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No.8 ふじのやま
File:19 束の間の平穏
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あれから一週間。体調は回復し、もう自由に外出して良いという事になった。とは言えこの状況だ。協会本部から不用意に出るのは危険だという話になり、私はジョセフ君と二人で、日本の協会本部内を見て回る事になった。しかし……
「……暇だ」
朝食を食べた私達は、ロビーのベンチに腰を掛けて、特に何かする訳でもなく時間を過ごしていた。まぁ正確に言うんであれば、特に何かができる訳でもなく、仕方無くこうしているだけなのだが。
規則上、協会の魔術師ではない私達は、あまり多くの施設を利用できない。先程まで私が居た実験的治療室を除けば、使える施設は資料室程度の物だ。それも、置いてある資料はほぼ全て日本語で書かれた文章である為、読むのも一苦労だ。まぁそもそもの話、調べたい事も無い訳だが。
「……ドーナツが食べたい」
「そんなに好きだったのか?」
「休日と言う物は、ドーナツとコーヒーが無ければ始まらないんだよ」
「お前の体形維持に対して初めて感心した気がするぜ」
「代謝は良い方なんだ」
エラニとドーナツを食べながら雑談したあの日々が懐かしい。アレを取り戻せる日は来るんだろうか。いや、もう無理だろうな。エラニはただの女の子なのに対し、私は魔術師で、人殺しだ。そもそもこんな、他人の愛し方すら教わらなかった私が、あの子と一緒にどうこうしたいとか……
そうやって、私の意識は危ない方へ向かおうとする。そこでジョセフ君は私の額に指で押した。弾くでもなく、撫でるでもなく、ただ、自分と目線を合わせるように。そのお陰で、私は意識を現実へ引き戻す事に成功した。
「済まない。顔に出ていたね」
「いや……大丈夫だ。無理も無い」
気を抜くとコレだ。考えがマイナスな方向へ向かって戻って来れなくなる。死にたい気分になる。もうすっかり、彼無しでは眠る事すらできないようになってしまったな。
「さてどうする?今日一日こうしてるんじゃ、退屈で死んじまうだろ」
「その通りだが、何をしようと言うんだい?」
「そこなんだよなぁ……」
ダメじゃないか。さて本当にどうしよう。どこか料理ができる場所へ行って、自分でドーナツを作ろうか。満足行く出来の物が作れるとは思えないが、まぁ何も無いよりは全然……いやしかしそういう設備も使えるかどうか……
「……何をしてるんだ?」
突然、後ろから声を掛けられた。振り返ると、中々強そうな退魔師の男が立っていた。なんかこっち見てる人が居るとは思っていたが、まさか話し掛けて来るとは。少なくとも、こんなガタイの良い日本人の知り合いは居なかった筈なんだが?
と考えている間に、ジョセフ君が「……シュウジ」と呟いた。どうやら、この退魔師の名前らしい。
「知り合いなんだね」
「お前をクソ爺の手元から救出する時に、あの施設に突入した退魔師の一人だ。俺の命の恩人でもある」
成程。ジョセフ君の言葉に嘘は無いんだろうが……やはり千里眼無しの視界は慣れないな。相手の抱いている感情や、発言の真偽が分からないというだけで、かなり不安だ。皆、普段からこんな上体で生活しているのか。頭が上がらないな。
「初めましてで合ってるかな?私の名前はソフィア・アンデルセン。よろしく」
「合ってるさ。河崎修司だ。よろしく」
分厚い手だ。人を力の限り殴り続けて来た人間の手だ。間違っても、この男と殺し合いなんてしたくないな。
「で、どういう要件だ?」
「暇なんだろ?少し手合わせでもと思ってな」
「俺は暇だが、お前は忙しくねぇのか?」
「デスクワークが一段落した所だ。体を動かしたくてな。お前はどうだ?ジョセフ」
ジョセフ君は許可を求めるように、私へ視線を向ける。正直、ここで断っても暇なだけだ。それに命を取られる訳でもない。彼にはこの一週間ずっと私の世話をしてもらってしまっていたし、溜まったストレスを存分に発散してきてほしい。私が小さく頷くと、ジョセフ君はシュウジの方へ視線を戻し、「分かった」と言った。
「よし。じゃ、早速行くか」
「所で余談なんだが、俺は体質的に、夜の方が都合が良いんだが?」
「八神から聞いてる。そこも対策済みだ。そら行くぞ。そっちのカノジョは……」
「一人で居ると不安でね」
「じゃ、客席に案内するぜ」
シュウジは私達を地下……勿論、実験的治療室とは別方向の地下施設へ案内した。彼が持つ権力のお陰で、私達はあらゆる警備や結界を素通りする事ができるらしく、真っ直ぐ目的地まで進む事ができた。
シュウジの目的地は、見事な闘技場だった。結界で空間の広さを誤魔化しているのか、それとも単に広いのか、彼ら二人が自由に動けるであろうだけの空間が、そこに広がっていた。
「……便利なモンだな」
「広いだけじゃねぇぞ?結界と物理、それらの強化まで重ねた耐久力に、防音機能。どんだけ暴れても問題にならねぇ」
「だが、それだけじゃねぇんだろ?」
「勿論。この結界には魔術師退魔師共同開発の新技術が搭載されててな?」
「勿体ぶるな」
「あぁちょっと待ってな……こんなモンか」
そう呟くと、シュウジは霊力を込めた手で指を鳴らした。すると、ブレーカーが落ちるような音がすると同時に、部屋の色が僅かに変わった。少し彩度が落ちたらしい。
そしてどうやら、ただカラーバリエーションが増えたという訳でもないらしい。その証拠にジョセフ君が、心なしか生き生きとした表情に変わっている。夜の、吸血鬼の特性を使える時のジョセフ君の表情だ。
「ジョセフ君?」
「これは……驚いた。吸血鬼の特性が使える」
「プラチナクラス退魔師渡辺七海の提案……もとい思い付きで設計された術だ。効果はまぁ……説明の必要は無ぇよな」
結界の内側の時間帯を変化させる術か。真っ当に神秘学者をしている人間からすれば、革新的とも言える技術なんだろう。確かに、この結界を使えばジョセフ君は時間帯に縛られず戦える。
「じゃ、ソフィアさん。客席はあちらなんで……」
「分かった。頑張ってくれよジョセフ君」
「あぁ。よ~く見てな」
実力差が分からない程でもないと思うんだが……それでも、ジョセフ君の事だ。何かしら策はあるんだろう。私は客席に座り、闘技場の中心付近で睨み合う二人を眺める。直ぐに、二人の殴り合いが始まった。
「……暇だ」
朝食を食べた私達は、ロビーのベンチに腰を掛けて、特に何かする訳でもなく時間を過ごしていた。まぁ正確に言うんであれば、特に何かができる訳でもなく、仕方無くこうしているだけなのだが。
規則上、協会の魔術師ではない私達は、あまり多くの施設を利用できない。先程まで私が居た実験的治療室を除けば、使える施設は資料室程度の物だ。それも、置いてある資料はほぼ全て日本語で書かれた文章である為、読むのも一苦労だ。まぁそもそもの話、調べたい事も無い訳だが。
「……ドーナツが食べたい」
「そんなに好きだったのか?」
「休日と言う物は、ドーナツとコーヒーが無ければ始まらないんだよ」
「お前の体形維持に対して初めて感心した気がするぜ」
「代謝は良い方なんだ」
エラニとドーナツを食べながら雑談したあの日々が懐かしい。アレを取り戻せる日は来るんだろうか。いや、もう無理だろうな。エラニはただの女の子なのに対し、私は魔術師で、人殺しだ。そもそもこんな、他人の愛し方すら教わらなかった私が、あの子と一緒にどうこうしたいとか……
そうやって、私の意識は危ない方へ向かおうとする。そこでジョセフ君は私の額に指で押した。弾くでもなく、撫でるでもなく、ただ、自分と目線を合わせるように。そのお陰で、私は意識を現実へ引き戻す事に成功した。
「済まない。顔に出ていたね」
「いや……大丈夫だ。無理も無い」
気を抜くとコレだ。考えがマイナスな方向へ向かって戻って来れなくなる。死にたい気分になる。もうすっかり、彼無しでは眠る事すらできないようになってしまったな。
「さてどうする?今日一日こうしてるんじゃ、退屈で死んじまうだろ」
「その通りだが、何をしようと言うんだい?」
「そこなんだよなぁ……」
ダメじゃないか。さて本当にどうしよう。どこか料理ができる場所へ行って、自分でドーナツを作ろうか。満足行く出来の物が作れるとは思えないが、まぁ何も無いよりは全然……いやしかしそういう設備も使えるかどうか……
「……何をしてるんだ?」
突然、後ろから声を掛けられた。振り返ると、中々強そうな退魔師の男が立っていた。なんかこっち見てる人が居るとは思っていたが、まさか話し掛けて来るとは。少なくとも、こんなガタイの良い日本人の知り合いは居なかった筈なんだが?
と考えている間に、ジョセフ君が「……シュウジ」と呟いた。どうやら、この退魔師の名前らしい。
「知り合いなんだね」
「お前をクソ爺の手元から救出する時に、あの施設に突入した退魔師の一人だ。俺の命の恩人でもある」
成程。ジョセフ君の言葉に嘘は無いんだろうが……やはり千里眼無しの視界は慣れないな。相手の抱いている感情や、発言の真偽が分からないというだけで、かなり不安だ。皆、普段からこんな上体で生活しているのか。頭が上がらないな。
「初めましてで合ってるかな?私の名前はソフィア・アンデルセン。よろしく」
「合ってるさ。河崎修司だ。よろしく」
分厚い手だ。人を力の限り殴り続けて来た人間の手だ。間違っても、この男と殺し合いなんてしたくないな。
「で、どういう要件だ?」
「暇なんだろ?少し手合わせでもと思ってな」
「俺は暇だが、お前は忙しくねぇのか?」
「デスクワークが一段落した所だ。体を動かしたくてな。お前はどうだ?ジョセフ」
ジョセフ君は許可を求めるように、私へ視線を向ける。正直、ここで断っても暇なだけだ。それに命を取られる訳でもない。彼にはこの一週間ずっと私の世話をしてもらってしまっていたし、溜まったストレスを存分に発散してきてほしい。私が小さく頷くと、ジョセフ君はシュウジの方へ視線を戻し、「分かった」と言った。
「よし。じゃ、早速行くか」
「所で余談なんだが、俺は体質的に、夜の方が都合が良いんだが?」
「八神から聞いてる。そこも対策済みだ。そら行くぞ。そっちのカノジョは……」
「一人で居ると不安でね」
「じゃ、客席に案内するぜ」
シュウジは私達を地下……勿論、実験的治療室とは別方向の地下施設へ案内した。彼が持つ権力のお陰で、私達はあらゆる警備や結界を素通りする事ができるらしく、真っ直ぐ目的地まで進む事ができた。
シュウジの目的地は、見事な闘技場だった。結界で空間の広さを誤魔化しているのか、それとも単に広いのか、彼ら二人が自由に動けるであろうだけの空間が、そこに広がっていた。
「……便利なモンだな」
「広いだけじゃねぇぞ?結界と物理、それらの強化まで重ねた耐久力に、防音機能。どんだけ暴れても問題にならねぇ」
「だが、それだけじゃねぇんだろ?」
「勿論。この結界には魔術師退魔師共同開発の新技術が搭載されててな?」
「勿体ぶるな」
「あぁちょっと待ってな……こんなモンか」
そう呟くと、シュウジは霊力を込めた手で指を鳴らした。すると、ブレーカーが落ちるような音がすると同時に、部屋の色が僅かに変わった。少し彩度が落ちたらしい。
そしてどうやら、ただカラーバリエーションが増えたという訳でもないらしい。その証拠にジョセフ君が、心なしか生き生きとした表情に変わっている。夜の、吸血鬼の特性を使える時のジョセフ君の表情だ。
「ジョセフ君?」
「これは……驚いた。吸血鬼の特性が使える」
「プラチナクラス退魔師渡辺七海の提案……もとい思い付きで設計された術だ。効果はまぁ……説明の必要は無ぇよな」
結界の内側の時間帯を変化させる術か。真っ当に神秘学者をしている人間からすれば、革新的とも言える技術なんだろう。確かに、この結界を使えばジョセフ君は時間帯に縛られず戦える。
「じゃ、ソフィアさん。客席はあちらなんで……」
「分かった。頑張ってくれよジョセフ君」
「あぁ。よ~く見てな」
実力差が分からない程でもないと思うんだが……それでも、ジョセフ君の事だ。何かしら策はあるんだろう。私は客席に座り、闘技場の中心付近で睨み合う二人を眺める。直ぐに、二人の殴り合いが始まった。
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