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ハロー!異世界!
謎の助っ人?
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「とっちー……どう思う?」
「にーちゃんが二人……うっ!目眩が……」
「前々から思ってたけど、お前初対面の人に対して失礼やんな」
坑道を抜けると、女性達の前に一人の男が腕を組んで座っていた。
「おっ、来たみたいだな!」
そう言って男はこちらを向くと、手を差し出してきた。
兄はそれをノータイムで掴むと、二人で握手をした。
「初めまして!僕は藤原与一(ふじわら よいち)と申します!」
「おう!よろしくな!俺は天道……いや、ソティーヤだ」
そして二人は笑いあった。
「にーちゃん!?お父さんに言われへんかった!?見ず知らずの人には声をかけてはいけませんって!?」
「いつの話してんだよ……ソティーヤさん、コイツは藤原俊明(ふじわら としあき)です」
「にーちゃん!……はぁ、よろしくお願いします……」
弟はやれやれと首を振ると、渋々自己紹介をした。
「おう!よろしくな!んじゃ早速だが本題に入ろうか。その女の人達、俺に任してくれねぇかな?」
「嫌です」
「にーちゃん!?」
「即答!?」
兄はキッパリと言い切った。
「あー……アレかお前?自分でやらないと気が済まないタイプか?」
「まぁ……はい」
「歯切れ悪りぃなぁおい。でもまあ、嫌いじゃないな、そんな生き方は」
「はぁ……」
「あっ……」
「どうした?」
「いや、何でもないです……」
弟は知っていた。
兄は初対面の人から上から目線で見られることを嫌う事を。
目に見えてイライラしている兄を弟は宥めようか迷い……そして直ぐに諦めた。
「まぁ、その気持ちはわかるが、お前じゃ手に負えないな。俺のところなら設備は揃ってるぞ?」
「うーん……どれぐらいかかりますか?そこに行くまで」
「いますぐにでも着くさ」
「は?」
その瞬間ソティーヤと名乗った男は指を鳴らした。
すると、向こうの方から白い壁が迫ってきて、兄弟達を通過した。
「ようこそ、天文館へ」
そして、ソティーヤはそう言って兄弟達に笑いかけた。
「なん……だ……が……起こったん?」
「あっはっはっ!俺はね、異世界間管理委員会総代表だからな、こんぐらいできねぇとな?」
「「………」」
兄弟は固まってしまっていた。
なにせ、自分たちが目の前にしているものは、遥か天高くそびえ立つ摩天楼だったのだから。
「驚いてるようだな!さぁ!中に入るぞ!」
そう言って再びソティーヤは指を鳴らした。
その瞬間、地面が揺れて兄弟達を上へと持ち上げ始めた。
「お前は一体何なんだ!?」
「世界最強を自称する、『通りすがりの助っ人』さ」
「「…………」」
そして、兄弟は再び口を開けて凍ってしまった。
「さてと、ここは惑星クロノスの都市セントピア中央の天文館本館『星見の館』だ。基本ここに住んでる奴らはここに入れないんだが、お前達は特別だ」
そして、上昇していた地面が止まり、建物が口を開き、兄弟達を乗せて上昇機は建物の中に入った。
そして上昇機が止まると、そこには色々な機材が準備された部屋が並んでいた。
「じゃあ、女の人達はこいつの指示に従って動いてくれ、動かないやつは担架かなんかで運んでやってくれ」
そうテキパキと指示を出して、一人頭を抱えている男にソティーヤはポンと肩に手を置きなにかを呟いた。
それを聞いた男は、座り込んで頭を抱えた。
「お前はいつもいつも……!俺の身にもなれってんだ!」
「まぁ、それがお前だノウンくん?」
「くそったれぇぇぇぇ!!」
「さて、君達二人には見せたいものがあるから、また別行動だ」
「「………」」
兄弟は固まったままだった。
二人は正直言って、逃げ出そうと考えていた。
これ程の力、技術がある奴には関わらない方がいいと、二人の直感は告げていた。
「俊明……空間に穴開けれるか?」
「やったことないから無理」
「おっと、逃げるって選択肢はないって思っといてくれよな?ロキに行かせたの俺だから」
「「………は?」」
「「言って良かったのですか?」」
兄弟がまたまた固まった時、後ろから凛とした声が聞こえて振り返ると、そこには金色を基調としたの衣装に身を包んだ金髪のオッドアイの美人はおしとやかに、黒と白を基調としたこれまたオッドアイの白髪美人が腕を組んでそこに立っていた。
「オゥ……ゴッド………」
「ほわぁ……」
兄と弟はあまりの美しさに感嘆の息を吐き出した。
「おいおい、俺の嫁達に見惚れるのもいいけど話を聞いてくれよな?」
「「……なんて?」」
「いやだから俺の話を……」
「「その前!」」
兄弟は凄まじい剣幕で若干引くほどの勢いで、ソティーヤに迫った。
「俺の嫁達……って」
「「………達?」」
すると、兄弟達からゴゴゴと言うような雰囲気が漂ってきた。
「にーちゃん……どーする?」
「一発は殴らないとな……」
「お前ら、重婚反対派だな?俺はなぁ!両方幸せに…………!」
「違う!お前が犯したのはそんなチャチな話じゃない!」
「ああ!にーちゃん!」
「「リア充死すべし!慈悲はナーイ!」」
「そっちか~」
ソティーヤは落ち着いたように頷いていると、
「うおおおおおおらああああ!!」
ばしいいいいん!
と、音がして兄の手を掴む白黒の美人が兄の本気の殴りを止めた。
「アンタだから彼女できないのよ」
「………」
「にーちゃーん!!」
美人にそう言われた兄は、ただそれだけで心が折れてしまい、膝から崩れ落ちた。
「にーちゃん!しっかり!」
「ふっ、弟よ……共学高校に行ったが、男クラに放り込まれた男の結末がこれだ……覚えておけ……ガク」
「にーちゃーん!それ、俺もだよ!」
「くくく……さすが我が兄弟……わかってるぅ……」
「にーちゃん!生き返るの早いよ!」
「「「なんだこれ」」」
「にーちゃんが二人……うっ!目眩が……」
「前々から思ってたけど、お前初対面の人に対して失礼やんな」
坑道を抜けると、女性達の前に一人の男が腕を組んで座っていた。
「おっ、来たみたいだな!」
そう言って男はこちらを向くと、手を差し出してきた。
兄はそれをノータイムで掴むと、二人で握手をした。
「初めまして!僕は藤原与一(ふじわら よいち)と申します!」
「おう!よろしくな!俺は天道……いや、ソティーヤだ」
そして二人は笑いあった。
「にーちゃん!?お父さんに言われへんかった!?見ず知らずの人には声をかけてはいけませんって!?」
「いつの話してんだよ……ソティーヤさん、コイツは藤原俊明(ふじわら としあき)です」
「にーちゃん!……はぁ、よろしくお願いします……」
弟はやれやれと首を振ると、渋々自己紹介をした。
「おう!よろしくな!んじゃ早速だが本題に入ろうか。その女の人達、俺に任してくれねぇかな?」
「嫌です」
「にーちゃん!?」
「即答!?」
兄はキッパリと言い切った。
「あー……アレかお前?自分でやらないと気が済まないタイプか?」
「まぁ……はい」
「歯切れ悪りぃなぁおい。でもまあ、嫌いじゃないな、そんな生き方は」
「はぁ……」
「あっ……」
「どうした?」
「いや、何でもないです……」
弟は知っていた。
兄は初対面の人から上から目線で見られることを嫌う事を。
目に見えてイライラしている兄を弟は宥めようか迷い……そして直ぐに諦めた。
「まぁ、その気持ちはわかるが、お前じゃ手に負えないな。俺のところなら設備は揃ってるぞ?」
「うーん……どれぐらいかかりますか?そこに行くまで」
「いますぐにでも着くさ」
「は?」
その瞬間ソティーヤと名乗った男は指を鳴らした。
すると、向こうの方から白い壁が迫ってきて、兄弟達を通過した。
「ようこそ、天文館へ」
そして、ソティーヤはそう言って兄弟達に笑いかけた。
「なん……だ……が……起こったん?」
「あっはっはっ!俺はね、異世界間管理委員会総代表だからな、こんぐらいできねぇとな?」
「「………」」
兄弟は固まってしまっていた。
なにせ、自分たちが目の前にしているものは、遥か天高くそびえ立つ摩天楼だったのだから。
「驚いてるようだな!さぁ!中に入るぞ!」
そう言って再びソティーヤは指を鳴らした。
その瞬間、地面が揺れて兄弟達を上へと持ち上げ始めた。
「お前は一体何なんだ!?」
「世界最強を自称する、『通りすがりの助っ人』さ」
「「…………」」
そして、兄弟は再び口を開けて凍ってしまった。
「さてと、ここは惑星クロノスの都市セントピア中央の天文館本館『星見の館』だ。基本ここに住んでる奴らはここに入れないんだが、お前達は特別だ」
そして、上昇していた地面が止まり、建物が口を開き、兄弟達を乗せて上昇機は建物の中に入った。
そして上昇機が止まると、そこには色々な機材が準備された部屋が並んでいた。
「じゃあ、女の人達はこいつの指示に従って動いてくれ、動かないやつは担架かなんかで運んでやってくれ」
そうテキパキと指示を出して、一人頭を抱えている男にソティーヤはポンと肩に手を置きなにかを呟いた。
それを聞いた男は、座り込んで頭を抱えた。
「お前はいつもいつも……!俺の身にもなれってんだ!」
「まぁ、それがお前だノウンくん?」
「くそったれぇぇぇぇ!!」
「さて、君達二人には見せたいものがあるから、また別行動だ」
「「………」」
兄弟は固まったままだった。
二人は正直言って、逃げ出そうと考えていた。
これ程の力、技術がある奴には関わらない方がいいと、二人の直感は告げていた。
「俊明……空間に穴開けれるか?」
「やったことないから無理」
「おっと、逃げるって選択肢はないって思っといてくれよな?ロキに行かせたの俺だから」
「「………は?」」
「「言って良かったのですか?」」
兄弟がまたまた固まった時、後ろから凛とした声が聞こえて振り返ると、そこには金色を基調としたの衣装に身を包んだ金髪のオッドアイの美人はおしとやかに、黒と白を基調としたこれまたオッドアイの白髪美人が腕を組んでそこに立っていた。
「オゥ……ゴッド………」
「ほわぁ……」
兄と弟はあまりの美しさに感嘆の息を吐き出した。
「おいおい、俺の嫁達に見惚れるのもいいけど話を聞いてくれよな?」
「「……なんて?」」
「いやだから俺の話を……」
「「その前!」」
兄弟は凄まじい剣幕で若干引くほどの勢いで、ソティーヤに迫った。
「俺の嫁達……って」
「「………達?」」
すると、兄弟達からゴゴゴと言うような雰囲気が漂ってきた。
「にーちゃん……どーする?」
「一発は殴らないとな……」
「お前ら、重婚反対派だな?俺はなぁ!両方幸せに…………!」
「違う!お前が犯したのはそんなチャチな話じゃない!」
「ああ!にーちゃん!」
「「リア充死すべし!慈悲はナーイ!」」
「そっちか~」
ソティーヤは落ち着いたように頷いていると、
「うおおおおおおらああああ!!」
ばしいいいいん!
と、音がして兄の手を掴む白黒の美人が兄の本気の殴りを止めた。
「アンタだから彼女できないのよ」
「………」
「にーちゃーん!!」
美人にそう言われた兄は、ただそれだけで心が折れてしまい、膝から崩れ落ちた。
「にーちゃん!しっかり!」
「ふっ、弟よ……共学高校に行ったが、男クラに放り込まれた男の結末がこれだ……覚えておけ……ガク」
「にーちゃーん!それ、俺もだよ!」
「くくく……さすが我が兄弟……わかってるぅ……」
「にーちゃん!生き返るの早いよ!」
「「「なんだこれ」」」
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