自称異世界最強浪人のチーター達と万屋始めました

チーター達は国中の魔女、チーターを敵に回して無双するようです

れっといっとだい

 「よしノウン君！エルナ君！修行を始めようではないか！」

「「超断る」」

 俺とエルナは朝の飯時にふざけた事を言って来た創也に向かってそう言った。
 
 修行？
 冗談じゃない
 今まで修行であって無いものをして来た俺には分かる
 絶対ろくな事にならないやつだ
 ぜってぇにしてやんねぇ

 俺がそう思っていると、エルナも同じ事を思っていたらしく、

「修行って冗談じゃないわよ！お姉さん、あれでどれだけトラウマ植え付けられたのか知ってる！？」

 俺の修行という名の苦行の時に、こないだの王都の地震の時の反省という事で一緒に参加させられていたエルナは、超轟に追っかけられながら王都の周りを走るという鬼畜を味わっているのである。

 補足であるが、王都の周りは50キロ以上はある。
 考えて欲しい
 列車に追っかけられ死にかけながら50キロ以上を走る様子を、
 まさに地獄である。

 そんな事を知ってか知らずか、

「知るか、あぁ、お前はいいよエルナ、どうせ兵王祭でけちょんけちょんにいてやるから」

「けちょんけちょんて、きょうび聞かないわね」

 創也は古臭い言葉を使いながら更に、

「ノウンはメニュー5倍な」

「はーい……………は？」

 俺はしれっと理不尽な事を言った創也を見た。
 
 5倍？
 50キロ以上を5倍だろ？
 単純計算で250キロ以上はあるぞ？
 馬鹿だろ

「いやいや、流石に250キロ走れってわけじゃ無いさ！ただただ5倍速ってなだけ」

「おい」

 5倍速だと？
 はっはーん
 俺分かっちゃった
 創也は本気で俺を殺したいらしい

「いや、無理だって」

「いや、やれ、じゃあ行くぞ？」

「は？へ？」

 俺はいきなり行くぞと言い出した創也を見た。

 あっ、これはあかんやつや
 
 創也の目は完全に悪巧みをする時の目だった。

「スタート！！」

 そして、俺はその言葉と同時に店の中に居たはずが、王都の外壁の外側の超轟の前にスタンバっていた。

「くそったれー！！」

 そうしていつもより早めのスピードで追いかけてくる超轟との鬼ごっこが始まったまである。