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ジェイの幼馴染

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「ユースケ様、僕を連れて何するんですか?」

 ジェイが俺を見上げて聞いてくる。

「お前、ここ出身だろ?」

「何百年も前ですけど……」

「名のある鍛冶士を知らないか?」

「名のある鍛冶士ですか……うーん、あの時期で今生きてるのは…………バッドル爺は駄目だろうなあ。アースラとシゼール坊なら……二人ほど心当たりがあります」

「何何?面白そうだからあたしも付いていくわ」

 俺はヴァイオレットと一緒にジェイに付いていった。
 ドワーフの街は大通りは整っているが、一旦路地に入ると俺のダンジョン並みの迷路になっていて地元のドワーフじゃないと迷ってしまうな。

 この街は洞窟を掘って街にしているらしい。
 新たに掘る時に作った道が重なり合った結果、このようなごちゃごちゃしたような作りになってるらしい。ドワーフに計画性って無いのか?
 ジェイも知らない道が増えてて迷ってる。

「…………あ、イティ、久しぶり」

「ジェイ⁉あなたがどうしてここにいるの!」

 どうやら昔の知り合いを見つけたらしい。
 人間だと三十代くらいの女性だ。ジェイが十歳くらいの見た目でその頃にダンジョンマスターになったのだから友人だろうか?

「ユースケ様、彼女はイティ。僕の幼馴染です」

 イティの反応を見る限り、彼女はジェイがダンジョンマスターであることを知ってるらしい。
 相当驚いてたからな。

「イティ、この人はユースケ様。僕の主だよ」

 ジェイはイティに俺の紹介をしたが、先程の商人たちみたいに俺を褒め称えるだけなので恥ずかしかった。
 イティも呆れた顔をしている。

 旅の目的を話したところでジェイはやっと話し終えた。

「スライムダンジョンねぇ。そういえば冒険者ギルドでダンジョンマスターが国を作ったって張り紙があったわね。数日後には建国式をするとも書いてあったわ」

 建国式か。その日くらいは戻って見物してみるか。
 遠くならそこまで殺意もわかないだろう。
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