Two Runner

マシュウ

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ウエスタンな異世界

シルヴィ

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「……まぁ、お前らのテンションだもんなぁ……」

「「すいませんでした」」

「いいって、私が怒鳴りすぎた」

「「アザマス」」

 兄弟は二人揃ってロキに頭を下げた。

 それを見た街の人たちは、ロキに目を向けるのだった。

「……やっぱ慣れねぇな……」

「はい?何か言いましたっすか?」

「何でもねぇよ、で、さっきのカマキリもどきから何も出てきてねぇけど……」

「そなんすか?」

 兄ははて、と首を傾げた。

「……このあと予想できんのは、大軍、強強、ボコボコ……」

「にーちゃん、怖いこと言わんとってくれる?」

「お前今の理解できたのか!?」

 兄の謎の発言を引き気味に理解した弟は、ロキに説明した。

「ゴブリンの大軍が待ち受けていて、全員何故かめちゃ強で、ボコボコにされるっていうことや……です」

「……確かに笑えねぇな……」

 ロキはギリギリと歯を鳴らすと、杖をボロボロの服の薄い胸部の谷間から取り出した。

「あれ?これなんや?」

 その頃、兄は少し前で看板に『万屋』と書いた、怪しさ満点の店のようなものを見つけた。

 大きな木をくりぬいて作ったような店だった。

 扉に付いている窓から光が漏れていることから、中に人がいるようだ。

「……」

 兄は吸い寄せられるように近づいて、自分の太ももに思いっきり拳を振り下ろした。

「……一旦ゆってこやなあかんよな」

 兄は扉に手をかける前に引き返した。

「おーい、とっちー?」

「アホ、おっきい声出すな!」

「うっさいわバカ、お前もそこそこ声おっきいぞ?」

「ちっ……で、何や?」

「アレなんやと思う?」

 弟は兄が指した方を見た。

「……家ちゃうん?」

「家に看板でとるか?アホ」

「標識かもしれんやろ!?」

「標識に『何でも屋』って書くやつおるか?おらんやろ?」

「カフェっていう名前かも知らんやろ?」

「そんな訳があるか………ってまさかこれ……」

「ロキさん?」

 ロキは唐突にプルプルと震えて、杖を自分に一振りした。

「お前ら!何でそんな格好……」

「君たち僕の店の前で何やっ………」

 店の扉が開き、中から出てきたのは黒色のワンピースを着た白髪の美少女だった。

「……」

 兄は出てきてこちらを見て固まった少女を見て、固まった。

「……にーちゃん知り合い?」

 弟はコソコソと兄に耳打ちした。

「……あんな可愛い子ぉが知り合いやと思うかぁ?」

「せやな」

「はぁぁぁぁ……」

 兄はため息をつくと、少女をまっすぐ見た。

「ここいらに、ゴブリンか何か魔物の巣ってご存知ないですか?」

「……あ……うぅん……まぁ、中に入りなよ、話すときっと長くなりそうだからね……」

 少女はクルリと踵を返すと、建物の中に入っていった。

「ロキさん?知ってるんすか?あの人……」

「……知ってる何も……がっ!?」

 ロキは唐突に何かに引っ張られるように店の方に飛んで行った。

「ロキさん!」

 それを見た兄は弟に頷いた後、その後に続いて店に駆け込んだ。

「っ!?」

 兄弟たちが駆け込んだ先は、落ち着いた雰囲気のカフェだった。

「いらっしゃい……今日は僕しかいないけど……まぁ、座りなよ」

 そう言って少女はカウンターに僕達を案内した。

 店の中にはピアノが一台、謎の箱?が一つ、そしてカウンターの後ろにある棚には色々なお酒らしきものが入った瓶が見受けられた。

「……そー言えば町の人たちは?」

 弟は振り返ると、その光景に驚いた。

 まるで町の人たちは凍りついたかのように動いていなかった。

「あぁ……大丈夫だよ、ここだけ進めてるから……」

 と、謎のことを言う少女はグラスを三つ取り出すと、そこに黒いシュワシュワした液体を注いだ。

「君たち、これが好きなんでしょ?」

 そして、目の前に置かれたグラスに入った物に妙な既視感を覚えながら兄弟たちは中の液体を飲んだ。

「………っっっ!!」

「コーラやないか!」

「何でや?」

 兄は少女に目を向けようと顔を上げると、少女の顔が目の前にあった。

 少女は頬杖をつき、目を煌々と白く輝かせながら喋り始めた。

「……成る程……大体わかったよ……じゃあ僕も適切な対応をしないとね……まずは僕の自己紹介からだね、僕はシルヴィ、魔女のシルヴィさ」

 魔女を名乗った少女シルヴィはそう言って兄弟たちに、見た目に反して妖艶に笑いかけるのだった。

「……俺はフジワラ ヨイチと言います、こっちが弟のフジワラ トシアキです」

「……ども……」

「……ロキ……です……」

 ロキはなぜかとてもソワソワしていた。

 兄ヨイチは怪しく思いながらも、それ以上考えるのはやめた。

「うん……ありがとう、さて、じゃあ僕がここで対応するべきことは、君達の旅のサポートだね」

 シルヴィはそう言って、彼女の後ろの棚を押すと壁をひっくり返し、そこに黒板を出した。

「まず、はじめに謝罪しないといけないのは、これは元々君達の世界の人達にも異世界がある事を知ってもらう為の企画ってこと」

「は?」

 兄は初めて聞く情報に戸惑った。

「ふふ、まぁ、話を最後まで聞いてね?、で、その際に折角だから以前のゴタゴタでいろんな世界、時代に飛び散った『神様の落し物』を探してもらおうと思ってね?だって君達は好きでしょ?そー言うの?」

「………」

「ほら、例えば山の奥深くに人がまだ立ち入ってない洞窟の中にある宝物とかさ、王国の宝物庫に紛れ込んだ神器とかさ、そー言うのをさ、冒険して、戦って、守って、人と交流して、買って、恋して、愛し合って!!協力し合って!あぁ、考えるだけでもゾクゾクしない!?」

 バンとカウンターを叩いて、少女は目をキラキラと輝かせた。

 兄は今の今まで内心、二次元級の美人美少女ならどんなキャラでも大丈夫と言う考えが、ひっくり返った瞬間だった。

「あぁ!恋が実り、愛に変わって、愛が人と人を結びつける!!たまらないなぁ……そう思わない?」

「「「………」」」

 三人は苦くなったコーラをチビチビと話を聞きながら、飲んでいた。

「……おっと、話がずれたね、脱線したね、ごめんね、さてと、この事について間違いはあるかな?……ロキちゃん?」
 
 色々な意味が含まれたであろう間をおいて、シルヴィはロキに笑いかけた。

「ねぇ……ないです……」

「……という事です、はいここで質問は?」

「……異世界があることを知ってもらってどうしたいんですか?」

 兄は手を上げておそろおそる聞き出した。

「んー……多分だけど……『表より裏からの操作』?をしたいんだと思うよ?」

「誰が?」

「………」

 シルヴィはゾッとするような、それでいてとても妖艶な笑みを浮かべ、

「それは自分で考えて?」

 と、バッサリと切り捨てた。

 兄はこれ以上は踏み込めないと、ここで質問を終えた。

「……じゃあ続けるね?そこで君達は今前いた世界とは違うでしょ?筋力とか、知識とか、全部前よりできるようになってるんじゃない?」

 兄弟たち二人は頷いた。

「だよね、だって例え無作為に選ばれた人だから、特殊な技能を持った人が選ばれるとは限らないからね、旅行の前に準備が必要な様に、君達は選んだよね?この世界に持ってく能力を、そして、それはその世界で必要最低限な旅行のスキルなんだよ、だから正直君達が今やろうとしていることは、自殺行為ってわけなんだよ」

 シルヴィはツラツラとそれを述べると、

「さて、前置きが長くなったね、ここからが本題だよ、その世界の人達を助けようと思っている善良なそこの君、僕と契約して……」

 その瞬間、兄弟たちに鳥肌がたった。

 凄まじい悪寒を感じたと言ってもいい。

 その後に続く言葉がどれほどの惨劇を繰り出すかを、彼らは知っていたからである。

 だが、彼らは怖かった、話を遮れば殺されると、そんなことはないとわかっていても、どこかで感じていた。

「僕と契約して、一時的な武器の貸し出し……もしくは買取をお勧めするよ」

「………ふぅー……」

「…………」

 弟は肺に残っていた空気を吐き出すと、安心した様に兄を見たが、兄の顔はまだ緊張していた。

「……ふふふ、そんな緊張しなくてもいいよ……ごめんね、最初にちょっとふざけ過ぎちゃったからね、さて、これから先見せるるのは、とても面白いものだよ?」

 そう言って、棚にあった引き出しからフォークを取り出して、それを壁の穴に差し込んでガチャリと回した。

 すると、壁がクルリと回って、そこに大量の武器防具が展示されていた。

「どれもお勧めだよ」

 クスリと笑って椅子に座ったシルヴィを横目で見ながら兄はそれぞれ見ていった。

 槍、剣、ムチ、銃、短剣、刀、弓、ブーラン、ハンマー、大剣、斧、琴、レイピア、などなど例を挙げればきりがなかったが、それでも兄は一つ気になるものがあった。

「その箱みたいなのは何ですか?」

「ふふ、敬語はいいよ、アレね、使ってみるかい?」

 そう言ってシルヴィは大きな黒いメタリックな箱を壁から取り外して兄の前にドンと置いた。

「ふふ、使い方は触ればわかるよ……」

 そう言って、シルヴィはどうやってからその箱を起動させたらしく、箱が少し脈打ち始めた。

「………」

 兄は恐る恐る手を伸ばして箱に触れた。

 その瞬間、箱がチリになって兄の体を脈打ちながら覆った。

「にーちゃん!!」

 弟が悲鳴をあげて、椅子から転げ落ちた。

「あっはっはっはっはっ!そんな声を出さなくても大丈夫だよ!」

 シルヴィはお腹を抑えて、兄を指差した。

 脈が既に落ち着いていて、兄の体を黒い鎧が覆っていた。

「こっちにストレッチルームがあるから、そこで動いてみなよ」

 シルヴィなら案内されて兄は白い部屋に連れられた。

「……よし」

 兄は両手を胸の前でクロスさせ、思いっきりワクワクした顔をしながらこう言った。

「変身……」

「あー、にーちゃんいつも『エヴォリューション』!っていってたもんなー」

 弟は呆れ半分関心半分で兄に起こった変化を見た。

 だが、予想に反してアーマーを着た兄の後ろに六本の機械の触手がついてることに気がついた。

「えぇ……」

 これをみたシルヴィも驚いていた。

「触手が六本て……」

「どうかしたんですか?」

「本当はそれアシストAI入ってないと動かせないんだよね……君それ自由に動かせる?」

 兄はウィンウィンと触手を細かく正確に動かしながら、

「特に何にも」

 と答えた。

「うーん……ちょっと見せてね?」

 シルヴィはそういって先ほどと同じ様に、目を白く光らせた。

「なるほどねぇ……どうりでねぇ」

 シルヴィは一人納得した様に頷いた後、

「人ってね、魂の集合体なんだよ」

 と、唐突に話し始めた。

「人は死ぬとね、あの世に行って魂がバラバラになるの、そして新しい人が生まれる時、バラバラだった魂たちが別の魂の破片とくっつきあって生まれるの、そしてね、人には魂の鍵があるんだよ、前世の魂たちが残した功績、偉業、災悪、悪事、それぞれに見合った能力がその鍵を開けると開花するんだ、そして君の場合、全部鍵がかかっているのは勿論なんだけど……まだあるんだよねぇ、何かは分からないけど」

 と、一人熱心にしゃべるシルヴィだったが、兄はそれを聞き流しながら、鎧を様々な形に変形させていた。

 それは翼、それは大剣、それはハンマー、籠手、槍、などなど、兄は危なっかしくではあるがそれを使えていた。

「おぉ、おもろいなぁこれぇ」

「ちょっとにーちゃん!俺にも貸して!」

「おーえーよー」

 兄は右の掌を上に出してそこに先ほどと同じ様に箱を作った。

「やってみぃや」

 兄はニヤニヤしながら弟にそれを放り投げた。

「ちょっ!にーちゃんバーカ!」

「バカ言うなし」

 弟は横目でそれを見つつも、箱にじっと目線を集中させた。

「…………」

 しかし、何も起こらなかった。

「あれ?にーちゃん壊した?」

「すぐに兄のせいにするのはやめたほうがいいと思われるよ?トシくん」

「うっざ」

 兄は超低音ボイスで弟を煽った。

「多分使えないのは、ただ単に君に集中力がないだけだと思うなー」

 そして、最後にシルヴィからのダメ出しをくらって、弟は完全に拗ねた。

「もうええわ、もっとこれより強いやつないん?」

「あるよ」

「マジか」

「はっ!ほらなちゃんと話を最後まで聞かへんからやで?」

 弟は兄はチョイチョイと煽ると、シルヴィに、

「で、それってどれ?」

 と聞いた。

「ふふふ、これだね」

 シルヴィは胸の谷間から懐中時計を出して。

「はいこれ」
 
 コトンと弟の前に置いた。

「…………!!!!!」

 弟は完全に固まった。

「……他にないんすか?」

「……もうちょっと遊んでたかったんだけどね?」

 シルヴィは悪戯っぽく兄に笑いかけた。

「にしても優しいお兄ちゃんだね?こんな風に固まってる君を助けてくれるなんてね?」

「………」

 弟は兄を非常に複雑な表情で見ていた。

「あはははは!」

 シルヴィは漫画の様な笑い声を腹を抱えながら上げた。

「ふふふ、いやーこの瞬間こそ生きてるって感じがするよね?」

 シルヴィは目元に浮かんだ涙を指で拭いて、弟に運動靴を差し出した。

「これは色々な仕掛けがあってね?まぁ、使ってみなよ」

 弟はそれを無言で受け取ると、今履いている方と履き替えて、トントンと軽く飛んだ。

「……変わった気ぃしぃへんなぁ」

「走ってみなよ?」

 弟は部屋の中を走ろうと構えて次の瞬間、兄の視界から弟が消えた。

「!?」

「はっや!?」

 気がつくと弟は兄の後ろに立って、物凄くはしゃいでいた。

「にーちゃん今の見えへんかったんー?プークスクス!カッスー!」

「よし、ここでケリをつけたるわ、スタートユアエンジン!」

「まぁ、気が済んだら声かけてねー」

 シルヴィはそう言うと、部屋の外に出て部屋についている窓からロキと一緒に何か話しながら、中を見ていた。

「……」

 兄はそれを横目で見ると、腕を胸の前でクロスさせた。

「……変身!!」

 そしてバッと腕を前に出した。

「完全無欠のスーパーエヴォリューション!!」

 すると、先ほどの黒い箱が波打って兄の体を覆った。

「……やっぱおれもそっちがええ!」

「はっ!俺を倒してから言うんやな!」

「……泣くなよ?負けて泣くなよ?」

「あ?泣くのは貴様じゃあほんだら」

 そして、弟は兄に向かって両手をポケットに突っ込んで見せた。

「じゃあ行くで……」

「来いよ、にーちゃんに貴様の力を見せてみろよ」

「ヨーイドン」

 そして次の瞬間、空気が爆発する音と、凄まじい金属音が響き渡った。

 そして、部屋の中には兄に向かって一直線に延びる二本の炎の線と、兄に触手で手を掴まれて動けなくなっている弟がいた。

「……やっぱにーちゃんのそれがええなぁ!」

「アホか、俺全く見えてへんかったぞ?」

「じゃあ何で俺止めれてん!」

「お前がアホ正直に真正面から突っ込んでくるからやろ!?」

「それでも反応時間とか……」

「お前がヨーイドンする前に準備しとったわ」

「セコッ!」

「お前なぁ……わかったわええよ、もっかいやろか」

「当たり前や!」

 兄は頭をバリバリ掻きながら、弟を離した。

 弟は兄の腕が離れたかと思うと、目にも留まらぬ速さで兄の顔めがけて足を振り抜いた。

 兄はその場で一回転して地面に倒れこんだ。

「おまえぇ……」

「俺の勝ちー!」

「ほざくなよ……うっぷす、無理はく……ちょっと横ならせて」

 兄はそのまま横になってしまった。

「……なぁ、にーちゃん」

「なんや」

「……何で俺ら選ばれたんかなぁ……」

「さぁ?そんなめんどくさいこと考えらんやったら、お前の魔法で俺を回復してくれへん?」

「真面目に答えろよ」

「……めんどくさいのはホンマやし、わからんのもホンマ、ただ旅行やって言ってんのに、何でその世界の悪いとこ見せられやなあかんなやろ、とは思っとる」

「ふぅん……」

「リアクションカスかよ……で、とっとと直してくれませんかね?」

「えーよー」

「めんどいやっちゃなぁ、お前も」

 弟は兄を一度踏みつけてから、魔法をかけた。

「……治んのはっやいなぁ……じゃあいきまっか」

「あいよ」

 兄弟は立ち上がると、部屋から出た。

「弟くんそれで良いの?」

「うっす……あざいました」

「はい、大丈夫みたいって言ってるから俺らももう行きますわ」

「うん、また会うことになるかもだけど、異世界旅行楽しんでね!」

「えっ?」

 兄が振り返ると、そこにはもう店はなく、そこにはただの大木しかなかった。

「……」

 兄は無言で触手を展開すると、地面に触手をついて地面から持ち上がった。

「……」

 そして、静かに下ろすと、伸びをして、

「ロキさん、どーゆー事か説明してくれますか?」

 と、言ってロキの方を見てそう言った。

「……言ったら殺される……」

 強気な言葉遣いのロキがこう言ってるのだ。

 兄は頭をバリバリと掻いて、息を少し吐き出した。

「……っし、じゃあ続き行きまっか!」

 そう言って触手を引っ込めて、服の下に黒いアーマーを隠した。

「あーあー、いーなー」

「うっさいわぼけ」

 兄弟はそんな軽口を叩き会いながら、いつのまにか動き出していた町の人たちのところへと戻っていった。

「……ソウヤ……テメェは本当に恐ろしい人間だけな……」

 そう言ってロキは一人弱々しく笑うのだった。
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