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第八話 湖の竜 ~チャプター3~
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「―――はッ!?」
「あ、気が付いた?」
目を覚ますとリーナが傍らに座っていた。
なぜか気を失う直前の事をよく思い出せない。なんだか気絶するのがすごいもったいないような事だったと思うんだけど、それより―――
「なんか顔中ところどころ痛いんだけど…?」
「…さ、さぁ。なんでだろね?」
動けないから自分の顔面がどうなっているかは確認できないけど、おそらくたんこぶや青あざまみれになっているのだろう。なぜこういう仕打ちを受けたかは思い出せないけど。
「……ユウヤは、その…、大きい方が好きなの?」
「へ?なんて?」
「…なんでもない。」
そう言ったリーナは自分の胸に手を当てる。
…いや、リーナが聞こうとしてたことはわかっていた。
確かにシアリーゼ姫のあれはすごかったが、リーナのそれだって十分ある方ではある。
―――まぁ、それはさておき。
ふと湖の方に目をやると、メルとノーラ姫、シアリーゼ姫が浅瀬で水のかけ合いなどキャッハウフフなことをしている。
そして浜辺の方では脚立のようなものに座り日傘をさしたマリークレアさんが湖の方に目をやっている。
思えば今日はただ遊びに来たわけではなく、湖にて目撃された八つ首の邪竜についての調査任務というれっきとしたクエストで来ている。
八つ首の竜と思われるものが目撃された場所は多くが湖の中心である。
アシア湖はかなり広く中心まで距離があるため、肉眼で詳しくその姿を確認されたわけではなく、長くしなる何かが7、8本見えた程度の証言ばかりである。しかし、「八つ首の邪竜」の伝承が残されてることからその姿に恐怖を覚え、みな詳しく見る前に逃げ出してしまうのだ。
また、目撃証言は多数寄せられてるとはいえ、毎日・毎時見られるわけではないのでそれが現れるまで根気よく待つしかないのだ。
だから、それまでの間こうしてビーチを満喫しているのである。
「…リーナもあっちであいつらと遊ばなくていいのか?」
「…私は、いいの。」
「どうしてだ?」
「……えーっと、その…水辺が怖いとかそういうんじゃないんだよ。ただ…ね。」
あー、そういう事ね。
「…泳ぎ方、なら、俺が、教えて、あげられなくも、ないけど―――」
そう言いながら砂地獄から抜け出そうとするが、一向に抜け出せる気配がない。
「…なあ、そろそろ掘り出してくれてもいいんじゃないかな?」
「えーっと…どうしようかな?」
「リーナぁ!そんなヤツ放っておいてこっちで遊びましょうよ!」
「この辺りは遠浅ですから、溺れる心配はありませんよー!」
「……。」
「…行って来いよ、リーナ。俺はもういいからさ。」
「…うん!」
リーナが水辺へ行こうと立ち上がったその時だった。
「!…何か来る!」
リーナが湖の方に異様な気配を感じ取ったようだ。
マリークレアさんもその気配を察知したらしく―――
「皆様!急いで湖から離れてください!」
「なに!?どうしたのよ!?」
瞬間、湖の沖の方に巨大な青黒い触手のようなものが数本出現した。
「きゃあ!」「なによあれは!?」
水辺にいた3人は砂浜の方へ逃げ出すが、何本もの触手がものすごいスピードで迫り3人を一瞬にして捕えてしまった。
「あ、気が付いた?」
目を覚ますとリーナが傍らに座っていた。
なぜか気を失う直前の事をよく思い出せない。なんだか気絶するのがすごいもったいないような事だったと思うんだけど、それより―――
「なんか顔中ところどころ痛いんだけど…?」
「…さ、さぁ。なんでだろね?」
動けないから自分の顔面がどうなっているかは確認できないけど、おそらくたんこぶや青あざまみれになっているのだろう。なぜこういう仕打ちを受けたかは思い出せないけど。
「……ユウヤは、その…、大きい方が好きなの?」
「へ?なんて?」
「…なんでもない。」
そう言ったリーナは自分の胸に手を当てる。
…いや、リーナが聞こうとしてたことはわかっていた。
確かにシアリーゼ姫のあれはすごかったが、リーナのそれだって十分ある方ではある。
―――まぁ、それはさておき。
ふと湖の方に目をやると、メルとノーラ姫、シアリーゼ姫が浅瀬で水のかけ合いなどキャッハウフフなことをしている。
そして浜辺の方では脚立のようなものに座り日傘をさしたマリークレアさんが湖の方に目をやっている。
思えば今日はただ遊びに来たわけではなく、湖にて目撃された八つ首の邪竜についての調査任務というれっきとしたクエストで来ている。
八つ首の竜と思われるものが目撃された場所は多くが湖の中心である。
アシア湖はかなり広く中心まで距離があるため、肉眼で詳しくその姿を確認されたわけではなく、長くしなる何かが7、8本見えた程度の証言ばかりである。しかし、「八つ首の邪竜」の伝承が残されてることからその姿に恐怖を覚え、みな詳しく見る前に逃げ出してしまうのだ。
また、目撃証言は多数寄せられてるとはいえ、毎日・毎時見られるわけではないのでそれが現れるまで根気よく待つしかないのだ。
だから、それまでの間こうしてビーチを満喫しているのである。
「…リーナもあっちであいつらと遊ばなくていいのか?」
「…私は、いいの。」
「どうしてだ?」
「……えーっと、その…水辺が怖いとかそういうんじゃないんだよ。ただ…ね。」
あー、そういう事ね。
「…泳ぎ方、なら、俺が、教えて、あげられなくも、ないけど―――」
そう言いながら砂地獄から抜け出そうとするが、一向に抜け出せる気配がない。
「…なあ、そろそろ掘り出してくれてもいいんじゃないかな?」
「えーっと…どうしようかな?」
「リーナぁ!そんなヤツ放っておいてこっちで遊びましょうよ!」
「この辺りは遠浅ですから、溺れる心配はありませんよー!」
「……。」
「…行って来いよ、リーナ。俺はもういいからさ。」
「…うん!」
リーナが水辺へ行こうと立ち上がったその時だった。
「!…何か来る!」
リーナが湖の方に異様な気配を感じ取ったようだ。
マリークレアさんもその気配を察知したらしく―――
「皆様!急いで湖から離れてください!」
「なに!?どうしたのよ!?」
瞬間、湖の沖の方に巨大な青黒い触手のようなものが数本出現した。
「きゃあ!」「なによあれは!?」
水辺にいた3人は砂浜の方へ逃げ出すが、何本もの触手がものすごいスピードで迫り3人を一瞬にして捕えてしまった。
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