自称異世界最強浪人のチーター達と万屋始めました

チーター達にとって地震はおまけの様です

嵐の前の静けさ

 創也達の紹介によって神王と知り合いになれた俺は、
ホクホク顔で店に帰ろうとしていた。
 そして、創也達の事を少しは全統神王やらテトラナイトやらを信じてやろうと言う気になった。
「いやいや、なーに帰ろーとしてんのさ？」
「まだまだこれからでっせ？」
「…………みっちり鍛えちやる。」
「あはは～、俺ちゃん達ともう一踏ん張りだよ～ん。」
「はぁ、楽して強くなれるのなら誰も苦労しませんよ？」



「前言撤回だ。お前らは全統神王じゃなく鬼畜兄弟だ。」



 その後、無茶苦茶な兄弟達によって違う色々な事を教えて貰った。

例えば創也からは、
「大体、体の事をよく分かってたら何とかなる。」
 とか言って体のあらゆる弱点を実践で教えられたり。
 
法也からは、
「魔法はイマジネーションですよ。最悪どんな魔法も詠唱無しで唱えられます。詠唱するのはイメージを上げるためです。頑張って無しで唱えれる様に頑張りましょう。」
 と安定して落ち着いた法也が色々な魔法を教えてくれたり、

疾也は、
「……………取り敢えず剣は反射神経だ。いまからこの枝を放るがそれで全部叩っ斬れ。」
 と言ってかなり重めの剣で10回連続で切れる様になるまでさせられたり、

造也からは、
「銃ってのは、ミスるとマジでシャレに何ないから俺ちゃん今は真面目モードで行くね？」
 と言って銃とか言う物の取り扱いを教わった。
 確かにあれは当たるとシャレに何ない。
 
そして最後に料也からは、
「今からお前に天文館流武道を伝授する。」
 と言って料也相手に組手を行なった。
 料也は滅茶苦茶技の流しが上手かった。
 料也曰く、
「どっかの一撃男の方知り合いの爺ちゃんのを見てパクった。」
 らしい。
 それからと言う日は兄弟達からの滅茶苦茶をこなす日々となった。
 一番やばかったのが、ダンジョンの最深部にほっていかれて自力で帰らなければならなかった時だった。
 外に出た時俺は思わず泣いてしまったほどだ。


 

そして兄弟達からの無茶をこなし続けて一ヶ月が過ぎたある日のことその日はとても周りが静かな様に感じた。
 
いつも通り汗だくになって戻ると、
「創也ぁー！」
 と言って中からノエルが飛び出してきた。
「な、何だ？ノエル？ついに俺に惚れたか？」
 と、創也が調子に乗った事を言うと、
「元から好きだから！ってそうじゃなくて！」
 おっと、シルヴィの目がヤバイです。
「何だか、………怖いって言うか………。」
 と言うのを聞いた創也は料也に目配せして何か判ったのか一度頷いて地面に手を置いた。
「何してんだ？」
 と、俺がそう聞くと、
「ちょっと黙れ。」
 と、いつになく真剣な声に気圧された俺は黙った。
 そして暫く後に料也は立ち上がり創也に、
「当たりだ。」
 とだけ言った。創也は、
「やっぱり？何だか今日やけに動物が静かだったと思ったんだよ。」
 と言った。
「やっぱりって何かまだよ？」
「暫くすると地面が揺れます。」
 キッパリと創也はそう断言した。