異世界メールフレンド〜女騎士とメールしていたら帰れなくなりました〜

竹野こきのこ

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異世界転移編

過去の英雄

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エリカは回りを見渡す。

「なかなか厳しい状況だな……」

相手はフェレスを入れると6人。
なんとしてもフェレスを回復させる訳にはいかない。

「ねぇアスタロト、目的はこの女の子?」
「リリスはフェレスの話を聞いてなかったのか?」

「まさかフェレスちゃんがこんなに早くやられるとは思って無かったしー」

「実力を見誤るのは、フェレスの悪い癖だ。頭は回るが戦闘には向いてないからな。まぁ、とりあえずリリスは赤翼を、俺は熱血ボーイを片付けるから、ゾーハルとロノウェはその間にさらえ!」

アスタロトがそう言うと、銀ピカのフルメイルを纏う騎士が大剣を持って現れた。

フルメイルは仮面を上げると、

バーレンハイム准将……。

「ほう、魔族というのは歳をとらん。羨ましい限りだのう……」

「あれ?バーレンハイムのおっさん、ジジイになってんじゃねーか?」

閣下とアスタロトは面識があるのか?

「この老体でも、まだまだ貴様如きには負けんよ……ランツェルよ、私が変わろう……」

「ゾーハル、あの爺さんには気をつけた方がいい」
「やだねぇ、そんなにヤバいのかい?」

「ああ、精霊の禁忌の際、3人の同胞を倒し、メフィストフェレスをあのように分断した男だ」

「本当かい? ロノウェ、それじゃあの爺さんが英雄バーレンハイムなのかい?」

ロノウェは、頷いた。

「エリカ・ヴァレンシュタイン、そちらは任せたぞ」

閣下はそういうと左手で剣を構える。
「バーレンハイム、その腕で戦えるのか?」
「無論、魔族のいいようにはさせん」

アスタロトは杖の様な武器を構え閣下に向かう。

ズバン!

大剣が振り下ろされ、アスタロトの服を、かすめる。

「いきなり、魔石を斬る気かよ……」

その瞬間に閣下の右腕が宙を舞った。

「アスタロトの奴斬っていたのか?」
「いや、残念ながらそうじゃねぇ、奴は元々隻腕。ぶら下がっているのが速さについて来れなかっただけだ」

義手が取れるほどの剣速。
見た感じ取れたというか、邪魔だから取るために動いただけの様にも見えた。

「ランツェル、閣下は何属性なんだ?」
「し、知らないです。そもそも戦うのを見たのはこれが初めてで……もちろん英雄と呼ばれ、総帥だったのは知ってましたが、まさかこれほどとは……」

「魔族ならさっきエリカが倒していたじゃないか?」
「修平さん、わからないんですか? アスタロトはフェレスとは比べ物にならない強さですよ!」

閣下は剣を振ると、
「フェレス、ふむ、そうか……あの時の魔族が、しぶとく生き残っていたか……」

「フェレスとメフィスを分けたのもお前だったな……」

「過去の話だ」

閣下はそう言って剣を構えた。

緊迫した空気の中、リリスというしゃもじ女と、エリカは戦い、彼女は隙を伺っている。

「ねーえ? 赤翼の騎士だっけ? 攻撃してこないのー?」

リリスはしゃもじの様な武器をブンブン回しながらエリカを挑発する。

エリカは剣先を向けたまま、動かない。
リリスは痺れを切らしたのか、エリカに向かって動き出した。

剣としゃもじが当たる度、エリカは下がる。
それだけ威力が強いのか?

次の瞬間エリカは剣先を逸らされた後、柄の部分で脇腹を打たれ吹き飛んだ。

「エリカ!」
「修平さん、動いてはダメです。大丈夫、少佐はあれくらいではやられません」

そうは言ったものの、かなりダメージを受けている様子だ。

「大丈夫……アドリが回復させるよ」

そう言ってアドリは精霊をエリカに飛ばした。

「……」
閣下は、少しエリカの様子を伺うと、
「あまりのんびりはしておれん様だな」

そういうと、剣閃が、アスタロトに伸び、アスタロトの腕を跳ね飛ばした。

「ぐあぁぁっ!」
アスタロトの叫び声が響いた。

「気にしておる様だからのう、お揃いにして置いてやったぞ」

あれで隻腕老体なのかよ。
マジで化け物じゃねーか……閣下なら勝てる……。

「アスタロト、大丈夫か!?」
ゾーハルとロノウェはアスタロトの元に向かう。

「あのジジイ……奴にはこのままでは、正直勝てんな……ゾーハル、ロノウェ、耳を貸せ……」

アスタロトは何やら2人に耳打ちすると、二人は驚いた表情になる。

「だが、それじゃ、お前……」
「仕方ない、勝てる見込みはそれしかない、イフル様の命令は絶対だ……」

「何か企んでいるのか?」

「バーレンハイム、残念だがお前には勝てそうも無い……サヨナラの時間だ」
そうアスタロトが言うと赤く光を纏う。

「アスタロト貴様……」

「ハハハ、
俺は中流魔族だ、アスモデウスの様な自爆技は無い。だがな……忘れてないか? 全盛期のお前と互角だった奴を……」

アスタロトの光は、フェレスに向かいロノウェがメフィスをフェレスの元に運んでいた。

「アスタロトは唯一、魔石を治す技が有る。己と引き換えだから使えない技……だったのだが」

光が収まると、フェレスが立っている。

ん? だが、フェレスが復活しただけじゃ無いのか?
頬に二つの星の様なマークがついた以外は何も変わった様子はない。

「いやいや、お久しぶりですバーレンハイム、久しぶりにしっかり動けそうです」

復活した、フェレスは丁寧にお辞儀をする。

「メフィストフェレス……今更貴様が一人復活した所で、変わりはしない」

「ふむ……」
メフィストフェレスは、小さな石を拾い頬を少し掻くと、石を弾いた。

石はアドリの頭に直撃し、アドリは気を失った。
「おやおや、意外と硬い……」

「くっ……気づいていたか」
「あの精霊が少し目障りなので退場して頂こうかなと」

「アドリちゃん! アドリちゃん!」
「ランツェル! なんで、お前が居ながら……」

「すまない……だが、回復を!」

ランツェルを責めるのは間違っているのは分かっている。だけど、やり場のない感情に俺はランツェルを責めた。

ランツェルは必死にアドリを回復させようと回復魔法を当てる。

閣下はその間にもメフィストフェレスに剣閃を振るった。

「バーレンハイム、以前より衰えが酷いのではないですか?」

メフィストフェレスは閣下の攻撃を捕らえる様に受け流す。

「リリス、ゾーハル、ロノウェ、貴方方は何をしにきたのですか? とっとと今のうちに仕事をしなさい!」

メフィストフェレスは攻撃を受けながら指示を出した。

リリスは回復したエリカに。
ゾーハルとロノウェは俺たちの前に立ち塞がった。

「ランツェル……アドリを頼む……」

俺はそう言って、スマホとナイフを持ち前にでた。
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