異世界メールフレンド〜女騎士とメールしていたら帰れなくなりました〜

竹野こきのこ

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異世界転移編

戦いの意味

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相手は魔族2人。
それも戦いのエキスパートが束になっても敵わない様な相手だ。

手元で簡単な魔法は出せる様にしているがどの程度通じるかすらわからない。

「修平さん!死にに行くようなもんです!」
ランツェルはアドリを抱え俺に言った。

「ランツェルさん、魔族は見る限り"普通に強い"じゃ勝てない。まだ俺の方が可能性は有ると思うんだ……」

ロノウェは俺の前に立つと言う。
「イフル様の意思があるから殺されないと思っているのか?」

「違うか?」

「その読みは間違いでは無い。だが、目的はお前さえ拐えば済む話。お前が大人しく来るなら他の奴には手出ししないと言ったらどうする?」

確かにこの状況。俺さえ行けばエリカやアドリだけじゃなく全員助かるのか……?

そう考えを巡らす。
だが、メフィストフェレスは言った。
「ロノウェさん。それは交渉では無く愚策という物。どちらにせよわたくし達は目的は果たせるのですよ?」

メフィストフェレスはそう言って閣下を蹴り飛ばした。

「40年……バーレンハイムがわたくしから奪った時間です」

「ぐふぁっ、、」
閣下は吐血し、膝をつく。
メフィストフェレスはそこまで強いのか。

その瞬間、エリカからメッセージが届く。

"約束は守れ"

約束? 俺が狙いだと言うなということか?
何で今……俺はただ、エリカやアドリと平和に過ごしていたいだけなのに。

何でこんな奴らに邪魔されないと行けないんだ?
アドリにまで怪我させてまで。

色々な事を考えれは考えるだけ俺は胸の奥からどんどん怒りが込み上げてくる。
ふざけんなよ……。

「水玉よ、我が前に立ち塞がりし者をとらえよ」

すまを使い魔法を放つ。
「こんな物が通じると思っているのか?」

俺はそのままナイフを突きつける。
だがナイフは空を斬る。

ロノウェの反撃が俺に向かおうとすると、

"来た!"

また、この感覚。世界がスローモーションに見え、一気に身体が重くなる。

俺はロノウェの胸に肘を突き立てた。

バリッ……。

魔石を砕く音が響きそれに合わせるように身体にヒビが入り砕けて行く。

だが、あれ?
まだスローモーションは続いているはずなのに、メフィストフェレスが俺の前に現れ、服を掴む。

だが、閣下の大剣がメフィストフェレスの腹を串刺す。だがメフィストフェレスは振り向き様に閣下の頭に拳を当てると、銀色の鎧は地面に落ちた。

その瞬間、俺は何が起きたのか分からず、メフィストフェレスの足の間落ちた鎧を見ると、頭の無い死体が地に伏せているだけだった。

え……閣下……?

嘘だろ?

そのままメフィストフェレスは膝をつく。俺は胸ぐらを掴み思いっきり殴った。

「返せ、返せよ」
意識を失いかけのメフィストフェレスを何発も殴る。硬いはずなのにまるでゴムの塊でも殴っているかのような感触は痛みとして刻まれて行くのが分かる。

「ああぁぁ……」
エリカの信頼している大切な人を、俺は奪ってしまった。

「なんか言えよ? 長年の恨みが晴らせたか? 晴らせたのかっつってんだよ?」

俺の肩を叩くのが分かる。
振り向くとエリカが立っていた。

「修平もうやめろ……メフィストフェレスは死んでいる……」

俺はエリカの顔を見れなかった。
「エリカ……ごめん……」

エリカは、俺の肩を抱き耳元で言った。
「修平が悪い訳じゃ無い。これが戦争だ」

声色一つ変えないエリカは、今までいったいどれだけの経験をしてきたのだろうか?
表情を変えずに立つエリカは、強いようなでもどこか今にも崩れてしまいそうにも感じる。

だが、俺たちの敵はまだいる。
リリスとゾーハル。だがリリスはエリカとの戦いで満身創痍の状態。だが、ゾーハルは無傷。

すると、ゾーハルは言った。
「これは、私たちの負けだねぇ……」

そう言ったゾーハルにもまた、何処か深い悲しみを感じ、俺は聞いた。

「あのさ、ゾーハル……」
「なんだい? そのまま帰してはくれないのかい?」

「いや、何で俺たちは戦わなくてはならなかったんだ?」
「おや? 難しい事を聞くんだねぇ?」

「戦いは、悲しみしか生まれない。それでもなぜ? 戦わなくてはならないのかと」

ゾーハルは、ため息をつくように言う。
「私らが何もかも違うからじゃないかい? 悲しみしか生まないと思うのはあんたの価値観であって押しつけるものじゃないよ」

「俺の価値観?」
「そうさぁ、普段自由な私らにはイフル様の恩恵で寿命がない。そんな中1000年に一度位しか言わないわがままくらい無理にでも叶えてやりたいとは思わないかい?」

「……」

「なんでもあんたの視線で考えるんじゃ無いよ」

そしたら、こいつらはただそれだけでここまで命をかけて戦っていたのか? いや、それだけというのは俺が分かっていないだけなのだろう。

魔王イフル……一体どんな奴なのだろうか?

「ゾーハル、魔族はお前たち2人以外にもいるのか?」
「上級、中級の魔族はもう私等ふたりだけさね、あと残っているのは下級魔族だけさ」

「そうか……」

俺はエリカの方を向き言った。
「すまないエリカ……今、いうタイミングじゃないのかも知れないけど、魔王イフルに会って来ようと思う」

エリカと、ゾーハルは驚いた様な顔をする。

エリカの気持ちを考えていないのかも知れない。
それこそ何のために戦ったのか分からなくなるかも知れない。だけど、俺はゾーハルの話をきいて魔王イフルが悪い奴だとは思えなかった。
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