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第7章:時の残響(レゾナンス・オブ・ゼロ)
第30話:26時の朝(前篇)
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朝の光がアークライン・タワーを照らしていた。
街のざわめきはゆっくりと戻り、
昨夜まで“止まっていた”ことなど忘れたように車の音が流れ始めている。
――それでも、確かに世界は変わっていた。
細かなところから、静かに。
・壊れたはずの街路に、新しく草が萌えている
・昨日まで閉ざされていた空の湿度が、今日は少し暖かい
・空気中の“時間粒子”が、まるで春の雪のように舞っている
高梨誠は、その光景をカメラ越しに見つめていた。
「……何だよ、これ。
こんなの、ニュースなんかじゃ収まりきらないだろ。」
カメラを構える手がかすかに震えている。
昨夜、悠と一緒に塔へ入ったとき――
「6秒間だけ映像が“途切れた”」
あの違和感が、ずっと胸の奥に刺さっていた。
だが今、彼の目の前には
“止まっていた時間が動き出した後の世界”が広がっている。
高梨は溜息を吐き、ポケットから端末を取り出した。
「……悠、どこ行ったんだよ。」
実験棟の廃墟にも、塔の最上階にも、どこにもいない。
まるで“6秒間の断絶”と共に
悠だけが別の層へ歩き出したかのようだ。
そのとき――
風が吹いた。
ビルの隙間を抜け、舗道に散らばる光粒を舞い上げる。
その光は、高梨のカメラに向けてふわりと寄ってきた。
「お、おい……レンズに寄るな、映る……!」
だが次の瞬間、その光粒は ひとつの文字列 を形づくった。
【RECON-26:現実観測ログ/開示対象:高梨誠】
高梨は一歩後ずさった。
「は……? 俺?
なんで俺が対象なんだよ。」
光粒は、穏やかに脈動しながら続ける。
【観測継承者:未確定】
【補助観測者として登録されました】
「……補助、観測者?」
高梨は震える息を吐いた。
あの日、悠についていくと決めたのは、単なる好奇心だった。
オカルト動画のネタが欲しかっただけだ。
だが――
今、世界に“新しい時間の縫い目”が生まれようとしている。
そして誰よりも先に、その変化を感じ取っているのは、他でもない彼自身だった。
「悠……お前……どこに行ったんだよ。」
高梨の声に応えるように、光がふっと流れた。
塔の最上階――“25階の影”があったはずの場所へ。
まるでそこに、まだ“誰か”がいるかのように。
高梨は息を飲み、カメラを握りしめた。
「……行くしかねえか。
俺の目で、最後まで“観測”してやるよ。」
彼はゆっくりと塔へ向かって歩き出す。
朝の光が、その背中を静かに照らした。
街のざわめきはゆっくりと戻り、
昨夜まで“止まっていた”ことなど忘れたように車の音が流れ始めている。
――それでも、確かに世界は変わっていた。
細かなところから、静かに。
・壊れたはずの街路に、新しく草が萌えている
・昨日まで閉ざされていた空の湿度が、今日は少し暖かい
・空気中の“時間粒子”が、まるで春の雪のように舞っている
高梨誠は、その光景をカメラ越しに見つめていた。
「……何だよ、これ。
こんなの、ニュースなんかじゃ収まりきらないだろ。」
カメラを構える手がかすかに震えている。
昨夜、悠と一緒に塔へ入ったとき――
「6秒間だけ映像が“途切れた”」
あの違和感が、ずっと胸の奥に刺さっていた。
だが今、彼の目の前には
“止まっていた時間が動き出した後の世界”が広がっている。
高梨は溜息を吐き、ポケットから端末を取り出した。
「……悠、どこ行ったんだよ。」
実験棟の廃墟にも、塔の最上階にも、どこにもいない。
まるで“6秒間の断絶”と共に
悠だけが別の層へ歩き出したかのようだ。
そのとき――
風が吹いた。
ビルの隙間を抜け、舗道に散らばる光粒を舞い上げる。
その光は、高梨のカメラに向けてふわりと寄ってきた。
「お、おい……レンズに寄るな、映る……!」
だが次の瞬間、その光粒は ひとつの文字列 を形づくった。
【RECON-26:現実観測ログ/開示対象:高梨誠】
高梨は一歩後ずさった。
「は……? 俺?
なんで俺が対象なんだよ。」
光粒は、穏やかに脈動しながら続ける。
【観測継承者:未確定】
【補助観測者として登録されました】
「……補助、観測者?」
高梨は震える息を吐いた。
あの日、悠についていくと決めたのは、単なる好奇心だった。
オカルト動画のネタが欲しかっただけだ。
だが――
今、世界に“新しい時間の縫い目”が生まれようとしている。
そして誰よりも先に、その変化を感じ取っているのは、他でもない彼自身だった。
「悠……お前……どこに行ったんだよ。」
高梨の声に応えるように、光がふっと流れた。
塔の最上階――“25階の影”があったはずの場所へ。
まるでそこに、まだ“誰か”がいるかのように。
高梨は息を飲み、カメラを握りしめた。
「……行くしかねえか。
俺の目で、最後まで“観測”してやるよ。」
彼はゆっくりと塔へ向かって歩き出す。
朝の光が、その背中を静かに照らした。
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