そこへ、ひときわ大きなミュウベルクが静かに割り込んでくる。
「おや、ミュウベルクも来たのか?」
旦那様は目を細めて、白銀の竜を優しく撫でた。
ミュウベルクは嬉しそうにのどを鳴らし、旦那様の頭にそっと鼻先をすり寄せる。
「ふふ、我が家の大事な息子は二人だけじゃなく、三人だったな」
旦那様のその言葉に、チャールズもアベラールも、もちろんミュウベルクも――みんなが嬉しそうな顔をしていた。
「俺の息子は三人とも俺が大好きだな。俺もおまえたちが大好きだぞ」
「あーー、わたしもまぜて。アベラールおにーしゃまとチャールズおにーしゃまのあいだにすわる。わたしのじまんのおにーしゃまたちだもん! ミュウベルクもだぁーいすき」
こんなふうに私たちの日常はいつもあたたかい。
。:+* ゚ ゜゚ *+:。。:+* ゚ ゜゚ *+:。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
新作をこれからいくつか考えて、投稿してきたいと思いますので、お読みいただけるとうれしいです!
次回は青空一夏のペンネームで書いていきますので、よろしくお願いします🙇🏻♀️
私はサロンの窓辺で紅茶をいただきながら、その微笑ましい光景を静かに見守っている。
そこへ突然、泣きじゃくったデイジーが駆け込んできた。
そのすぐ後ろには、気まずそうな顔をしたチャールズの姿もある。
「アベラールおにーしゃま。チャールズおにーしゃまが、いじわるするのぉーー」
すっかり『アベラールお兄ちゃんっ子』になったデイジーが、お人形を壊されたらしく、泣きながらアベラールの胸に飛び込んでいる。アベラールは優しくデイジーの頭を撫でてから、チャールズの方にも目を向けた。
「どっちも悪くないよ。ほら、この人形、もともと腕のあたりがほつれてたみたいだし。デイジーは、毎日どこに行くにも持ってたからね。チャールズだって、わざとやったわけじゃないよな?」
「う、うん……」
チャールズは少しだけ目をそらしながら、小さな声でうなずいた。アベラールはにこっと笑って、チャールズにだけ声をかける。
「ちょっとガゼボまで来てくれる?」
それから、デイジーは私のところにも泣きついてきた。よしよしと頭を撫でながら、私はメイドにお裁縫道具を持ってくるように頼んだ。さて、これからお人形の腕を直そうと針を取ったところで、アリシアが親切な申し出をしてくれた。
「私が縫いますわ。お裁縫は得意ですから。デイジーちゃん、このお人形のドレスにかわいいお花の刺繍もしてあげるから、泣かないで」
アリシアは、綺麗な笑顔でデイジーの頭をやさしく撫でてくれた。
その所作も表情も、本当にお姉さんらしくて、どこか大人びて見える。
そして彼女は、やっぱりというべきか、目を引くほどの美少女に育っていた。
さすがはルカの姪。血は争えないということかしら。
「うんっ! アリシアおねーさま、だいすき!」
デイジーはすっかりご機嫌を直して、きらきらした目でアリシアを見上げている。
アリシアがいてくれると本当に助かる。
その隙に、私はそっと庭のガゼボへと足を向けた。あくまでお散歩の途中を装いながら。
アベラールがチャールズと何を話すのか、少しだけ気になってしまったのだ。
「……なるほどね。デイジーにしつこくお人形ごっこを誘われて、嫌になっちゃったんだな」
アベラールの声が、少し低く優しく響いていた。
「それだけじゃないよ。おとうさまはデイジーばかりかわいがるし……ずるいよ」
チャールズの小さな声に、アベラールはほんの少しだけ息をのんで、それから静かに笑った。
「それは違うよ、チャールズ。たしかに、お父様はお母様にそっくりなデイジーを、特別に可愛がってるのかもしれない。でも、ぼくたちのことだって、ちゃんと愛してくれてる。男の子だから、ちょっと違う形にはなるけどね」
「……でも、いつもデイジーばっかり、おとーしゃまのおひざにのってる。ぼくだって……ぼくだって、だっこしてほしいのに……」
「だったら、お父様にもそう言えばいいじゃないか?」
そう言いながら、アベラールは自分の膝をぽんぽんと叩く。
「なんなら、僕が抱っこしてあげようか? おいで」
チャールズは顔を真っ赤にして、ぷいっとそっぽを向いた。
その頭をアベラールはくしゃっと撫でて、やわらかくほほえむ。
「……よし。じゃあ、ちょっと気分転換しようか」
そう言って、空に向かって呼びかけた。
「ミュウベルク! 僕たちのところに来て!」
すぐに風を切る音がして、白銀の巨体がふわりと降りてきた。
ミュウベルクは今や立派な白銀竜に成長していたけれど、その心は昔と変わらない、優しい子竜のままだ。
「このあたりを一回りしてくれる? 湖や森の上を飛んで、チャールズにきれいな景色を見せてあげたいんだ」
ミュウベルクはこくりとうなずき、ふたりが乗りやすいように身をかがめた。
チャールズの目が、ぱぁっと輝いた。
やっぱり、ミュウベルクは優しいわ。
「ミュウベルク、お願い。落とさないように気をつけてあげて。チャールズはまだ小さいから……」
私は、ついこっそり見守っていたことも忘れて、声をかけてしまう。
するとアベラールが振り返り、にっこりと笑った。
「大丈夫だよ、お母様。僕がしっかり抱えてるし、ミュウベルクも乱暴な飛び方なんてしないから!」
そのまま、ミュウベルクが大きな翼を広げて舞い上がる。
高く、高く、青空へ。
「わああっ! たかーーいっ! すごいよアベラールにーーしゃまー!」
チャールズのはしゃいだ声が空に響いた。
ほんの少し前まで拗ねていたのが嘘のように、ご機嫌の弾むような声だった。
しばらくして、ミュウベルクに乗って戻ってきたチャールズは、自分からデイジーに歩み寄り、素直に謝っていた。
一方のデイジーも、「お人形ごっこをしつこく誘ってごめんなさい」と、ちゃんと謝っていて、なんとも微笑ましい光景だった。
やっぱり、アベラールとアリシアがいてくれると、ふたりはすぐに仲直りできる。
本当に、いい家族になったなぁ……なんて、しみじみと思ってしまう。
でも、ひとつだけ気になることがあるわ。
その夜、私は旦那様と向かい合って、少しだけ苦言を呈した。
「チャールズが、デイジーに焼きもちを焼いていましたの。最近デイジーを抱っこしすぎて、チャールズのことを少し忘れていませんか? できれば、同じくらい構ってあげてくださいな」
「……チャールズは男の子だろ? 父親に抱っこされてうれしいのか? 俺は嫌だったぞ。チャールズもそうかと思っていたんだが……。幼い頃のアベラールも、俺よりジャネットにばかり抱っこをせがんでいたし」
「子どもによって、性格は違いますのよ。チャールズは『お父様大好きっ子』なのだと思います。私たちも、もっと意識して、平等に接してあげないといけませんわね」
そう言って思い出すのは、自分の妹や弟たちのこと。
誰がいちばん愛されているかと、幼い頃の一時期、言い争ったことがある。
でも、それもすぐに収まったのは、ひとりひとりが愛されていると自信が持てたから。
「愛されているという確信が持てれば、自然と落ち着いていくものです。だから、チャールズにも『ちゃんと大切にされている』と思わせてあげてくださいね」
その言葉が効いたのか、翌日から旦那様はちょっと変わった。チャールズをそっと抱き上げたり、アベラールに笑いかけたり。
旦那様は、いつもよりゆっくりと息子たちと向き合い、穏やかに時間を楽しんでいた。そこへ、ひときわ大きなミュウベルクが静かに割り込んでくる。
「おや、ミュウベルクも来たのか?」
旦那様は目を細めて、白銀の竜を優しく撫でた。
ミュウベルクは嬉しそうにのどを鳴らし、旦那様の頭にそっと鼻先をすり寄せる。
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旦那様のその言葉に、チャールズもアベラールも、もちろんミュウベルクも――みんなが嬉しそうな顔をしていた。
「俺の息子は三人とも俺が大好きだな。俺もおまえたちが大好きだぞ」
「あーー、わたしもまぜて。アベラールおにーしゃまとチャールズおにーしゃまのあいだにすわる。わたしのじまんのおにーしゃまたちだもん! ミュウベルクもだぁーいすき」
こんなふうに私たちの日常はいつもあたたかい。
。:+* ゚ ゜゚ *+:。。:+* ゚ ゜゚ *+:。
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46話
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役不足というのは自分にとって役目が実力不相応に軽いことをいいます。
たぶん、ここで表現したいことの真逆ではないかと思います。
すごく良かったです👏👏
【公開不要】
46の役不足、不足と付いているものが足りないという意味なので文中の内容だと役者不足です。
自分で足りないと言っているので力不足でも良いかも知れません。